JPH0312806Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、インナーシリンダとアウターシリン
ダとの回り止めを図つたランマーに関する。

（従来の技術） 道路工事等において地面の締固めに用いられる
ランマーは一般に知られている。（例えば、特開
昭59−206505号公報参照）。この種ランマーは互
いに相対伸縮動するインナーシリンダとアウター
シリンダを備え、インナーシリンダ下端部にはシ
ユーが固定されている。従つて、インナーシリン
ダとアウターシリンダとの回り止めがなされてい
なければ、インナーシリンダに固定した前記シユ
ーの本体に対する方向が定まらず、ランマーの適
正な速度が得られない等の問題が生ずる。又、イ
ンナーシリンダとアウターシリンダとの摺動部は
ゴム等の弾性材で蛇腹状に成形された伸縮自在な
ベローズによつて被われているが、両シリンダが
互いに回転すれば、上記ベローズがねじ切れると
いう不具合が発生する。そこで、従来からインナ
ーシリンダとアウターシリンダとの回り止め対策
が施されているが、その例を第４図乃至第７図に
示す。即ち、第４図及び第５図は、アウターシリ
ンダ１０６の内周部に形成したキー溝１０６ａ，
１０６ａにインナーシリンダ１０７の外周部に固
定したキー１２０，１２０を係合せしめることに
よつて回り止めを図つた例を示す。又、第６図及
び第７図はインナーシリンダ２０７に立設したピ
ン２３０，２３０をアウターシリンダ２０６に穿
設した円孔２０６ａ，２０６ａに貫通せしめるこ
とによつて回り止めを図つた例を示す。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記第４図及び第５図に示す例
ではキー１２０及びキー溝１０６ａを設けるため
にインナーシリンダ１０７及びアウターシリンダ
１０６を厚肉に構成する必要があり、ためにラン
マー全体の重量が増大し、加工コストが高騰する
という問題がある。又、第６図及び第７図に示す
例ではピン２３０等の余分な部品を必要とし、構
成部品点数の増加、重量増大及び加工コストの高
騰を招くという問題がある。

本考案は上記問題に鑑みてなされたもので、そ
の目的とする処は、部品点数の増加、重量増大及
び加工コストの高騰を招くことなくインナーシリ
ンダとアウターシリンダとの回り止めを確実にな
すことができるランマーを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成すべく本考案は、摺動自在に嵌
合し、互いに相対伸縮動するインナーシリンダと
アウターシリンダを含んで構成されるランマーに
おいて、前記インナーシリンダとアウターシリン
ダを多角形断面を有する筒部材にて構成した。

（作用） 従来の円筒部材と異なり多角形断面を有する筒
部材にて構成されるインナーシリンダとアウター
シリンダとの嵌合によつてこれらインナーシリン
ダとアウターシリンダの回り止めが確実に図られ
るため、従来要していたキー、ピン等の部品が不
要となり、インナーシリンダとアウターシリンダ
を薄肉化でき、従つてランマーの構成部分点数の
削減、軽量化及び加工コストの低減を図ることが
できる。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本考案に係るランマーの一部破断側面
図であり、同図中、１はクランクケースであつ
て、該クランクケース１の上部には防振ゴム２を
介してハンドル３が、側部にはエンジン４が、下
部にはアウターシリンダ５がそれぞれ取付けられ
ている。そして、上記エンジン４の出力軸端は遠
心クラツチ６を介してピニオンギヤ７に連結され
ており、このピニオンギヤ７はクランクケース１
に回転自在に支承された大径のクランクギヤ８に
噛合している。このクランクギヤ８にはその回転
中心から偏心したクランクシヤフト９が突設され
ており、該クランクシヤフト９にはコンロツド１
０の上端が連結されている。

ところで、前記アウターシリンダ５は第２図に
示す如く断面四角形を成す筒状部材にて構成され
るインナーシリンダ１１が下方より摺動自在に嵌
入されている。そして、アウターシリンダ５内に
はピストン１２が摺動自在に嵌装されており、該
ピストン１２の上端部は支持ピン１３を介して前
記コンロツド１０の下端部に連結されている。
又、ピストン１２の下方にはロツド１４が一体に
延出しており、該ロツド１４は図示の如くインナ
ーシリンダ１１の上壁を貫通して当該インナーシ
リンダ１１内に臨んでおり、これの下端部にはイ
ンナーシリンダ１１内に摺動自在に嵌装されたプ
レート１５がナツト１６にて結着されている。而
して、インナーシリンダ１１内のプレート１５の
上下にはスプリング１７，１８が縮装されてい
る。又、アウターシリンダ５とインナーシリンダ
１１にはゴム等の弾性材にて蛇腹状に成形された
伸縮自在なベローズ１９がバンド２０，２１にて
締め付け固定されている。更にインナーシリンダ
１１の下端にはシユー（打撃板）２２が固定され
ている。尚、第１図中、２３は燃料タンクであ
る。

而して、エンジン４の回転速度が一定値を超え
ると、遠心クラツチ６が作動し、ピニオンギヤ７
が回転駆動され、この回転はクランクギヤ８によ
つて減速される。そして、クランクギヤ８の回転
運動はコンロツド１０によつてピストン１２及び
ロツド１４の上下直線運動に変換せしめられ、プ
レート１５の上下動に伴うスプリング１７，１８
の交互の伸縮によつて発生する弾発力を受けてシ
ユー２２が上下に振動し、所要の締固め作業がな
される。

以上において、互いに摺動自在に嵌合するイン
ナーシリンダ１１とアウターシリンダ５の断面形
状を第２図に示す如く四角形としたため、これら
インナーシリンダ１１とアウターシリンダ５との
回り止めが確実に図られ、ランマーの稼動中にシ
ユー２２の方向が変化したり、ベローズ１９がね
じ切れる等の事故が発生することがない。そし
て、この回り止めは従来の如くキー、ビン等の部
品を必要とせず、キー溝加工等も不要であるた
め、部品点数の削減、インナーシリンダ１１及び
アウターシリンダ５の薄肉化による軽量化、加工
工数の削減による加工コストの低減等を図ること
ができる。

尚、以上述べた実施例においてはインナーシリ
ンダ１１及びアウターシリンダ５の断面形状を四
角形としたが、第３図に示す如く六角形にしても
よく、その他任意の多角形状を採用しても前記と
同様の効果を得ることができる。

（考案の効果） 以上説明で明らかな如く本考案によれば、ラン
マーのインナーシリンダとアウターシリンダを多
角形断面を有する筒部材にて構成したため、従来
要していたキー、ピン等の部品を要することな
く、インナーシリンダとアウターシリンダとの回
り止めが確実に図られ、部品点数の削減、軽量
化、加工コストの低減等を図ることができるとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るランマーの部分破断側面
図、第２図及び第３図はインナーシリンダとアウ
ターシリンダの断面形状の態様を示す破断平面
図、第４図は従来の回り止め構造を示すランマー
の一部破断側面図、第５図は第４図の−線断
面図、第６図は従来の別の回り止め構造を示すラ
ンマーの一部破断側面図、第７図は第６図の−
線断面図である。 １……クランクケース、４……エンジン、５…
…アウターシリンダ、１１……インナーシリン
ダ、１９……ベローズ、２２……シユー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 摺動自在に嵌合し、互いに相対伸縮動するイン
   ナーシリンダとアウターシリンダを含んで構成さ
   れるランマーにおいて、前記インナーシリンダと
   アウターシリンダとを、当該両シリンダ同士の回
   動を阻止するべく、多角形断面を有する筒部材に
   て構成したことを特徴とするランマー。