JPH0312044B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0312044B2
JPH0312044B2 JP57213843A JP21384382A JPH0312044B2 JP H0312044 B2 JPH0312044 B2 JP H0312044B2 JP 57213843 A JP57213843 A JP 57213843A JP 21384382 A JP21384382 A JP 21384382A JP H0312044 B2 JPH0312044 B2 JP H0312044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
inorganic oxide
weight
vinyl monomer
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57213843A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59104306A (ja
Inventor
Shigeki Yuasa
Koji Kusumoto
Namihiro Okabayashi
Katsumi Suzuki
Hideki Oono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP57213843A priority Critical patent/JPS59104306A/ja
Publication of JPS59104306A publication Critical patent/JPS59104306A/ja
Publication of JPH0312044B2 publication Critical patent/JPH0312044B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は重合して複合重合物とした際に歯科用
として好適な複合修復材を与える歯科用組成物に
関する。さらに詳しくは、耐摩耗性、滑沢性に優
れ、なおかつ表面硬度が高く、表面研摩仕上げの
容易な複合修復材に用いられる重合用の複合組成
物に関するものである。 現在、複合重合物の一例である歯科用複合修復
材としては重合収縮が比較的小さいとされている
ビスフエノールAグリシジルメタクリレート(ビ
スフエノールAとグリシジルメタクリレートの付
加生成物、以下Bis−GMAと略す。)を主成分と
するアクリル系モノマー液に粒径数十μmのガラ
スビーズあるいは石英の粉砕物を大量に配合し、
使用時にさらに常温分解型の重合開始剤を添加し
て口腔内で重合硬化させたものが一般的に用いら
れている。 上記の如き複合修復材は光学的に透明な無機粉
体を充填材として用いているため、アクリル系の
ポリマーと同モノマーとの混合物を重合してなる
レジン系修復材と比較して重合時の収縮および透
明性に於いて劣ることなく、さらに線膨張係数と
機械的強度に優れた性質を有する点で特徴があ
り、広く臨床医に愛用されている。しかし、耐摩
耗性、表面の滑沢性、および表面硬度の点で自然
歯に比べるとはるかに劣り、さらに改良すべき点
を有している。 そこで、本発明者らは、新規な無機酸化物を見
い出し、これを歯科用の複合修復材として用いる
ことにより上記の欠点が改良されることを見い出
し、既に提案した。 上記の無機酸化物は、シリカと特定の金属酸化
物からなり、特定の粒子径を有する球状の無機酸
化物である。 本発明は、無機充填材として上記の無機酸化物
を用い、これと重合可能なビニルモノマーを主成
分とした重合用の複合組成物であつて、これを重
合させて複合重合物とする際に、有機過酸化物と
アミン類を混合することによつて容易に重合可能
にした歯科用組成物を提供するものである。さら
に、本発明の重合用の複合組成物を重合させた複
合重合物を用いることにより機械的強度に優れ、
耐摩耗性が改善され、しかも表面の滑沢性が向上
し、さらに表面研摩仕上げが容易な複合修復材を
得ることできる。 即ち、本発明は、 a 重合可能なビニルモノマー b 有機過酸化物 c アミン類 及び d(イ) シリカと結合可能な周期律表第族、同第
族、同第族、同第族からなる群より選
ばれた少くとも1種の金属酸化物及びシリカ
を主な構成成分とし、粒子径が0.1〜1.0μm
で且つ形状が球形である無機酸化物 及び/又は ロ 上記イの無機酸化物を含むビニルポリマー
からなる複合充填材かなり、少くとも上記b
とcとは混合しないように区別されてなる歯
科用組成物を提供するものである。 本発明の歯科用組成物の1成分は重合可能なビ
ニルモノマーである。該ビニルモノマーは特に限
定的ではなく、一般に歯科用モノマーとして使用
される公知のものが使用出来る。一般に使用され
る代表的なものを例示すれば、アクリル基及び/
又はメタクリル基を有する重合可能なモノマーで
ある。具体的に例示すれば次の通りである。 イ 単官能性ビニルモノマー メチルメタクリレート;エチルメタクリレー
ト;イソプロピルメタクリレート;ヒドロキシ
エチルメタクリレート;テトラヒドロフルフリ
ルメタクリレート;グリシジルメタクリレー
ト;およびこれらのアクリレート ロ 二官能性ビニルモノマー (i) 芳香族化合物系のもの 2,2−ビス(メタクリロキシフエニル)
プロパン;2,2−ビス〔4−(3−メタク
リロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフエ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−メタク
リロキシエトキシフエニル)プロパン;2,
2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフ
エニル)プロパン;2,2−ビス(4−メタ
クリロキシテトラエトキシフエニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−メタクリロキシペン
タエトキシフエニル)プロパン;2,2−ビ
ス(4−メタクリロキシジプロポキシフエニ
ル)プロパン;2(4−メタクリロキシエト
キシフエニル)−2(4−メタクリロキシジエ
トキシフエニル)プロパン;2(4−メタク
リロキシジエトキシフエニル)−2(4−メタ
クリロキシトリエトキシフエニル)プロパ
ン;2(4−メタクリロキシジプロポキシフ
エニル)−2(4−メタクリロキシトリエトキ
シフエニル)プロパン;2,2−ビス(4−
メタクリロキシプロポキシフエニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−メタクリロキシイソ
プロポキシフエニル)プロパンおよびこれら
のアクリレート (ii) 脂肪族化合物系のもの エチレングリコールジメタクリレート;ジ
エチレングリコールジメタクリレート;トリ
エチレングリコールジメタクリレート;ブチ
レングリコールジメタクリレート;ネオペン
チルグリコールジメタクリレート;プロピレ
ングリコールジメタクリレート;1,3−ブ
タンジオールジメタクリレート;1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート;1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレートおよびこれ
らのアクリレート ハ 三官能性ビニルモノマー トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、トリメチロールメタントリメタクリレート
およびこれらのアクリレート ニ 四官能性ビニルモノマー ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
及び下記で示す構造式を有するウレタン系のモ
ノマー 重合可能なビニルモノマーを複数種類を用いる
場合、このビニルモノマーが室温で粘度が極めて
高いもの、あるいは固体である場合には、低粘度
の重合可能なビニルモノマーと組み合せて使用す
る方が好ましい。この組み合せは2種類に限ら
ず、3種類以上であつてもよい。又、単官能性ビ
ニルモノマーだけの重合体は架橋構造を有しない
ので、一般に重合体の機械的強度劣る傾向にあ
る。そのために、単官能性ビニルモノマーを使用
する場合は多官能性モノマーと共に使用するのが
好ましい。重合可能なビニルモノマーの最も好ま
しい組合せは、二官能性ビニルモノマーの芳香族
化合物を主成分として二官能性ビニルモノマーの
脂肪族化合物との組み合せる方法である。これ以
外に、たとえば、三官能性ビニルモノマーと四官
能性ビニルモノマーの組み合せ、二官能性ビニル
モノマーの芳香族化合物と同脂族化合物に三官能
性ビニルモノマー及び/又は四官能性ビニルモノ
マーを含む組み合せ、およびこれらの組み合せに
単官能性ビニルモノマーを加えた組み合せが好適
に採用出来る。 次に、上記ビニルモノマーの組み合せにおける
組成比は必要に応じて決定すればよいが一般に好
適に採用される組成比を示す。 (1) 二官能性ビニルモノマーの芳香族化合物は30
〜80重量%で同脂肪族化合物70〜20重量% (2) 三官能性ビニルモノマーは30〜100重量%で
四官能性ビニルモノマー0〜70重量% (3) 二官能性ビニルモノマーの芳香族化合物は30
〜60重量%、同脂肪族化合物は5〜30重量%、
三官能性ビニルモノマーは10〜80重量%、四官
能性ビニルモノマーは0〜50重量%等の組成比
が好ましい。 次に本発明で用いる(b)の有機過酸化物は公知の
ものが何ら制限なく使用できる。代表的なものを
例示すれば、ベンゾイルパーオキサイド、パラク
ロロベンゾイルパーオキサイド2,4−ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ターシヤルブチ
ルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−
ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ターシヤリーブチルパーオキシ
ベンゾエート等があげられる。 本発明で用いる(c)のアミン類としては、第1
級、第2級、第3級アミンが用いられる。例えば
N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−4−メ
チルアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシ
エチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−
ビス−12−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチ
ルアニリン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−メチルアニリン、4−メチルアニ
リン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,
N−ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、
P−トルエンスルホン酸のアミン塩、スルフイン
酸のアミン塩等があげられる。 本発明の歯科用組成物の1成分は特定の無機酸
化物である。具体的に例示すれば、シリカと結合
可能な周期律表第族、同第族、同第族およ
び同第からなる群から選ばれた少くとも1種の
金属成分とシリカとを主な構成成分とし、粒子径
が0.1〜1.0μmで且つ形状が球形である無機酸化
物である。 本発明で用いる無機酸化物の粒子径の分布は特
に限定されないが本発明の目的をもつとも良好に
発揮するのは該分布の標準偏差値が1.30以内にあ
るようなシヤープなものである。上記粒子径及び
粒子形状はいずれも非常に重要な要因となり、い
ずれの条件が欠けても本発明の目的を達成するこ
とが出来ない。例えば無機酸化物の粒子径が0.1μ
mより小さい場合には重合可能なビニルモノマー
と練和してペースト状の混合物とする際に粘度の
上昇が著しく、配合割合を増加させて粘度上昇を
防ごうとすれば操作性が悪化するので実質的に実
用に供する材料となり得ない。また該粒子径が
1.0μmより大きい場合は、ビニルモノマーを重合
硬化後の樹脂が耐摩耗性あるいは表面の滑沢性が
低下し、更に表面硬度も低下する等の欠陥がある
ため好ましくない。また該粒子径の分布の標準偏
差値が1.30より大きくなると複合組成物の操作性
が低下する場合もあるので一般的には該粒子径の
分布は標準偏差値が1.30以内のものを使用するの
が好ましい。更にまた無機酸化物が前記粒子径
0.1〜1.0μmの範囲で、粒子径の分布の標準偏差
値が1.30以内の粒子であつても、該粒子の球形状
でなければ前記したような本発明の効果特に耐摩
耗性、表面の滑沢性、表面硬度等に於いて満足の
いくものとはなり得ない。 該無機化物の製法は特に限定されず如何なる方
法を採用してもよいが一般的に次の方法が好適に
採用される。 加水分解可能な有機珪素化合物と、加水分解可
能な周期律表第族、第族、第族、および第
族の金属よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の金属の有機化合物とを含む混合溶液を該有機
珪素化合物及び周期律表第族、第族、第族
および第族の有機化合物は溶解するが反応生成
物は実質的に溶解しないアルカリ性溶媒中に添加
し加水分解を行い反応生成物を析出させて得る、
周期律表第族、第族、第族および第族の
金属酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の金属酸化物とシリカとを主な構成成分とする
無機酸化物の製造方法が好適に採用される。また
一般に工業的に得られる無機酸化物は表面安定性
を保持するため表面のシラノール基を減ずるのが
好ましい。そのために球形状の無機酸化物を乾燥
後更に500〜1000℃の温度で焼成する手段がしば
しば好適に採用される。該焼成に際しては無機酸
化物の一部が焼結し凝集する場合もあるので、通
常は擂潰機、振動ボールミル、ジエツト粉砕機等
を用いて凝集粒子をときほぐすのが好ましい。ま
た一般に前記焼成した無機酸化物は安定性を保持
するため有機珪素化合物を用いて表面処理を行つ
た後使用するのが最も好適である。上記表面処理
の方法は特に限定されず公知の方法例えば無機酸
化物とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン等の公知の有
機珪素化合物とを、アルコール/水の混合溶媒中
で一定時間接触させた後、該溶媒を除去する方法
が採用される。 本発明で使用する無機酸化物の形状は顕微鏡写
真をとることにより、その粒子径、形状を確認す
ることが出来、粒子径の分布の標準偏差値は顕微
鏡写真の単位面積或いは顕微鏡の単位視野内に存
在する粒子の数とそれぞれの直径から、後述する
算出式によつて算出することが出来る。上記顕微
鏡写真は無機酸化物の粒子形状が観察出来るもの
であればどんなものでもよいが、一般には走査型
電子顕微鏡写真、透過型電子顕微鏡写真等が好適
である。また無機酸化物が他の液状物質例えば重
合可能なビニルモノマーと混合されペースト状混
合物となつている場合はあらかじめ適当な有機溶
媒を用いて液状物質を抽出除去した後、前記同様
な操作で無機酸化物の性状を調べるとよい。 本発明で使用する前記無機酸化物は前記したよ
うに球状粒子が使用されるが該球状であるかどう
かは上記顕微鏡の他に無機酸化物の比表面積を測
定することによつて確認することが出来る。例え
ば粒子径0.1〜1.0μmの範囲にある無機酸化物は
その比表面積が4.0〜40.0m2/g程度であれば完
全な球型と仮定して計算される比表面積とほゞ一
致する。従つて本発明で使用する無機酸化物はそ
の比表面積が4.0〜40.0m2/gの範囲のものを使
用するのが好適である。 本発明の歯科用組成物の成分として、前記無機
酸化物のかわりに無機酸化物を含むビニルポリマ
ーからなる複合充填材を用いることができる。又
該無機酸化物に複合充填材を加えた充填材混合物
も用いることができる。 複合充填材の製法は特に限定されず、如何なる
方法を採用してもよい。一般には前記無機酸化物
即ち粒子径が0.1〜1.0μmで且つ形状が球形であ
る無機酸化物と重合可能なビニルモノマーとを混
合してペーストを調製し、重合することによつて
上記無機酸化物を含むビニルポリマーからなる複
合充填材を得る。ペーストを作る方法としては手
で練和する方法、擂潰機、ゴムロール、ニーダ等
の機械を用いる方法がある。混合割合は、該無機
酸化物が50〜90重量%で、該ビニルモノマー10〜
50重量%であることが好ましい。混合する場合
に、練和性を良くするために重合可能なビニルモ
ノマーおよび無機酸化物に悪影響を与えない揮発
性の溶媒を加えることもできる。用いる溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ベンゼン、エーテル等があげられる。次に、
該ペーストを重合する工程では、該ペーストをそ
のまま重合してを良いが、重合の前に、該ペース
ト中に気泡を多く含んでいる場合、あるいはペー
ストの調製時に溶媒を用いる場合には、脱泡する
かあるいは溶媒を除く方が良い。そのためには、
ペーストを減圧下に置く方法が好ましい。次にペ
ーストの重合時に、重合開始剤を添加する方法が
ある。又重合温度は、一般に室温から200℃の範
囲が好適である。重合開始剤を添加しないで、加
熱する方法では重合時間が長くなる。重合開始剤
の種類によつては、複合充填材変色しやすくなる
ので、変色させにくいものを選ぶ方が良い。重合
開始剤の添加量は、該ビニルモノマー中に0.01〜
2重量%の範囲が好ましい。 代表的な重合開始剤は重合可能なビニルモノマ
ーを重合させるためにラジカルを発生するもので
前記した有機過酸化物以外に、アゾビスイソブチ
ロニトリルのようなアゾ化合物、トリブチルホウ
酸のような有機金属化合物も用いられる。さら
に、重合開始剤として、光増感剤を用いることが
できる。この光増感剤としては、例えばベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、アセトインベンゾフエノン、P−ク
ロロベンゾフエノン、P−メトキシベンゾフエノ
ン等があげれる。又、一般に重合は重合体が変色
しないために、窒素やアルゴンの不活性ガス雰囲
気下で行ない、ペースト中に混入している気泡を
小さくするため加圧する方が好ましい。加圧の程
度は特に限定されないが、通常1〜5Kg/cm2でよ
い。 次に該複合充填材は、所定の平均粒径および粒
径範囲を有することが好ましい。粒径が大きい
と、複合充填材とビニルモノマーとを混合して得
るペーストはざらつき、逆に粒径小さいとペース
トの粘性が出てくる。通常、粒径は0.1μmから
150μmの範囲内で、平均粒径は1μmから40μmの
範囲にあることが好ましい。 上記の平均粒径および粒径範囲を有する複合充
填材は、無機酸化物と重合可能なビニルモノマー
とを混合して得るペーストを塊重合し、その重合
体を粉砕することで得られる。粉砕方法は特に限
定されないが、ボールミル、擂潰機、振動ボール
ミル、ジエツト粉砕機等の粉砕機が好適に用いら
れる。 複合充填材を用いることによつて、前記のよう
に無機酸化物を用いる場合の複合組成物としての
優れた効果に加えて、あらたな効果を発揮するこ
とができる。たとえば、複合充填材と重合可能な
ビニルモノマーとの混合で得られるペーストは、
該無機酸化物とビニルモノマーとの混合で得られ
るペーストにくらべて、粘性が低く、その練和が
容易になることがあげられる。この粘性の評価の
一つとしてペーストの糸引きの長さで表わす。一
般に、該無機酸化物と重合可能なビニルモノマー
との混合で得られるペーストは糸引きの長さは長
く、該複合充填材と重合可能なビニルモノマーと
の混合で得られるペーストの糸引きの長さは短
い。該無機酸化物のかわりに前記充填剤混合物を
複合組成物の1成分として用いる場合には、複合
充填材の割合が多い程、糸引きの長さは短かくな
る傾向にある。練和する場合、ペーストの粘性は
適当な範囲が選ばれる。その範囲の粘性での糸引
きの長さは0〜20cmである。適当な範囲の粘性を
発現するための前記充填材混合物中での割合は、
該無機酸化物が0〜80重量%、該複合充填材が20
〜100重量%の割合が好ましい。 本発明の成分は以上に説明したとおりのもので
あるが、この他に2−ヒドロキシ−4−メチルベ
ンゾフエノンのような紫外線吸収剤、顔料等の成
分を任意に添加できる。 次に、本発明の歯科用組成物を重合させて複合
重合物を得る際の歯科用組成物の混合方法につい
て説明する。 まず、本発明の各成分の混合割合は次の範囲が
好適である。 aの重合可能なビニルモノマーとdの無機酸化
物及び/又は複合充填材との混合割合は、aが10
〜70重量%でdが30〜90重量%の範囲が適当であ
り、より好ましくは、aが20〜40重量%でdが60
〜80重量%である。 bの有機過酸化物の量は、重合時間に応じて適
当に選ばれるが、通常aの重合可能なビニルモノ
マーに対して0.1〜3重量%の範囲でよい。又上
記cのアミン類の量も重合の速度に応じて適当に
選ばれる通常aの重合可能なビニルモノマーに対
して0.1〜5重量%の範囲でよい。 aの重合可能なビニルモノマーをb又はcと混
合して保存する際には、該重合可能なビニルモノ
マーの保存安定性のために、重合禁止剤を加えた
方が好ましい。用いる重合禁止剤は特に限定され
ないが、代表的なものとして、2,5−ジ−ター
シヤリーブチル−4−メチルフエノール、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル等の公知のフエノー
ル化合物があげられる。 次に歯科用組成物の混合は特に限定されるもの
ではないが、代表的な態様を示す。本発明の歯科
用組成物は、保存に際して少くともbの有機過酸
化物とcのアミン類を混合しないように区別され
る必要がある。bとcとを混合するとラジカル発
生し、そこにaの重合可能なビニルモノマーが存
在すると重合反応が起こる。従つて、bとcはa
の重合可能なビニルモノマーを重合する時に混合
しなければなない。 上記の区別する方法としては、少くともbとc
が混合しないような方法であれば何ら制限されな
い。例えば、別々の容器に入れて密閉する方法が
最も一般的である。 本発明の歯科用組成物は通常次のように区別さ
れ態様があり、重合する時にそれぞれ混合され
る。 (1) a,b,c,dがそれぞれ単独に区別され、
重合する時にこれらを一緒に混合する。 (2) a,b,dを混合してペーストを作り、この
ペーストとcが区別され、重合する時にこのペ
ーストにcを混合する。 (3) a,c,dを混合してペーストを作り、この
ペーストとbが区別され、重合する時にこのペ
ーストにb)を混合する。 (4) a,b,dを混合してペーストAを作り、一
方aとcとの混合物を作り、このペーストと混
合物が区別され、重合する時にペーストに上記
の混合物を混合する。 (5) aとbとの混合物を作り、一方a,c,dを
混合してペーストを作り、この混合物とペース
トとが区別され、重合する時にペーストに上記
の混合物を混合する。 (6) a,b,dを混合してペーストAを作り、一
方a,c,dを混合してペーストBを作り、両
方のペーストがそれぞれ区別され、重合する時
に両方のペーストを混合する。 以上の混合態様の中で、(6)の態様が最も好まし
く、この場合、両ペーストの量は重合時間に応じ
て異なるが、操作上、一般には等量であることが
好ましい。 更に具体的に実施態様を説明するため上記(6)の
態様を具体的に述べるが他の態様も以下の説明に
準じて実施すればよい。 ペーストAは下記の成分がそれぞれの割合で混
合されている。 ペーストA; a 重合可能なビニルモノマー 10〜70重量% b 有機過酸化物 0.001〜2重量% d(イ) シリカと結合可能な周期律表第族、同第
族、同第族及び同第族からなる群から
選ばれた少くとも1種の金属酸化物及びシリ
カを主な構成成分とし、粒子径が0.1〜1.0μ
mで且つ形状が球形である無機酸化物 及び/又は (ロ) 上記(イ)の無機酸化物を含むビニルポリマー
からなる複合充填材 30〜90重量% 一方、ペーストBは次の成分がそれぞれの割合
で混合されている。 ペーストB; a′ ペーストAのaと同じ 10〜70重量% c アミン類 0.001〜3.5重量% d′ ペーストAのdと同じ 30〜90重量% 上記のペーストA及びペーストBは、保存時に
はそれぞれが混合しないように、例えば別々の容
器に密閉されて区別されている。そして、ペース
トAとペーストBを混合することによつて、重合
可能なビニルモノマーの重合反応が開始され、複
合重合物が得られる。 この態様は、液体成分であるaと固体成分であ
るb,c,dが予め混合されてペーストA及びペ
ーストBを形成している。従つて、重合時にはペ
ースト同志を混合するという簡単な操作によつて
重合が行なえる利点がある。 本発明の歯科用組成物は従来のものに比べて圧
縮強度等の機械的強度は劣ることなく、しかも耐
摩耗性あるいは表面の滑沢性に優れ、さらには表
面硬度が高く、表面研磨仕上げが非常に容易であ
るという多くの優れた特徴を有している。しかし
このような特徴があらわれる理由については現在
必ずしも明確ではないが、本発明者等は次のよう
に考えている。即ち、第1に粒子の形状が球形型
で粒子径が0.1〜1.0μmでしかも好ましくは粒子
径の分布の標準偏差値が1.30以内というような粒
子径のそろつた無機酸化物を組み合せて用いる事
によつて、従来の単に粒子径分布の広いしかも形
状の不揃いな充填剤を用いる場合に比べて、硬化
して得られる複合レジン中に無機酸化物がより均
一にしかも密に充填される事及び第2にさらに粒
子径の範囲が0.1〜1.0μmの範囲内であるものを
用いる事により、粒子径が数十μmもある従来の
無機充填剤を用いる場合に比べて、本発明の複合
組成物の研磨面は滑らかになり、逆に数十nmの
微細粒子を主成分とする超微粒子充填材を用いる
場合に比べて充填材の全比表面積小さく、従つて
適当な操作性を有する条件下で充填材の充填量が
多くできる事などの理由が考えられる。 本発明の歯科用組成物は前記特定の無機酸化物
と重合可能なビニルモノマーとを配合することに
より、上記したように従来予想し得なかつた数々
のメリツトを発揮させるものである。 しかも前記の混合態様を採用すことによつて、
歯科用組成物を作る上で、操作が簡単になる。た
とえば、混合態様の(6)の場合、特に本発明の歯科
用組成物を複合修復材として用いる場合、医師が
両方のペーストをそれぞれ必要量取り出し、両方
のペーストを混合し、歯牙の修復すべき部位に即
時に充填することができる。充填後は、加熱を必
要としないで、数分間で重合することができ、簡
便である。このように本発明の歯科用組成物を歯
科用複合修復材として用いた場合、多くの極めて
優れた効果が得られるのである。 以下実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下の実施例に示した無機
酸化物の諸特性(粒子径、粒子径分布の標準偏差
値、比表面積)の測定、および複合重合物の物性
値(圧縮強度、曲げ強度、歯ブラシ摩耗深さ、表
面粗さ、表面硬度)の測定およびペーストの粘性
の評価方法は、以下の方法に従つた。 (1) 粒子径および粒子径分布の標準偏差値 粉体の走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真
の単位視野内に観察される粒子の数(n)、およ
び粒子径(直径xi)を求め、次式により算出され
る。 標準偏差値=x+σo-1/x 但し
【式】
(2) 比表面積 柴田化学器機工業(株)迅速表面測定装置SA−
1000を用いた。測定原理はBET法である。 (3) 圧縮強度 37℃の水中に24時間浸漬したものを複合重合物
の試験片とした。その大きさ、形状は直径6mm、
高さ12mmの円柱状のものである。この試験片を試
験機(東洋ボードウイン製UTM−5T)に装着
し、クロスヘツドスピード10mm/minで圧縮強度
を測定した。 (4) 曲げ強度 37℃、水中24時間浸漬したものを複合重合物の
試験片とした。その大きさ、形状は2×2×25mm
の角柱状のものである。曲げ試験は支点間距離20
mmの曲げ試験装置を東洋ボードウイン製UTM−
5Tに装着して行ない、クロスヘツドスピード0.5
mm/minとした。 (5) 歯ブラシ摩耗深さ、および表面粗さ 37℃、水中24時間浸漬したものを複合重合物の
試験片とした。その大きさ、形状は1.5×10×10
mmの板状のものである。試験片を荷重400gで歯
ブラシで1500m摩耗した後、表面粗さ計(サーフ
コムA−100)で十点平均あらさを求めた。又摩
耗深さは摩耗重量を複合重合物の密度で除して求
めた。なお、この試験法では標準のメチルメタク
リレート樹脂の歯ブラシ摩耗深さは60μmであつ
た。 (6) 表面硬度 37℃、水中24時間浸漬したものを複合重合物の
試験片とした。その大きさ、形状は2.5×10mmの
円板状のものである。測定はミクロブリネル硬さ
試験を用いた。 (7) ペーストの粘性の評価方法 深さ10mm、内径30mmの円柱状ガラス製容器にペ
ーストをおよそ10g入れペーストの表面を平滑に
整える。直径5mm、長さ100mmのガラス棒をペー
ストの平滑な表面に、45゜の角度で、深さ5mmま
で差し込む。容器を固定し、ガラス棒を垂直方向
に一定速度(10cm/secで引き上げペーストの糸
引きを起こす。糸引き切れるまでの長さを糸引き
の最大長さとし、これをもつてペーストの粘性を
評価する。ガラス棒の引き上げにはテンシロン
(東洋ボードウイン製UTM−5T)を用いた。 尚実施例で使用した略記は特に記さない限り次
の通りである。 Bis−GMA;2,2−ビス(4−(2−ハイドロ
キシ−3−メタクリロキシフエニル)プロパ
ン BisMPP;ジ(4−メタクリロキシエトキシフエ
ニル)プロパン TEGDMA;トリエチレングリコールジメタクリ
レート DEGDMA;ジエチレングリコールジメタクリレ
ート TMPT;トリメチロールプロパントリアクリレ
ート TMM−3M;ペンタエリスリトールトリメタク
リレート TMM−4M;ペンタエリスリトールテトラメタ
クリレート MMA;メチルメタクリレート NPG;ネオペンチルグリコールジメタクリレー
実施例 1 無機酸化物の製法 0.1%塩酸4.0gとテトラエチルシリケート158
g(Si(OC2H54、日本コルコート化学社製製品
名;エチルシリケート28)とをメタノール1.2
に溶かし、この溶液を室温で約2時間撹拌しなが
ら加水分解した。その後、これをテトラブチルチ
タネート(Ti(O−nC4H94、日本曹達製)40.9
gをイソプロパノール0.5に溶かした溶液に撹
拌しながら添加し、テトラエチルシリケートの加
水分解物とテトラブチルチタネートとの混合溶液
を調製した。次に撹拌機付きの内容積10のガラ
ス製反応容器にメタノール2.5を導入し、これ
に500gのアンモニア水溶液(濃度25wt%)を加
えてアンモニア性アルコール溶液を調製し、これ
にシリカの種子を作るための有機珪素化合物溶液
としてテトラエチルシリケート4.0gをメタノー
ル100mlに溶かした溶液を約5分間かけて添加し、
添加終了5分後反応液がわずか乳白色のところ
で、さらに続けて上記の混合溶液を反応容器の温
度を20℃に保ちながら約2時間かけて添加し反応
生成物を析出させた。その後さらに続けてテトラ
エチルシリケート128gをメタノール0.5に溶か
した溶液を該反応生成物が析出した系に約2時間
かけて添加した。添加終了後更に1時間撹拌を続
けた後乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒
を除き、さらに80℃、減圧乾燥することにより乳
白色の粉体を得た。 さらに、この乳白色の粉体を900℃,4時間焼
成した後、メノウ乳鉢で分散しシリカとチタニア
を主な構成成分とする無機酸化物を得た。この無
機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察から、粒子径
は0.10〜0.20μmの範囲にあり、平均粒子径は
0.13μmであり形状は真球で、さらに粒子径の分
布の標準偏差値は1.08で、比表面積20m2/gであ
つた。得られた無機酸化物はさらにγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し
た。 表面処理は無機酸化物に対してγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを8重量%添加
し、水−エタノール溶媒中で80℃、2時間還流し
た後エバポレーターで溶媒を除去し、さらに減圧
乾燥させる方法によつた。 次に、この表面処理した無機酸化物10g、Bis
−GMAとTEGDMAとのビニルモノマー混合物
(混合割合Bis−GHA60重量%、TEGDMA40重
量%)3.6g、有機過酸化物としてベンゾイルパ
ーオキサイド(上記ビニルモノマー混合物中に
2.0重量%)および2,5−ジ−ターシヤリーブ
チル−4−メチルフエノール(ビニルモノマー混
合物中に0.1重量%)を混合してペーストを得た。
(このペーストをペーストBとする) 上記と同様な無機酸化物10g、上記ビニルモノ
マー混合物3.6g、アミン類としてN,N−ビス
−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルアニリン
(上記ビニルモノマー混合物中に1.2重量%)およ
び2,5−ジ−ターシヤリーブチル−4−メチル
フエノール(上記ビニルモノマー混合物中に0.02
重量%)を混合してペーストを得た。(このペー
ストをペーストAとする) ペーストBとペーストAをそれぞれ等量取り、
混合して30秒間、室温で練和した。 複合重合物の物性を測定した結果、圧縮強度
3800Kg/cm2、曲げ強度810Kg/cm2、表面粗さ0.4μ
m、表面硬度62.0、歯ブラシ摩耗深さ4.0μmであ
つた。ペーストBの粘性は80cmであつた。 実施例 2〜6 表1で示したビニルモノマー混合物の組成と
し、且つアミン類にN,N−ジメチル−P−トル
イジンを用いた以外は全て実施例1と同様な方法
でペーストAとペーストBを調製した。両方のペ
ーストをそれぞれ等量取り、混合して30秒間室温
で練和し重合させた複合重合物の物性およびペー
ストBの粘性を測定した。その結果を合せて表1
に示した。
【表】 実施例 7〜11 無機酸化物の製法 0.5%塩酸1.8gと蒸留したテトラエチルシリケ
ート(Si(OC2H54、日本コルコート化学社製製
品名;エチルシリケート28)104gをメタノール
0.2に溶かし、この溶液を室温で約1時間撹拌
しながら加水分解した。その後、これにテトラブ
チルチタネート(Ti(O−nC4H94日本曹達製)
17.0gをイソプロパノール1.0に溶かした溶液
に撹拌しながら添加し、テトラエチルシリケート
の加水分解とテトラブチルチタネートとの混合溶
液(A)を調製した。次にバリウムビスイソペントキ
サイド7.8gとテトラエチルシリケート104gとア
ルミニウムトリsec−ブトキサイド0.2gをメタノ
ール1.0に溶かし、その溶液を90℃、窒素雰囲
気下で30分間還流した。その後室温まで戻し、こ
れを混合溶液(B)とした。さらに混合溶液(A)と混合
溶液(B)とを室温で混合し、これを混合溶液(C)とし
た。 次に撹拌機つきの内容積10のガラス製反応容
器にメタノール2.5を満し、これに500gのアン
モニア水溶液(濃度25wt%)を加えてアンモニ
ア性アルコール溶液を調製し、この溶液に先に調
製した混合溶液(C)を反応容器の温度を20℃に保ち
ながら約4時間かけて添加した。添加開始後数分
間で反応液は乳白色になつた。添加終了後更に1
時間撹拌を続けた後乳白色の反応液からエバポレ
ーターで溶媒を除き、さらに80℃で減圧乾燥する
ことにより乳白色の粉体を得た。さらに、この乳
白色の粉体を900℃、4時間焼成した後、擂潰機
で凝集をほぐし、シリカ、チタニアおよび酸化バ
リウムとを主な構成成分とする無機酸化物を得
た。 走査型電子顕微鏡写真による観察の結果、この
無機酸化物の形状は球形で、その粒径は0.12〜
0.26μmの範囲にあり、その粒径の標準偏差値は
1.06であつた。またBET法によるる比表面積は
30m2/gであつた。X線分析によるとおよそ2θ=
25゜を中心にしてゆるやかな山形の吸収が見られ
非晶質構造を有するものであることが確認され
た。 この無機酸化物はさらにγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで実施例1と同様な方
法で表面処理した。 次に、この表面処理した無機酸化物、表2に示
したビニルモノマー混合物および有機過酸化物に
ラウロイルパーオキサイド(2.5重量%)を用い
た以外は全て実施例1と同様な方法で、ペースト
AとペーストBを調製した。両ペーストを各々等
量取り、1分間室温で練和し、重合させた複合重
合物の物性およびペーストBの粘性を測定した。
その結果を合せて表2に示した。
【表】 実施例 12〜16 無機酸化物の製法 実施例1で用いたものと同様なテトラエチルシ
リケート52g、およびジルコニウムテトラブトキ
サイド(Zr(OC4H94)15.6gをイソプロピルア
ルコール0.2に溶かし、この溶液を100℃、窒素
雰囲気下で30分間還流した。その後室温まで戻
し、これを混合溶液(A)とした。次に、テトラエチ
ルシリケート52gおよびストロンチウムビスメト
キサイド6.1gをメタノール0.2に仕込み、この
溶液を80℃、窒素雰囲気下で30分間還流した。そ
の後室温まで戻し、これを混合溶液(B)とした。混
合溶液(A)と混合溶液(B)とを室温で混合し、これを
混合溶液(C)とした。 次に、撹拌機つきの内容積10のガラス製反応
容器にメタノール2.4を満し、これに500gのア
ンモニア水(濃度25重量%)を加えてアンモニア
性アルコール溶液を調製し、この溶液に先に調製
した混合溶液(C)を、反応容器を20℃に保ちなが
ら、約4時間かけて添加し、反応生成物を析出さ
せた。その後さらに続けて、テトラエチルシリケ
ート50gを含むメタノール0.5からなる溶液を
該反応生成物が析出した系に約2時間かけて添加
した。添加終了後更に1時間撹拌を続けた後、乳
白色の反応液からエバポレータで溶媒を除きさら
に、減圧乾燥することにより乳白色の粉体を得
た。 さらに、この乳白色の粉体を900℃、3時間焼
成した後、擂潰機でほぐし、シリカとジルコニア
と酸化ストロンチウムを主な構成成分とする無機
酸化物を得た。 この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察か
ら、粒子径は0.10〜0.25μmの範囲にあり、平均
粒径は0.17μmであり、形状は球形で、さらに粒
子径の分布の標準偏差値は1.25で、比表面積26
m2/gであつた。 この無機酸化物はさらにγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで実施例1と同様な方
法で表面処理した。 次に、この表面処理した無機酸化物、表3に示
したビニルモノマー混合物および有機過酸化物に
ベンゾイルパーオキサイド(1.5重量%)と重合
禁止剤にハイドロキノンモノメチルエーテルを用
いた以外は、全て実施例1と同様な方法で、ペー
ストAとペーストBを調製した。両ペーストを
各々等量取り、30秒間室温で練和し、重合させた
複合重合物の物性およびペーストBの粘性を測定
した。その結果を合せて表3に示した。
【表】 実施例 17〜21 無機酸化物の製法 0.1%塩酸4.0gと実施例1で用いたと同様なテ
トラエチルシリケート158gとをメタノール1.2
に溶かし、この溶液を室温で約1時間撹拌しなが
ら加水分解した。その後、これをテトラブチルチ
タネート40.9gをイソプロパノール0.5に溶か
した溶液に撹拌しながら添加し、テトラエチルシ
リケートの加水分解物とテトラブチルチタネート
との混合溶液(A)を調製した。一方、ナトリウムメ
チラート0.2gをメタノール0.5に溶した溶液を
混合溶液(A)と混合し、これを混合溶液(B)とした。 次に、撹拌機付きの内容積10のガラス製反応
容器にイソプロパノール2.5を導入し、これに
500gのアンモニア水溶液(濃度25重量%)を加
えてアンモニア性アルコール溶液を調製した。こ
れにテトラエチルシリケート5.0gをメタノール
100mlに溶かした溶液を約10分間かけて添加し、
添加終了後ただちに先に調製した混合溶液(B)を反
応容器の温度を20℃に保ちながら約6時間かけて
添加し反応生成物を析出させた。その後さらに続
けてテトラエチルシリケート128gおよびナトリ
ウムメチラート0.1gをメタノール0.5に溶かし
た溶液を、該反応生成物が析出した系に約3時間
かけて添加した。添加終了後更に1時間撹拌を続
けた後乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒
を除き、さらに100℃、減圧乾燥することにより
乳白色の粉体を得た。 さらに、この乳白色の粉体を1000℃、1時間焼
成した後、擂潰機でほぐしシリカ、チタニアおよ
び酸化ナトリウムを主な構成成分とする無機酸化
物を得た。この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の
観察から、粒子径は0.20〜0.40μmの範囲にあり、
平均粒径は0.28μmであり、形状は、球形で、さ
らに粒子径の分布の標準偏差値は1.25で、比表面
積15m2/gであつた。得られた無機酸化物はさら
にγ−メタクリロキシシランを用いて実施例1と
同様な方法で表面処理した。 次に、この表面処理した無機酸化物、表4に示
したビニルモノマー混合物およびアミン類にN,
N−ジメチル−P−トルイジン(1.5重量%)を
用いた以外は、全て実施例1と同様な方法で、ペ
ーストAとペーストBを調製した。両方のペース
トを各々等量取り、30秒間室温で練和し、重合さ
せた複合重合物の物性およびペーストBの粘性を
測定した。その結果を合せて表4に示した。
【表】 実施例 22 複合充填材の製法 実施例1で作つた表面処理した無機酸化物に、
Bis−GMAとTEGDMAとのビニルモノマーの混
合物(混合割合はBis−GMA60重量%、
TEGDMA40重量%)、アソビスイソブチロニト
リル(ビニルモノマー混合物100重量部に対して
0.5部)およびエタノール(ビニルモノマー混合
物100重量部に対して15重量部)を配合し充分練
和することによりペーストを得た。このペースト
を真空下に置き気泡とエタノールを除去した。気
泡とエタノールを除去したペースト中の無機酸化
物の充填量は78.0重量%であつた。その後このペ
ーストを5Kg/cm2の窒素加圧下、重合温度120℃、
重合時間1時間で重合し、重合体を得た。この重
合体を乳鉢で、径5mm以下の大きさに粉砕後、さ
らに擂潰機で1時間粉砕した。粉砕後250メシユ
ふるい通過の複合充填材を得た。 複合充填材の比重は2.21で、表面硬度72であつ
た。 次に、上記の複合充填材と実施例1で用いた無
機酸化物との充填材混合物(混合割合は複合充填
材50重量%、無機酸化物50重量%)10g、Bis−
GMAとTEGDMAとのビニルモノマー混合物
(混合割合はBis−GMA60重量%、TEGDMA40
重量%)3.2g、ベンゾイルパーオキサイド(ビ
ニルモノマー混合物中に2.0重量%)および2,
5−ジタ−シヤリ−ブチル−4−メチルフエノー
ル(ビニルモノマー混合物中に0.1重量%)を混
合してペーストを得た。(このペーストをペース
トBとする) 上記と同様な充填材混合物10g、上記ビニルモ
ノマー混合物3.2g、N,N−ビス−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−メチルアニリン(上記ビニル
モノマー混合物中に1.2重量%)および2,5−
ジ−タ−シヤリ−ブチル−4−メチルフエノール
(上記ビニルモノマー混合物中に0.02重量%)を
混合してペーストを得た。 (このペーストをペーストAとする。) ペーストBとペーストAをそれぞれ等量取り、
30秒間、室温で練和し重合させた複合重合物の物
性を測定した結果、圧縮強度3710Kg/cm2、曲げ強
度890Kg/cm2、表面あらさ0.5μm、表面硬度62、
歯ブラシ摩耗深さ5.5μmであつた。ペーストBの
粘性5cmであつた。 実施例 23〜27 表5で示した充填材混合物およびビニルモノマ
ー混合物を用いた以外は全て実施例22と同様な方
法でペーストAとペーストBを調製した。両方の
ペーストをそれぞれ等量取り、30秒間室温で練和
し重合させた複合重合物の物性およびペーストB
の粘性を測定した。その結果を合せて表5に示し
た。
【表】
【表】 実施例 28〜32 複合充填材の製法 実施例7の表面処理した無機酸化物に、実施例
20のビニルモノマー混合物、ラウロイルパーオキ
サイド(ビニルモノマー混合物100重量部に対し
て0.2重量部)およびエタノール(ビニルモノマ
ー混合物100重量部に対して10重量部)を配合し
充分練和することによりペーストを得た。このペ
ーストを真空下に置き気泡とエタノールを除去し
た。気泡とエタノールを除去したペースト中の無
機酸化物の充填量は76重量%であつた。その後こ
のペーストを3Kg/cm2のアルゴン加圧下、90℃で
1時間重合し、重合体を得た。この重合体をボー
ルミルで5時間粉砕後、さらに擂潰機で1時間粉
砕した。粉砕後400メツシユのふるい通過の複合
充填材を得た。複合充填材の比重は2.40で、表面
硬度65であつた。 次に、表6で示した充填材混合物およびビニル
モノマー混合物を用いた以外は全て実施例22と同
様な方法でペーストAとペーストBを調製した。
両方のペーストをそれぞれ等量取り、30秒間室温
で練和し重合させた複合重合物の物性およびペー
ストBの粘性を測定した。その結果を合せて表6
に示した。
【表】
【表】 実施例 33〜37 複合充填材の製法 実施例12の表面処理した無機酸化物に、実施例
3のビニルモノマー混合物、メチルエチルケトン
パーオキサイド(ビニルモノマー混合物100重量
部に対して1.0重量部)およびメタノール(ビニ
ルモノマー混合物100重量部に対して20重量部)
を配合し充分練和することによりペーストを得
た。このペーストを真空下に置き気泡とメタノー
ルを除去した。気泡とメタノールを除去したペー
スト中の無機酸化物の充填量は80重量%であつ
た。その後このペーストを2Kg/cm2の窒素加圧
下、120℃で4時間重合し、重合体を得た。この
重合体をボールミルで6時間粉砕後、さらに擂潰
機で1時間粉砕した。粉砕後200メシユのふるい
通過の複合充填材を得た。複合充填材の比重は
2.51で、表面硬度は75であつた。 次に、表7で示した充填材混合物およびビニル
モノマー混合物を用いた以外は全て実施例12と同
様な方法でペーストAとペーストBを調製した。
両方のペーストをそれぞれ等量取り、30秒間室温
で練和し重合させた複合重合物およびペーストB
の粘性を測定した。その結果を合せて表7に示し
た。
【表】 実施例 38〜42 複合充填材の製法 実施例17の表面処理した無機酸化物に、実施例
19のビニルモノマー混合物およびベンゾイルパー
オキサイド(ビニルモノマー混合物100重量部に
対して0.1重量部)を配合し充分練和することに
よりペーストを得た。このペーストを真空下に置
き気泡を除去した。気泡を除去したペースト中の
無機酸化物の充填量は65重量%であつた。その後
このペーストを5Kg/cm2の窒素加圧下、90℃で4
時間重合し重合体を得た。この重合体を振動ボー
ルミルで1時間粉砕後、さらに擂潰機で1時間粉
砕した。粉砕後250メツシユのふるい通過の複合
充填材を得た。複合充填材の比重は2.01で、表面
硬度は70であつた。 次に、表8で示した充填材混合物およびビニル
モノマー混合物を用いた以外は全て実施例17と同
様な方法でペーストAとペーストBを調製した。
両方のペーストをそれぞれ等量取り、1分間室温
で練和し重合させた複合重合物およびペーストB
の粘性を測定した。 その結果を合せて表8に示した。
【表】
【特許請求の範囲】
1 L−カルノシンまたはその塩を有効成分とし
て含有する抗腫瘍剤。

Claims (1)

  1. 選ばれた少くとも1種の金属酸化物及びシリ
    カを主な構成成分とし、粒子径が0.1〜1.0μ
    mで且つ形状が球形である無機酸化物及び/
    又は (ロ) 上記(イ)の無機酸化物を含むビニルポリマー
    からなる複合充填材。 30〜90重量% B群; a′ 上記aと同じ 10〜70重量% c アミン類 0.001〜3.5重量% d′ 上記dと同じ 30〜90重量%
JP57213843A 1982-12-08 1982-12-08 歯科用組成物 Granted JPS59104306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57213843A JPS59104306A (ja) 1982-12-08 1982-12-08 歯科用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57213843A JPS59104306A (ja) 1982-12-08 1982-12-08 歯科用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59104306A JPS59104306A (ja) 1984-06-16
JPH0312044B2 true JPH0312044B2 (ja) 1991-02-19

Family

ID=16645935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57213843A Granted JPS59104306A (ja) 1982-12-08 1982-12-08 歯科用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59104306A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61171404A (ja) * 1985-01-25 1986-08-02 Tokuyama Soda Co Ltd 複合修復材
JPS62169806A (ja) * 1986-01-22 1987-07-27 Toagosei Chem Ind Co Ltd 光硬化型嫌気性組成物
DE4029230C2 (de) * 1990-09-14 1995-03-23 Ivoclar Ag Polymerisierbarer Dentalwerkstoff
JP3025587B2 (ja) * 1992-09-22 2000-03-27 三菱レイヨン株式会社 被覆用組成物および表面被覆成形物
JPH0755883B2 (ja) * 1993-02-22 1995-06-14 株式会社トクヤマ 複合修復材
JP5479147B2 (ja) * 2010-02-19 2014-04-23 株式会社トクヤマデンタル 無機酸化物の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4827735A (ja) * 1971-08-12 1973-04-12

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4827735A (ja) * 1971-08-12 1973-04-12

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59104306A (ja) 1984-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ergun et al. The effects of adding various ratios of zirconium oxide nanoparticles to poly (methyl methacrylate) on physical and mechanical properties
JP3487395B2 (ja) 硬化性組成物
US6849670B2 (en) Photo-curable reparative material for dental use
US5609675A (en) Inorganic composition
JP4748938B2 (ja) 歯科ペースト、歯科物品、および方法
JP2732968B2 (ja) 歯科用充填組成物
JPH0447681B2 (ja)
JPH0425246B2 (ja)
Khan et al. Enhanced mechanical properties are possible with urethane dimethacrylate-based experimental restorative dental composite
JPH0312044B2 (ja)
JPH0461003B2 (ja)
JP4798680B2 (ja) 歯科用硬化性組成物
JPH0312043B2 (ja)
WO2023085201A1 (ja) 歯科用硬化性組成物
JPH0948702A (ja) 歯科用セメント組成物
JP2523993B2 (ja) 歯科用複合材料の製造方法
EP4082514A1 (en) Paste-like composition for dental use, and method for producing the same
JPH0157082B2 (ja)
JP3277502B2 (ja) 無機充填材の製造方法及び歯科用充填修復材料
JP6779068B2 (ja) 歯科用硬化性組成物の製造方法
JPH0310603B2 (ja)
WO2023042598A1 (ja) X線不透過性充填材、歯科用x線不透過性充填材、x線不透過性充填材の製造方法、及び、歯科用硬化性組成物
JPH0322842B2 (ja)
RU2821202C1 (ru) Отверждаемая композиция для стоматологии
JP7289485B2 (ja) 歯科用硬化性組成物