JPH0322198B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は除湿機能を有するドラム式乾燥機に関
する。

〔発明の技術的背景〕

この種の乾燥機は、従来、ドラム内の多湿空気
を例えばドラムの前面側からダクトを介して送風
フアンにより吸引して外箱内に固定的に設けた熱
交換器内に導入すると共にこの多湿空気を該熱交
換器内において外気により冷却して除湿し、更に
この除湿空気をやはりダクトを介してヒータを備
えた加熱室内に導いて加熱した後該加熱室から再
び例えば前面側からドラム内に戻すという構成で
ある。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上記構成では、ドラムや熱交換
器の他それらを互いに接続するダクトを外箱内に
配管せねばならず、ために構造が複雑化する上、
外箱全体の大形化も避け得ず、しかもダクトから
の放熱により熱損失が増大するという問題があ
る。

〔発明の目的〕

従つて、本発明の目的は、熱交換器による除湿
機能を得ながら、ドラムと熱交換器との間を接続
するダクトを不要ならしめ得て、構造の簡素化及
び全体の小形化並びに熱損失の低減化を図ること
ができるドラム式乾燥機を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明は、ドラムの背部に開口部を形成すると
共に該開口部を閉鎖するようケーシングを前記外
箱内に固定的に設け、このケーシング内に、熱交
換器と、前記ドラム内の空気を前記熱交換器を通
して循環させる送風手段と、前記熱交換器におい
て外気により冷却されることによつて除湿された
循環空気を加熱するヒータとを配設てユニツト化
することにより、ドラム内の空気をダクトを介さ
ずとも直接ケーシング内に導入して除湿・加熱し
て再び直接ドラム内に戻すようにするところに特
徴を有する。

〔発明の実施例〕

以下本発明の第一実施例につき第１図乃至第５
図に基づいて説明する。１は外箱で、これの前面
略中央には内方に向けて短尺な円筒周壁部１ａが
形成されてその内部を被乾燥物の出入口２とし、
この出入口２を扉３により開閉し得るよう構成し
ている。４は被乾燥物を収納するドラムであり、
これの一側面である前面中央には内部を開放した
短円筒部４ａが形成されてこの短円筒部４ａが軸
受５を介して外箱１の円筒周壁部１ａ外周に回転
可能に支持され、また他方の一側面である背面略
全体には円形の開口部６が形成されてその周縁に
後向きの短円筒部４ｂが形成されている。７は円
盤状を成すケーシングであり、これはドラム４背
面の短円筒部４ｂ内に軸受８を介して挿入されて
開口部６を閉鎖しており、且つ外箱１の背部に配
設した支持板９を介して外箱１内に固定されてい
る。これにてドラム２は外箱１前面の円筒周壁部
１ａ及びケーシングにより外箱１内にて回転可能
に支持されている。

さて、次に上記ケーシング７及びその周辺構造
につき説明するに、まずケーシング７は略皿状を
成す前部ケース１０と中央から若干下方に偏心し
た位置に円形開口部１１を有する環状の後部ケー
ス１２とを夫々のフランジを前後につき合わせて
ねじ止め等により一体化して構成したものであ
る。前部ケース１０のうち後部ケース１２の円形
開口部１１の中央に対応する部分には軸受１３を
固着し且つこの軸受１３の周囲に位置して複数の
吸気口１４を形成してケーシングの中央部内をド
ラム４内に連通させている。また、前部ケース１
０の最上部には吐気口１５を形成してケーシング
７の上部をやはりドラム４内に連通させている。
１６はケーシング７内に配設した熱交換器で、こ
れは本実施例の場合後述の説明から理解されるよ
うにドラム４内の空気を循環させる送風手段とし
ても作用するよう構成している。以下この熱交換
器１６につき第３図乃至第５図も参照して詳述す
る。１７は例えばアルミニウムにより形成した円
形の台板で、これは周縁部に後方に延びる囲壁部
１７ａを折曲形成すると共に、略中央に円形台状
の膨出部１７ｂを後向きに形成して成る。１８は
やはり例えばアルミニウム等の良熱伝導材により
形成した多数の偏平な通気パイプで、これらは共
にその断面の長径方向を前後に指向させた状態で
両端部を台板１７の膨出部１７ｂの周壁部と台板
１７の囲壁部１７ａとに夫々貫通させて台板１７
の後面側に放射状に設けられており、これにて通
気パイプ１８をフアンブレードとして作用し得る
よう成すと共に、通気パイプ１８により膨出部１
７ｂ内と囲壁部１７ａ外周側とを連通させてい
る。１９はやはりアルミニウム等により形成した
多数のフイン板で、これは第４図に示すように上
記通気パイプ１８の外形々状に沿う３本の凹条部
１９ａを有して全体として波形に形成されてお
り、両側の凹条部１９ａを通気パイプ１８の軸方
向の中間部分に嵌め込んで隣接する通気パイプ１
８，１８間に中央の凹条部１９ａを位置させた状
態で台板１７の後面側に環状に配置されている。
２０は環状を成す風案内板で、これは台板１７の
後面側に通気パイプ１８の軸方向の略中間部分に
宛がわれて台板１７にねじ止めされており、これ
にて各通気パイプ１８間の空間が台板１７の内周
側と外周側とに区分されて後方に開放するように
なしている。２１は台板１７の膨出部１７ｂの略
中央に設けたボス筒で、これには軸２２が嵌着さ
れている。そして、斯様な構成とした熱交換器１
６は、その軸２２の前端部を前部ケース１０の軸
受１３に枢支せしめ、且つ軸２２の後部を外箱１
の支持板９に設けた軸受２３に貫通して枢支させ
ることにより、膨出部１７ｂ内を前部ケース１０
の吸気口１４形成領域に対向させた状態でケーシ
ング７内に回転自在に配設されている。６０は環
状シールで、これは台板１７の囲壁部１７ａに貼
着されて後部ケース１２の円形開口部１１の内周
縁部に摺動可能に接している。２４はヒータであ
り、これは支持部材２４ａを介して吐出口１５に
対応して前部ケース１０に固定され、もつてケー
シング７内に前記熱交換器１６と共にユニツト化
されており、これにてケーシング７内からドラム
４内に吐出される所謂循環空気を加熱する。尚、
２５はケーシング７の前面に吸気口１４を覆うよ
う設けたフイタ枠で、これに形成した通気口２５
ａにはフイルタ２６が張設されていてドラム１内
からケーシング７内に流入する空気からリント等
を除去する。２７はケーシング７のうち後部ケー
ス１２の最下部に下向きに突設した排水筒で、下
端は外箱１底部から機外に突出している。一方、
２８は外箱１内底部に固定したモータで、回転軸
２８ａには第１及び第２の駆動プーリ２９及び３
０が嵌着されており、第１の駆動プーリ２９とド
ラム４外周との間には平ベルト３１が張設され、
第２の駆動プーリ３０と熱交換器１６の軸２２の
後端部に嵌着した従動プーリ３２との間には丸ベ
ルト３３が張設されている。３４は外箱１の背板
で、これの中央近傍には複数の外気流入口３５
が、そしてこの外気流入口３５の外周側には複数
の外気流出口３６が夫々形成されている。

次に上記構成の作用につき述べる。ドラム４内
に被乾燥物を投入して扉３を閉鎖し、モータ２８
及びヒータ２４を通電すると、モータ２８が回転
しヒータ２４が発熱する。モータ２８の回転によ
り平ベルト３１を介してドラム４が回転されて内
部の被乾燥物が撹拌され、これと同時に丸ベルト
３３を介して軸２２ひいては熱交換器１６が回転
される。熱交換器１６の回転により通気パイプ１
８内の空気が遠心力によつて放射方向に流れるた
め、ドラム４内の湿気を含んだ空気がフイルタ２
６及び前部ケース１０の吸気口１４を通つてケー
シング７内のうち熱交換器１６の膨出部１７ｂ内
に吸入され、各通気パイプ１８を流れて熱交換器
１６の外周側即ちケーシング７の外周側空間に至
り、そしてヒータ２４を通る際に加熱されて温風
化し、前部ケース１０の吐気口１５から直ちにド
ラム４内に戻される（第１図矢印Ａ参照）。ドラ
ム４内に吐出された温風は内部の被乾燥物から湿
気を奪い、再びケーシング７内に吸引されて上述
の如くして循環する。一方、熱交換器１６の後面
側において、各通気パイプ１８間の空気はやはり
熱交換器１６の回転に伴う遠心力により放射方向
に流れるため、外気が背板３４の外気流入口３５
から第１図中矢印Ｂの如く外箱１内のケーシング
７後面側に流入し、熱交換器１６の風案内板２０
の内周側から各通気パイプ１８間に流入して各通
気パイプ１８間を放射方向に流れ、風案内板２０
の外周側から背板３４の外気流出口３６を通つて
機外へ放出される。斯様な外気の流通により、通
気パイプ１８や台板１７が冷却されてケーシング
７内を流れるドラム４内の多湿空気が冷却される
ため、このドラム４内の空気は主として通気パイ
プ１８内を流れる際にその内周面に結露して除湿
され、従つて、ケーシング７の吐気口１５からド
ラム４内に吐出する際には乾燥した温風と化す。
これにてドラム４内の被乾燥物を効果的に乾燥す
ることができる。また、通気パイプ１８内に結露
した水は熱交換器１６の回転に伴う遠心力により
通気パイプ１８の外周端からケーシング７内に振
り切られ、ケーシング７の内周壁を伝つて下方に
流れ排水筒２７から機外に排出される。

上記実施例によれば、熱交換器１６及びヒータ
２４を配設してユニツト化したケーシング７をド
ラム４の開口部６を閉鎖するように配設する構成
であるから、ドラム４内の空気をダクト等を介さ
ずとも吸気口１４からケーシング７内に直接吸入
し、除湿・加熱した後やはりダクト等を介さず、
吐気口１５からドラム４内に直接戻すことができ
る、従つて、外箱１内にドラム４内の空気の循環
のためにダクトを配管するといつた複雑な構造と
せずとも済むから、その分全体の構造を著しく簡
素になし得て製造コストを低減し得ると共に全体
の小形をも図ることができる。更には、ダクトを
介して温風を循環させるものとは異なり、ドラム
４外の温風の循環路を極力短かくできるから、熱
の散逸や温風の漏洩を極力減少させ得て、熱利用
率が向上し、ヒータ２４の消費電力を減少させ
て、乾燥効率の向上を図ることができる。

また、特に本実施例では、熱交換器１６を台板
１７に多数の通気パイプ１８を放射状に配設して
構成し、これを回転させることにより通気パイプ
１８の内外に遠心力により生起される気流間で熱
交換させるようにしたから、熱交換器１６を送風
手段として兼用させることができて、温風循環用
及び外気用の各送風装置を別途設けずとも済み、
これにて構造を一層簡素になし得ると共に一層の
小形化特には前後方向の薄形化を図ることができ
る。しかも、通気パイプ１８内周面に結露した水
は遠心力により直ちに振り切られるから、従来の
静止形の熱交換器とは異なり、熱交換面に結露し
た水が厚い水膜を形成して熱伝導を阻害するよう
になることを未然に防止でき、ひいては熱交換効
率を大幅に向上させて効率的な除湿を行ない乾燥
効率の一層の向上を図り得る。また、熱交換器１
６にフイン板１９を設けて各通気パイプ１８間に
フイン板１９の凹条部１９ａが位置する構成とし
たから、これら凹条部１９ａにより効果的に気流
が生じるようになる上放熱面積が増大し、熱交換
効率の一層の向上が期待できる。更には、熱交換
器１６に風案内板２０を設けて通気パイプ１８間
の空間を内周側と外周側とに区分して後方に向け
開放させる構成としたことから、熱交換器１６の
回転に伴い通気パイプ１８間を放射方向に流れる
際に通気パイプ１８間から後方に出て内周側に逆
流することを防止でき、これにて気流の効果的生
成を図ることができるものである。

次に本発明の第二実施例を第６図を参照して説
明する。尚、前記第一実施例と同一部分には同一
符号を付して説明を省略する。この実施例におい
て、ケーシング３７は径大な有底円筒状を成すケ
ース本体３８とこのケース本体３８の開放後面を
覆う後面板３９とから成る。４０はケーシング３
７内に配設した熱交換器たる熱交換板で、これは
ケース本体３８よりも径小な有底円筒状を成すと
共に底部相当部分を波形に形成しており、後面板
３９の略中央に取着されてケーシング３７内を温
風流通室３７ａと外気流通室３７ｂとの前後二室
に区分している。ケース本体３８の略中央及び最
上部にはドラム４内に面して夫々吸気口４１及び
吐気口４２が形成されて温風流通室３７ａをドラ
ム４内に連通させており、また後面板３９の略中
央及び外周寄りには夫々流入口４２及び流出口４
３が形成されて外気流通室３７ｂ内を外部と連通
させている。そして、ケース本体３８の吐気口４
２には前記第一実施例と同様ヒータ２４を設けて
いる。４５は回転軸で、これはケース本体３８、
熱交換板４０及び後面板３９の夫々の中央部に設
けた軸受４６，４７及び４８に回転自在に枢支さ
れている。４９は送風手段を構成する遠心形の送
風フアンで、これはケーシング３７のうち温風流
通室３７ａ内に位置して回転軸４５に嵌着されて
いる。５０はやはり遠心形の送風フアンで、これ
はケーシング３７のうち外気流通室３７ｂ内に位
置して回転軸４５に嵌着されている。斯様に熱交
換板４０、ヒータ２４及び送風フアン４９，５０
を配設してユニツト化したケーシング３７は支持
板５１を介して外箱１背部に固定されている。

上記構成においてモータ２８及びヒータ２４に
通電すると、ドラム４及び送風フアン４９，５０
が回転し、ヒータ２４が発熱する。送風フアン４
９の回転によりドラム４内の空気がケーシング３
７の温風流通室３７ａ内に吸入されて熱交換板４
０に接触しながら流れ、ヒータ２４により温風化
されて吐気口１５からドラム４内に戻され（第６
図矢印Ｃ参照）、一方送風フアン５０の回転によ
り外気が背板３４の外気流入口３５及び後面板３
９の流入口４３を通つてケーシング３７の外気流
通室３７ｂ内に吸入されて熱交換板４０に接触し
ながら流れ、後面板３９の流出口４４及び背板３
４の外気流出口３６を通つて機外へ放出される。
このような空気の流れにより、ドラム４内の温風
と外気との間で熱交換板４０を介して熱交換が行
われ、ドラム４内の多湿空気が冷却されるため熱
交換板４０に結露が生じ、これにてドラム４内の
多湿空気から湿気が除去され、前記第一実施例と
同様に被乾燥物が乾燥される。この様に構成して
も、第一実施例と同様にドラム４内の空気を循環
させるダクトを不要ならしめ得るので、ダクトを
要した従来構成にくらべて構造を著しく簡素化で
きると共に全体の小形化を図り得、しかも熱損失
を防止して乾燥効率を向上させることができる。

尚、上記第二実施例では熱交換板４０をケーシ
ング３７の後面板３９に固定するようにしたが、
熱交換板４０の周縁部をケース本体３８の背部に
固定して温風流通室３７ａを区画形成する構成と
なせば、後面板３９を省略することも可能であ
る。その他本発明は上記し且つ図面に示す実施例
に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範
囲内で種々変更して実施することができる。

〔発明の効果〕

本発明は以上述べたように、ドラム背部に形成
した開口部を閉鎖するようケーシングを設け、こ
のケーシング内に、熱交換器と、ドラム内の空気
を熱交換器を通して循環させる送風手段と、熱交
換器により除湿された循環空気を加熱するヒータ
とを配設してユニツト化する構成としたところに
特徴を有し、この結果、ドラム内の空気をダクト
を介さずとも直接ケーシング内に吸入して除湿・
加熱し、やはりダクトを介さず直接ドラム内に戻
すことができるから、ダクトを不要ならしめ得て
構造を従来に比して著しく簡素になし得ると共に
全体の小形化を図り得、しかも熱損失を減少させ
得て乾燥効率を向上させることができるという著
効を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の第一実施例を示
し、第１図は全体の縦断面側面図、第２図は背板
を除去して示す背面図、第３図は熱交換器の斜視
図、第４図はフイン板の斜視図、第５図は熱交換
器の部分拡大断面図、第６図は本発明の第二実施
例を示す第１図相当図である。 図中、１は外箱、４はドラム、６は開口部、
７，３７はケーシング、１６は熱交換器（送風手
段）、１８は通気パイプ、２４はヒータ、４０は
熱交換板（熱交換器）、４９は送風フアン（送風
手段）である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被乾燥物を収容するドラムを外箱内に回転駆
   動可能に設けたものにおいて、前記ドラムの一側
   面に開口部を形成すると共に該開口部を閉鎖する
   ようケーシングを前記外箱内に固定的に設け、こ
   のケーシング内に、熱交換器と、前記ドラム内の
   空気を前記熱交換器を通して循環させる送風手段
   と、前記熱交換器において外気により冷却される
   ことによつて除湿された循環空気を加熱するヒー
   タとを配設してユニツト化したことを特徴とする
   ドラム式乾燥機。