JPH0317931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両に搭載する燃料タンクに於ける燃
料フイルタに係るものである。

（従来の技術） 燃料タンクａに第６図に示すように自動車のプ
ロペラシヤフト、エキゾーストパイプ等を下面に
通す突出部ｂがあると、その左右両側に燃料ポン
プのフイルタｄを備えたサクシヨンチユーブｃを
設けている。然るに燃料タンクａの燃料が減り、
燃料タンクが車両と共に右又は左に傾くと、はね
上がつた一方のフイルタｄが燃料から露出するた
め燃料ポンプによる燃料の供給を不能にする。こ
のため実開昭59−114332号公報などに開示するよ
うに幾多の考案が提案されているが、構造が複雑
になる等により経済的に満足できる装置は提案さ
れていない。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は燃料タンクが傾くとフイルタケース内
に通入されたサクシヨンチユーブの開口を弁によ
り自動的に閉じて気体を吸い込まず、燃料が存在
するときのみにフイルタにより濾過した燃料をサ
クシヨンチユーブに吸い込ませる簡易な装置を得
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前項に述べた簡易装置を提供すること
を目的とするもので、底部からの突出部があり、
その突出部の左右両側にエンジンに供給する燃料
用の燃料ポンプのサクシヨンチユーブを通入した
フイルタを設ける装置において、該フイルタのケ
ース内にサクシヨンチユーブの開口を発条の弾力
により閉じる弁杆を設け、その弁杆に係合部を形
成し、フイルタのケース内にカムプレートと、燃
料浮力によりカムプレートを案内にして滑動する
フロートとを設け、フロートの上昇と共に弁杆の
前記係合部を滑つて前記開口を開く弁開閉制御片
を設けたことを特徴とする燃料フイルタに係るも
のである。

本考案の好適な実施例を次に説明する。

（実施例） 第１図は燃料フイルタ１のケース２の切断正面
面図、第２図は同切断側面図である。

燃料フイルタ１のケース２には左右の両側及び
前後をリブ３で囲み、各リブ３の上端を鉢巻形の
連結枠４により連結し、連結枠４には第１図右側
に支持アーム５を突出し、底面６にチユーブ挿入
突部７を設け、その一部に開放口８を形成し、開
放口及び上面を含む全体をフイルタ網９により包
囲する。

支持アーム５にはサクシヨンチユーブ１０を通
して挿入突部７に形成した挿入孔１１に挿入し、
挿入孔１１の開放口８に臨む部分をサクシヨンチ
ユーブ１０の開口１２としその開口１２に発条１
６の弾力によつて弁杆１３の弁板１４を圧接して
閉じるようになし、弁杆１３に係止部１５を設け
る。

１７はケース２の内部に嵌めて取付けたカムプ
レートであつて第１図の斜め左上方を向く案内面
１８，１８を内部に設け、中心下面に透孔１９を
形成する。２０はカムプレート１７の案内面１
８，１８に滑動自由に嵌めたフロートであつて、
その形状を案内面１８，１８と雌雄の関係とし、
下面から透孔１９を通つて突出する二叉形の弁開
閉制御片２１を設け、該片２１を弁杆１３の係止
部１５の発条１６と反対側に滑動自由に係合する
（第２図）。

前記において、カムプレート１７の案内面１
８，１８を垂直とし、フロート２０も垂直に上下
移動する構造とし、弁開閉制御片２１の係止部１
５に接する面を第１図の左上方に傾斜形で設ける
こともできる。

前記した燃料フイルタ１は第１図に示すように
燃料タンク２２の底部に設けた突出部２３の左右
に対称形に取付け、各サクシヨンチユーブ１０，
１０を突出部２３より上で連結して１本とし、こ
れを燃料タンク１の上部から外部に引出し、該外
部の燃料ポンプのサクシヨン側に連結する。

（作用） 本考案は燃料タンク２２に突出部２３より高く
燃料が充填されていれば該燃料による浮力によつ
てフロート２０がカムプレート１７の案内面１
８，１８を案内にして第３図のとおりに燃料フイ
ルタ１内で上昇し、係止部１５を発条１６の弾力
に抗して押し、弁杆１３によりサクシヨンチユー
ブ１０の開口１２を開き、燃料フイルタ１により
濾過した燃料を燃料ポンプの吸込側の負圧により
吸い込ませる。

第５図のとおりに燃料タンク２２内の燃料が減
少したため、該燃料タンク２２の傾きと共に例え
ば図の左側の燃料フイルタ１が燃料面から露出す
ると、その露出までにフイルタ２０が次第に下が
つて弁開閉制御片２１による係止部１５の押圧を
緩め、弁杆１３が発条１６の弾力により開口１２
の開度を少くし、フロート２０に浮力が全く作用
しなくなると同時に弁杆１３により開口１２を第
１図のとおり閉じて、サクシヨンチユーブ１０を
閉鎖するから、空気、ベーパガス等を燃料ポンプ
の吸込側に送らなくなる。

（効果） 本考案は前記の実施例の項に述べたように、サ
クシヨンチユーブ１０に燃料が吸込まれる状態に
あるときは、弁開閉制御片２１により開口１２を
開き、燃料の吸込みが不能になつて気体が吸込ま
れる状態になると同時に弁杆１３により開口１２
を閉じるものであつて、その作用はフロート２０
に燃料タンク２２内の燃料が浮力として作用する
か否かによつて決定されるから、気体の吸込みを
行う状態になつた左右の何れかの燃料フイルタ１
の開口１２の閉止を正確にする効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は本考案の実施例を示し、第１図は
燃料フイルタ１を第２図Ａ−Ａ線で切断した正面
図、第２図は第１図Ｂ−Ｂ線で切断した側面図、
第３図はフイルタ２０に浮力が働いた状態の第１
図と同じ切断正面図、第４図は燃料フイルタ１の
配置を示した燃料タンク２２の縦断正面図、第５
図は燃料タンク２２の傾斜を例示した縦断正面図
である。第６図は公知例を示した縦断正面図であ
る。 １……燃料フイルタ、２……ケース、１０……
サクシヨンチユーブ、１１……挿入口、１２……
開口、１３……弁杆、１５……係止部、１６……
発条、１７……カムプレート、１８……案内面、
２０……フロート、２１……弁開閉制御片、２２
……燃料タンク、２３……突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 底部からの突出部があり、その突出部の左右両
   側にエンジンに供給する燃料用の燃料ポンプのサ
   クシヨンチユーブを通入したフイルタを設ける装
   置において、 該フイルタのケース内にサクシヨンチユーブの
   開口を発条の弾力により閉じる弁杆を設け、その
   弁杆に係合部を形成し、フイルタのケース内にカ
   ムプレートと、燃料浮力によりカムプレートを案
   内にして滑動するフロートとを設け、フロートに
   上昇と共に弁杆の前記係合部を滑つて前記開口を
   開く弁開閉制御片を設けたことを特徴とする燃料
   フイルタ。