JPH0317797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、ケース内に収納したコーヒー粉への
給湯経路の構造を改良したコーヒー抽出器に関す
る。

〔考案の技術的背景〕

従来のコーヒー抽出器においては、本体のケー
ス収納部にコーヒー粉を収納したケースを着脱可
能に配設し、給湯機構で生成された湯をケース収
納部の天井部に設けた給湯部からケース内に噴出
してコーヒー液を抽出するようにしたものがあ
る。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら上記従来構成では、コーヒー液の
抽出時に給湯部から噴出された湯の蒸気が外部に
多量に放出されるため、この蒸気が本体例えばケ
ース収納部の天井部等に結露してこれを漏らして
しまう欠点があつた。しかも、湯が給湯部から噴
出される際に生ずる湯の噴出音がそのまま外部に
漏れ出るようになり、とりわけ給湯終了間際には
この噴出音が大きくなつて、使用者には耳障りで
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情を考慮してなされたもので、
従つてその目的は、湯の蒸気が外部に放出される
ことを防止できると共に、給湯時の騒音を低減し
得るコーヒー抽出器を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、ケースの上面に被せられた蓋に、湯
受け部を上下動可能に支持せしめ、この湯受け部
を弾性体により上方に付勢することにより前記ケ
ースのケース収納部への配設時に該湯受け部を給
湯部に弾接させると共に、該湯受け部と蓋との間
をシール部材により気密に閉塞する構成とし、以
つて給湯部とケースとを湯受け部、シール部材及
び蓋により気密に連結した状態になし得るように
したものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。まず全体構成を示す第２図及び第３図にお
いて、１は箱状を成すコーヒー抽出器の本体で、
これは例えば棚板２の上面にねじ止めされた取付
金具３に固定具４を介して吊下げ状に配設されて
いる。この本体１には、上部左側、上部右側及び
下部右側に夫々位置してケース収納部たるケース
収納室５、水タンク収納室６及びボトル収納室７
が共に前面のみを開放するように区画形成されて
いる。８は水タンク収納室６内に前方より着脱可
能に装着したカートリツジ式の水タンクで、これ
の背面下部に設けられた弁機構付きの出水口（図
示せず）を、水タンク収納室６の背面下部に設け
られた給水口（図示せず）に弁機構を開放させた
状態で連結している。９はボトル収納室７の底面
部に装着された加熱台で、ここには給湯機構１０
を構成する電気ヒータ１１及び加熱管１２が埋設
されている。そして、加熱管１２の一端部は前記
給水口に連通され、他端部にはケース収納室５の
天井部１３内に延びる給湯管１４が連結されてい
る。１５はボトル収納室７内に前方より収納して
加熱台９上に載置したボトル、１６はケース収納
室５の下方部に配設した縦軸形のモータで、これ
の回転軸１６ａはケース収納室５の底壁部を貫通
して上方に突出し、その上端に爪盤１７が取着さ
れている。１８はコーヒー豆粉砕及びコーヒー液
抽出兼用のケースで、このケース１８は第１図に
示すように略円筒状のケース主体１９とそのケー
ス主体１９の下端部に例えばバヨネツト係合手段
により装着された浅底容器状の受け器２０とから
成り、該受け器２０には第４図に示すように把手
部２１が形成されている。このケース１８はケー
ス収納室５内に以下のようにして着脱可能に配設
されている。即ち、ケース収納室５の内底部には
前記爪盤１７を囲繞するように環状凸部２２が形
成され、これに対応して受け器２０の下面に突設
された環状リブ２３を環状凸部２２の外周面に着
脱可能に嵌合することにより、ケース１８をケー
ス収納室５内に配設している。このようにして配
設したケース１８の受け器２０の右側部には膨出
部２４（第１図参照）が右側方に張り出すように
形成され、この膨出部２４の底部に流出口２５が
形成されている。そして、この流出口２５をケー
ス収納室５の底壁右側部に形成された開口部５ａ
からボルト１５内に臨ませている。２６はケース
主体１９の底部に装着したフイルタ体、２７はケ
ース主体１９の内底部に回転自在に挿通支持され
たカツタ軸で、その上端部にはブレード状の粉砕
体２８が取着され、下端部にはモータ１６側の爪
盤１７とかみ合いクラツチ２９を構成する爪盤３
０が取着され、この爪盤３０が受け器２０の底面
中心部に形成された挿通筒部３１に挿通されて爪
盤１７にかみ合つている。３２はケース主体１９
の外周部に膨出部２４の上方に位置して上下方向
に延びる樋状に形成されたオーバーフロー流路
で、ケース主体１９から溢れ出た湯をこのオーバ
ーフロー流路３２を通して膨出部２４内に導くよ
うにしている。３３はケース主体１９の上部に形
成した段部１９ａに着脱可能に載置した注湯キヤ
ツプで、これの中央部には小孔３４ａを有する凹
陥部３４が形成されているとに、この凹陥部３４
の周囲部の環状領域に複数のリブ３４ｂが間欠的
に突設され、更にこれらのリブ３４ｂの外側部分
に複数の注湯孔３３ａが形成されている。一方、
３５は給湯管１４の端部に連結した例えばゴム材
製Ｌ字管状の給湯部で、これの流出側端部に形成
された一対の鍔部３６，３７間の部分がケース収
納室５の天井部１３下面に形成された取付孔１３
ａに嵌着されている。３８は注湯キヤツプ３３の
上方に位置してケース１８の上面（ケース主体１
９及びオーバーフロー流路３２の上面）に着脱可
能に被せた蓋で、これの下面に突設した環状の嵌
合部３９がケース主体１９の上端内周部に嵌合さ
れている。この蓋３８には皿状凹部４０が形成さ
れ、この皿状凹部４０の中央部には挿通孔４１を
有する筒状凸部４０ａが形成されている。４２は
蓋３８の挿通孔４１に上下動可能に挿通支持され
た管状の湯受け部で、これの下端部には鍔状の抜
け止め部４３が設けられ、一方、上端部には上向
きに拡開するテーパ状部４４が形成されていると
共に、このテーパ状部４４の上端外周部には外周
側に向つて下降する略傘状の案内部４５が形成さ
れている。４６は蓋３８と湯受け部４２との間に
設けた例えばゴム等の弾性材料製のシール部材
で、これは円環状の基部４８の内周部に円筒部４
９を立上り形成すると共に、この円筒部４９の上
端内周部に円環状の封止部５０を形成して成り、
その円筒部４９を蓋３８の筒状凸部４０ａに嵌合
して基部４８を蓋３８に接触させ且つ封止部５０
の内周部を湯受け部４２に接触させることによ
り、湯受け部４２と蓋３８の挿通孔４１との間を
気密に閉塞している。５１は湯受け部４２の案内
部４５とシール部材４６との間に配設した弾性体
たるコイルばねで、これの弾発力により湯受け部
４２を上方に付勢して該湯受け部４２を給湯部３
５に弾接保持すると共に、シール部材４６の基部
４８を蓋３８に圧接させている。５２は流出口２
５を閉塞する弁機構で、この弁機構５２のレバー
部５２ａがボトル１５の蓋１５ａに当接すること
により弁機構５２が開放された状態となる。尚、
第３図に示すように本体１の下部左側の前面には
操作パネル５３が設けられている。また、ケース
収納室５の前面開口部にはこれを開閉する扉５４
が枢設されている。

次に上記構成の作用について説明する。第３図
に示す状態からコーヒー液を抽出するには、まず
ケース１８をケース収納室５から取外して内部に
コーヒー豆を投入する。ケース１８の取外しは、
該ケース１８を上方に持ち上げて環状リブ２３を
環状凸部２２から外し（このとき、湯受け部４２
はコイルばね５１の弾発力に抗してケース１８側
に押し込められた状態となる）、そのまま手前に
引き出せば良い。コーヒー豆の投入後、ケース１
８の上面に注湯キヤツプ３３及び蓋３８を被せた
上で、該ケース１８をケース収納室５に次のよう
にして配設する。まず湯受け部４２の案内部４５
をケース収納室５の天井部１３の下面に当接さ
せ、この状態でケース１８を持ち上げるようにし
て奥側に押し込むことにより、湯受け部４２をコ
イルばね５１の弾発力に抗してケース１８側（下
側）に押し込みつつ、徐々に案内部４５を給湯部
３５の下側に摺動させると共に、受け器２０の下
端を環状凸部２２に載せる（第４図参照）。その
後、ケース１８を更に奥側に押し込むことにより
環状リブ２３を環状凸部２２に合致させると、湯
受け部４２の上端部が給湯部３５の肩部に合致す
ると同時に、該ケース１８がコイルばね５１弾発
力及び自重により下降して環状リブ２３が環状凸
部２２に嵌合し、以つてケース１８がケース収納
室５内に配設された状態となる。この状態では、
湯受け部４２がコイルばね５１の弾発力による給
湯部３５に弾接保持され、即ち湯受け部４２の案
内部４５の中央部が給湯部３５の鍔部３７に密着
した状態に保持されて、湯受け部４２が給湯部３
５に水密に連結された状態となる。そして、水タ
ンク８を取出して内部に水を注入した後、該水タ
ンク８を水タンク収納室６内に再装着した上で、
モータ１６を起動させると、粉砕体２８が回転し
てケース１８内のコーヒー豆が粉砕される。粉砕
終了後、給湯機構１０の電気ヒータ１１に通電す
ると、水タンク８から加熱管１２内に流入した水
が順次熱湯化され、この熱湯が沸騰圧により給湯
管１４内を押し上げられて、給湯部３５に至る。
給湯部３５の流出側端部には湯受け部４２が水密
に連結されているため、熱湯は給湯部３５から湯
受け部４２へと流れ、この湯受け部４２の下端か
らケース１８内の注湯キヤツプ３３の凹陥部３４
上に噴出させる。この場合、給湯部３５とケース
１８との間には、ケース１８の蓋３８と、この蓋
３８の挿通孔４１に挿通支持されてコイルばね５
１により給湯部３５に弾接保持された湯受け部４
２と、この湯受け部４２と前記蓋３８の挿通孔４
１との間を気密に閉塞するシール部材４６とによ
り気密に連結された状態となつているため、給湯
部３５を通して湯受け部４２から噴出された熱湯
の蒸気はケース１８内に閉じ込められて外部に放
出されることはなく、従つてその蒸気によりケー
ス収納室５の天井部１３等を濡らしてしまうこと
もない。また、湯受け部４２の出口部分から発せ
られる熱湯の噴出音も、蓋３８及びシール部材４
６により閉塞されたケース１８内で発せられるこ
とになるため、この噴出音が直接外部に漏れ出る
ことはなく、従つて、使用者には噴出音がそれ程
大きな音として聞こえず、給湯時の騒音が小さ
い。一方、凹陥部３４上に噴出された熱湯は凹陥
部３４内に一但貯留されつつリブ３４ｂの隙間を
通して周囲に拡散され、注湯孔３３ａからコーヒ
ー粉に滴下した後、フイルタ体２６により濾過さ
れてコーヒー液となり、ボトル１５内に貯留され
る。

また、本実施例ではシール部材４６をコイルば
ね５１の弾発力により蓋３８に圧接させるように
構成したので、シール部材４６に接着等の固着手
段により蓋３８に固定せずとも、シール部材４６
と蓋３８との機密性を向上させることができて、
湯受け部４２と蓋３８との間の機密性保持に一層
好都合である。

尚、本実施例のようにケース１８内でコーヒー
豆を粉砕するように構成した場合には、コーヒー
豆の粉砕時に振動、コーヒー粒の飛び跳ねにより
蓋３８がケース１８の上面から浮き上がること
を、コイルばね５１の弾発力により防止できるか
ら、コーヒー粉がケース１８外に飛び出すことを
確実に防止できるという付随的効果も得られる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の説明から明らかなように、給湯
部とケースの上面とを湯受け部、蓋及びシール部
材により気密に連結した状態にできるので、湯の
蒸気が外部に放出されることを防止できて、蒸気
によりケース収納室の天井部等を濡らす虞れがな
く、しかも湯の噴出音が直接外部に濡れ出ること
を防止できて、給湯時の騒音を低減し得るという
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は要部の拡大縦断正面図、第２図は全体の縦断
正面図、第３図は全体の斜視図、第４図はケース
の配設手順を説明するための要部の拡大縦断側面
図である。 図面中、１は本体、５はケース収納室（ケース
収納部）、１０は給湯機構、１３は天井部、１８
はケース、３５は給湯部、３８は蓋、４２は湯受
け部、４６はシール部材、５１はコイルばね（弾
性体）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体のケース収納部にコーヒー粉を収納したケ
   ースを着脱可能に配設し、前記ケース収納部の天
   井部に前記ケース内に給湯するための給湯部を設
   けたものにおいて、前記ケースの上面に被せられ
   た蓋と、この蓋に上下動可能に支持され前記給湯
   部からの湯を前記ケース内に受け入れるための湯
   受け部と、この湯受け部を上方に付勢し前記ケー
   スの前記ケース収納部への配設時に前記湯受け部
   を前記給湯部に弾接保持する弾性体と、前記湯受
   け部と前記蓋との間に設けられ両者間を気密に閉
   塞するシール部材とを具備して成るコーヒー抽出
   器。