JPH03125076A - ピストンリングのコーテイング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、往復動内燃機関のピストンに嵌装するピスト
ンリングに関するもので、耐摩耗性が要求されるその他
の摺動部品にも適用することができる。

〔従来の技術〕

ピストンリングの耐摩耗性向上策の一つとして、従来の
鋳鉄製ピストンリングの摺動面に耐摩耗材を溶射コーテ
ィングしたピストンリングが実用されているが、溶射層
の厚さを０．５　ｔｒａｍ以上にすると耐摩耗材が剥離
し、却って摩耗を促進するというへい害がある。

したがって耐摩耗材の厚さを少な（とも２ｆｆｉｌｌ＋
以上にし、かつ剥離が生じないピストンリングの製作技
術の開発が望まれている。

〔発明が解決しようとする課題〕

前述のように従来技術によるピストンリングの溶射コー
ティングは、コーティング厚さを厚（すると剥離を生じ
やすい問題点があり、溶射コーティングのみでは、コー
ティング厚さは約０．５　ｒｕｍ以上は無理とされてい
る。

また、通常のＨＩ　Ｐ　（Ｈｏｔ　ｌ５ｏｓｔａｔｉｃ
　Ｐｒｅｓｓ　）技術を用いれば、部材の表面に、硬い
耐摩耗材を厚く張り合せることは可能である。しかし、
この技術は、一般に容器を用い、その中に被処理部材と
耐摩耗材の粉末を充填し、真空シールを行い、容器ごと
ＨＩＰ処理を行う方法である。

従って、ＨＩＰ技術によると、容器の製作費および多量
の耐摩耗材粉末を必要とし、更に余分な１）６分の削除
に多くの工数がかかることなど、製作工程が複雑で加工
工数が増大する等の問題点がある。

本発明は、上述のような従来技術による問題点を排除し
、厚（且つ剥離しない耐摩耗材コーティング層を具えた
ピストンリングを比較的簡単で且つ少ない工程で製造す
ることを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

まず、耐摩耗材をピストンリング本体に厚く（数ミリメ
ートル）コーティングし、その施工中に剥離を生じない
ようにするため、ピストンリングの外周面に溝を加工し
、該溝の深さは、耐摩耗材の必要な厚さとする。

上記溝に、耐摩耗材を溶射により、溝の深さよりや〜厚
くコーティングする。さらにその上に封孔性のよい粉末
材を溶射コーティングし、先に；−テイングした耐摩耗
材を覆う。これは耐摩耗材を溶射コーティングしたまま
の状態でＨＩＰ処理を行っても、溶射層が多孔質のため
、溶射層自体に外圧が十分負荷されず、溶射層の焼結と
接合が不十分となるからである。

封孔性の良い粉末材としては、Ｎ１粉末、ガラス粉末な
どを用いる。このように、封孔処理をしたリングなＨＩ
Ｐ装置にて、高温高圧（等方圧）下で処理する。これに
よって、耐摩耗材は溶射のままの状態より、焼結によっ
て緻密化すると共にリング本体材と強固に接合し、従来
の技術的課題を解決することができる。その後は封孔材
を除去し、通常のピストンリングの製作工程を実施する
だけで良い。

〔作　用〕

す／グ本体に溝を加工することによって、耐摩耗材の溶
射コーティング厚さの目安とすることができると共に、
溶射層の両端がリング本体材で構成されているため溶射
層を固縛し、剥離に対して有効に作用する。

耐摩耗材の溶射層の上に封孔性の良い粉末を溶射コーテ
ィングすることによって、ＨＩＰ処理におゆる高圧（等
方圧）を溶射層に外部から負荷できるため、焼結と接合
が十分に行える。

ＨＩＰ装置の容積に応じて、個々のリングを積重ねて同
時に処理できるため、生産性が高く、低コストとなる。

封孔処理層（溶射層）を除去すれば、従来のピストンリ
ング製造工程が実施できるので、工程の多様性が少なく
、従来の加工技術と設備がそのまま使える。

〔実施例〕

＄Ｊ１図乃至第６図において、１はピストンリング、ｌ
ａはピストンリング本体、１ｂは耐摩耗材、ＩＣは封孔
材、１ｄは合ひ口、２は溶射装置である。

ピストンリング１は、一般に第２図に示すような形状を
有し、連続したリングではなく、合ひ口１ｄと呼ばれる
ところで切断されている。

ピストンリング本体１ａの材料としては従来の鋳鉄材又
は炭素鋼あるいは合金鋼などが用いられる。従来から鋳
鉄材を用いている理由は、鋳鉄中のグラファイトで摺動
性を確保するためであったが、本発明のよう建、摺動面
を別の耐摩耗材で構成させる場合には、リング本体材は
、鋳鉄よりもむしろ靭性、剛性の高い炭素鋼や合金鋼の
使用が望ましい。耐摩耗材１ｂは、リング本＄１ａに金
属接合され、その幅は摺動面の全幅より、や〜狭く、厚
さは少なくとも１ｒＩｒ！Ｒ以上から３〜４８程度が理
想的である。

耐摩耗材１ｂは、タングステン力−ノ２イｒＷＯ。

クロム炭化物Ｃｒ５Ｕ２をはじめ、鉄とモリブデンＭ。

の混合粉末やステライト、ならびにこれらの混合粉末な
どが用いられる。耐摩耗性および摺動性の両面から見れ
ば、クロム炭化物Ｃｒ３Ｃ２が最も優れているようであ
る。ただし、クロム炭化物だけでは焼結性や接合性が劣
るため、クロム炭化物の粉末に、数チのＮ１やＧｏを混
合して用いることが多い。

第３図乃至第６図は１本発明の製作工程を図示したもの
である。第３図は、リング本体１ａの外周に溝を加工し
、この溝へ溶射装置２を用いて耐摩耗材１ｂの粉末をコ
ーティングしている状況を示す。耐摩耗材１ｂのコーテ
ィングが完了したら、封孔材ＩＣの溶射コーティングを
実施する。この段階までの構成要素を第４図に示す。耐
摩耗材１ｂを覆っているＩＣが封孔材である。次いで第
５図および第６図はＨＩＰ処理の状況を示す。第５図は
全体の概念図、第６図はコーティング済みピストンリン
グに負荷されるＨＩＰの状況を示したもので、耐摩耗材
１ｂは封孔材ＩＣを介して外部から高圧力（８方圧）を
負荷され、高温に加熱されて焼結とリング本体１ａへの
接合が同時に行われる。ＨＩＰ処理後は封孔材ＩＣを除
去し、従来のピストンリングの製作工程を経て、第１図
、第２図に示したピストンリングが完成する。

このようにして製造された本発明によるピストンリング
と従来の鋳鉄製ピストンリングとを摩耗量／使用時間に
ついて比較したものが第７図のグラフである。

〔発明の効果〕

本発明によるピストンリングのコーティング方法は、ピ
ストンリング本体の摺動面全周に、摺動幅より小さい幅
の溝を加工し、上記溝に耐摩耗性を有する粉末を溶射コ
ーティングして溝を埋め、上記コーティング層の上に、
さらに封孔性の良い粉末材を溶射コーティングし、この
コーティング済みピストンリングをＨＩＰ処理して耐摩
耗材をピストンリング本体に焼結接合することにより、
次の効果を有する。

（１）　　ピストンリングの摺動面に、ピストンリング
本体材料とは別の耐摩耗性および摺動性の優れた材料を
強固にコーティングできる。

（２）　　コーティング厚を数喘（従来は０．５鰭以下
）とし、且つ緻密で剥離を生じないコーティングが得ら
れる。

（３）上記（１）　、　＋２１項の結果、耐久性のある
ピストンリングが得られる。（従来の鋳鉄リングの約１
０倍、タングステンカーバイドを０．５■厚さにコーテ
ィングした溶射リングと較べても６〜８倍の耐久性があ
る） （４）かなり広い範囲で耐摩耗粉末材の選定が可能であ
り、１種類の粉末だけでなく、複数の種類の粉末を混合
して使用できるなど、耐摩耗性と摺動性を任意に、細か
く調整することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）は本発明を実施したピストンリング中央の
断面図、第１図（１，）は第１図（ａ）のＡ部拡大断面
図、第２図（ａ）は一般的なピストンリングの平面図、
第２図（ｂ）は第２図（ａ）の合ひ口の側から見た側面
図、第３図は本発明による溶射コーティング状況を示す
概念図、第４図はコーティング済みピストンリングの断
面図、第５図は）（ＩＰ処理の全体概念図、第６図はＨ
ＩＰ処理済みピストンリングの断面図、第７図は本発明
を実施したピストンリングと従来のピストンリングの耐
久性を比較したグラフである。 １・・・ピスト／リング。 １ａ・・・ピストンリング本体、１ｂ・・・耐摩耗材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ピストンリング本体の摺動面全周に、摺動幅より小さい
   幅の溝を加工し、上記溝に耐摩耗性を有する粉末を溶射
   コーティングして溝を埋め、上記コーティング層の上に
   、さらに封孔性の良い粉末材を溶射コーテイングし、こ
   のコーティング済みピストンリングをＨＩＰ処理して耐
   摩耗材をピストンリング本体に焼結接合することを特徴
   とするピストンリングのコーテイング方法。