JPH0320276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、位置合わせネジキヤツプが組付く口
筒を立設した肩部上面が平坦面となつた壜体に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来、合成樹脂製の壜体は、口筒を上設した肩
部上面が傾斜状あるいは球弧状となつたものが多
かつた。これは、これらの壜体がブロー成形によ
つて成形されていたからである。

このブロー成形においては、押出し成形された
円筒状のパリソンを圧力流体の圧力によつてふく
らませて壜体に成形する形態をとるので、径方向
に沿つて比較的幅のある壁部分を成形しようとす
ると、この壁部分の肉厚が他の壁部分に比べて極
端に肉薄にならざるを得ず、容器としての機械的
強度を得ることができないものとなつてしまう。

このため、ブロー成形される壜体の径を増大さ
せる必要のある部分、すなわち、肩部はどうして
も斜傾壁もしくは球弧状壁構造となつていた。

このため、肩部の上面を平坦面とした壜体を得
たい場合には、この壜体の成形にブロー成形方法
を利用することは不可能であつて、面倒でも壜体
を少なくとも二つの部分に分割してインジエクシ
ヨン成形し、このインジエクシヨン成形された部
分を組み合わせて密に固着する手段がとられてい
た。

従来の上記した手段により成形される壜体は、
ほぼ例外なく壜体を胴部と底板部との組合せ部分
と、肩部と口筒との組合せ部分とに二分割し、胴
部の上端面を肩部の下面周端部に密に固着する成
形形態がとられている。

これは、内容液の収納主体部分である胴部と底
板部とを一体設することによつて、この部分の液
密を完全なものとすることができるからである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記したインジエクシヨン成形と固着
工程によつてつくられた、肩部上面が平坦面な壜
体には一つの大きな問題点があつた。

それは、先に述べたように、少なくとも二つに
分割された部分が固着されるわけであるが、この
固着された部分はどうしても他の部分よりも機械
的強度が弱く、床に落ちた時等のように壜体に強
い衝撃が加わることによつてその固着部分が壊れ
たり、また離れたりしてしまうことがあることで
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点を解決して、位置合わせ
ネジキヤツプが組付く、肩部上面が平坦面の合成
樹脂製壜体を提供することを目的としている。

以下、図を参照しながら説明する。

本考案による壜体１は、位置合わせネジキヤツ
プが組付く口筒６を立設した肩部７上面を平坦面
としたもので、インジエクシヨン成形によつて分
割形成された、前記口筒６と前記肩部７と該肩部
７に一体設された筒形状の胴部８とからなる本体
３と、該本体３の底壁となる底板４とを固着した
合成樹脂製の壜本体２と、該壜本体２の前記胴部
８および底板４の外表面を被覆すべく前記胴部８
に嵌装組付けされる金属薄板製の有底筒形状をし
た筒体５とから成つている。

〔作用〕

本考案による壜体１は、分割箇所を壜体１の下
部に設け、その分割箇所を固着して金属製の筒体
５を嵌着している。したがつて、この金属製筒体
５により固着箇所を完全に被覆することができ、
従来弱かつた固着部分の機械的強度を十二分に補
つている。

また、壜体の胴部８と底板４の外表面に嵌着す
る筒体５を金属製としていることで、前述した、
壜体１に充分な機械的強度を提供する他に、金属
特有の光沢により壜体１に優れた装飾性をもたせ
ている。

〔実施例〕

本考案による一実施例を第１図、第２図、及び
第３図を参照しながら説明する。

これは、口筒６に螺条を有し、平面形状が正方
形の壜体１を示しており、位置合わせネジキヤツ
プ１４が螺合するものである。そのため、ネジキ
ヤツプ１４に設けられた突片（図示せず）が突き
あたつて螺合限位置を設定するストツパー１１
と、同じくネジキヤツプの突片が、ネジキヤツプ
１４が逆螺合方向に軽く回動されても突きあたる
ことによりその回動を阻止し、螺合限位置での組
付き姿勢を保つための係止突起１２が設けられて
いる。

肩部７周端にフランジ９を周設しており、該フ
ランジ９の下面に金属製筒体５上端が当接するこ
とにより組付き限位置を設定すると共に、硬質で
鋭利な金属製筒体５の上端が直接、手等にふれな
いよう安全性を考慮している。

口筒６上端が当接するネジキヤツプ１４の頂壁
下面に、パツキン１３を設けてシール効果を得て
いる。

分割成形された壜本体の各部を固着する方法と
してはいくつかあるが、この実施例に示す壜体１
には、固着方法としては最も優れている超音波溶
着を使用している。そのため、この壜本体の材質
は超音波溶着に適しているAS樹脂またはABS樹
脂製としている。

この他に、例えば、PP樹脂製として、接着剤
によつて固着すること等も可能である。

前記のAS樹脂あるいはABS樹脂は、水分透過
性が大で水密性が悪いが、この欠点は嵌着された
金属性筒体５が完全に補つている。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案による壜
体１は、インジエクシヨン成形を行うことにより
壜体の肩部７上面を平坦面とし位置合わせネジキ
ヤツプ１４の組付きに最適な形状とした。

また、壜本体２に金属製筒体５を嵌着したこと
で、やや強度に不安がある壜本体２の固着部分を
万全なものにしたことは勿論、その金属性筒体５
が放つ金属特有の光沢により、壜体１の装飾性を
極めて優れたものとした。

このように、本考案による壜体１は、位置合わ
せネジキヤツプが組付く合成樹脂製壜体に要求さ
れる必須条件−平坦な肩部上面、充分な強度、優
れた装飾性−を深く追求し、それを全て満たし
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図はＡ−Ａ線断面図、第
３図は解体断面図である。 符合の説明、１……壜体、２……壜本体、３…
…本体、４……底板、５……金属製筒体、６……
口筒、７……肩部、８……胴部、９……フラン
ジ、１０……溶着部分、１１……ストツパー、１
２……係止突起、１３……パツキン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 位置合わせネジキヤツプが組付く口筒を立設し
   た肩部上面が平坦面となつた壜体であつて、 インジエクシヨン成形によつて分割成形され
   た、前記口筒と前記肩部と該肩部に一体設された
   筒形状の胴部とから成る本体と、該本体の底壁と
   なる底板とを固着した合成樹脂製の壜本体と、 該壜本体の前記胴部および底板の外表面を被覆
   すべく前記胴部に嵌装組付けされる金属薄板製の
   有底筒形状をした筒体と、から成る壜体。