JPS6042203Y2 - 気化器のオ−バ−フロ−防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、気化器のオーバーフロー防止装置に関する
ものである。

従来、燃料タンクにおいては、燃料溜まりに吸い上げら
れた燃料は一定のレベルに達すると燃料溜まりに形成さ
れたオーバーフロー窓から溢れて燃料タンク内に戻るも
のであり、燃料溜まりと燃料タンク内とは常に連通され
た状態にある。

このため、エンジンを移動させる際などにエンジンを傾
は過ぎて燃料タンク内の燃料の液面が気化器のメインノ
ズルよりも高くなると、その燃料はオーバーフロー窓か
ら燃料溜まり内に浸入しさらにメインノズルから溢れ出
し、エンジンの始動不良や運転不調をもたらすという欠
点を有している。

この考案は、このような点に鑑みなされたもので、エン
ジンを大きく傾けた際に燃料タンク内の燃料がメインノ
ズルから溢れ出すことを確実に防止しうる気化器のオー
バーフロー防止装置を得ることを目的とするものである
。

この考案は、気化器に接続される吸上げパイプと燃料溜
まりとを囲繞するとともに下部に開口部が形成された区
画室体を燃料タンクの内部に固定的に設け、燃料タンク
の傾きが所定角度以上となった場合に弁体により区画室
体の開口部を閉ざして区画室体内への燃料の流入を防止
し、燃料タンク内の燃料の液面が大きく変化しても区画
室体内においてはその影響を全く受けず、しかも、区画
室体は縦長であり容積も小さいために区画室体内の燃料
の液面の変化が小さく、気化器のメインノズルからの燃
料の溢れ出しを確実に防止しうるように構成したもので
ある。

この考案の第一の実施例を第１図及び第２図に基づいて
説明する。

燃料タンク１の上面板２には気化器３と燃料注入口４と
が取り付けられている。

前記気化器３からは気化器３内のインパルスポンプ（図
示せず）に接続された吸上げパイプ５が燃料タンク１の
底部に向けて延出されている。

前記気化器３の下側には前記吸上げパイプ５を囲繞する
とともに気化器３のメインノズル６から噴射される燃料
を溜める燃料溜まり７が一体的に形成された区画室体８
が連結されている。

この区画室体８の下端部には前記燃料タンク１の底部に
近接して開口する開口部９が形成されている。

さらに、前記区画室体８には鋼球１０を転勤自在に収納
する収納室体１１が一体的に形成されている。

この収納室体１１の内面には上方に向うにつれ円錐状に
拡開する傾斜面１２が形成され、この傾斜面１２の底に
は通口１３が形成され、収納室体１１の上端は蓋１４に
より覆われている。

しかして、前記区画室体８の下部には弁体１５が設けら
れている。

この弁体１５は、一端がピン１６により上下回動自在に
連結されるとともに他端に上方に屈曲した挿入部１７が
形成された作動体１８と、作動体１８の略中央部に固定
されて前記開口部９に取り付けられた弁座１９に対向す
る弁２０とにより構成され、前記ピン１６には前記弁体
１５を前記開口部９の閉弁方向である上方に回動する向
きに付勢するスプリング２１が取り符けられている。

前記挿入部１７は前記通口１３から前記収納室体１１内
に挿入され、この挿入部１７の上端面に前記鋼球１０が
載置されている。

なお、この鋼球１０の前記弁体１５を下方向きに回動さ
せる押圧力は、前記スプリング２１の付勢力よりも大き
く定められている。

このような構成において、燃料タンク１が傾いておらず
あるいはその傾きが所定の角度以内の場合には、鋼球１
０は挿入部１７の上端面に載置され、弁体１５を下方に
押圧している。

この押圧力により弁体１５はピン１６を中心として下方
に回動し、弁２０が弁座１９から離れて開口部９が開口
される。

したがって、区画室体８内と燃料タンク１内とは連通状
態となり、燃料タンク１内の燃料が開口部９を通って吸
上げパイプ５により燃料溜まり７内に吸い上けられる。

燃料溜まり７から溢ふれた燃料は区画室体８内に落下し
、燃料タンク１内の燃料の液面と区画室体８内の燃料の
液面とは一致した高さに保たれている。

つぎに、エンジンを移動する際等にエンジンを傾は過ぎ
るとエンジンに取り付けられている燃料タンク１も傾き
、第２図に示すように燃料タンク１が所定角度以上に傾
いた場合には、鋼球１０が挿入部１７の上端面から落下
し、傾斜面１２に沿って転動する。

このため、弁体１５には下方向きの押圧力が作用しなく
なり、弁体１５はスプリング２１の付勢力により上方に
回動し、弁２０が弁座１９に接合して開口部９が閉ざさ
れる。

これによって、区画室体８内への燃料の流入が停止され
る。

したがって、燃料タンク１内の燃料の液面が大きく変化
しても区画室体８内の燃料はその影響を全く受けず、し
かも、区画室体８は縦長でありその容積も小さいために
区画室体８内の燃料の液面の変化は僅かである。

したがって、区画室体８内の燃料の液面がメインノズル
６よりも高くなって燃料がメインノズル６から溢れ出す
ことがなく、エンジンを大きく傾けた後でも良好な始動
及び良好な運転を行なえる。

なお、収納室体１１の内面は円錐状の傾斜面１２である
ため、エンジンがどの方向に傾いた場合でもその傾きが
所定角度以上になると銅球１０は挿入部１７の上面面か
ら離反し、弁体１５が上方に回動して開口部９が閉ざさ
れる。

また、傾斜面１２の傾斜角を変えることにより開口部９
を閉ざす際の燃料タンク１の傾き角を適宜設定しうる。

ついで、この考案の第二の実施例を第３図に基づいて説
明する。

なお、第１図及び第２図において説明した部分と同一部
分は同一符号で示し、説明も省略する。

本実施例は、収納室体１１の通口１３と区画室体８の開
口部９とを上下に位置させて形成し、作動体２２の下端
に開口部９を開閉する弁２３を固定し作動体２２の上端
に挿入部２４を形成した弁体２５を上下方向移動自在に
設けたもので、通口１３の下部に形成された受は部２６
とこの通口１３に挿入された挿入部２４との間に弁体２
５を上方に付勢するスプリング２７が設けられている。

収納室体１１の上面を覆う蓋２８は完全密閉に取り付け
られている。

また、鋼球１゜の押圧力はスプリング２７の付勢力より
も大きく定められている。

このような構成において、燃料タンク１の傾き・が所定
角度以内の場合には、鋼球１０が挿入部２４の上端面に
載置され、鋼球１０の押圧力がスプリング２７の付勢力
に勝り、弁体２５が下方に摺動し、弁２５が開口部９か
ら離反して開口部９が開口される。

これによって、区画室体８内への燃料の流入が行なわれ
る。

燃料タンク１の傾きが所定角度以上になると、鋼球１０
が挿入部２の上端面から落ちて傾斜面１２に沿って転動
するために、弁体２５はスプリング２７の付勢力によっ
て上方に摺動し、弁２３が開口部９に接合して開口部９
が閉ざされる。

これによって、燃料タンク１内から区画室体８内及び収
納室体１１内への燃料の流入が停止される。

したがって、燃料タンク１内の燃料の液面が大きく変化
しても区画室体８内の燃料の液面はその影響を受けず、
しかも、区画室体８は縦長でありその容積も小さいため
に区画室体８内の燃料の液面の変化は僅かである。

このため、メインノズル６からの燃料の溢れ出しが防止
され、エンジンを傾けた後でも良好な始動及び良好な運
転を行なえる。

この考案は、上述のように構成したので、燃料タンクが
所定角度以上に傾いた場合には、弁体により開口部を自
動的に閉ざして区画室体内への燃料の流入を停止させる
ことができ、これにより、燃料タンク内の燃料の液面が
大きく変化しても区画室体内の燃料の液面がその影響を
受けることを防止でき、燃料タンク内の燃料の液面が気
化器のメインノズルよりも高くなった場合でも区画室体
内の燃料の液面をメインノズルよりも低い位置に抑える
ことができ、このため、メインノズルからの燃料の溢れ
出しを防止することができ、エンジンの移動等により燃
料タンクを大きく傾けた後でも良好な始動及び良好な運
転を行なうことができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一の実施例を示すもので燃料タン
クの縦断正面図、第２図はその燃料タンクを所定角度以
上に傾けた状態の縦断正面図、第３図はこの考案の第二
の実施例を示すもので燃料タンクの縦断正面図である。 １・・・・・・燃料タンク、３・・・・・・気化器、５
・・・・・・吸上げパイプ、７・・・・・・燃料溜まり
、８・・・・・・区画室体、９・・・・・・開口部、１
５・・・・・・弁体、２５・・・・・・弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクの内部に気化器に接続される吸上げパイプと
   燃料溜まりとを囲繞するとともに下部に開口部が形成さ
   れた区画室体を固定的に設け、前記燃料タンクの所定角
   度以上の傾きにより前記区画室体の前記開口部を閉じる
   弁体を設けたことを特徴とする気化器のオーバーフロー
   防止装置。