JPH0313632B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 この発明は建設機械その他の稼動データを検出
しカード型メモリに記録し且つ異常を判定すると
共に、更にカード型メモリに車輛のエンジン始動
のスイツチング機能を持たせた車輛の稼動記録装
置に関する。

【従来の技術】

例えば、建設機械等の稼動日報は車輛維持管理
の基本データとなり、始業乃至終業時の車輛点検
による該車輛各部の異常発生の有無、当日の稼動
時間、燃料および油脂等の使用記録は、単に経費
算出の基礎データだけではなく、車輛の異常予知
等に頗る重要である。 然るに従来、この種の運行データを機械駆動式
のタコグラフによつて得ることは周知である。 しかし、タコグラフの場合、飽くまでも走行ス
ピードと運行距離のみをアナログ記録するだけで
あつて、しかも、記録紙に書き込まれたデータを
目視により読み取らねばならないなど、その読取
り、演算、保管が頗る煩雑である。 このため、記録結果は単に車輛の運行記録とし
て保管されているのみで、その記録結果に基づい
て運行手法や手順の最適化等の試みを行うことが
できないでいる。 そこで、近時、センサを用いて稼動データをデ
イジタルで記録する構成が提案されており、例え
ば特開昭58−144423号に係る燃費・運行管理シス
テムにおいては、車輛に装備した燃費効率測定装
置によ測定データを、上記装置に嵌脱自在に構成
した小型のメモリーパツケージに記憶させると共
に、その記憶内容を計算機にて処理する構成が開
示してある。 このようなデイジタルデータをメモリーパツク
に記録する場合に、該メモリーパツクはデータを
ストアするだけの構成しか有していない。 このため、記録結果は、単に車輛の運行記録と
して保管されているので、その記録結果に基づい
て異常や危険の判定を行うことができないでい
る。 車輛運行効率の向上には、実際の稼動データに
基づいた問題点の抽出と改善手法の案出、即ち、
キメ細かい正確な運行データの採取と解析が必要
である。 また、このような記憶媒体としてのメモリパツ
ケージでは、第３者による不正な使用に対しても
稼動データを記録してしまうので、他の手段を設
けない限り正確なデータを得ることができない。

【発明が解決しようとする問題点】

本発明者らは上記事情に鑑みて、建設機械その
他の車輛の各コンボーネントの稼動データを検出
してカード型メモリに記録すると共に検出値を基
に異常を判定する装置を提案すると共に、更にカ
ード型メモリが車輛のエンジンの始動スイツチ機
能を併有すれば、車輛の無断不正運転を防止でき
稼動データを正しく得ることができ、また盗難予
防にもなるとして本発明を完成するに至つたもの
である。

【問題点を解決するための手段】

この発明は上記課題達成のため、 着脱自在のカード型メモリを車輛に搭載された
データ記録装置に装着して、該車輛に設けられた
センサより検出された該車輛の稼動データと外部
入力手段から入力された該車輛のメモリデータ
（又は給油、修理、点検データ等）を上記カード
型メモリに記録し、該記録後のカード型メモリを
管理事務所等に設けられたデータ処理装置に装着
して前記記録されたデータを分析処理する車輛の
稼動記録装置において、 (a) 車輛に設けられたセンサが、車速センサとエ
ンジン回転数センサと燃料消費センサと油圧セ
ンサと油温センサと振動センサとの１部又は全
部からなつており、 (b) 上記各センサから検出された検知データを基
に該データの値がそれぞれ予め設定してある値
（異常値）を超えた場合に異常と判定するモニ
タリング手段を設ける。 (c) 該モニタリング手段で異常と判定れると作動
する警報手段又は、上記異常値が予め設定され
た値（危険値）を超えた場合に作動して車輛の
走行を停止させる非常停止手段を設ける、 (d) 前記センサから検出された検出データをカー
ド型メモリに記録するデータ記録装置を設け
る、 (e) 前記データ記録装置で上記カード型メモリに
データを書込むために挿入する挿入口に設けら
れて上記スイツチ作動構成部の差込みにより車
輛のエンジン始動回路を開閉するスイツチ本体
構成部を形成する、 (f) 前記カード型メモリに設けられて上記スイツ
チ構成部を作動して車輛のエンジン始動回路を
閉成するスイツチ作動構成部を形成する、 という技術的手段を講じている。

【作用】

車速センサ、エンジン回転数センサ、燃料消費
センサ、油圧センサ、及び振動センサの１部又は
全部から検出された信号を基に稼動データを演算
し、外部入力手段から入力された当該車輛の稼動
データと共にカード型メモリに書込む。 また、上記センサから検出された稼動データは
モニタリング手段に入力されて予め設定してある
値（異常値）を超えたか否かを判定され、超えた
場合は警報手段が作動しオペレータに警報を発す
る。 上記警報手段と共に或はこれに代えて異常値が
更に大きくなり予め設定された値（危険値）を超
えた場合には非常停止手段が作動し車輛が停止す
る。 この稼動データの記録に用いるカード型メモリ
は、データ記録装置の挿入口に差し込むと、カー
ド型メモリのスイツチ作動構成部が前記挿入口に
設けられたスイツチ本体構成部と接触してスイツ
チが投入される。 前記スイツチ本体構成部は車輛のエンジン始動
回路と接続されているので、前記スイツチの投入
により車輛のエンジン始動が行われる。

【実施例】

以下、この発明の車輛の稼動記録装置を建設機
械に実施した場合の好適実施例につき図面を基に
して説明する。 この車輛の稼動記録装置は、第１図に示すよう
に車輛搭載機器として該車輛の各構成部の稼動デ
ータをパラメータによつて得るためのセンサ手段
１を有している。 図示例のセンサ手段１は、エンジン稼動時間を
積算するアワーメータ１−１と、車輛走行速度を
検出するスピードメータ１−２と、エンジン回転
計１−３と、燃料消費計１−４と、油圧系統の圧
力計１−５と、油温計１−６と、振動計１−７と
からなつている。 かかるセンサ手段１はデータ記録装置６に接続
されている。 尚、油圧計１−５、油温計１−６、振動計１−
７は検知信号がアナログ量で表示されるのでＡ／
Ｄ変換器２を介してデータ記録装置６に接続され
ている。 モニタリング手段３は、センサ手段１からの入
力信号に基づきその入力系構成部の異常発生の有
無を判定する論理回路からなるもので、出力端が
警報手段４と非常停止手段５およびデータ記録装
置６とCRT１３のそれぞれに接続されている。 データ記録装置６の入力部はモニタリング手段
３のほかにキーボード等の外部入力手段８も接続
され、それからの入力データを一時的に蓄積して
おくめのメモリ６−１を備えて、その蓄積デイジ
タルデータをカード型メモリ７に電子的に書込む
ようになつている。 カード型メモリ７は、本実施例の場合ICカー
ドからなつており、データ記録装置６の上記カー
ド型メモリにデータを書込むために挿入する挿入
口２０に対し挿脱自在に差込セツトされるもの
で、車輛の正常稼動データが書込まれる通常デー
タ用メモリ７−１と異常稼動データが書込まれる
異常データ用メモリ７−２とを有している。 従つて、データ記録装置６はカード型メモリ７
の挿入口２０を有しており、この挿入口２０には
第２図で詳細な如くデータ記録装置のシステムス
タート回路（図示せず）と、車輛搭載エンジン始
動用のスタート回路Ｃとにそれぞれ接続されたス
イツチ本体構成部１５が設けられている。 尚、この発明では、スイツチ本体構成部１５が
図示の如く、車輛搭載エンジン始動用のスタート
回路Ｃにのみ接続されているものでもよい。 一方、カード型メモリ７には、その表面にデー
タ記録装置６の挿入口２０への差込時に前記スイ
ツチ本体構成部１５をONさせるためのスイツチ
作動構成部１６が設けられている。 図示例のスイツチ作動構成部１６は、カード型
メモリ７の上下両面に設けられた導電箔等の導体
からなつているが、本発明では必ずしもそれに限
られるものではない。例えば、カード型メモリ７
のスイツチ作動構成部１６がデータ記録装置６の
挿入口内部で電磁的に接合して、前記スイツチ本
体構成部１５を二次的に操作するもの、或いはカ
ード型メモリ７の先端がスイツチ作動構成部１６
となつて、その挿入が機械的（例えばリンク機構
を介して）にスイツチ本体構成部１５を操作する
ものなどであつてもよく、そのいずれの場合も同
様の作用効果が得られる。 前記カード型メモリ７において、通常データ用
メモリ７−１には、車輛の正常稼動時における構
成部の時系列データが記録装置６によつてデイジ
タル記録されるが、この場合、時系列データはメ
モリ７−１に対してその先頭番地から先入れ、先
出し方式で書込更新されるようになつている。そ
の書込更新は車輛の異常発生検出時点で中断さ
れ、このときの異常検出データが別の異常データ
用メモリ７−２に書込まれるようになつている。 かかるカード型メモリ７は、メモリ７−１およ
び７−２のそれぞれが紫外線消去型記憶素子また
はスタチイツクRAM乃至ダイナミツクRAM等
の集積回路からなり、それをカード型に収納結合
された全固体素子構成になつている。 以上は車輛側に接続されるシステムであり、こ
の種の車輛運行管理事務所等にはカード型メモリ
７に書き込まれたデータの読取再生装置１０が設
置される。 この読取再生装置１０は、カード型メモリ７が
挿脱自在に差込まれてこれに書込まれたデータを
読取るための読取機能部（デコーダ）１０−１
と、この機能部からの入力データを演算処理する
ための演算機能部１０−２とを有する電子回路構
成になつており、その出力端にＡ／Ｄ変換器１１
を介して接続された端末機器１２を備えている。 図示例の端末機器１２は、Ｘ−Ｙブロツタ１２
Ａとプリンタ１２Ｂとからなつている。 以上において、カード型メモリ７をデータ記録
装置６に差込むと、スイツチ本体構成部１５が
ONされることにより、前記スタート回路が閉成
して車輛搭載エンジンが始動すると同時に、前記
システムスカート回路が閉成してデータ記録装置
６のシステムがスタートする。 このとき、データ記録装置６が備えている時計
機構によつてカード型メモリ７の通常データ用メ
モリ７−１に先ず日時が記録される。 そして、車輛運行時には、エンジン回転数、燃
料消費量、油圧系統の温度と圧力、走行速度、車
体振動量など、車輛構成部の時系列データがセン
サ手段１により検出される。 その検出された信号のうちアナログデータは
Ａ／Ｄ変換器２でデイジタル量に変換されてモニ
タリング手段３が入力する。 モニタリング手段３は、入力データに基づいて
車輛構成部の何れかに異常発生があるか否かを判
定する。 その判定結果、車輛構成部の何れにも異常が発
生していなければ、その時のチエツクタイマ信号
に同期した車輛の正常稼動データがCRT１３に
再生される。 同時に、その正常稼動データはデータ記録装置
６が入力することにより自らのメモリ６−１を介
してカード型メモリ７の通常データ用メモリ７−
１に書込まれる。 その書込みは車輛構成部に異常が発生しない限
り続けられる。この場合、前記通常データ用メモ
リ７−１には、前述の如くその先頭番地から先入
れ・先出し方式で順次書込更新されるため、その
メモリ７−１には常に最新の正常稼動データが蓄
積される。 かかる正常稼動データの書込み過程において、
モニタリング手段３が車輛構成部の異常発生を判
定すると、その異常発生信号により通常データ用
メモリ７−１への書込更新が中断される。 同時に、車輛構成部の異常稼動データがカード
型メモリ７における前記通常データ用メモリ７−
１とは別の異常データ用メモリ７−２にデータ記
録装置６で書込まれ、かつ、CRT１３にも表示
される。 また、モニタリング手段３は前記異常発生信号
により警報手段４と非常停止手段５のそれぞれを
作動させる。この場合、警報手段４は異常発生の
度合に関係なく作動させるが、非常停止手段５は
異常度が高い時にのみ作動させて走行車輛を自動
停止させるようにすることが好ましい。 斯くして、車輛運行の終了あるいは車輛構成部
の異常発生に際してエンジンを停止させると、運
行終了日時あるいは異常発生日時と稼動時間が前
述のカード型メモリ７に書込まれる。 また、このカード型メモリ７には、前述の如き
車輛の運行日時と構成部の時系列データおよび運
行終了日時あるいは異常発生日時と稼動時間のほ
か、外部入力手段８でデータ記録装置６に人偽的
に入力された例えば給油日やオイル交換日時等の
車輛点検整備データ、荷役運搬回数や作業量、修
理データ等も前記記録装置６によりデイジタル量
として電子的に書き込まれる。 従つて、カード型メモリ７は車輛の正常稼動デ
ータと異常稼動データのみならずその関連データ
など、あらゆる情報の集合体となる。 そのカード型メモリ７は車輛オペレータがデー
タ記録装置６から抜取つて管理事務所等に持ち帰
ることにより読取再生装置１０にかけられる。 この場合、該装置１０のデコーダ１０−１にカ
ード型メモリ７を差込みセツトすると、そのメモ
リ７−１および７−２に書込まれた全てのデータ
が呼出される。 その呼出データはデコーダ１０−１から演算機
能部１０−２に伝送される。演算機能部１０−２
は、入力データが全て車輛の正常稼動データある
場合、そのデータに基づいた車輛の最大速度、平
均速度、全行程速度表、瞬間加速度、エンジン摩
耗情報など、カード型メモリ７の通常データ用メ
モリ７−１に書き込まれた車輛運行に関する全て
の最新データを演算して再生する。また、カード
型メモリ７の異常データ用メモリ７−２にもデー
タが書込まれている場合は、そのデータをも入力
してそれに基づいた車輛の異常加速度や最大傾斜
角、エンジン停止までの時間経過等を演算して再
生する。 その結果のデータはＸ−Ｙブロツク１２Ａとプ
リンタ１２Ｂのそれぞれによつてアウトプツトさ
れる。 また、カード型メモリ７に書き込まれたデータ
は、再生装置１０の読取機能部１０−１を介して
更に大きな情報をフアイルできるフロツピイデス
クや磁気テープ等の如き別の大容量記録媒体に電
子的に転記することも可能である。この場合、数
多くの運行車輛の稼動データを集中管理すること
ができるというメリツトがある。 なお、カード型メモリ７には車輛運行手順を予
め記憶させておくことも可能である。 また、カード型メモリ７はプログラム入力が可
能な光変調デイスクからなるものであつてもよ
い。 要するに、この発明においてカード型メモリの
外形は略平面矩形に限定されず、デイスク形状で
あつてもよく、それに設けられるメモリの種類・
方式も問わない。

【発明の効果】

以上、この発明によれば、各センサから検知さ
れた稼動データはモニタリング手段で異常か否か
及び又は建設機械の走行停止を要するか否かが判
定されると共に、上記判定に用いられたデータは
データ記録装置によりカード型メモリに書込まれ
る。 従つて、建設機械の異常発生の検出と稼動デー
タの記録を効率よく行うことができ有益である。 更に、上記カード型メモリはデータ記録装置へ
の差込時に車輛のエンジンを始動させるスイツチ
キーの機能をも有するもので、他人による不正運
転や盗難を防止でき、結果的に正しい稼動データ
のみをカード型メモリに蓄積することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の車輛の稼動記録装置を建設
機械に用いた場合の好適実施例のシステムブロツ
ク図、第２図はエンジンスイツチの概略回路図で
ある。 １……センサ手段、３……モニタリング手段、
６……データ記録装置、７……カード型メモリ、
１５……スイツチ要素、１６……スイツチング機
能部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 着脱自在のカード型メモリを車輛に搭載され
   たデータ記録装置に装着して、該車輛に設けられ
   たセンサより検出された該車輛の稼動データと外
   部入力手段から入力された該車輛の稼動データを
   上記カード型メモリに記録し、該記録後のカード
   型メモリを管理事務所等に設けられたデータ処理
   装置に装着して前記記録されたデータを分析処理
   する車輛の稼動記録装置において、 車輛に設けられたセンサが、車速センサとエン
   ジン回転数センサと燃料消費センサと油圧センサ
   と油温センサと振動センサとの１部又は全部から
   なつており、 上記各センサから検出された検知データを基に
   該データの値がそれぞれ予め設定してある値を超
   えた場合に異常と判定するモニタリング手段と、 該モニタリング手段で異常と判定されると作動
   する警報手段又は、上記異常値が予め設定された
   値を超えた場合に作動して車輛の走行を停止させ
   る非常停止手段と、 前記センサから検出された検出データをカード
   型メモリに記録するデータ記録装置と、 前記データ記録装置で上記カード型メモリにデ
   ータを書込むために挿入する挿入口に設けられて
   上記スイツチ作動構成部の差込みにより車輛のエ
   ンジン始動回路を開閉するスイツチ本体構成部
   と、 前記カード型メモリに設けられて上記スイツチ
   構成部を作動して車輛のエンジン始動回路を閉成
   するスイツチ作動構成部と を有してなることを特徴とする車輛の稼動記録装
   置。 ２ スイツチ本体構成部が、車輛のエンジン始動
   回路と共にデータ記録装置のシステムスタート回
   路に接続されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の車輛稼動記録装置。