JPH03217389A - 自転車用多段スプロケットホイール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自転車用多段スプロケットホイールに関する
。さらに詳しくは、径の異なる２枚以上のスプロケット
を備えると共に、隣合う前記スプロケソトのうち大径側
スプロケットから前記小径側スプロケット側へ変位する
チエンの一部分と保合可能な前記小径側スブロケットの
歯の歯幅を、他の歯よりも小さく形成した自転車用多段
スプロケットホイールに関する。

（従来の技術］ 従来、上記の如き自転車用多段スプロケットホイールに
おいては、例えば実開昭６４−３７７９３号公報に見ら
れるように、隣合うスブロケ・ノトのうち大径側スプロ
ケットから前記小径側スプロケット側へ変位するチエン
の一部分と保合可能な前記小径側スプロケットの歯の歯
幅を、その歯の圧力角が一定となる状態で、他の歯より
も小さく形成していた。

（発明が解決しようとする課題． ところで、従来の多段スプロケノトホイールが、上述の
如き構成となった背景には、大径側スプロケットから前
記小径側スプロケット側へ変位するチエンの一部分が、
前記小径側スブロケットの歯に係合することはできるも
のの、そのチエンが、強力なテンションをもって引き延
ばされながら強制的にスプロケットの歯と係合させられ
ることにより、前記両スプロケットに渡るチエンにテン
ションが残留するため、それによって生ずる問題を解消
しようとする意図があった。

すなわち、前記両スプロケットに渡るチエンに前記テン
ションが残留したままでは、大径側スプロケットに係合
するチエンが、本来離脱すべき位置に達しても離脱しな
くなる、いわゆる咬み込み状態となり、そのままの状態
でフロントディレーラーに衝突してこれを破損するとい
った問題を生ずるため、一部の歯の歯幅を小さくするこ
とによって、チエンの引き延ばしによる残留テンション
を除去して、上記問題を解決しようとするものであった
。

しかし、上述の従来構成によれば、第７図に示すように
、一部の歯（１５゜）の歯幅（Ｗｌ’）を小さくするに
、歯元（１６ａ’）の下部付近から歯先（１６ｂ’）に
至るまで、その圧力角を変化させずに一律に小さ《して
いたため、大径側スプロケット（１３’）から前記小径
側スブロケット（１４”）側へ変位するチエン（３゛）
の一部分が、前記小径側スブロケッ｝（１４’）の歯に
おける歯元（１６ａ’）の下部までほぼ完全に係合する
こととなる。これによって、第８図に示すように、前記
両スブロケット（１３’），（１４’）に渡るチエン（
３゜）の中心線（Ｘ”）と、大径側スプロケット（１３
’）上のチエン（３゛）が離脱しようとする部分に対す
る接線（Ｙ″）との成す角（β゛）が小さくなり、本来
的には曲がるようになっていない横方向にチエン（３′
）が曲げられることとなるため、チエン（３″）には横
方向に対する曲げ応力が発生する。そして、その結果、
大径側スプロケット（１３”）に係合するチエン（３゛
）は歯（１５’）に押し付けられて非常に離脱しにくく
なるため、依然として咬み込みを防止することが不完全
であった。

本発明の目的は、歯の強度低下及び通常走行時における
チエンのがたつきをきたさずに、変速操作時のチエンの
咬み込みを充分に防止することの可能な自転車用多段ス
ブロケットホイールを提供することにある。

〔課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明にかかる自転車用多段
スプロケットホイールの特徴構成は、径の異なる２枚以
上のスプロケットを備えると共に、隣合う前記スプロケ
ットのうち大径側スプロケットから前記小径側スブロケ
ット側へ変位するチエンの一部分と係合可能な前記小径
側スプロケットの歯の歯幅を、他の歯よりも小さく形成
した構成において、前記歯幅を小さく形成した歯におけ
る前記回転方向後方側の部分の圧力角を、他の歯よりも
大きく設定したことにある。

尚、本発明を実施するに際しては、前記歯幅を小さく形
成した歯における回転方向後方例の部分の前記圧力角を
２３乃至４０度程度にするとよい。

［作用］ 上記本発明の特徴構成によれば、第１図に示すように、
大径側スプロケッ｝　（１３）から前記小径側スブロケ
ット（１４）側へ変位するチエン（３）の一部分（以下
、「変位チエン部分」と称する。

（Ｍ）と保合可能な前記小径側スブロケット（１４）の
歯（以下、「変速時係金歯−Ｉと称する。）（１５）に
おけるその回転方向（Ｒ）後方側の部分（以下、［後方
部−１と称する。）（１６）の圧力角（α）を、他の歯
よりも大きく設定してあるので、前記変位チエン部分（
Ｍ）を、前記変速時係合歯（１５）における前記後方部
（１６）の歯面（１６ｃ）に沿ってその歯元（１６ａ）
まで進行させる歯元向き分力（Ｆ１）が、前記圧力角（
α）の増大に伴って非常に小さくなる。又、前記圧力角
（α）の増大に伴って、前記変位チエン部分（Ｍ）に働
くテンシゴン（Ｔ）のうち、前記歯元向き分力（Ｆ１）
とは反対向きの歯先向き分力（Ｔ１）が増大する。しか
も、） 前記変位チエン部分（Ｍ）に働くテンシジン（Ｔ）のう
ち、前記変位チエン部分（Ｍ）を前記歯面（１６ｃ）側
に押し付ける歯面向き分力（Ｔ２）が減少してその摩擦
抵抗が小さくなり、前記変位チエン部分（Ｍ）の前記歯
面（１６ｃ）に沿う動きが非常に円滑となる。

したがって、前記変位チエン部分（旧に強力なテンショ
ンが作用しても、第２図に示すように、前記変位チエン
部分（Ｍ）は前記変速時係合歯（１５）の歯先（１６ｂ
）付近に留まるため、前記両スプロケット（１３）　，
　（１４）に渡るチエン（３）の中心線（χ）と、大径
側スブロケット（１３）上のチエン（３）が離脱しよう
とする部分に対する接線（Ｙ）　との成す角（β）が大
きくなり、前記横方向（Ｉ｛）へのチエン（３）の曲げ
が少なくなる。それに起因′して、前記チエン（３）の
曲げ応力が抑制され、結果的に大径側スブロケッ｝　（
１３）に係合するチエン（３）は非常に離脱し易いもの
となる。

しかも、前記変位チエン部分（Ｍ）が、前記変速時係合
歯（１５）に完全に係合しないでその歯先（１６ｂ）付
近に留まるため、チエン（３）の引き延ばしによるテン
ションが前記両スプロケット（１３）　，　（１４）に
渡るチエン（３）に残留することもない。この点におい
ても、大径側スプロケット（１３）に係合するチエン（
３）は非常に離脱し易いものとなる。

１発明の効果〕 このように、本発明によれば、歯の強度低下及び通常走
行時におけるチエンのがたつきをきたさずに、しかも、
チエンを大径側スプロケットから離脱し易くして、変速
操作時におけるその咬み込みを充分に防止することの可
能な自転車用多段スブロケントホイールを提供し得るに
至った。そして、過酷な状況の下で変速を頻繁に行って
も、チエンの咬み込みによる自転車の損傷を防止するこ
とができるようになった。

１実施例〕 次に、第１図乃至第６図により実施例を示す。

第６図は、変速機付き自転車の変速機構を示す図である
。ペダル（１）の踏力によりペダノ喧１）側の多段スプ
ロケット（２）に与えられた走行駆動力を、チエン（３
）を介して、後輪側の多段スプロケット（４）へ伝達す
る構成としてある。そして、フロントディレーラー（５
）及びリアーディレーラ（６）をもってチエン（３）を
横方向（Ｈ）に移動させることにより、変速を行う構成
としてある。尚、図中、（Ｉｌｌ）は、前記ペダル（１
）側の多段スプロケット（２）における走行時の回転方
向（Ｒ）である。

前記チエン（３）は、第２図乃至第４図に示すように、
前記各スプロケット（１２）　，　（１３）　，　（１
４）の歯とのクリアランスが小さいローラーリンク（３
ａ）と、前記各スブロケット（１２）　，　（１３）　
，　（１４）の歯とのクリアランスが比較的大きなビン
リンク（３ｂ）とを交互に框支連結し、その連結部にロ
ーラー（３ｃ）を設けてなるローラーチエン（３）を用
いてある。ピンリンク（３ｂ）と前記歯との比較的大き
なクリアランスは、チエン（３）の横移動を容易ならし
め、チエン（３）の掛け換えを行い易くするために設け
てある。

尚、第２図及び第３図に示すチエン（３）は、手前側の
リンクを省略したものである。

第５図に示すように、前記ペダル付近におけるダウンチ
ューブ（７）のハンガー（８）には、クランク軸（９）
を回動自在に支持してあり、このクランク軸（９）の両
端に、ほぼ１８０度位相を異ならせて、第６図に示すペ
ダル（１）を支持するための右、左足用クランクアーム
（１０）．（１１）を固定してある。そして、前記右足
用クランクアーム（１０）のボス部（１０ａ）から放射
状に突出する腕（１０ｂ）に、大、中、小径スプロケッ
ト（１２），（１３）　，　（１４）をボルト（１０ｃ
）により所定間隔を置いて固定し、前記ペダル側多段ス
ブロケット（２）を構成してある。

本実施例においては、前記大、中、小径スプロケノト（
１２）　，　（１３）　，　（１４）のうち、大径側ス
ブロケットたる前記中径スプロケソト（１３）と、小径
側スプロケットたる前記小径スブロケット（１４）とに
ついて説明する。又、本実施例において、チエン（３）
の咬み込みを防止しようとするスプロケットは、前記中
径スプロケット（１３）である．前記中径スプロケッ｝
　（１３）から前記小径スブロケット（ｌ４）に前記チ
エン（３）を掛け換えて変速を行う場合には、前記中径
スブロケット（１３）に侵入しつつあるチエン（３）を
前記フロントティレーラーによって前記大径スプロケッ
ト（１２）側から横方向（Ｈ）に沿って押圧する。する
と、第２図及び第３図に示すように、前記チエン（３）
における１つのピンリンクが中径スブロケノト（１３）
における１つの歯にこれを支点とする形で係止され、そ
れよりも回転方向（Ｒ）後方側に位置するチエン（３）
は、前記小径スプロケット（１４）側に変位する。この
際、移行するチエン（３）と最も早く近接する前記小径
スブロケッ｝　（１４）の歯における歯間中心（Ｏｌ）
に対し、この歯間中心（０１）に係合しようとするチエ
ン（３）におけるローラー（３ｃ）のローラー中心（０
２）がほぼ一致している場合には、チエン（３）が小径
スブロケット（ｌ４）の歯先（１６ｂ）に乗り上げるこ
とな《、円滑に係合が行われる。又、前記ローラー中心
（０２）が前記歯間中心（０１）より微少量（ｅ）（前
記チエン（３）のピッチよりも小さい値）だけ回転方向
（Ｒ）前方側に位置していても、前記ペダルの踏力によ
ってチエン（３）に強力に作用するテンションをもって
チエン（３）自身が小径スプロケッ｝　（１４）の歯元
（１６ａ）側に押圧されるため、このチエン（３）は直
ちに小径スプロケット（１４）の歯と係合することがで
きる。

このように変速時において直ちに係合可能な歯の前記歯
間中心（０１）は、前記多段スブロケットホイール（２
）において、結果的には、前記中径スブロケノ｝　（１
３）の歯数と前記小径スブロケッ｝　（１４）の歯数と
差だけ存在するが、かかる歯間中心（０１）のことを、
以下、「基準歯間中心ｊと称する。又、中径スプロケン
｝　（１３）から前記小径スプロケット（１４）側へ変
位するチエン（３）の一部分であって前記小径スブロケ
ット（１４）と係合するものを変位チエン部分（Ｍ）と
称し、この変位チエン部分（Ｍ）と係合可能な歯であっ
て、前記基準歯間中心（０１）近傍に位置するもの（１
５）を、以下、「変速時係合歯Ｊと称し、さらに、前記
変速時係合歯におけるその回転方向（Ｒ）後方側の部分
（１６）を、以下、「後方部」と称することにする。さ
らに、前記中、小両スプロケット（１３）　，　（１４
）に渡るチエン（３）の中心線（Ｘ）を、以下、「変位
チエン中心線」と称し、中径スプロケット（１３）上の
チエン（３）が離脱しようとする部分に対する接線（Ｙ
）を、以下、「離脱部接線ｊと称することにする。

本実施例においては、前記基準歯間中心（０１）に対し
て前記回転方向（Ｒ）前方側に位置する１つの歯、及び
、前記回転方向（Ｒ）後方側に位置する２つの歯が前記
変速時係合歯（１５）に該当する。そして、中径スプロ
ケ．７　｝　（１３）におけるチエン（３）の咬み込み
を防止すべく、第１図に示すように、前記変速時係金歯
（１５）の歯幅（訂）を、他の歯よりも小さく形成し、
且つ　ピッチ円（Ｐ）上における前記後方部（１６）の
圧力角（α）を、他の歯よりも大きく設定してある。尚
、同図中、二点鎖線は、前記ペダル側多段スプロケット
（２）における前記変速時係金歯（１５）以外の標準的
な歯を示すものである。

第１図に示すように、前記中径スプロケット（１３）か
ら小径スプロケッ｝　（１４）への変速が行われると、
前記変位チエン部分（Ｍ）のローラー（３ｃ）は、チエ
ンテンションによって生ずる前記離脱部接線（Ｙ）に直
交する方向に沿う進行力（Ｆ）をもって、前記後方部（
１６）に当接する。本実施例においては、上述の如く前
記後方部（１６）を形成してあるので、前記進行力（Ｆ
）の内、前記変速時係合歯（１５）における前記後方部
（１６）の歯面（１６ｃ）に沿って前記変位チエン部分
（？Ｉ）のローラー（３ｃ）をその歯元（１６ａ）まで
進行させる歯元向き分力（Ｆ１）が、前記圧力角（α）
の増大に伴って非常に小さくなる。又、前記圧力角（α
）の増大に伴って、前記変位チエン部分（Ｍ）のローラ
ー　（３ｃ）に働くテンション（Ｔ）のうち、前記歯元
向き分力（Ｆ１）を滅少させるこれとは反対向きの歯先
向き分力（ＴＩ）が増大する。しかも、前記テンション
（Ｔ）のうち、前記変位チエン部分（Ｍ）のローラー（
３ｃ）を前記歯面（１６ｃ）側に押し付ける歯面向き分
力（Ｔ２）が減少してその摩擦抵抗が小さくなり、前記
ローラー（３ｃ）の前記歯面（１６ｃ）に沿う動きが非
常に円滑となる。

したがって、前記変位チエン部分（Ｍ）に強力なテンシ
ョンが作用しても、前記変位チエン部分（Ｍ）のローラ
ー（３ｃ）は前記変速時係合歯（１５）の歯先（１６ｂ
）付近に留まるため、第２図に示すように、前記変位チ
エン中心線（Ｘ）と、前記離脱部接線（Ｙ）との成すチ
エン角（β）が大きくなる。前記チエン（３）は、前記
ローラーリンク（３ａ）と前記中径スプロケット（１３
）の歯とのクリアランスが小さいので、前記各リンク（
３ａ）　，　（３ｂ）のプレート面に直交する横方向（
Ｈ）に横曲げされるとその曲げ応力が増大し、この中径
スブロケント（１３）から非常に離脱しにくくなるはず
であるが、しかし、前記チエン角（β）が大きくなるこ
とに起因して、第４図に示すように、前記横方向（Ｈ）
に対するチエン（３）の曲げが少なくなるので、その曲
げ応力が抑制され、これに伴って、第２図に示すように
、中径スプロケット（１３）に係合するチエン（３）、
すなわち、前記中径スプロケット（ｌ３）において離脱
するチエン（３）の支点として機能する歯、及びこの歯
より前記回転方向（Ｒ）前方側に位置する歯に係合する
チエン（３）は、これらの歯から非常に離脱し易いもの
となる。しかも、第１図及び第３図に示すように、前記
変位チエン部分（Ｍ）が、前記変速時係合歯（１５）に
完全に係合しないでその歯先（１６ｂ）付近に留まるた
め、チエン（３）の引き延ばしによるテンションが前記
両スブロケット（１３）　，　（１４）に渡るチエン（
３）に残留することもない。この点においても、中径ス
ブロケット（１３）に係合しているチエン（３）は非常
に離脱し易いものとなる。したがって、中径スブロケッ
｝　（１３）から小径スプロケッ｝　（１４）への変速
時においても、チエン（３）の咬み込みを充分に防止す
ることができる。

又、上述の如き構成によれば、第１図に示すように、前
記変速時係合歯（１５）の歯幅（Ｗ１）を小さくし且つ
前記後方部（１６）の圧力角（α）を大きくしたことの
相乗作用により、歯元（１６ａ）下部の歯幅（Ｗ２）は
他の歯と同程度とすることができる。その結果、前記小
径スプロケット（１４）と完全に係合した通常走行時に
おけるチエン（３）の遊びが増大せずにチエン（３）の
がたつきを抑制できると共に、前記変速時係金歯（１５
）の強度が低下することもない。

尚、前記後方部（１６）の圧力角（α）を、２３乃至４
０度程度にすれば、上述の効果を良好に奏することが可
能である。

本発明は、中径スプロケット（１３）及び小径スプロケ
ノト（ｌ４）に限らず、大径スプロケット（１２）及び
中径スプロケッ｝　（１３）に対して実施してもよく、
後輪側の多段スプロケント（４）に実施してもよい。又
、前記小径スブロケノト（１４）における全ての歯の歯
幅（Ｗ１）を小さくし、且つ、その圧力角（α）を大き
くした歯としてもよい。

この場合、歯幅（罰）及び圧力角（α）の比較対象とな
る他の歯は、大径スプロケソ｝　（１２）又は中４ 径スプロケット（１３）におけるいずれかの歯となる。

尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照を便利にす・
るために符号を記すが、該記号により本発明は、添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は変速時係金歯の
拡大側面図、第２図及び第３図は自転亜用多段スプロケ
ットホイールの変速状態ヲ示す図、第４図は第２図の平
面図、第５図は自転■用多段スプロケントホイール近傍
の断面図、第６図は自転車の駆動系の概要を示す側面図
である。第７図及び第８図は自転土用多段スプロケット
ホイールの従来構造を示し、第７図は第１図に相当する
図、第８図はチエンの咬み込み状態を示す図である。 （１３）・・・・・・大径側スプロケット、（３）・旧
・・チエン、（１４）・・・・・・小径側スプロケット
　　　（Ｍ）・・・・・・チエンの一部分、（１５）・
・・・・・歯、（Ｒ）・・・・・・回転方向、 （Ｗ１）・・・・・・歯幅、 （α）・・・・・・圧力角。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、径の異なる２枚以上のスプロケットを備えると共に
   、隣合う前記スプロケットのうち大径側スプロケット（
   １３）から前記小径側スプロケット（１４）側へ変位す
   るチエン（３）の一部分（Ｍ）と係合可能な前記小径側
   スプロケット（１４）の歯（１５）の歯幅（Ｗ１）を、
   他の歯よりも小さく形成した自転車用多段スプロケット
   ホイールにおいて、前記歯幅（Ｗ１）を小さく形成した
   歯（１５）における前記回転方向（Ｒ）後方側の圧力角
   （α）を、他の歯よりも大きく設定してある自転車用多
   段スプロケットホイール。 ２、前記歯幅（Ｗ１）を小さく形成した歯（１５）にお
   ける回転方向（Ｒ）後方側の前記圧力角（α）が２３乃
   至４０度である請求項１記載の自転車用多段スプロケッ
   トホイール。