JPH03172382A - 膨脹黒鉛製グランドパッキンの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、流体機器、装置の回転軸あるいはバルブステ
ムなどの密封に使用される膨脹黒鉛製グランドパッキン
を製造するための方法に関する。

上記グランドパツキンには、膨脹黒鉛を基材とするもの
が知られている。このような膨脹黒鉛テープなどから形
成された膨脹黒鉛製グランドパッキンは、石綿製グラン
ドパツキンと比較して、応力緩和特性、耐熱性、耐薬品
性などの物性面で優れているため、一般に広く使用され
ている。

この種の膨脹黒鉛製グランドパッキンは、従来、例えば
膨脹黒鉛の粉体やテープを金型内に入れ、圧縮成形して
リング状に成形することによって製造されていた。

しかしながら、この製造方法では、金型の所定形状に限
られたリング状のグランドパツキンを成形することがで
きるものの、例えば内径や外径の異なるグランドパツキ
ンを成形しようとすると、当然にこの形状に合った金型
を準備して使用しなくてはならず、金型の取扱いや在庫
管理等が非常に煩雑となってしまうといった問題点があ
った。

また、このような圧縮成形によって製造されたグランド
パツキンは、一般に機械的強度に欠け、脆いため、−度
装着したものを交換のために取り出す作業がかなり困難
であるといった問題点もあった。

このような問題点を解消するため、例えば金属箔又はア
ラミツド繊維のペーパーを中芯とし、これに可撓性黒鉛
シートを積層し、これを裁断してテープ状体とし、この
テープ状体を複数本加熱して撚り糸となし、この撚り糸
を編み紐として編組した可撓性黒鉛編組パツキンが知ら
れている（例えば、特開昭６１−１４３，４８３号公報
参照）。

この可撓性黒鉛編組パツキンは、グランドパツキンを紐
状に保管でき、使用時に所定長に切断して使用でき、利
便性のあるものである。

しかしながら、この方法により形成されたグランドパツ
キンは、次のような欠点がある。

このグランドパツキンにおいては、前記可撓性黒鉛シー
トのみでは強度的に不足するので、金属箔及びペーパー
を補強材として使用しているが、中芯が金属箔の場合に
は、強度が不足して十分な補強できず、前記編組機にか
けた場合に切断する虞がある。また、中芯がペーパーの
場合には、このペーパーが有機繊維のときには、グラン
ドパツキンが高温状態（約３００℃以上）下で使用され
ると強度が低下し、十分な補強とならないという欠点が
ある。しかも、前記中芯が金属箔及び有機繊維のペーパ
ーの場合には、高温時に強度が低下するので、グランド
パツキンの取替時に取出し作業が困難となるという欠点
がある。

また、中芯がガラス繊維、セラミック繊維のペーパーの
場合には、この繊維間に通孔が存在し、これをグランド
パツキンとして使用した場合には、この通孔を流体が通
る、いわゆるパツキンの浸透漏洩の懸念があり、また、
流体が強酸あるいはアルカリの場合には、中芯が劣化し
、強度低下を起す虞もある。

発明の目的 本発明は、上記のような従来の膨脹黒鉛製グランドパッ
キンに伴う問題点を解消しようとするものであって、高
温流体の密封に使用しても強度が維持され、密度が大き
く浸透漏洩のない、取替作業が容易な、優れた物性を有
する膨脹黒鉛製グランドパッキンの製造方法を［供する
ことを目的としている。

発明の概要 本発明に係る膨脹黒鉛製グランドパッキンの製造方法は
、金網の両面に積層した膨脂黒鉛を加圧してシート状部
材を形成し、このシート状部材を幅寸法２〜１０＋ｎで
裁断して、膨脹黒鉛密度が０　、　５〜２　、　０　ｚ
　／　ｃｍ　３の長尺な細帯を形成し、この細帯を編み
紐として編組することを特徴としている。

また、前記膨脹黒鉛製グランドパッキンは、前記細帯を
複数本束ねて編み紐として編組したことを特徴としてい
る。

このように、金網の両面に膨脂黒鉛を積層した細帯を使
用してグランドパツキンを形成すれば、機械的強度に優
れ、高温下で使用しても強度不足を生じることはなく、
また細帯の強度が大きいので、編組工程での切断もない
。

前記製法では、膨脂黒鉛が金網の網目内に入込むことに
なるので、網目を埋め、膨脹黒鉛密度が大きなものとな
り、この結果、浸透漏洩の少ないパツキンが得られる。

このグランドパツキン内には金網が入っているので、強
度的に優れ、グランドパツキンの取替作業時に容易に取
出すことができる。

発明の詳細な説明 以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。

先ず、第１図に示すように、所定幅の金網１に耐熱接む
剤を塗布し、この金網１の表裏両面に膨脂黒鉛シート２
あるいは膨脂黒鉛の粉末を接着剤等で塗着する。なお、
接着剤を用いることなく、膨脂黒鉛の粉末を金網１に圧
着させることもできる。

金網に使用する線材は、耐蝕性の材料、例えばステンレ
スあるいはインコネル等が好ましく、線径は０６０５〜
０．１鴎のものが好ましい。

このような線材を用いて形成する金網の目の粗さは、１
００〜５００メツシユであることが好ましく、その厚さ
は、０．０５〜０．５ｍ■であることが好ましく、平織
りあるいは綾織り等・により織り上げることが好ましい
。

また、耐熱接着剤としては、無機接着剤、たとえば、ケ
イ酸すトリウム（水ガラス）、シリカ系接着剤、アルミ
ナ系接着剤等を使用することが好ましい。

積層するための膨張黒鉛シート２としては、炭素含有率
が９６．５重量％以上 密度が屹　７〜１．０ｇ／ｃｌＩ＋３ シートの厚さが０．２〜２．Ｃ１５ｍ のちのを使用することが好ましい。

このような上記膨張黒鉛テープ２は、膨脂黒鉛粒子をバ
インダーを用いずに、あるいは必要に応じて酸化黒鉛、
ホウ酸、リン酸アルミニウムおよびケイ素と炭素の主な
骨格成分とする有機ケイ素高分子化合物などのバインダ
ーとともに圧縮して得られたものであって、テープ（シ
ート）状あるいはそれに近い形状をなしている。この膨
張黒鉛テープ１は、このように主としてテープ（シート
）状であるが、鱗片状などテープ状以外の形状のものが
含まれていてもかまわない。

膨張黒鉛粉末を使用する場合には、 炭素含有率が９６．５重量％以上 嵩密度が０．０２ｇ／ｃｎ＋３以下 のちのを使用することが好ましい。

このように金網１の両面の膨張黒鉛シート２又は膨張黒
鉛の粉末を添桁したものを、ロールにより加圧し、膨張
黒鉛が金網ｌの［１の中に入り込むようにし、金網１と
膨脂黒鉛シート２等がほぼ一体化されたシート状部材３
を形成する。

このようにロールによる加圧を行なうと、膨張黒鉛が金
網１の網目内に入り込むことになるので、この網目を膨
張黒鉛が埋めることになり、膨張黒鉛の密度が大きくな
り、浸透漏洩の少ないものとすることができる。

次に、このシート状部材３を、第２図に示すような、多
数の刃付きロールカッター４により幅寸法、好ましくは
２〜１０ｍｍで裁断し、膨脹黒鉛密度が屹　５〜２．０
ｇ／ｃｍ”の長尺な細帯５を形成する。

ここに、幅寸法を２〜ＩＱ＋ｎとしたのは、２１以下で
は、裁断自体が困難となり、１０＋ａ＋ｗ以上では編組
工程が困難となる傾向があるからである。

また、膨脹黒鉛密度を０．５〜２．０ｇ／ｃｍ３とした
のは、０．５ｇ／ｃｍ３以下では、浸透漏洩の懸念があ
り、２．０ｇ／ｃＩ１１３以上では、剛性が強く、編組
が困難となる傾向があるからである。

最後に、前記細帯５を複数本を束ねて編み紐として編組
機にかけて、格子線、八つ編、袋網等の従来から行なわ
れている一般的な方法を採用して、膨脹黒鉛製グランド
パッキンを形成する。

このようにして得られたグランドパツキンは、金網１の
両面に膨張黒鉛２を積層した細帯５を編み紐としている
ので、強度的に優れたものとなり、この編組工程におい
て、捩りあるいは引張の力等が加わっても破損すること
はなく、スムーズな編組が可能となる。しかも、このグ
ランドパツキンは、紐状であるので、バルブステム等に
組み込むパツキンを成形する場合には、スタフィングボ
ックスに対応する種々の寸法のものを簡単に形成するこ
とができ、寸法が異なる種々のパツキンを在庫しておく
必要はなく、在庫管理が容易となる。

特に、製造時に種々の金型を使用しなくてよいので、製
造が容易となるのみでなく、コスト的にもきわめて有利
となる。

このようにして得られたグランドパツキンは、バルブス
テムなどの密封あるいはポンプなどの高速回転する回転
軸のグランド部に装管して使用されるが、このグランド
パツキンがシールする流体が高温流体であっても、編み
紐の強度が大きいので、高温下で十分耐え、漏洩を生じ
ることはない。

また、永年使用によりグランドパツキンを交換する場合
には、このグランドパツキン内に入っている金網が脆い
膨張黒鉛を保持する構成となるので、この金網を利用し
て、グランドパツキンを容易に取出すことができ、グラ
ンドパツキンの取替作業が迅速容易なものとなる。

なお、本発明は、上述した実施例のみに限定されるもの
ではなく、１本づつの細帯５を編み紐として編組機にか
けて、編組して、膨脹黒鉛製グランドパッキンを形成し
てもよく、また、細帯５を編組することなく、複数本束
ねて撚り合わせることによって、膨脹黒鉛製グランドパ
ッキンを形成することもてきる。

発明の効果 本発明は上記のような構成であるので、以下のような効
果がある。

■金網の両面に膨張黒鉛を積層した細帯が単位構成要素
となっているので、これを用いて形成ししたグランドパ
ツキンは全体にわたり機械的強度に優れ、高温下で使用
しても強度不足を生じることはなく、また編組工程での
切断もない。

■膨脹黒鉛が金網の網目内に入込むことになるので、網
目を埋め、膨張黒鉛密度が大きなものとなり、この結果
、浸透漏洩の少ないグランドパツキンが得られる。

■このグランドパツキン内には金網が入っているので、
強度的に優れ、グランドパツキンの取替作業時に容易に
取出すことができる。

■本発明によって構成されたグランドパツキンは、パツ
キン装着用のスタフィングボックスの内径及び外径司法
に一致するような長尺のグランドパツキンとして成形で
きるので、使用時には所定、ｊ法に切断するだけでここ
に装着することができ、この在庫管理を容易となすとと
もに、使用上の便を図ることができる。

以下、本発明の一実施例と比較例とを対比する。

実施例 線径が０．０６ｍｍのステンレス製線材を用いて、１８
０メツシユで、厚さ０．２ｍ＋ｓに、平織りした金網を
形成し、この両面に、 炭素含有率が９９．５重量％ 密度が１．０ｇ／ｃｍ” シートの厚さが１．０關 の膨張黒鉛シート２を貼むした。

これをロールにより加圧してシート状部材３を形成した
後に、刃付きロールカッター４により幅＝Ｊ法５ｍ１１
で裁断し、膨張黒鉛密度が１．３ｇ／ｃｌＩ３とした細
帯５を形成した。

そして、この細帯５を格子幅して膨脹黒鉛製グランドパ
ッキンを形成した。

比較例１ 厚さ１　＋ｎｎの膨張黒鉛シートを２枚積層し、幅５關
に裁断したグランドパツキンを得た。

比較例２ 厚さ１關のアラミツド繊維のペーパーを中芯とし、これ
に厚さ１關の膨張黒鉛シートを表裏両面に積層し、幅５
　ｍｍに裁断したグランドパツキンをｉ′＋た。

比較例３ 厚さ１５μｍのアルミニウムの箔を中芯とし、これに厚
さ１　＋ａ＋ｓの膨張黒鉛シートを表裏両面に積層し、
幅５龍に裁断したグランドパツキンを得た。

上記実施例と比較例とを比較すれば、下記のような結果
が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は細帯を形成状態の要部斜視図、第２図はシート
状体の切断を示す斜視図斜視図である。 ｌ・１．金網、　　　　２・・・膨張黒鉛シート、３・
・・シート状部材、５・・・細帯。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）金網の両面に積層した膨脹黒鉛を加圧してシート状
   部材を形成し、このシート状部材を幅寸法２〜１０ｍｍ
   で裁断して、膨脹黒鉛密度が０．５〜２．０ｇ／ｃｍ＾
   ３の長尺な細帯を形成し、この細帯を編み紐として編組
   することを特徴とする膨脹黒鉛製グランドパッキンの製
   造方法。 ２）前記細帯を複数本束ねて編み紐として編組すること
   を特徴とする請求項第１項に記載の膨脹黒鉛製グランド
   パッキンの製造方法。