JPH0322215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、糸巻取機における不良糸の巻取防
止装置に関する。

〔従来の技術〕

紡績機などにおいて、スライバの一部がドラフ
トローラに巻付いたり、或は、スライバが終端に
近づいた時など、スライバは徐々に細くなること
があり、このスライバより製造される糸は徐々に
細くなり、ついには切れてしまう。このような現
象は発生頻度が比較的少ないため、従来の糸巻取
機には、この現象に対処するための装置は設置さ
れず、オペレーターが手作業で処理していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

紡績装置により紡糸され、パツケージに巻取ら
れる糸が、所定の太さよりも細いと糸切れが生じ
てしまう。このような場合、従来はオペレータが
パツケージに巻取られた糸のうち、細い部分の
糸、即ち、不良糸をパツケージから巻き戻して取
り除いていたが、オペレータが目視によつて不良
糸を取り除く場合、正確に不良糸か否かを検出す
ることには無理があるため、パツケージに不良糸
が巻き取られたまま残つてしまうことがあつた。

本考案は、パツケージに不良糸が巻取られるこ
とを防止した装置の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

クレードルアーム等の支持部材によりパツケー
ジを回転自在に支持し、紡糸ユニツト等の糸供給
源から供給された糸をパツケージに巻取る巻取ユ
ニツトを複数基、機台に列設し、この機台に、糸
供給側の糸端を吸引する供給糸側糸端サクシヨン
アームと、パツケージ側の糸端を吸引するパツケ
ージ糸端サクシヨンアームとを、各々揺動自在に
設けた糸継台車を、前記巻取ユニツトに添つて走
行自在に設けた糸巻取機において、糸継ぎのため
にパツケージに巻き取られた糸の切断端部をサク
シヨンアームで吸収し、糸を引き上げながらパツ
ケージから糸を巻き戻した、その糸の太さを検出
できる糸継台車上の任意の位置に、設定の太さに
満たない不良糸を検出するセンサを設け、パツケ
ージから巻き戻した糸が不良糸であれば、センサ
が検知し、このセンサの近傍に、カツタ等の糸切
断機構を設けたものにあつては、不良糸を切断
し、パツケージ糸端サクシヨンアームを再び揺動
させてパツケージから糸を巻き戻し、不良糸であ
れば、上記の操作を繰り返し行なうことによつ
て、パツケージに巻取られた不良糸を取り除くよ
うに構成した。

〔作用〕

複数基の巻取ユニツトのなかに、糸切れが生じ
ると、その巻取ユニツトの位置に糸継台車が走行
して位置し、糸供給側サクシヨンアームとパツケ
ージ糸端サクシヨンアームがそれぞれ揺動し、そ
れぞれの糸端を吸引して、両アームは原位置に復
帰する。そこで、パツケージ糸端サクシヨンアー
ムによつてパツケージから巻き戻された糸の太さ
をセンサが検出し、糸の太さが設定値のものであ
れば、従来装置と同じく、ノツタにより糸継ぎを
行なう。糸の太さが設定値より細い不良糸であれ
ば、これをセンサが検知し、ノツタによる糸継ぎ
を停止するための信号を発すると共に、発光等に
よりオペレータに報知するとか、不良糸を切断し
て、サクシヨンアームによるパツケージの糸の巻
き戻しを繰り返すといつた動作指令を発して、不
良糸をパツケージから取り除き、パツケージに不
良糸が残るのを防止する。

〔実施例〕

本考案装置の実施の一例を図面と共に次に説明
する。

巻取ユニツト１を複数基、機台２の長さ方向に
並列し、この機台２に、前記巻取ユニツト１に添
つて走行する糸継台車３を設けて糸巻取装置４を
構成する。巻取ユニツト１は、クレードルアーム
５と、このアーム５によつて回転自在に支持され
るパツケージ６、それに該パツケージ６を当接さ
せてパツケージに回転力を与えるフリクシヨンロ
ーラ７よりなり、パツケージ６を形成する糸８
は、機台２の上位に設けた紡糸ユニツト９、図示
しない自動ワインダー等の糸供給源から供給さ
れ、この糸は、ローラ１０、糸貯溜装置１１、ス
ラブキヤツチ１２を経て供給される。この巻取ユ
ニツト１と紡糸ユニツト９、及び、糸の供給経路
の各構造も、従来装置とかわるところはない。

糸継台車３には、紡糸ユニツト９側の糸端を吸
引する紡糸側糸端サクシヨンアーム１３と、パツ
ケージ６側の糸端を吸引するパツケージ糸端サク
シヨンアーム１４とを、それぞれ揺動自在に軸支
してあり、また、該両アーム１３，１４によつて
導かれた糸を継ぐノツタ１５が設けてあるところ
は、従来の糸継台車とかわるところはない。この
糸継台車３の、パツケージ糸端サクシヨンアーム
１４が糸継のために揺動し、該アーム１４によつ
て引き上げ、パツケージ６から巻き戻された糸の
太さを検出できる位置に、設定された太さよりも
細い、不良糸である時に信号を発するサンサ１６
が設けてあり、このセンサ１６の信号により、前
記紡糸ユニツト９を停止させると共に、センサ１
６の信号に応動する機構として不良糸を切断する
カツター１７がセンサ１６の近傍に設けてある。
尚、実施例として図示してないが、このカツター
にかえて、ランプやブザー等の報知装置を設けて
もよく、また、この報知装置は、カツターと共に
設けてもよい。

次に、上記実施例に基づいて本考案装置の作用
を説明する。

正常な状態にあつては、紡糸ユニツト９で紡糸
された糸８は、ローラ１０、スフブキヤツチヤ１
２を経てパツケージ６に巻き取られる。第１図
は、この正常な状態を示したものである。スライ
バが終端に近づくなど、紡糸された糸が細くなる
と、糸切れが生じる。この糸切れが生じると、従
来装置と同じく一連の糸継ぎ機能が作動し、パツ
ケージ６をフリクシヨンローラ７から引き離し、
パツケージ６に向けてパツケージ糸端サクシヨン
アーム１４が揺動し、該アーム１４のマウス１８
がパツケージ６に巻き付いている糸の端部を吸引
し、その状態でパツケージ糸端サクシヨンアーム
１４は元位置に復帰する。一方、紡糸側糸端サク
シヨンアーム１３も揺動し、紡糸ユニツト側の糸
を吸引して、元位置に復帰する。第２図は、この
状態を示したものである。今、この状態でセンサ
１６がパツケージ６側の糸８ａの太さを検出し、
この太さが設定値のものであれば、従来通り、こ
の糸８ａと、紡糸ユニツト９側の糸８ｂとをノツ
タ１５で糸継ぎし、再びパツケージ６への糸８の
巻取りが行われる。一方、センサ１６が、糸８ａ
太さが細い、所謂、不良糸であることを検出する
と、紡糸ユニツト９を停止し、同時にカツタ１７
へ信号を発して、カツタ１７で糸８ａを切断し、
再びパツケージ糸端サクシヨンアーム１４を揺動
させ、パツケージ６の糸端を吸引して復帰し、第
２図に示した状態にして、再びセンサ１６で糸８
ａの太さを検出し、上記の作用を糸８ａの太さが
設定値のものになるまで繰り返し、パツケージ６
に巻かれている不良糸を完全に巻き戻し、不良糸
を廃棄する。

〔考案の効果〕

本考案装置は、糸切れが生じた際に、パツケー
ジから巻き戻した糸の太さをセンサで検知し、太
さが設定値より細い不良糸を機械的にチエツクで
きるので、パツケージに不良糸が巻かれたまま糸
継ぎがされる問題点を完全に解消できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一部縦断した状態の概略
側面図、第２図は不良糸を検出する状態の要部の
概略側面図。 １……巻取ユニツト、２……機台、３……糸継
台車、４……糸巻取機、５……クレードルアー
ム、６……パツケージ、７……フリクシヨンロー
ラ、８……糸、９……紡糸ユニツト、１２……ス
ラブキヤツチヤ、１３……紡糸側糸端サクシヨン
アーム、１４……パツケージ糸端サクシヨンアー
ム、１５……ノツタ、１６……センサ、１７……
カツター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレードルアーム等の支持部材によりパツケー
   ジを回転自在に支持し、紡糸ユニツト等の糸供給
   源から供給された糸をパツケージに巻取る巻取ユ
   ニツトを複数基、機台に列設し、この機台に、糸
   供給側の糸端を吸引する供給糸側糸端サクシヨン
   アームと、パツケージ側の糸端を吸引するパツケ
   ージ糸端サクシヨンアームとを、各々揺動自在に
   設けた糸継台車を、前記巻取ユニツトに添つて走
   行自在に設けた糸巻取機において、糸継に際し、
   パツケージ糸端サクシヨンアームがパツケージか
   ら吸引し、巻き戻した糸の太さを検出できる糸継
   台車上の任意の位置に、設定の太さに満たない不
   良糸を検出するセンサを設けたことを特徴とする
   糸巻取機における不良糸の巻取防止装置。