JPH03134321A - クラッチハブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、自動車のオートマチックトランスミッション
に用いられるクラッチハブに関する。

〈従来の技術〉 第９図に示すように、この種のクラッチハブ１は、プレ
スの絞り加工により、全体がほぼ有底の円筒形に成形さ
れ、内周面から外周面に向けてスプライン歯２が波形に
形成されている。そして、出力軸３に係止されたクラッ
チドラム４の内側に配置されるとともに、入力軸５に固
定されている。また、６はドライブプレート、７はこの
ドライブプレート６と交互に配列されたドリブンプレー
トで、ドライブプレート６がクラッチハブ１の外周面の
スプライン歯２にその軸方向に移動可能に係合されると
ともに、ドリブンプレート７がクラッチドラム４内周面
に形成されたスプライン歯８に軸方向に移動可能に係合
されている。したがって、クラッチドラム４のシリンダ
内に設けたピストン９を駆動することにより、各プレー
ト６．７が摩擦係合あるいは離脱され、伝達トルクのオ
ン・オフが行われる。

ところで、このようなりラッチハブ１は外周面のスプラ
イン歯２の山の部分すなわち内周面においては谷の部分
にオイルの通路となる複数の孔１０を備え、その回転に
よる遠心力によって、オイルがクラッチハブ内周面に送
られるとともにオイル通路孔１０を通じて外周面に導か
れ、オイルを各プレート６．７の摩擦係合面に供給する
ようになっている。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、このような従来のクラッチノ１ブ１では
、”一端面を開放した円筒形に形成されているため、内
周面の谷部を伝わるオイルの大半がオイル通路孔１０か
ら外周面に導かれず、開放端から流出する。このため、
ドライブプレート６とドリブンプレート７との摩擦係合
面へのオイルの供給が不足し、各プレート６．７の焼き
付きやスプライン歯２の摩擦かじりを発生する問題があ
った。

そこで、本発明は外周面側にオイルを効率良く供給する
ことができ、ドライブプレートとドリブンプレートとの
摩擦係合面の焼き付きやスプライン歯の摩擦かじりを防
止することのできる構造を備えたクラッチハブを提供す
ることを目的とする。

く課題を解決するための手段〉 前述した問題点を解決するｔ５めに、本発明によるクラ
ッチハブは、板金を塑性加工して成形されたクラッチハ
ブであって、円筒部の一端に外側方向に突出するフラン
ジ部を有し、その円筒部の外周面に軸方向にスプライン
歯を形成するとともに半径方向にオイルのための通路孔
を穿設し、フランジ部とは反対側の内周面の端部に全周
に亘りオイルのための堰を形成したことを特徴とする。

く作用〉 クラッチハブの内周面の端部の全周に亘って堰を形成し
たことにより、クラッチノ１ブの回転時において、オイ
ルの内周面端部からの流出が塞き止められる。

したがって、オイルはクラッチハブ内周面全体にほぼ均
一の膜状となって回り、オイル通路孔を通じ十分なオイ
ル量が効率良く外周面側に導き出される。

〈実施例〉 第１図および第２図には本発明によるクラッチハブの一
実施例が示されている。

これらの図において、１１はクラッチハブの本体である
円筒部で、その一端に外側方向に突出するブランク部１
２を有する。円筒部１１は、その内周面１３を平滑面と
し、外周面に軸方向に沿ったスプライン歯１４と半径方
向に貫通するオイルのための通路孔１５とが形成され、
内周面１３のブランク部１２とは反対側の端部に全周に
亘すオイルのための堰１６が形成されている。

このクラッチハブは、次のような塑性加工により成形さ
れる。以下、第３図乃至第５図を参照して説明する。こ
れらの図において、１７はダイ、１８はブランクホルダ
、１９はダイ１７内を上下方向に挿通する第１のパンチ
、２ｏは上半部が第１のパンチ１９の外径よりも僅かに
大きく、中間部に段差形状を有する第２のパンチ、２１
はブランクである。

先ず、第３図に示すように、予め円筒絞りを行なったブ
ランク２１をそのフランジ部１２をダイ１７の上面に載
せ、ブランクホルダ１８で固定することによりダイ１７
にセットする。次に、第４図に示すように、第１のパン
チ１９を降下させ円筒部１１内を挿通させることにより
、円筒部１１が外側方向に押圧されて内周面１３をスト
レートの丸穴状に形成するとともに、外周面にスプライ
ン歯１４を形成する。次いで、第１のパンチ１９を第２
のパンチ２０に替え、第Ｓ図に示すように、円筒部１１
の内周面１３を第２のパンチ２０でしごくことにより、
円筒部内周面１３を下端部側に肉寄せして第２のパンチ
２０の段差部に対応する位置に全周に亘り堰１６を形成
する。なお、この堰１６はクラッチハブ内周面１３に油
膜を保持可能な程度の突出でよい。そして、第６図およ
び第６Ａ図に示すように、肉厚の薄いスプライン歯１４
の谷の部分にオイル通路孔１５が穿たれる。

この実施例における塑性加工では、円筒部１１の外周面
にスプライン歯１４を成形した後、内周面１３に堰１６
を成形するためのしごき加工を行なう２工程として例示
したが、スプライン歯が低い場合には上述の第１のパン
チ１９と第２のパンチ２０を組み合わせたようなパンチ
を用いることによって、スプライン歯１４および堰１６
の成形を一個のパンチによリー工程で行なうこともでき
、工数の低減を図ることができる。

このように、上記実施Ｆｌにおけるクラッチハブは、外
周面のスプライン歯１４の成形工程において内周面１３
をストレートの丸穴とし、フランジ部１２とは反対側の
端部全周に堰１６を設けたので、第７図に示すように、
クラッチハブ１１の回転時において、遠心力によりオイ
ル２２が内周面１３全周をスムーズに回るとともにオイ
ル２２の円筒部内周面１３端部からの流出を塞き止める
ことができる。すなわち、オイル２２はクラッチハブ内
周面１３全体をほぼ均一の油膜状になって回り、オイル
通路孔１５を通じ十分なオイル量が効率良く外周面側に
導き出される。したがうて、ドライブプレート６および
ドリブンプレード７の摩擦係合面にオイル２２を十分に
供給することができる。

また本実施例によれば、内周面１３側だけに突出するよ
うに堰１６を設けたので、外周面のスプライン歯１４の
基本歯形状を何ら変更することがなく、寸法設定上余裕
のない外周面にスプライン歯１４を最大限に活用するこ
とができる。

さらに本実施例によれば、塑性加工により内周面１３を
丸穴として外周面にスプライン歯１４を形成することに
より、スプライン歯が波形に形成されたクラッチハブに
比べて剛性が高められるとともに振動音が低減されるな
どの利点がある。

上記実施例は、本発明を内周面が平滑なりラッチハブに
適用した例であるが、本発明は、第８図および第８Ａ図
に示すように、スプライン歯が内周面から外周面に向け
て波形に形成されたクラッチハブ３１に対しても適用す
ることができる。この場合のパンチは、上記実施例にお
ける第１および第２のパンチの外周面に歯形を形成した
ものが用いられ、第３図から第５図に示したのと同様な
工程により堰３１ａを作ることができる。また同様に中
間部に段差を有するパンチを使用して１工程でスプライ
ン歯と堰を同時に形成することができる。なお、この実
施例の場合、オイル通路孔３１ｂは、スプライン歯の外
側から見て山の部分に穿たれる。

〈発明の効果〉 以上のように、本発明のクラッチハブによれば、円筒部
の一端に外側方向に突出するフランジ部を有し、その円
筒部の外周面に軸方向にスプライン歯を形成するととも
に半径方向にオイルのための通路孔を穿設し、内周面の
フランジ部とは反対側の端部に全周に亘すオイルのため
の堰を形成したので、オイルがクラッチハブの開放端か
ら流出することを確実に防止して内周面全体にほぼ均一
の油膜状となって回り、オイル通路孔を通じ十分な量の
オイルを外周面側に効率良く導き出すことができ、ドラ
イブプレートとドリブンプレートとの摩擦係合面の焼き
付きやスプライン歯の摩擦かじりを確実に防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるクラッチハブの一実施例を示す
一部破断斜視図、第２図は、同クラッチハブの断面図、
第３図乃至第５図は、同クラッチハブの加工工程を示す
概略説明図、第６図は、同加工後のクラッチハブの断面
図、第６Ａ図は第６図の部分平面図、第７図は、同クラ
ッチハブの作用を説明するための部分断面図、第８図は
、本発明の別の実施例を示すクラッチハブの断面図、第
８Ａ図は、第８図の部分平面図、第９図は、従来のクラ
ッチハブを説明するための部分断面図である。 １１・・・円筒部、１２・・・フランジ部、１３・・・
内周面、１４・・・スプライン歯、１５．３１ｂ・・・
オイル通路孔、１６，３１２・・・堰。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 板金を塑性加工して成形されたクラッチハブであって、
   円筒部の一端に外側方向に突出するフランジ部を有し、
   前記円筒部の外周面に軸方向にスプライン歯を形成する
   とともに半径方向にオイルのための通路孔を穿設され、
   前記内周面の前記フランジ部とは反対側の端部に全周に
   亘り前記オイルのための堰を形成したことを特徴とする
   クラッチハブ。