JP4504115B2 - ガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、建築、橋粱などに使用される490 ,520 および 570N/mm2 級高張力鋼材の溶接において、特に多層盛り溶接で、高入熱,高パス間温度、特に入熱55kJ/cm以上でパス間温度300℃以上の溶接において、アーク状態が極めて良好で、スパッタが少なく、優れた強度,靱性を有する溶接金属が安定して得られるガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤに関する。さらに、ワイヤの送給性およびアークの安定性が重要視されるロボットを用いた自動溶接や鉄骨,橋梁等を施工する際に用いられる大電流溶接に好適なガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤに関する。
鋼構造物の溶接には、ガスシールドアーク溶接、特に炭酸ガスシールドアーク溶接がもっとも一般的な溶接方法として広く用いられている。この溶接方法では、従来から、溶接金属の靱性向上の手段として、Ti−B系溶接材料の検討が行われている。例えば、特公昭43-12258号公報では、溶接ワイヤ中のC,Si,MnとAl,Ti,ZrおよびVの中の1種類以上を含有すると共にBを添加した溶接ワイヤが開示されている。また、特開昭55-149797 号公報ではC,Si,MnとTi,Moの1種類以上を含有するとともにBを添加した溶接ワイヤが提案されている。
しかし、近年では溶接作業の効率化のために、大電流,高入熱高パス間温度の条件で溶接が実施される傾向にある。このような高入熱高パス間温度の条件下においては、溶接金属の強度が低下するとともに衝撃特性も劣化するため、最近の溶接部の特性に対する要求の高度化に対応できる溶接材料の必要性が高くなっている。
特に、近年では炭酸ガスシールドアーク溶接でそのような要求が高く、高入熱高パス間温度の条件において、好適な機械的特性を得ることが求められている。このような高入熱高パス間温度の条件に対応するために、特開平10-230387 号公報では、C,Si,Mn,Ti,B,Sを含有し、BとTiの比率およびBとSの積を規制した溶接ワイヤが提案され、特開平11-90678号公報ではTi,BおよびAl,Zrの1種類以上を含有し、さらにC,Si,Mn,Moを所定量含む溶接ワイヤが提案されている。
また、溶接ロボットを用いた連続溶接や大電流溶接等において、溶接ワイヤの送給が不安定になることが原因のトラブルが頻発しており、従来のCuめっき,潤滑油の塗布だけでは、溶接ワイヤを十分に安定して送給できないという問題が顕在化している。そこで、溶接ワイヤの送給性をさらに向上するために種々の技術が検討されている。
たとえば特開平5-23731 号公報には、ポリ四弗化エチレン,MoS2 ,グラファイトおよび鉱物からなる潤滑剤を溶接ワイヤの表面に保持して送給性を改善する技術が開示されている。
また特開平11-217578 号公報には、MoS2 ,WS2 ,エステル,石油ろうを含有する潤滑剤を溶接ワイヤの表面に保持して送給性を改善する技術が開示されている。
特公昭43-12258号公報 特開昭55-149797 号公報 特開平10-230387 号公報 特開平11-90678号公報 特開平5-23731 号公報 特開平11-217578 号公報
これらの従来技術では高入熱高パス温度条件での機械的特性の改善には有効である。しかしながら、高入熱高パス間温度の溶接では、溶接電流,アーク電圧が高く、各パス間の時間間隔が短いために、通常の溶接と比較すると、アーク状態が不安定となりやすく、スパッタなどの溶接作業性が劣化してしまうといった問題があった。
また、溶接ロボットを用いた連続溶接を前記の条件で実施すると、溶接ワイヤの送給が安定せず、溶接作業に支障をきたすという問題があった。
従来の方法では、高入熱高パス間温度条件における溶接金属の強度低下,靱性劣化といった機械的性質は改善できるが、アークの不安定化,スパッタ量の増加などの溶接作業性の劣化は改善されないのが現状である。
本発明は、上記のような問題を解消し、高入熱高パス間温度のガスシールドアーク溶接において、溶接金属の強度低下,靱性劣化を防止し、高生産性,低スラグ発生量、安定した溶接作業性などの諸性能を備えたガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、ガスシールドアーク溶接における高入熱高パス間温度条件での溶接金属の特性と溶接作業性について総合的に検討を行なった。その結果、高入熱高パス間温度のガスシールドアーク溶接において、溶接金属の強度低下,靱性劣化を防止し、安定した溶接作業性などの諸機能を備えるためには、ガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ(以下、溶接ワイヤという)中に、特定範囲に限定されたC,Si,Mn,Al,Ti,Cuとともに、B,Moを添加し、Ni,N量を限定することにより、高入熱高パス間温度の溶接においてより改善された効果が得られることを見出した。
さらに本発明者らは、溶接ロボットを用いた連続溶接に必要な送給安定性に及ぼす溶接ワイヤ表面の潤滑剤の影響について鋭意検討し、本発明を完成した。
具体的には、めっきを含めた溶接ワイヤの組成が質量%で、C:0.005〜0.02%,Si: 0.4〜1.2 %,Mn: 1.7〜2.4 %,Al: 0.005〜0.070 %,Ti:0.05〜0.30%,B:0.0025〜0.0100%,Cu:0.005〜0.5%,Mo: 0.56〜2.0%含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤである。さらに、必要に応じてNi:0.02〜5.0 質量%を含み、Nを0.0039質量%未満に制限するのが好ましい。
また、溶接ワイヤが、前記した組成に加えて、質量%でK:0.0001〜0.0150%を含有することが好ましい。
なお、上記の組成には、後述する固形潤滑剤層,潤滑油からなる潤滑剤層は含まない。
さらに、溶接ワイヤの表面に、MoS2 およびBNのうちの1種または2種を合計で15〜70質量%,ワックス:2質量%以下,K化合物:2〜70質量%,銅粉:5〜70質量%を含有する固形潤滑剤層を溶接ワイヤ10kgあたり 0.2〜1.0 g有すると、溶接ワイヤの送給性が改善されるので一層好ましい。
なお固形潤滑剤層は、必要に応じてグラファイト:5〜20質量%を含有しても良い。
本発明によれば、高入熱高パス間温度のガスシールドアーク溶接において、溶接金属の強度低下,靱性劣化を防止し、安定した溶接作業性が得られる。
また本発明の溶接ワイヤ表面の潤滑技術によれば、溶接ワイヤの送給性を向上させることができる。すなわちスパッタの発生量を低減でき、給電の安定性にも優れ、給電チップの損耗も低減できる等、産業上格段の効果を奏する。
本発明の実施の形態を、溶接ワイヤの成分の限定理由を含めて、具体的に説明する。
C: 0.005〜0.02質量%
Cは溶接金属の強度を確保するのに必要な元素であるが、過剰の添加は不必要な硬さの上昇と靭性の低下,高入熱高パス間温度溶接におけるアークの不安定化や溶接ビード止端部の乱れを招く。ただし、ガスシールドアーク溶接の場合、溶接ワイヤの合金元素量を調整することにより、溶接ワイヤ中のC含有量が0.02質量%以下でも十分溶接金属の強度が得られる。このため、Cは0.02質量%以下とした。ただし、 0.005質量%未満では、溶接金属の強度が不足するため、 0.005質量%以上,0.02質量%以下とした。
Si: 0.4〜1.2 質量%
Siは脱酸元素として、ガスシールドアーク溶接、特に炭酸ガスアーク溶接やMAG(Metal Active Gas)溶接時に使用する溶接ワイヤに不可欠な元素である。Si含有量が 0.4質量%未満では脱酸効果が不十分で、スパッタやブローホールが発生し易い。一方、 1.2質量%を超えると、溶接金属中のSi含有量が過多となり、靱性がかえって劣化する。このため、Siは 0.4〜1.2 質量%とした。
Mn: 1.7〜2.4 質量%
MnはSiとともに脱酸元素として不可欠な元素であるだけでなく、溶接金属に機械的強度および靱性を確保させるために、また高入熱高パス間温度の溶接における溶接金属の靭性を低下させる溶接金属中酸素量を低減するために、必須な元素である。Mn含有量が 1.7質量%未満では、溶接金属中でのMn含有量が不足して十分な強度,靱性を得ることができず、溶接時にスパッタやブローホールが発生し易い。しかし、 2.4質量%を超えて含まれると、溶接金属の靱性がかえって劣化する。このため、Mnは 1.7〜2.4 質量%とした。
Al: 0.005〜0.070 質量%
Alは強脱酸元素としての効果を有しており、ほとんどのAlが酸化物として含有される。しかしながら、一部のAlは溶接金属中の固溶Nと結びつき窒化物として析出し、溶接金属の靱性低下を抑制する。Alを 0.005質量%以上含有するとこの効果が認められ、 0.070質量%を超えると靱性を低下させる。このため、Alは 0.005〜0.070 質量%とした。
Ti:0.05〜0.30質量%
Tiは溶接ワイヤを用いて、高入熱ガスシールドアーク溶接を行う場合にアークを安定させてスパッタを減少させ、またブローホールの発生を防止させる効果がある。また、溶接金属の靱性を向上させる効果がある。しかし、Ti含有量が0.05質量%未満ではこれらの効果に乏しい。一方、0.30質量%を超えると、溶接ワイヤの素材の溶製が困難になり生産性が低下する。このため、Tiは0.05〜0.30質量%とした。特に、高入熱高パス間温度の溶接における溶接金属の靭性を向上させるためには、溶接金属組織をベイナイト組織とすることが有効であり、ベイナイト組織の溶接金属靭性を安定化させめためには、Tiを0.05〜0.30質量%とする必要がある。
B:0.0025〜0.0100質量%
Bは溶接金属組織の粗大なフェライト生成を抑制して、組織を微細化し、靱性を向上させるのに有効な元素である。B含有量が0.0020質量%未満では、靱性を向上させる効果が不十分である。一方、0.0100質量%を超えて含有させても靱性改善の効果は乏しく、むしろ高温割れが発生し易くなる。このため、Bは0.0025〜0.0100質量%とした。
Cu: 0.005〜0.5 質量%
Cuは溶接金属の焼入性を増し、固溶強化による強度の確保が期待できる元素である。しかしながら、Cuを多量に含有すると溶接金属の凝固割れ感受性を高める。このため、Cuは 0.5質量%以下とした。ただし、 0.005質量%未満にすることは、製品コスト上問題となるため、Cuの含有量は 0.005質量%以上, 0.5質量%以下とする。
Mo: 0.56〜2.0 質量%
Moは高入熱のガスシールドアーク溶接を行なう場合に、溶接金属の組織を微細化して靱性を向上させるのに、不可欠な元素である。しかし、本発明のようにC含有量が小さい溶接ワイヤにおいては 0.4質量%未満ではその効果が乏しい。このため、Moの含有量は 0.56質量%以上とする。一方、 2.0質量%を超えると、溶接金属が硬化して靭性が低下する。このため、Moの含有量は 0.56質量%以上,2.0質量%以下とする。
上記した成分に加えて、本発明の溶接ワイヤは、Ni:0.02〜5.0 質量%を含有し、Nを0.0039質量%未満に制限することができる。
N:0.0039質量%未満
Nは靱性向上の点よりできる限り少ない方が好ましく、0.0039質量%未満に制限することが好ましい。ただし、0.0005質量%未満にすることは製品コスト上問題となるため、Nの含有量は0.0005質量%以上0.0039質量%未満とすることが、さらに好ましい。
Ni:0.02〜5.0 質量%
Niは固溶強化により靱性の確保が期待できる元素である。Ni含有量が0.02質量%未満では、靱性を向上させる効果が不十分である。一方、 5.0質量%を超えて含有させても靱性改善効果に乏しく、むしろ低温割れが発生し易くなる。このため、Niを含有させる場合は、その含有量は0.02〜5.0 質量%が好ましい。特に、高入熱高パス間温度の溶接における溶接金属の靭性を安定化させるためには、Niを含有させることが好ましい。
さらに上記した成分に加えて、本発明の溶接ワイヤは、Kを0.0001〜0.0150質量%含有することができる。
K:0.0001〜0.0150質量%
Kは、アークを広げ(アークをソフト化し)、特に正極性のガスシールドアーク溶接において溶滴の移行をスムーズにするとともに、溶滴を微細化し、溶接ワイヤの送給抵抗の変動を抑制する効果を有する。この効果は、K含有量が0.0001質量%以上で認められる。一方、 0.0150質量%を超えると、アーク長が長くなり、しかも溶接ワイヤの先端に懸垂した溶滴が不安定となるので、スパッタの発生が増大する。したがって、Kは0.0001〜0.0150質量%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0003〜0.0030質量%である。
またKは、沸点が約 760℃と低いので、溶接ワイヤの素材となる溶鋼の溶製段階での歩留りが著しく低い。そのためKは、溶接ワイヤの伸線工程で、溶接ワイヤの表面にカリウム塩等のK化合物を含有する溶液を塗布して焼鈍を行なうことによって、溶接ワイヤ内部にKを安定して含有させるのが好ましい。
次に、本発明の溶接ワイヤの製造方法について説明する。
転炉または電気炉等を用いて、上記した組成を有する溶鋼を溶製する。この溶鋼の溶製方法は、特定の技術に限定せず、従来から知られている技術を使用する。なお、Kについては、上記のように、後の伸線工程で追加しても良いので、溶鋼の組成で溶接ワイヤの組成を作り込むとは限らない。
次いで、得られた溶鋼を、連続鋳造法や造塊法等によって鋼材(たとえばビレット等)を製造する。この鋼材を加熱した後、熱間圧延を施し、さらに乾式の冷間圧延(この工程を伸線と呼ぶ場合もあるが、ここでは冷間圧延と記す)を施して鋼素線を製造する。熱間圧延や冷間圧延の操業条件は、特定の条件に限定せず、所望の寸法形状の鋼素線を製造する条件であれば良い。
さらに鋼素線は、焼鈍−酸洗−銅めっき−伸線−潤滑剤塗布の工程を順次施して、所定の製品すなわち溶接ワイヤとなる。
なお焼鈍を施す前に、前記したように、あらかじめ鋼素線の表面にカリウム塩溶液を塗布しておくのが好ましい。カリウム塩溶液としては、クエン酸3カリウム水溶液,炭酸カリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液等を使用するのが好ましい。また、塗布するカリウム塩濃度は、Kに換算した値で 0.5〜3.0 質量%とするのが好ましい。
このようにして表面にカリウム塩溶液を塗布した鋼素線を焼鈍することによって溶接ワイヤの内部にKを含む酸化物層(すなわち内部酸化層)が形成され、その内部酸化層中にKが安定して保持される。一方、 KをCuめっき層中に保持させる方法や単に塗布するだけの方法では、Cuめっきや鋼素線の変色等の問題が発生しやすい。しかも熱的に不安定であるから、Kによる低スパッタ化の効果が小さくなる。
焼鈍は鋼素線の軟化および必要な場合にはKの付与を目的として行なうものであり、特にKの付与を目的とする場合は、 650〜950 ℃の温度範囲で、かつ水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。すなわち焼鈍温度が 650℃未満では、内部酸化層の形成が遅くなる。一方、 950℃を超えると内部酸化層の形成が速すぎてKの含有量の調整が困難となる。
焼鈍雰囲気は、内部酸化層を形成させる観点から、露点0℃以下、 酸素濃度 200体積ppm 以下とするのが好ましい。
なお、焼鈍時間および焼鈍温度は、カリウム塩溶液の塗布条件(たとえば塗布量,カリウム塩濃度,鋼素線の直径等)に応じて設定するのが好ましく、鋼素線中のO含有量が0.0020〜0.0080質量%となるように、焼鈍時間や焼鈍温度を設定するのが好ましい。
このようにして焼鈍を施した鋼素線は、酸洗した後で、その表面にCuめっきを施すのが好ましい。Cuめっき層の厚さは 0.5μm以上とするのが好ましい。この段階の鋼素線を伸線工程により、所定の径に加工して溶接ワイヤとする。
必要な場合、本発明の溶接ワイヤ表面に固形潤滑剤層を形成するが、固形潤滑剤層の形成は、Cuめっき後に行なう伸線の際に行なっても良いし、あるいは伸線工程の後に別途に引き続いて設ける潤滑剤塗布工程で行なっても良い。なお、固形潤滑剤層の表面にさらに脂肪酸エステルおよび/または潤滑油からなる潤滑剤層を形成させる場合は、潤滑剤塗布工程で行なう。
次に、固形潤滑剤層について説明する。
溶接ワイヤは一般にリール状にして供給され、溶接ワイヤは使用されるに際して、溶接ワイヤを1対の回転ロール(送給ローラー)で挟んで押出すワイヤ供給装置に押出され、溶接ワイヤの送給経路を成す保護管を通して給電チップに送給される。ワイヤ供給装置は、溶接ワイヤ自身の曲折変形および給電チップの通過抵抗等を負荷として受け、この負荷が小さいほど送給性は良いのである。
ところが溶接電流 400Aで1分以上の連続溶接を行なうと、給電チップは 500℃以上の温度になる。このような高温では、脂肪酸エステルや潤滑油は分解するので給電チップ付近で送給抵抗が増加する。そこで発明者らは種々の潤滑剤を検討した結果、高温でも送給性を維持するものとして、MoS2 ,BN,ワックス,K化合物,銅粉が有効であることを見出した。本発明の固形潤滑剤層は、これらの物質からなるものであるが、それぞれの含有量は上記した通り、MoS2 またはBN:15〜70質量%あるいはMoS2 およびBN:合計15〜70質量%,ワックス:2質量%以下,K化合物:2〜70質量%,銅粉:5〜70質量%とするのが好ましい。
なお、固形潤滑剤層に含有されるこれらの物質は、適当な樹脂と混合されて伸線工程に供され、固形潤滑剤層を構成する。特に耐熱性,耐薬品性に優れるフッ素樹脂が好ましく、そのうちでは入手のしやすさからはポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
なおMoS2 ,BNの含有量は、より好ましくはMoS2 またはBN:15〜50質量%あるいはMoS2 およびBN:合計15〜50質量%である。さらにグラファイトを5〜20質量%含有すると、高温の給電チップの送給性が向上し、スパッタも低減するので一層好ましい。
またK化合物としては、脂肪酸カリウム、特にステアリン酸カリウムを使用すると、高温の送給性が向上するので好ましい。
このような固形潤滑剤層の付着量が鋼素線10kgあたり 0.2g未満では、溶接ワイヤを送給する際の抵抗を軽減する効果が得られない。 一方、鋼素線10kgあたり 1.0gを超えると、給電チップ内面に固形潤滑剤が付着蓄積されて給電チップ付近で溶接ワイヤの送給を阻害する。したがって、固形潤滑剤層の付着量は鋼素線10kgあたり 0.2〜1.0 gとするのが好ましい。
前記したように、溶接ワイヤの送給性は給電チップの通過抵抗の他に、溶接ワイヤ自身の曲折変形なども含めた通過抵抗で決まるので、給電チップ以外の部分での送給を安定化させるために、この固形潤滑剤層の表面に室温(25℃程度)で液体の脂肪酸エステルまたは潤滑油からなる潤滑剤層を(脂肪酸エステルと潤滑油との混合物、あるいはこれらを単独に)塗布して形成させると良い。この潤滑剤層が鋼素線10kgあたり 0.2g未満では、溶接ワイヤを送給する際の抵抗を軽減する効果が得られない。 一方、鋼素線10kgあたり 1.8gを超えると、溶接を行なうにあたって溶接ワイヤが送給ローラーでスリップし、送給速度が著しく変動するので送給が不安定になる。したがって、潤滑剤層は鋼素線10kgあたり 0.2〜1.8 gとするのが好ましい。
このようにして脂肪酸エステルおよび/または潤滑油を塗布して潤滑剤層を形成することによって、MoS2 やK化合物による鋼素線表面の変色と劣化を防止する効果も得られる。
〔実施例1〕
表1に示す成分の鋼板を用い、表2に示す成分の溶接ワイヤ(直径1.4mm )を使用して、表3に示す溶接条件によってガスシールドアーク溶接を行ない、溶接継手を作製した。溶接は連続溶接により実施した。溶接継手の開先形状および試験体寸法(mm)を図1に示す。さらに図1中のA−A矢視の開先付近の断面図を図2に示す。
Figure 0004504115
Figure 0004504115
Figure 0004504115
このようにして作製した溶接継手の溶接金属について、機械的性質として引張強さおよび靱性を評価するとともに、X線透過試験によってスラグ巻き込み、割れおよびブローホールの有無を調査した。
靱性を評価するにあたって、図3に示すように溶接金属3からシャルピー衝撃試験片4(JIS規格Z2202 に準拠した2mmVノッチ試験片)を採取した。このシャルピー衝撃試験片4を用いて、JIS規格Z2242 に準拠した衝撃試験を行なった。試験温度は0℃とし、シャルピー吸収エネルギー V0 (J)を測定した。各溶接ワイヤによる溶接金属3について、それぞれ3本のシャルピー衝撃試験片4を用いて V0 を測定し、その平均値を表4に示す。
強度を評価するにあたって、図3に示すように溶接金属3から引張試験片5(JIS規格Z2201 に準拠した棒状試験片)を採取した。この引張試験片5を用いて、JIS規格Z2241 に準拠した引張試験を行なった。試験温度は室温とし、引張強さ(N/mm2 )を測定した。各溶接ワイヤによる溶接金属3について、それぞれ2本の引張試験片5を用いて引張強さを測定し、その平均値を表4に示す。なお、割れの評価は、割れが目視で認められないものを○,認められるものを×とした。
Figure 0004504115
本発明例はいずれも、溶接金属のシャルピー吸収エネルギー V0 67J以上と優れた靱性を有する溶接継手が得られている。なお、Nが本発明の好適範囲を外れる溶接ワイヤ(ワイヤ記号:10)は靭性がやや劣る。また、本発明例は溶接時のスラグ生成量が少なく、アークの安定性に優れ、溶接ビード形状が良好(溶接ビード止端部の乱れが少ない)であった。さらに、スパッタの発生量が少なく、溶接欠陥(ブローホール,割れ)の発生は認められなかった。
一方、成分が本発明の範囲を外れる溶接ワイヤを用いた比較例では、溶接金属のシャルピー吸収エネルギー V0 が45J以下と劣っている(ワイヤ記号:4〜9,11)。また、溶接時のアークが不安定であり、止端部の不揃いな溶接ビードを形成した(ワイヤ記号:4,5)。さらに、スパッタの発生量が多く、溶接欠陥(ブローホール,割れ)の発生が認められた(ワイヤ記号:6,7)。
〔実施例2〕
連続鋳造で製造したビレットを熱間圧延し、直径 5.5〜7.0mm の線材とした。次いで冷間加工(すなわち伸線加工)を行ない、直径 2.0〜2.8mm の鋼素線を製造した。この鋼素線にクエン酸3カリウム水溶液(濃度:2〜30質量%)を塗布した。塗布量は鋼素線1kgあたり30〜50gとした。
クエン酸3カリウム水溶液を塗布した鋼素線を、露点−2℃以下,酸素 200体積ppm 以下,二酸化炭素 0.1体積%以下のN2 雰囲気中で、焼鈍温度を 750〜950 ℃として焼鈍した。焼鈍においては、鋼素線の直径,クエン酸3カリウム水溶液の塗布量に応じて、焼鈍温度と焼鈍時間を変更し、内部酸化による鋼素線のO含有量,K含有量を調整した。
焼鈍の後、鋼素線に酸洗を施し、さらにCuめっきを施した。
得られた鋼素線の成分を表5に示す。鋼素線表面のCuめっき層の厚さを、表5に併せて示す。
Figure 0004504115
次いで、冷間で追加の伸線加工を行ない、 直径1.2mm の溶接ワイヤとした。この伸線加工には湿式伸線を主に用いたが、一部の伸線工程に銅粉,MoS2 ,BN,ワックス,K化合物(ステアリン酸カリウム),グラファイトを混合した樹脂を用いた乾式伸線を用いることによって、溶接ワイヤの表面に固形潤滑剤を付着させた。その際、固形潤滑剤の付着量は、乾式伸線回数,ダイススケジュール,ダイス形状を変更することによって調整した。なお、前記の樹脂はポリテトラフルオロエチレンを用いた。
このようにして得られた溶接ワイヤの固形潤滑剤層の成分,付着量および潤滑剤層の付着量は、表6に示す通りである。
Figure 0004504115
これらの溶接ワイヤを用いて、下記の要領で溶接試験を行ない、溶接ワイヤの送給性,スパッタの発生状況,給電チップの摩耗を評価した。なお、溶接試験で用いた溶接条件は下記の通りである。
シールドガス種類:CO2 ガス 100体積%
シールドガス流量:20 liter/min
溶接電源 :インバータ電源
溶接電流 : 400A
溶接電圧 : 39 V
溶接速度 :25cm/min
(1) 溶接ワイヤの送給性
板厚19mmの鋼板上に2分間のビードオン溶接を行ない、溶接ワイヤの送給抵抗を測定した。送給抵抗はワイヤ送給装置が溶接ワイヤ供給に伴い受ける負荷をロードセルで測定した値とした。具体的には、ワイヤ供給装置全体を転がり抵抗の十分小さいコロ上に載置し、この状態で溶接ワイヤ供給を行なった場合には、溶接ワイヤの送給抵抗により後退してしまうワイヤ供給装置を、ロードセルを介して固定することにより測定したのである。なお、溶接ワイヤの送給経路には直径300mm の円形状に 1.5周分設けた。送給抵抗が39.2N(=4kgf )以下を良(○),39.2N(=4kgf )超え〜58.8N(=6kgf )以下を可(△),58.8N(=6kgf )超えを不可(×)として評価した。
(2) スパッタ発生
板厚19mmの鋼板上に2分間のビードオン溶接を行ない、Cu製捕集治具を用いてスパッタを捕集した。捕集されたスパッタが 2.0g/min 以下を良(○), 2.0g/min 超え〜 3.0g/min 以下を可(△), 3.0g/min 超えを不可(×)として評価した。
(3) 給電チップの損耗
直径800mm の鋼管(肉厚25mm)を自転させながら、鋼管外周に30分間の連続溶接を行なった。その後、給電チップの内径を測定し、その最大値Dmax と最小値Dmin を用いて、下記の式から楕円化率(%)を算出した。楕円化率が2%以下を良(○),2%超え〜5%以下を可(△),5%超えを不可(×)として評価した。
楕円化率(%)=100 ×〔(Dmax /Dmin )−1〕
評価した結果を表7に示す。
Figure 0004504115
表7から明らかなように、本発明例では、溶接ワイヤの送給抵抗は58.8N(=6kgf )以下,スパッタ発生量は 3.0g/min 以下,給電チップの楕円化率は5%以下であり、いずれも低く抑えられていた。
一方、比較例では、溶接ワイヤの送給抵抗,スパッタ発生量,給電チップの損耗の評価は、全て不可(×)であった(ワイヤ記号:15,16)。
溶接継手を作製する際に試験体を組み立てた状態を模式的に示す斜視図である。 図1中のA−A矢視の断面図である。 シャルピー衝撃試験片および引張試験片の採取位置を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 鋼板
2 当金
3 溶接金属
4 シャルピー衝撃試験片
5 引張試験片

Claims (5)

  1. めっきを含めた溶接ワイヤの組成が質量%で、
    C: 0.005〜0.02%、 Si: 0.4〜1.2 %、
    Mn: 1.7〜2.4 %、 Al: 0.005〜0.070 %、
    Ti:0.05〜0.30%、 B:0.0025〜0.0100%、
    Cu: 0.005〜0.5 %、 Mo: 0.56〜2.0 %
    を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ。
  2. 前記溶接ワイヤが、前記組成に加えて、質量%でNi:0.02〜5.0 %を含み、Nを0.0039質量%未満に制限することを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ。
  3. 前記溶接ワイヤが、前記組成に加えて、質量%で
    K:0.0001〜0.0150%
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ。
  4. 前記溶接ワイヤの表面に、MoS2 およびBNのうちの1種または2種を合計で15〜70質量%、ワックス:2質量%以下、K化合物:2〜70質量%、銅粉:5〜70質量%を含有する固形潤滑剤層を前記溶接ワイヤ10kgあたり 0.2〜1.0 g有することを特徴とする請求項1、2または3に記載のガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ。
  5. 前記固形潤滑剤層が、さらにグラファイト:5〜20質量%を含有することを特徴とする請求項4に記載のガスシールドアーク溶接用溶接ワイヤ。
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