JPH0316237B2 - - Google Patents

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JPH0316237B2
JPH0316237B2 JP1710184A JP1710184A JPH0316237B2 JP H0316237 B2 JPH0316237 B2 JP H0316237B2 JP 1710184 A JP1710184 A JP 1710184A JP 1710184 A JP1710184 A JP 1710184A JP H0316237 B2 JPH0316237 B2 JP H0316237B2
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wire
annealing
furnace
welding
atmosphere
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Minoru Adachi
Shunichi Kikuta
Harutoshi Tanaka
Mitsuo Kurihara
Hiroshi Fujii
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Publication of JPH0316237B2 publication Critical patent/JPH0316237B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/40Making wire or rods for soldering or welding

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の技術分野) 本発明は送給性のすぐれた銅メツキ処理を行つ
た全自動および半自動溶接用鋼ワイヤの製造方法
に関する。 (従来技術) 一般にCO2ガスシールド溶接、NIC溶接等には
0.8〜2.4mmφの銅メツキした溶接用鋼ワイヤが使
用されている。これらの溶接用ワイヤは通常スプ
ールやボビンに巻装された状態で、あるいはペイ
ルパツクと呼ばれる円筒容器に装填された状態で
溶接に供せられる。これらのワイヤが使用される
ときは、溶接機の付属装置である送給機に設置さ
れ、送給ローラを通り3〜20mにおよぶフレキシ
ブルコンジツトチユーブ、溶接トーチ、コンタク
トチツプを通じ、溶接が行われる例が多い。 この他、走行台車にワイヤスプールなどを搭載
し、コンジツトチユーブを使用しない装置も使用
されているが、これは前記した設置形式のものに
比べて、装置が複雑でしかも大型化しかつ溶接領
域が限定される等の欠点があり用途が限られてい
る。 さてフレキシブルコンジツトチユーブを用いる
溶接ワイヤの送給方式としてはプツシユ式、プル
式、プツシユプル式の3種類があるが、取扱いの
簡便な、プツシユ式の使用比率が高い。しかしプ
ツシユ式の送給機のコンジツトチユーブは通常3
m、広領域の溶接を行う場合には20m程度の長さ
のものが使用され、この時ワイヤ送給性の問題が
生じる。溶接ワイヤには一定速度で供給されるこ
とが求められるものである。しかしワイヤはフレ
キシブルコンジツトの案内管であるライナー、ト
ーチ、チツプとの間の接触抵抗およびフレキシブ
ルコンジツトチユーブの屈曲部とを通りぬけるた
めの抵抗力などが作用する。フレキシブルコンジ
ツトチユーブが直線状態である現場作業はほとん
どなく、屈曲状態下で使用されるのが普通であ
り、屈曲部が多いほどまた屈曲半径が小さいほど
屈曲部通りぬけの抵抗力は大きい。しかして、前
記の如き溶接ワイヤとの接触抵抗力に打克つ力で
ワイヤは押進せしめられ送給されるものである
が、接触抵抗が大きくなると溶接ワイヤの送給速
度が不均一になりついには送給停止の事態が生じ
るようになる。このため、溶接アークの不安定、
ビード形状の不揃、融合不良、アンダーカツトの
発生など種々の溶接欠陥を生ずるようになる。 最近、溶接作業の複雑化、高速化、広範囲化に
伴ないフレキシブルコンジツトライナーとの摩擦
抵抗力が小さく、送給が円滑でかつ安定し、常に
定速送給されうる溶接用ワイヤ、すなわち送給性
が安定な溶接用ワイヤが強く要求されるようにな
つた。 従来、ワイヤの送給性を改善するために、送給
機の送給パワーを高めるかあるいはワイヤ自体の
送給性を向上させることが行われてきた。例えば
特公昭50−3256号公報に開示されたワイヤのよう
にワイヤ自体の送給性の向上をはかるべく、表面
が充分ミクロ的に緻密平滑なワイヤ表面に液状の
潤滑油を塗布し、ワイヤ表面の潤滑能を上げ、送
給抵抗の軽減を計る方法が知られているが必ずし
も安定した送給性を示すものは得られなかつた。
その理由はワイヤ表面が緻密平滑であることから
液状の潤滑剤をワイヤの表面に均一にかつ安定し
た状態で塗布することは困難であり、所定の性能
を得るため潤滑油を多量に塗布せざるを得なかつ
たからである。また必要以上に多量に塗布された
ワイヤ表面の潤滑油は溶接部の材質変化を生ぜし
めたりあるいは溶接作業性に悪影響をおよぼすの
みであつた。第3図は表面が緻密平滑な従来ワイ
ヤの表面状態を示す金属顕微鏡写真(倍率×400)
である。 この従来のワイヤは大気焼鈍すなわち酸素の多
い状態で焼鈍するために、ワイヤ表面より数μm
〜10μm程度の深さまで鉄酸化物(FeO、Fe3O4
Fe2O3等)を主成分とする酸化被覆、いわゆる外
部酸化層を生成する。この外部酸化層はワイヤの
めつき密着性に悪影響を及ぼすことから次工程の
めつき前処理(酸洗)で除去し、表面清浄なワイ
ヤとしてその表面に銅めつき等のめつきを施こ
す。このときの鋼ワイヤは外周部に伸びのあるめ
つき層、内部は軟化焼鈍された伸びのある2重構
造のワイヤ断面であり、該ワイヤの伸線加工に際
して、減面するワイヤにともなつてめつき層が伸
びるので、第3図に示すような表面が緻密平滑な
ワイヤとなる。 その他特開昭54−141348号公報に開示されてい
るように、ワイヤの表面を強制的に加圧し、表面
粗度を変え接触抵抗を軽減する方法などもあるが
その効果は前記した潤滑油の塗布による送給性の
改善の効果と大同小異であり、未だ満足すべきも
のではない。 このような従来ワイヤの欠点を解消する溶接用
鋼ワイヤとして本出願人は特開昭56−144892号公
報に示されたワイヤを開発した。即ち、原線径5
〜6mmφの熱延鋼線材を使用して溶接用鋼ワイヤ
を製造する場合、製品の具備すべき適正な引張強
さを得る意味で伸線加工により硬化した線材の応
力除去を目的に伸線加工途中で雰囲気ガス中での
バツチ式軟化焼鈍を行なう。例えば窒素ガス雰囲
気中で700℃×4hrのバツチ焼鈍を行なう。この焼
鈍により鋼ワイヤは所定の引張強さに下げられる
とともに、鋼ワイヤの表面層は前工程よりワイヤ
表面に付着して焼鈍炉内に持込まれた水分、潤滑
剤等によつて酸化されて深さ数μm〜10μm程度
の硬い内部酸化層となる。次いでめつき前処理工
程の酸洗処理でめつき密着性を悪くするワイヤ表
面上層部を除去するとともに、最終の仕上伸線工
程で亀甲状の溝が良好に形成されるように前記硬
い内部酸化層の厚さを調整した上で銅めつき等の
めつきを行なう。 かくして外周部に軟かく伸びのあるめつき層、
中間部は焼鈍で生成し調整された硬い内部酸化
層、内部は軟化焼鈍された伸びのある線材の3重
構造のワイヤ断面を呈する線材が得られる。 こうして得られためつきされた鋼ワイヤを仕上
伸線工程で所望製品径まで伸線を行なう。仕上伸
線工程で伸線すると、それぞれの層間の密着性が
損われず、厚さ調整した中間の内部酸化層の最も
薄く伸びの少ない箇所を基点にして、横溝がワイ
ヤ表面の円周方向に発達し、ワイヤ表面に亀甲状
の溝が生成する。 この製造方法はワイヤ表面に前工程にて付着し
た水分、潤滑剤等の酸素源のみによりワイヤ表面
層に内部酸化層を生成せしめようとするいわば消
極的な製造方法であつた。このため少なくとも2
時間以上の長時間焼鈍を余義なくされ、各工程の
連続化を困難なものにしていた。なぜならば伸
線、めつき前処理、めつき処理等の各工程の所要
時間は数分以内であり、焼鈍のみ数時間を要した
場合、連続化のためには膨大な長さの焼鈍炉を設
置しなければならないからである。そこで従来バ
ツチ式の焼鈍炉が採用されている。 第4図はこの溶接用鋼ワイヤの表面状態を示す
金属顕徴鏡写真(倍率×400)であり、ワイヤ表
面に亀甲状の横溝が形成されていることがわか
る。この横溝はワイヤ円周方向に形成された溝で
あり、この溝が全体として亀甲模様を呈する。こ
のワイヤによればできるだけ少ない液状潤滑剤を
安定した状態でワイヤ長手方向に均一に付着させ
ることが可能となる。すなわちワイヤ表面の亀裂
内に液状潤滑剤を保持しワイヤの表面はミクロ的
な含油状態になるのでワイヤ表面の潤滑能が極め
て良好となりコンジツトライナーとの接触抵抗が
軽減される。この結果送給抵抗そのものも低く、
変動範囲が挟くなりワイヤ送給性が安定する。ワ
イヤ送給性の安定・均一化によりアークは安定
し、ビード形状の不揃、融合不良などの溶接欠陥
が生じない。さらにメツキ亀裂内に液状潤滑剤が
安定した状態で保持されるため液状潤滑剤は最小
限のワイヤ付着量で安定した送給性が得られるの
で過剰な潤滑剤によるピツト、ブローホールなど
の溶接欠陥の発生がなく、すぐれた溶接作業性が
達成される。 (発明の目的) 本発明はこのようなワイヤ表面に亀甲状の溝を
形成した送給性性の良好な溶接用ワイヤの最も好
ましい製造方法であつて、短時間にかつ安定して
ワイヤ表面に亀甲状の溝を有する溶接用鋼ワイヤ
を得ることのできる製造方法を提供することを目
的とする。 又本発明の目的は焼鈍−めつき−伸線等の各工
程を連続化しうる溶接用鋼ワイヤの製造方法を提
供することを目的とする。 (発明の構成・作用) この目的を達成する本発明の要旨とするところ
は鋼ワイヤ表面に炭酸塩を塗布してから雰囲気が
酸素量2vol.%以下の密閉炉内で焼鈍温度650℃以
上で1分以上保持する焼鈍を行ない、続いてめつ
き処理、伸線加工を施すことを特徴とする溶接用
鋼ワイヤの製造方法にある。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明では酸素量が非常に少ない雰囲気、すな
わち2vol.%以下の雰囲気で軟化焼鈍しワイヤに
内部酸化層を生成させる。焼鈍炉内の酸素量を少
なくするためには、アルゴンガス等の不活性ガス
あるいは窒素ガス、一酸化炭素と二酸化炭素の混
合ガス等のいわゆる中性又は環元性ガスを使用す
ればよいがランニングコスト、安全性等を考慮し
て例えば窒素ガスを使用する。又本発明ではワイ
ヤに内部酸化層を生成させる時間を短縮化するた
めに焼鈍前のワイヤに炭酸塩を塗布しこれにより
内部酸化層生成を促進せしめる。実際には炭酸塩
の水溶液に鋼ワイヤを浸漬して乾燥してから、上
記雰囲気の焼鈍炉内で焼鈍温度650℃以上で1分
以上保持することで所望の内部酸化層を生成せし
める。ワイヤ表面に塗布した炭酸塩がワイヤの内
部酸化層の生成を促進するのは、炭酸塩として炭
酸カリウムを例にして説明すると、該炭酸カリウ
ムが650℃以上の高温で分解し、 K2CO3→K2O+CO2 となつて発生する酸化カリウムの触媒作用により
ワイヤ表面層に内部酸化が進むものと考えられ
る。酸素の供給源は焼鈍に供されるワイヤに付着
している水分、伸線潤滑剤あるいは雰囲気ガス中
の不純物であり、これらの酸素の供給源からもた
らされる酸素が高温状態で鋼ワイヤ中の鉄よりも
親和力の強いケイ素、マンガン等の合金元素と炭
酸塩の存在により良好に反応してワイヤ表面から
ほぼ110μm以内にFe2SiO4、FeMnO2等の酸化物
からなる内部酸化層を生成する。このとき窒素ガ
ス雰囲気中での焼鈍ならば、該窒素およびワイヤ
に付着した潤滑剤中の炭素により不可避的に生成
する若干の窒化物、炭化物も内部酸化層に含有さ
れる。又ワイヤ表面に若干の鉄の酸化物(FeO、
Fe3O4、Fe2O3等)も生成するが、炉内の酸素が
非常に少ないので前記した鉄の酸化被膜の状態、
すなわち外部酸素の状態にはならない。 このようにしてワイヤ表面からほぼ10μm以内
に上記の酸化物、窒化物、炭化物からなる硬い内
部酸化層が生成する。焼鈍工程に次いでめつき前
処理の酸洗工程で、焼鈍で生成しためつき密着性
を悪くする鉄酸化物等の表面上層部を除去すると
共に最終仕上伸線工程で亀甲模様の溝が良好に形
成されるように前記の硬い内部酸化層の膜厚を調
整したうえでめつきを行なう。かくして外周部に
軟かく伸びのあるめつき層、中間部は焼鈍で生成
し調整された硬い内部酸化層、内部は軟化焼鈍さ
れた伸びのある鋼ワイヤの3重構造のワイヤ断面
を呈する線材が得られる。 この3重構造のワイヤを仕上伸線工程で伸線す
るとそれぞれの層間の密着性が損われず、硬い中
間層の最も伸びの少ない箇所を基点にして、亀甲
模様の溝がワイヤ表面の円周方向に発生する。 ここで本発明に係る焼鈍方法について説明す
る。 前記したように本発明では炭酸塩を塗布したワ
イヤを雰囲気が酸素量2vol.%以下の密閉炉中で
焼鈍温度650℃以上で1分以上保持する焼鈍を行
う。なお本発明でいう密閉炉による焼鈍とは炉内
雰囲気の圧力を炉外雰囲気(一般には大気)圧以
上かつ所定圧以下に保持すべく、炉内雰囲気ガス
を適当に炉外に流出させるとともに炉外雰囲気の
流入を禁止して行なう焼鈍をいう。 このような焼鈍装置の具体例を第1図、第2図
に示す。第1図の具体例において1は焼鈍炉で焼
鈍炉1の前部には乾燥室4を介して炭酸塩水溶液
槽2、後部には水槽3が配設されている。この炭
酸塩水溶液槽2はワイヤへの炭酸塩の塗布、炉内
雰囲気ガス遮へいのために、又水槽3は焼鈍後の
ワイヤの冷却、炉内雰囲気ガス遮へいのために設
ける。焼鈍炉1の炉内はラジアントチユーブバー
ナ方式や電熱ヒータ方式等適宜の加熱方式により
所定の温度に保たれる。6,7,8,9はそれぞ
れ炉内への雰囲気ガス供給パイプ、排出パイプ、
圧力計、炉外大気中への雰囲気ガス排出パイプを
又14,15は槽2,3内で発生した水蒸気を大
気中に排出するチエツクバルブを備えた排出パイ
プを示す。 実際にワイヤを焼鈍する場合は次の(イ)〜(ニ)の順
序で行なう。 (イ) 焼鈍を開始する前に雰囲気ガス供給パイプ6
からガスを炉内に導入して初期雰囲気をつくり
バルブを閉めガス供給をストツプする。 (ロ) 所定径に伸線されたワイヤをコイラーにより
ループ状にしてチエーンコンベア10で横置搬
送(矢印A方向)して炭酸塩水溶液槽2に浸漬
し、乾燥室4にて乾燥する。 (ハ) ワイヤに炭酸塩を塗布、乾燥後ローラコンベ
ア11により焼鈍炉内を搬送し焼鈍する。炉内
雰囲気は所定温度、所定圧力に保持されてお
り、炉内圧力は圧力計8、該圧力計8からの指
示により開閉する電磁バルブを有する排出パイ
プ9により適宜ガス排出が行なわれることによ
り大気圧以上に保持される。 (ニ) 焼鈍炉1内搬送により焼鈍されたループ状の
ワイヤは、ローラコンベア11からチエーンコ
ンベア10に受け継がれ焼鈍炉1に後続する水
槽3に浸漬されて冷却された後めつき工程へと
搬送(矢印B方向)されていく。 第2図に示す具体例は第1図の場合とほぼ同様
であるが、炭酸塩塗布手段、水冷手段が若干異な
つている。すなわち本例では炭酸塩水溶液塗布室
12において炭酸塩水溶液をループ状ワイヤの上
方から散液してワイヤに塗布するとともに散液す
ることによつて形成される液カーテンによつて炉
内雰囲気ガスを炉外大気と遮へいする。液剤をワ
イヤに塗布するには図示の如くループ状ワイヤの
搬送路下部に液受皿を配置し、散液を受皿で一旦
受けた後、オーバーフローさせて下方の受液槽に
流下させると液剤が受皿に一時滞留し、波立ち現
象が起こりループ状ワイヤの重合部にも液剤がゆ
きわたるので全体にわたつて均一に塗布でき効果
的である。又同様に水冷室13において水をワイ
ヤループの上方から散水してワイヤを冷却すると
ともに散水することによつて形成される水カーテ
ンによつて炉内雰囲気ガスを炉外大気と遮へいす
る。本例では液剤、水のカーテンの隙間から焼鈍
にともなつて次第に圧力が高くなる炉内雰囲気お
よび乾燥室4′、水冷室13内の水蒸気を含む雰
囲気が大気中へ漏れるので完全な遮へいとはなら
ない。従つてこの場合は第1図の具体例の排出パ
イプ14,15は備える必要はない。 第1図、第2図の具体例の乾燥室と焼鈍炉の間
および焼鈍炉と水槽、水冷室との間には図示しな
いがワイヤの搬送をさまたげない適当な雰囲気ガ
スの遮へい手段を設けて乾燥室内、水槽、水冷室
内の水蒸気が焼鈍炉内に進入しないように配慮し
ている。すなわちこれらの具体例では焼鈍炉の直
前、直後に第1の雰囲気ガスの遮へい手段を設け
るとともに、さらに液槽、水槽、液塗布室、水冷
室による第2の遮へい手段を設ける2段方式の遮
へいを行なつている。なお遮へいされた各部の圧
力は焼鈍炉、乾燥室および焼鈍炉側の水槽、
水冷室、炉外大気の順に低いので、、の
順にガスの流れが生じてもその逆はない。この圧
力関係は焼鈍炉内、乾燥室内等で焼鈍にともなつ
てガス(CO2、水蒸気等)が発生することによつ
て起こる。 他の具体例としては第1図の水槽を第2図の水
冷室に代える等いろいろな態様が考えられる。 なお本発明者らの実験によると上記乾燥室を設
けず、炭酸塩水溶液を塗布されて搬送されるワイ
ヤにブラシ、ローラ等を接触させてあるいはワイ
ヤを振動させてワイヤ表面の炭酸塩水溶液の付着
量をコントロールすることによつてもある程度の
効果があることを確認している。 焼鈍炉内の雰囲気ガス組成の変化について述べ
る。 (イ) (初期雰囲気ガス組成が窒素ガス100%の場
合) ワイヤに塗布する炭酸塩を炭酸カリウムとし
て説明すると前述の如く焼鈍炉内でワイヤ表面
の炭酸カリウムは分解してK2OとCO2を生じ
る。 K2CO3→K2O+CO2 K2Oはワイヤ表面層の内部酸化に寄与し、又
CO2はさらに次のようにワイヤ表面のFeあるい
はワイヤ表面に付着して焼鈍炉内に持ち込まれ
たCと反応してCOを発生する。 CO2+Fe→FeO+CO CO2+C→2CO C+FeO→Fe+CO 更にCO2の一部は 2CO2B2CO+O2 のように反応してCOとO2を生じる。 このようにして最初窒素ガス100%であつた
炉内雰囲気は次第にCO2、COが生じて炉内雰
囲気ガスの組成はN2−CO2−COの混合ガスと
なるが酸素含有量は2vol.%を超えることはな
い。 (ロ) (大気を利用する場合) この場合はまずダミーワイヤを焼鈍炉に流し
て炉内大気雰囲気をワイヤに内部酸化層を生成
させるための雰囲気(酸素量2vol.%以下の雰
囲気)に変化させる。すなわち炉内温度650℃
以上の密閉した炉内に炭酸カリウムを塗布した
ダミーのワイヤを通過させると上記(イ)の場合と
同様にCO2、COガスが発生するとともに大気
中の酸素はワイヤ表面のFeと反応してFeOを
生じる(2Fe+O2→2FeO)ので酸素O2は次第
に減少してついには酸素量2vol.%以下のN2
CO2−CRの混合ガス雰囲気となる。次にこの
N2−CO2−COの混合ガス雰囲気を初期雰囲気
として正式にワイヤの焼鈍を開始する。おダミ
ーワイヤは酸素量を少なくするのが目的である
からワイヤ表面に炭酸塩を塗布しなくてもよ
い。 なお焼鈍炉内の雰囲気圧力は焼鈍が進むにつ
れてCO2、COが増えてくるので次第に高くな
る。このため前記したような手段で炉内雰囲気
ガスを適当に炉外へ排出させて、炉内雰囲気の
圧力を調整する必要がある。 本発明で炉内雰囲気を酸素量2vol.以下の雰
囲気としたのはワイヤに内部酸化層を効果的に
生成させるために必要であるからであり、好ま
しくは酸素量1vol.%以下の雰囲気とする。又
前記したように炭酸塩を塗布した鋼ワイヤを酸
素量2vol.%以下の雰囲気中で焼鈍する場合、
焼鈍温度650℃以上で1分以上保持することが
必要である。すなわち、焼鈍温度の下限値650
℃は炭酸塩を分解させるに必要な温度である。
他方、上限値は特に限定しないがエネルギーコ
ストを考えれば900℃以下が望ましい。 焼鈍時間は鋼ワイヤの温度650℃以上で1分
以上保持すれば亀甲模様の溝を生成する目的に
おいて充分である。焼鈍温度を1分間以上長く
保持すれば内部酸化層の厚さは焼鈍時間が長く
なるのにつれて厚くなるが、この内部酸化層の
厚さは少々厚くなつても弊害はないことから焼
鈍時間の上限値は特に限定せず、エネルギーコ
スト等から適宜決定すればよい。 このように所定温度、所定時間で加熱されて
内部酸化層が形成されかつ軟化された焼鈍ワイ
ヤは冷却されて次工程に供給される。 製造された溶接用鋼ワイヤ表面にはワイヤ送
給性、耐錆性のための潤滑剤が付着されるが、
この潤滑剤は油脂、鉱物油、湿式伸線用潤滑剤
等の液状潤滑剤であり、これら潤滑剤中に添加
される界面活性剤を含むものである。 本発明の製造方法により製造された溶接用ワイ
ヤが送給性良好なワイヤになる理由は前記したよ
うにワイヤ表面の亀甲状の亀裂に伸線時の液状潤
滑剤等の潤滑剤が入り込み、ワイヤ表面がミクロ
的給油状態になつているので溶接時にコンジツト
ライナー内壁等と接触したとき、亀裂内に存在す
る液状潤滑剤が排出され、これにより接触抵抗の
軽減が計れ、よりバラツキのない安定した送給性
が得られるものである。 本発明者等の実験によるとワイヤ表面に形成さ
れる亀甲状の溝は上記含油機能の目的においては
溝容積を0.5〜2.5ml/10Kgワイヤ程度とすること
が好ましい。これは溝容積が0.5ml/10Kgワイヤ
に満たない場合は亀甲状の溝の含油機能が発揮さ
れないこと、又2.5ml/10Kgワイヤを超えてもワ
イヤ送給性の向上は認められず、逆に油付着量が
多くなり過ぎて溶着金属の品質低下につながるこ
と等の理由による。これをワイヤ表面の溝面積の
点からみるとワイヤ全表面積に対する溝部面積の
比率は5〜25%程度とすることが好ましい。 以下本発明の製造方法の実施例を述べる。 原線径5.5mmφ、化学成分C:0.05%、Si:0.80
%、Mn:1.53%の熱延鋼線材を原線として、製
品径1.2mmφの溶接用鋼ワイヤを第1表に示す工
程を経て製造した。なお焼鈍装置は第1図に示す
ものを使用した。
【表】
【表】 第5図aは第1表に基づいて製造された溶接用
鋼ワイヤの表面状態を示す金属顕微鏡写真(倍率
×400)であり、この写真から明らかなように亀
甲状の亀裂がワイヤ表面上に形成されている。又
第5図bはワイヤを6度の傾斜で切断し、断面を
研磨後に金属顕微鏡で撮影した写真でありワイヤ
表面から内部に向つて内部酸化層が認められる。
第6図は比較のために表面が緻密平滑な従来ワイ
ヤについて第5図bと同様に撮影した写真であ
り、内部酸化層は全く認められない。なお第4図
と第5図aは同様にワイヤ表面に亀甲状の亀裂が
形成されているが焼鈍に要する時間が大幅に異な
り、本発明では6分間に対して第4図のワイヤの
場合は4時間であり、本発明に従えば亀甲状の溝
を有するワイヤ表面状態を得るのに極めて短時間
の軟化焼鈍でよい。従つて本発明では工程の連続
化が可能となる。 第7図はワイヤ表面に付着した液状潤滑剤の付
着量と送給抵抗との関係を示す図である。なお送
給性は第2表に示す条件により行なつた。
【表】 ワイヤの送給性は送給モータ電機子電流で等価
的に示すことができ、この電機子電流値が大きい
程送給抵抗が大きくて送給性の悪いことを意味
し、逆に値が小さい程送給性は良好である。図か
ら明らかなように表面が緻密平滑な従来ワイヤC
に比べて表面に亀甲状の亀裂を有するワイヤは、
本発明の製造方法によるワイヤA、従来の製造方
法によるワイヤBともに送給抵抗が低く、ワイヤ
の送給性が良好である。 (発明の効果) 以上説明したように本発明によればワイヤ表面
に亀甲状の溝を形成した溶接用鋼ワイヤを短時間
でかつ安定して製造することができる。従つて各
工程の連続化が可能となる。又焼鈍開始時に焼鈍
炉内雰囲気を所定の雰囲気とすれば以後雰囲気ガ
スの炉内供給はしなくてよいので経済的である。
このような効果を有する本発明の工業的価値は大
きい。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明に用いる焼鈍装置の具
体例を示す図、第3図、第4図、第5図aは溶接
用鋼ワイヤの表面状態を示す金属顕微鏡写真(倍
率×400)で第3図は表面が緻密平滑な従来ワイ
ヤ、第4図は表面に亀甲状の亀裂を有するワイヤ
で従来の製造方法によるもの、第5図aは本発明
の製造方法によるワイヤである。第5図b、第6
図はワイヤの断面状態を示す金属顕微鏡写真(倍
率×400)で第5図bは本発明の製造方法による
ワイヤ、第6図は表面が緻密平滑な従来ワイヤで
ある。第7図は液状潤滑剤の付着量と送給抵抗と
の関係を示す図である。 第7図において:A:表面に亀甲状の亀裂を有
するワイヤで本発明方法によるもの、B:表面に
亀甲状の亀裂を有するワイヤで従来の方法による
もの、C:表面が緻密平滑な従来のワイヤ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼ワイヤ表面に炭酸塩を塗布してから雰囲気
    が酸素量2vol%以下の密閉炉内で焼鈍温度650℃
    以上で1分以上保持する焼鈍を行い、続いてめつ
    き処理、伸線加工を施すことを特徴とする溶接用
    鋼ワイヤの製造方法。
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