JPH029625B2 - - Google Patents

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JPH029625B2
JPH029625B2 JP4028785A JP4028785A JPH029625B2 JP H029625 B2 JPH029625 B2 JP H029625B2 JP 4028785 A JP4028785 A JP 4028785A JP 4028785 A JP4028785 A JP 4028785A JP H029625 B2 JPH029625 B2 JP H029625B2
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JP
Japan
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cellulose
solution
dimethylacetamide
lithium chloride
water
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JP4028785A
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English (en)
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JPS60231727A (ja
Inventor
Furanku Taabaku Arubin
Eruukafuraui Aderu
Uiriamu Sunaidaa Furetsudo
Baanaado Auerubatsuha Andoryuu
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TDK Micronas GmbH
Original Assignee
Deutsche ITT Industries GmbH
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Publication date
Application filed by Deutsche ITT Industries GmbH filed Critical Deutsche ITT Industries GmbH
Publication of JPS60231727A publication Critical patent/JPS60231727A/ja
Publication of JPH029625B2 publication Critical patent/JPH029625B2/ja
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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、セルロースを溶解し、そのセルロ
ース溶液から再組成されて成型されたセルロース
生成物を製造するための方法に関するものであ
る。 投資コストおよび環境問題は、レーヨン製造の
ためにビスコース工程にかわる他の製造方法の必
要性を徐々に高めつつある。数多くの代替的な製
造方法が考えられ、文献に発表されたが、今だそ
れらの中で、ビスコース工程に取つて代われる
程、レーヨンの大量生産を可能にするような普遍
的な方法は明らかにされていない。 本発明の主たる目的は、再組成されるセルロー
ス生成物を製造する方法を提供することである。 本発明の付加的なセルロースを溶解して、さら
にそこから高い品質を誇るセルロース製品を経済
的に大量に生産することのできるセルロースの溶
媒系を提供することである。 またさらに、セルロースの構成要素を周囲環境
に与える影響を最少限に抑えて、再生しリサイク
ル化することが容易りできるセルロースの溶媒系
を提供することも本発明の付加目的である。 前述の本発明の目的およびその他の目的は、次
のことによつて達成される。すなわち、まず、分
解が顕著に起こらない程度の温度で、活性化され
たセルロースをデイメチルアセトアミド、1―メ
チル―2―ピロリデイノンおよびそれら混合物か
らなる群から選ばれたアミドおよび、セルロース
溶液の重量を基準として3〜15重量%の塩化リチ
ウムを混合し、このアミドと塩化リチウムの混合
液中でセルロースを溶解させる。この溶解工程
は、特に再組成セルロース生成物の製造に有効で
ある。この方法を用いると、たとえばビスコース
工程で行なわれる誘導体の形成をすることなくセ
ルロースを溶解できる特徴がある。したがつて、
溶液から再生された生成物は再生されたというよ
り、再組成された形になる。そうしたことから、
セルロースが、何も手を加えられていない初めの
状態から成型された製品になるまでに解重合は殆
どなく、重合度は極めて僅かの変化を生じるに過
ぎない。セルロース溶液は、フアイバーやフイル
ム、あるいはチユーブ状の容器、フオームなどの
ように成型された製品に役に立つのに加えて、以
下に列挙したようなものとしても有効である。す
なわち、接着剤、不織布の接合材、被覆剤、織物
用のり付け作用材、織物(布)や他のマトリクス
を補強するための飽和剤として、またさらにセル
ロースのバツクボーンへのより一層の反応を媒介
する媒体として有効でありまた、セルロースの物
理的特性の研究に役立つ。 成型されたセルロース製品は、様々な技術を使
用して本発明による溶液から製造することができ
る。セルロースを所望の形に再組成するにはセル
ロース溶液を溶媒でないものと接触させればよ
い。フアイバーはウエツトスピニング、ドライジ
エツト―ウエツトスピニング、あるいはドライス
ピニングによつて処理される。ウエツトスピニン
グ技術には、セルロース溶液を直接水、モノ水酸
基を有する低度のアルコール、ピリジン、アセト
ニトリル、テトラハイドロフランあるいはそれら
の混合物のような凝固剤中に吐き出す紡糸技術を
含む。ドライジエツト―ウエツトスピニング技術
では、フアイバーを凝固の前に、セルロース分子
を一列に整列させるために空気中に吐き出し、そ
の後このフアイバーを溶解力のない凝固作用溶液
の中に通すスピニング技術が含まれている。ドラ
イスピニング技術では、セルロース溶液は、空気
中に吐き出され熱せられた空気の激しい吹き付け
により溶媒を蒸発させる。それからフアイバーは
紡糸浴に導かれるか、あるいは塩化リチウムは洗
い落とされる。ドライ―ウエツトスピニングとド
ライスピニングは、両方共通常は固体分の高いセ
ルロース溶液、すなわち重量で約10%以上をセル
ロースが占めている溶液を用いておこなわれる。 ナイロン重合体の溶解に塩化リチウムとデイメ
チルアセトアミドが使用されることは知られてい
る(S.L.Kwolek外によるMacromolecules,第
10巻第6号第1390号,1977年およびT.I.Bair外に
よる同第1396頁参照)。加うるに、塩化リチウム、
およびデイメチルアセトアミドか1―メチル―2
―ピロリデイノンの何れか一方とを混合したもの
がキチン質を溶解することも、米国特許第
4062921号明細書に示されている。キチン質とい
うのは、たとえば、昆虫や甲殻類の固い甲の成分
となつている物質であり、D―グルコースアミン
のアセチル化した形態をとり、ナイロンのような
アミド結合を持つている。キチン質のナイロンと
の類似性は、溶解方法においても類似の溶解性を
もつことの説明となる。しかしながら、キチン質
の化学反応、および溶解性はセルロースのそれと
はかなり異なり、このセルロースを用いての溶解
方法は今までまつたく使われていないばかりかそ
の使用を示唆したものすらなかつた。その上、以
上の説明から明らかになるように、本発明には溶
媒系においてセルロースの単なる溶解以上のこと
が含まれている。 本発明の重要な観点中には、セルロースを膨張
させて細孔をあけるために活性化されたセルロー
スの使用が含まれている。セルロースフアイバー
の細孔は、たとえば水のようなイオン化した溶液
によつて濡れ、さらにその後で乾燥される時に、
自然にふさがつてしまう性質を持ち、ひとたび細
孔がふさがると、水素結合がその細孔をふさぎつ
づける性質がある。セルロース小繊維は潜在的に
非常に大きい表面区域を有している。しかしこれ
らは阻止されないようにして塩化リチウムに利用
されるようにしなければならない。デイメチルア
セトアミドあるいは1―メチル―2―ピロリデイ
ノン溶媒は、熱せられていない時にはそれぞれ単
独ではセルロースの細孔を開くために十分に有効
な浸潤剤であるとは言えないものである。したが
つて、セルロースは、本発明による溶解方法にお
いて、それを溶解するにあつての付加的手段によ
つて活性化されている。塩化リチウム、をデイメ
チルアセトアミドか1―メチル―2―ピロリデイ
ノンのどちらかと混合した液がほぼ150℃あるい
はそれ以上の温度にまで熱せられた場合に、セル
ロースは溶解する。しかしながらこれくらいの温
度になると、溶液は変色し、それに本来備わつて
いる固有の粘度(度)が著しく低下し、(たとえ
ば約3.0から1.8あるいはそれ以下に)重合体の連
鎖組織体の短縮をひきおこすことが明らである。
そのような結果、溶液から満足のいくような品質
をもつセルロース製品を作ることができず、満足
すべきものではない。こうして、セルロースに重
大な分解(減成)をきたす温度より低い温度で溶
解がおこなわれなくてはならない。 本発明によるセルロースの活性化は、周囲温度
または少なくとも顕著な解重合が避けられるよう
な通常150℃以下の温度において溶媒が作用する
ことができるようにセルロースを膨張させて開孔
を生じさせるような有極性(polar)媒体をセル
ロースに浸透させることによつて達成される。デ
イメチルアセトアミドまたは1―メチル―2―ピ
ロリデイノン以外の活性化に使用される有極性媒
体溶解期間中に大体なくなつていないと溶解が完
成されないということが認められた。セルロース
を濡らしたり、膨張させたりする作用を持つ有極
性の物質は数多くあるが、こられは活性化した水
素を含み、セルロース沈澱剤あるいは再生剤とし
て作用する。有極性媒体はまたセルロースを湿ら
せて、アミド―塩化リチウム溶媒系による作用を
妨害する。もしセルロースを活性化するために、
そのようなイオン性の溶媒が使われる場合、この
溶媒は従つて最終の濃縮のために取り除かれるべ
きであり、この濃度はセルロースのそれにより低
く、一般的に5%より低く、有極性媒体はセルロ
ースの活性化に使用されなければならないが、同
時に、セルロースの溶解のために実質上なくなつ
てしまわねばならないというこれら2つの一見矛
盾する必要条件は、セルロース溶解のための他に
取るべき数々の方法の発見につながつた。 発見されたこれらの方法は何れも有極性媒体を
セルロースに浸透させる工程を含んでいる。もし
も有極性媒体がアミド溶液の1つでなければ、こ
の溶媒は水より低い有極性媒体、あるいはデイメ
チルアセトアミドか1―メチル―2―ピロリデイ
ノンと交換することで取り除かれる。こうしてよ
り低い有極性溶媒と交換されると、次にこれは溶
解に先立つて乾燥される。乾燥するときセルロー
スの細孔は、有極性溶媒をしみこませたセルロー
スが乾燥されるためつぶれにくくなる。セルロー
スを膨張させず、本発明で役に立つ水より低いイ
オン性媒体の例として、アセトン、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、アセトニトリ
ル、テトラハイドロフランがある。もしも有極性
媒体がデイメチルアセトアミドや1―メチル―2
―ピロリデイノンと交換されると、セルロースは
塩化リチウムを加えただけで溶解する。 セルロースの膨張剤として作用する数多くの有
極性媒体は、アミドと塩化リチウムが普通の環境
状態下でセルロースを分解することができるよう
にセルロース組織を十分に開くために使われる。
水、蒸気および液状アンモニアは、透明な溶液を
つくり出すことのできる代表的有極性溶媒であ
る。膨張される以前のセルロースにあらかじめ水
を使用することは周知のことであるし、また実際
上活性化する以前の水使用とその後の水と酢酸の
置換は、現在セルローストリアセテートの製造で
工業的に使用されている。しかしながら、本発明
におけるのと類似している溶解方法で得られる溶
解性を達成するために、水による活性化と置換を
おこなうということに関して今まで一度も考えつ
かれたことはなかつた。本発明においてはセルロ
ースは水に浸され、過剰な水を取り除くために絞
られその後すぐに溶解できるような状態にある活
性化されたセルロースをつくりだすためにデイメ
チルアセトアミドや1―メチル―2―ピロリデイ
ノンと置換される。数分間水蒸気にあてられて柔
かくし、次いでデイメチルアセトアミドか1―メ
チル―2―ピロリデイノンで置換することによつ
ても普通の環境状態下でたやすく溶解する活性化
したセルロースを製造することができる。セルロ
ースがアンモニア液に浸漬され、その後アンモニ
ア蒸発される場合にも、もしもアミドがアンモニ
アの蒸発する前に加えられれば、室温で溶解する
透明な溶液が製造される。 前述のようにまだ活性化されていないセルロー
スは、アミドおよび塩化リチウムの溶液の中で
は、溶液の温度が顕著な減成あるいは完全な解重
合がおこる程度、(通常約150℃あるいはそれ以
上)まで熱せられないと直接溶解しない。しかし
ながら、セルロースは、溶媒のアミドの中の1つ
の加熱蒸気を使用することによつて活性化される
ことがわかつた。セルロースはデイメチルアセト
アミドか1―メチル―2―ピロリデイノンと混合
され、その混合された懸濁液は短時間沸騰され
る。加熱を停止してから、こ懸濁液は150℃より
十分に低い温度、(例えば100℃)まで冷却されて
から今度はリチウム塩化物を加えられ、この混合
物はセルロースが完全な溶液になるまで数時間撹
拌される。沸騰点あるいはその近くになると、ア
ミドは、十分高い圧力をもつ蒸気によつてフアイ
バーの毛管を通して浸透することを可能にさせら
れ、これによりフアイバーは膨張される。懸濁液
に加えるLiClに関しては、セルロースフアイバー
の中、あるいは周囲において、LiClとデイメチル
アセトアミドの間で相互作用が生じ、溶解がおこ
る。そうしてできた溶液は、無色透明でまだ何も
手を加えられていない状態でのI.V.(固有粘度以
後I.V.と略す)が3.0であることと比較してもさし
て低くない2.7のI.V.をもつた再生セルロースをつ
くりだす。I.V.数値が若干低くなるのはポリマー
の減成または解重合がわずかに生じることによる
ものと通常考えられている。 アミドと塩化リチウムが酸性をもつ複合体を形
成するということが認められたが、今まで述べて
きたセルロースの活性化、および溶解の方法は、
この発見に基づいたものである。水の中のデイメ
チルアセトアミドおよび塩化リチウムの溶液は、
リトマスによる簡単なチエツクで酸性であること
がわかるが、意外なことにどちらの溶液とも単独
では酸を出す性質はない。セルロース、デイメチ
ルアセトアミドおよび塩化リチウムが加熱された
時におこるポリマーの分解は先に述べたアミドと
塩化リチウムの複合体が酸性の結果としておこる
ということが以上のことよりわかつた。セルロー
スに塩化リチウムなしで加熱された溶液だけをし
み込ませることにより、セルロースはポリマーに
損傷を受けることなく、アミドで活性化される。
その後酸を作り出す複合体の存在が重合化を妨害
しない程度の温度で塩化リチウムが添加される。 セルロースを溶解するために活性化するさらに
もう1つの方法は、有極性媒体の1つがセルロー
スに浸透することを促進するために、セルロース
組織を機械的に開くことによるものである。これ
はセルロースの懸濁液を高圧をかけてホモジエナ
イザーに通すことによりおこなわれる。そのよう
な工程では、限定された区域を通つて、高速度で
流されることにつてエネルギーが粘度の低いセル
ロース懸濁液に与えられる。セルロース懸濁液を
そのようなホモジエナイザーに繰り返し通すこと
によつて重合化の度合にさして重要な影響を与え
ずにセルロースの微小繊維組織をつくることがで
きる。ホモジエナイザーの中を通すためにセルロ
ースを懸濁させる液体には、水、デイメチルスル
フオン酸化物、アンモニア水溶液、デイメチルア
セトアミドあるいはその他の有極性溶液が考えら
れる。微小繊維組織をもつたセルロースは、熱す
る必要もなく、またセルロース活性化のための他
の有極性溶液を使う必要もなく、デイメチルアセ
トアミドあるいは1―メチル―2―ピロリデイノ
ンおよび塩化リチウムの混合液中で溶解する。も
しも微小繊維組織をもつスラリーを処理するため
に使用される有極性液体がデイメチルアセトアミ
ドや1―メチル―2―ピロリデイノンでない場
合、セルロースを濡らさないようなアセトン、テ
トラハイドロフラン、あるいはイソプロパノール
のような水より低い有極性の液体、あるいはデイ
メチルアセトアミドや1―メチル―2―ピロリデ
イノンと置換すべきである。有極性でない液体と
置換される場合には、溶解の前に乾燥されなけれ
ばならない。もしも、デイメチルアセトアミドが
1―メチル―2―ピロリデイノンと交換される
と、塩化リチウムを加えることでそれは溶解す
る。 今まで述べてきたセルロースの活性化に関する
数々の方法のすべてがセルロースの分離した処理
を含んでおり、従つて最終製造コストの増加を招
かざるを得ない。当然のことながら、そのように
分離した処理を無くすことが好ましい。セルロー
スは、その溶解段階を再生およびリサイクル段階
と併用することによつて、分離処理なしでも活性
化することがわかつた。 セルロース塩化リチウム―アミドの原液は、最
終的に塩化リチウムとデイメチルアセトアミドを
取り除くために、水で洗浄されねばならず、この
ため量産工程では、再生とリサイクルのために、
塩化リチウム/アミド/水の溶液を生産する。活
性化したセルロースを溶解するのに使用できるよ
う、塩化リチウム/アミドを水を取り除いて浄化
することを試みるよりむしろ、塩化リチウム/ア
ミド/水のセルロース再生用溶液に、標準的なセ
ルロースを加え、その後余分な水を分留すること
によつて、優秀なセルロース溶液が得られること
が認められた。この水の分留は、水の残量が溶液
の総重量の多くてもほぼ5%程度、できれば4%
より少なくなるまで行なわれる必要がある、さも
ないとセルロースの溶解は起こらない。水が約5
%より多くなると溶液が中に溶解しないフアイバ
ーがいくらか存在した。5%をこえる水の存在
は、塩化リチウムを水和し、塩化リチウムのセル
ロースとの新和力を破壊すると思われる(塩化リ
チウムの総重量に対する水のパーセンテージが5
%であることは、もちろんしばしばおこる)。セ
ルロースの溶解段階と再生およびリサイクル段階
とを結合した。溶解―再生―リサイクルの一連の
手順は、セルロースを活性化し、溶解するための
他の方法のどれよりも経済的である。この方法を
使用して全重量の16%までのセルロースを用いて
セルロース溶液が作成される。そして、上質の織
物やフイルムをこのセルロース溶液から紡ぐこと
ができる。 本発明は、一方で塩化リチウムに対して特定の
意味をもつと同時に、他方、デイメチルアセトア
ミドや1―メチル―2―ピロリデイノンに対して
意味がある。数多くのハロゲン化塩をさまざまな
濃度、温度、圧力について以下にあげるような溶
液を用いて実験した。その溶液はデイメチルアセ
トアミド、1―メチル―2―ピロリデイノン、デ
イメチルフオルムアミド、フオルムアミド、トリ
フロロ―アセトアミド、テトラメチル尿素、デイ
メチルスルフオクサイド、ピペリジン、ピリジ
ン、スルフオレン、エチルフオアメイト、その他
である。温度は最高210℃にまでの範囲であり、
圧力の範囲は、大気圧から、572キロパスカルま
でである。こうして試験した中で、セルロースを
溶解することができたのは、塩化リチウムと1―
メチル―2―ピロリデイノンがデイメチルアセト
アミドの何れかだけであつた。他の塩類と溶液の
化合物はすべて温度や圧力のいかんにかかわら
ず、セルロースを溶解しなかつた。 塩化リチウムは、溶液の全重量の3〜15%の範
囲内の量で溶液中に存在すべきである。塩化リチ
ウムが溶液総量の3%以下だと、セルロースの溶
解には不十分になりがちであるし、また15%以上
になるとアミドが過飽和になり、溶解したセルロ
ースが塩となつて溶液から分離しがちである。塩
化リチウムの好ましい濃度は重量で約5〜12%で
ある。本発明の方法においては、溶液の総重量に
基づいたセルロースの重量が16%の濃度の溶液を
得ることができた。通常、溶液の残りの成分は、
デイメチルアセトアミドか1―メチル―2―ピロ
リデイノンである。本発明におけるセルロース溶
液を処理するために、使用可能なセルロース原料
の種類は多くたとえば化学パルプ、亜硫酸塩、加
水分解される以前の、漂白された、あるいは漂白
されていないクラフト紙などがある。綿乾機で長
い繊維を採つたあとの種子に残つている短繊維の
綿毛、再生されたセルロース、および精製された
篩部繊維もまた典型的なセルロース原材料であ
る。精製されていないセルロース(例えば、おが
くず)もまた利用できるが、効率の点で、精製さ
れたセルロースにはるかに及ばない。 以下に挙げた実験例は、本発明の実施例であ
る。特に指示のない限り、すべての部およびパー
センテージは、重量に関するものである。 実験例 1 ここでは、溶媒のアミドの中の1つの加熱蒸気
の使用によつてセルロースの活性化をおこなう例
に関して説明する。0.125インチのスクリーンを
通れるように切られた予め加水分解されたクラフ
ト・パルプは、フラスコの中に置かれ、そこにデ
イメチルアセトアミドが加えられた。この混合物
を退流(reflux)温度(165℃)で、30分間ずつ
とかきまぜながら熱する。その後懸濁液は100℃
までゆつくりと冷却され、この温度になつた時点
で無水塩化リチウムを一定速度で撹拌しつつ加え
る。こうしてできた混合物は今度は、室温になる
までさまされ、一晩中かきまぜたままにしておか
れる。上記混合物の構成要素であるセルロース/
塩化リチウム/デイメチルアセトアミドの重量比
をパーセンテージであらわすと、5.9/8.6/85.5
となつた。翌朝、セルロースは完全に溶解し、混
合物は澄んだ水溶液となつた。そこでこの溶液を
60mlのデイメチルアセトアミドで稀釈してから、
今度は1時間遠心分離機にかけ濾過器で吸引され
て濾過される。濾過液は水中で再出され、それの
持つ固有粘着度が決定される。この実験は、等級
の異なる一連のパルプのそれぞれに対し溶媒を変
えたり、セルロース、溶液および塩各々の相対比
を変えるなどして繰り返しおこなつた。またセル
ロースの代わりにおがくずを使つた実験もおこな
つてみた。しかしどの場合も、塩には塩化リチウ
ムを使用した。これらの実験の結果は、表に示
しておいた。表中のCuene I.V.は、1モルのキ
ユプリエチレンジアミンの濃縮液に基づいて計算
された再生セルロースの固有粘度のことである。
【表】 表では、実験した溶媒の中でデイメチルアセ
トアミドと1―メチル―2―ピロリデイノンだけ
しかLiClの存在下においてセルロースを溶解する
効果が得られなかつたことをを示している。非常
に重合度(D.P.)の高い材料でも比較的小さいD.
P損失で溶解することができた。 実験例 2 ここでは、水を使用してセルロースを活性化
し、続いて溶媒を交換してセルロースを溶解する
例について説明する。280gの予め加水分解した
クラフト・パルプ(Cuene I.V.=3.00)を5×5
インチ大の薄板に切断し、室温で10分間、1.2
の水の中に浸し、それからそのクラフトパルプの
薄板を6×6インチのステンレススチール製のメ
ツシユスクリーンの間にはさみ、吸取りのための
媒体としてセルロース・パルプ・シートを上,下
に用いて、10分間2000psig(×6.89=13.780kPa)
の圧力を加えた。それから室温で30分間、800ml
のデイメチルアセトアミドの中に、このパルプシ
ートを浸し、上記の如く再び2000psigの圧力をか
けた。活性化したパルプのサンプルがどの程度水
を含有しているかを分析したところ、総量の8.5
%であることがわかつた。このパルプ・シートは
それからきれぎれに切断し、湿温で3時間、全体
で4000グラムのデイメチルアセトアミドの中で、
400グラムの無水塩化リチウムと混合する。夜通
し、そのまま放置されたところ溶解をすることが
できた。この溶液は、総量の0.51%の水を含有し
ていた。この水を使つた活性化技術を使用するこ
とにより、濃度6.5%に達するセルロース濃縮液
をつくることができた。こうしてCuene I.V.(固
有粘度)283の再生セルロースを得ることができ
た。 実験例 3 ここでは、実験例2で説明した方法をさらに
塩/有極性溶液の組合せを変え、2でとりあげた
のとは別のもつと色々な組合せをつくり、それぞ
れについて実験をおこなつたものである。組合せ
の例をあげるとまず、塩に塩化リチウムを使い、
1―メチル―2―ピロリデイノン、デイメチルフ
オルムアミド、デイメチルスルフオクサイド、フ
オルムアミド、あるいはエタノールアミンと組合
せる方法、および、デイメチルアセトアミドに組
合せる塩として、塩化カルシウムあるいは塩化マ
グネシウムを使用する方法を試みた。上で述べた
組合せのいかんにかかわらず、どんな場合でも、
セルロースは水に浸すことによつて活性化され、
この水が上記の溶媒と置換され、セルロース溶解
は、塩/溶媒の組合せによつて試みられた。この
実験の結果は、表で示す。
【表】 表から、塩として塩化リチウムを使い、溶媒
としてデイメチルアセトアミドか1―メチル―2
―ピロリデイノンを使用した場合にのみ、セルロ
ースは、実験例2で説明した水による活性化と溶
液との交換技術を用いて溶解された。 実験例 4 ここでは、蒸気を用いてセルロースを活性化
し、続いて溶媒を交換してセルロースを溶解する
例として、そのような方法がセルロース/LiCl/
デイメチルアセトアミドについてそれぞれの重量
比のパーセンテージが6.0/8.5/85.5の溶液2.5Kg
を処理するために使用された。140gの予め加水
分解されたクラフト・パルプ・シートは5×5イ
ンチの薄板に切断され、それぞれ2分間蒸気にさ
らされ、その後に、700mlのデイメチルアセトア
ミドの中に浸され、溶媒置換を完ぺきなものにす
るため、1時間一定時速度の撹拌を行なつた。
15000psigの圧力をかけられたあとの置換された
パルプシートの水含有量は、分析結果によると
5.24%であつた。実験例2でも述べたように、シ
ートはきれぎれに切られ、その後2000gのデイメ
チルアセトアミドの中に200gのLiClを加えた溶
液と混合された。室温で、パルプの溶解は4時間
以下で行なわれた。そのようにしてできた溶液の
水含有量は総量の0.29%であつた。 実験例2乃至4におけるあらかじめパルプを水
や蒸気を用いて活性化前処理をする代わりに、そ
れぞれ5,10,および20%の水を含有するデイメ
チルアセトアミドの中にセルロースを浸した塩化
リチウムをその後に続いて加えた場合、室温でセ
ルロース溶液を得ることはできなかつた。このこ
とは特に試料が加熱されない場合には、単に水が
存在することが重要なのではなく、セルロースの
溶解のために重要なこと、は水にさらす順序であ
ることを示している。 実験例 5 ここでは、液体アンモニアを用いてセルロース
を活性化する例について説明する。 0.125インチのスクリーンを通れるようにカツ
トされた予め加水分解処理されたクラフト・パル
プ1gは、ドライアイス―アセトン溶液の中に浸
されたガラス製トラツプの中で計られる。ガラス
状のNH3はこのトラツプの中を通され、10分間
で約35mlの液状NH3がトラツプの中で濃縮され
た。次に、このNH3の中にパルプを15分間浸し、
その後でNH3は、25分間以上かかつてゆつくり
と蒸発された。この蒸発作用は、暖められた浴を
用いて行なわれた。NH3が全部蒸発してしまう
前に、40gのデイメチルアセトアミドが加えら
れ、最後に残つた僅少のNH3は混合物の中にN2
の蒸気を吹き込ませて除去した。それからパルプ
は、10%の塩化リチウムを加えたデイメチルアセ
トアミドの中で処理し、室温で一晩中撹拌した。
最初の混合物の構成要素セルロース/塩化リチウ
ム/デイメチルアセトアミドの重量比はパーセン
テージであらわすと2.2/8.9/88.9であつた。こ
うして、透明なセルロース溶液を得ることができ
た。ガス状アンモニアだけでは、同様の結果を導
くことはできなかつた。 実験例 6 この例およびこの後に挙げる3つの実験例は、
いずれも有極性溶媒のセルロースへの浸透を助け
て、この活性化を促進するために、セルロース組
織を機械的に開く方法に関するものである。デイ
メチルスルフオクサイドの2%を占める予め加水
分解されたクラフト・パルプのスラリーを90〜
100℃で8000psigの圧力をかけ、ホモジエナイザ
ーの中を通すことによつて、微小繊維組織を得
た。微小繊維組織をもつたセルロースを濾過装置
で吸引濾過し、アセトンで洗浄、次に60℃で2時
間炉の中で乾燥して、その後5%の塩化リチウム
を含むデイメチルアセトアミドの溶液の中で一
晩、室温で撹拌された。その結果セルロース/塩
化リチウム/デイメチルアセトアミドの成分重量
比がそれぞれ2.3/4.7/93.0の透明な溶液が形成
された。顕微鏡写真によつて、若干の小繊維の存
在が認められた。セルロースは、フアイバー状や
管状フイルム、あるいは薄片といつた形で種々の
非溶媒、たとえばアセトンやアセトニトリルから
も再生できる。Cuene I.V.が2.49〜2.68の範囲内
にあることからも明らかなように、少量の分解
(減成)しか生じないことが認められた。 実験例 7 ここでは、実験例6によるセルロース・パルプ
が含有している水の2%のスラリーをあらかじめ
75℃で加熱し、その後100℃で8000psigの圧力を
かけて、ホモジエナイザーの中を通し、それか
ら、スラリーを濾過装置で吸引濾過し、パルプは
デイメチルアセトアミドと室温で48時間かけて置
換してからまたその後に濾過装置で吸引濾過し
た。その結果生じたパルプは室温で10%の塩化リ
チウムを含むデイメチルアセトアミド溶液で処理
され、セルロース/塩化リチウム/デイメチルア
セトアミドの成分重量比がパーセンテージで
2.2/8.9/88.9である無色透明の溶液が形成され
た。 実験例 8 セルロースの活性化および溶解を促進するため
の微小繊維組織を持つセルロースを使用する他の
方法はホモジエナイザーの中で、セルロース、塩
化リチウム、デイメチルアセトアミドの3つの成
分を同時に混合するものである。微小繊維組織を
もつパルプの全体に対して4%のスラリーが形成
されるまで、実験例6によるセルロースパルプの
増量分をホモジエナイザーの中で循環しているデ
イメチルアセトアミドに加えることによつて、微
小繊維組織が得られた。2.5%,5%,7.5%,10
%それぞれのレベルで無水塩化リチウムのバツチ
が次々に加えられた。循環しているスラリーの温
度は110℃以下に保ち、6000psigの圧力でホモジ
エナイザーの中に落とした。各レベルごとの塩化
リチウムの添加がすべて終了した後混合物のサン
プルを回収して、今度はこれを室温で一晩中かき
混ぜた。微鏡写真から、少なくとも5%の塩化リ
チウムを含む混合物では、キヤラメル化すること
なく部分的にしか溶解していないということがわ
かつた。しかし、塩化リチウムを10%含んでいる
バツチを160℃でさらに15分間熱し、その後室温
にまで冷却すると溶解はするがそれにキヤラメル
化が伴い、重大な重合破壊を示した。 実験例 9 デイメチルアセトアミド中の予め加水分解した
クラフト・パルプのスラリー3%は、最高温度の
125℃でホモジエナイザーの中にて、3000psigの
圧力をかけられて、微小繊維組織にされた。その
後、塩化リチウムをそれぞれ異なる条件下の均質
化されたスラリーの2つのバツチのそれぞれに外
部より加えた。一番目のバツチのセルロース/塩
化リチウム/デイメチルアセトアミドそれぞれの
成分重量比は3/8〜89(%)であつた。これを
165℃で30分間熱してから室温にまでさまし、一
晩かきまぜたところ、溶解はしたがキヤラメル化
が伴なつた。 こうして再生されたセルロースのCuene I.V.
は、まだ何も手を加えていなかつたオリジナルの
それぞれが3.0であるのに比較して、1.77であつ
た。 2番目のバツチ(この成分比は2.2/7.8/90.0)
は、80℃まで熱し、また室温になるまで冷却し
た。その結果、2時間以内に溶解がおこつた。そ
して再生されたセルロースのCuene I.V.は2.54で
あつた。 実験例 10 これは、塩化リチウム/アミド/水から成る再
生後におけるセルロースの溶解に関する例であ
る。この再生液というのは、20gのLiCl,200g
のデイメチルアセトアミド、500gのH2Oを割ん
でおり、450gの水が取り除かれるまで、大気圧
下で温度は蒸溜ポツトの温度が110℃、平均温度
で100℃で部分的に蒸溜した。450gの水が取り除
かれた時点で、10gのセルロース・パルプが加え
られ、その後残存していた水もすべて取り去られ
るまで蒸溜が続けられた。これはポツトの温度が
120℃で、圧力が200m.m.でおこなわれた。ポツ
ト内に残つた懸濁液の水の含有量は、液総量の1
%にも満たないのに、セルロース・フアイバーは
なお完全無傷で、難なく分散できた。スラリーの
移動をおこなうのに、ポンプの使用が可能である
のに、工業的に有利である。何故ならばもしポン
プの使用ができないと、独自の貯蔵タンクにスラ
リーを移すことになるからである。スラリーを冷
却するためにかき混ぜることなく分散はそのまま
にしておくことが許される。また、少なくとも6
時間冷やしてそのまま置いておいた後には、フラ
スコの中の塩化リチウム/デイメチルアセトアミ
ド中に、非常に粘着力のある透明なセルロースが
あらわれた。 実施例 11 ここでは、塩化リチウムとデイメチルアセトア
ミドの中にセルロースを溶かした溶液は、実験例
10で述べたような方法で作成した。この溶液の粘
度は、ブルツクフイールド粘度計を用いて測定さ
れたが、25℃の時に40000cpsであることがわかつ
た。この溶液は、パンケーキ型のポリプロピレン
製フイルターを通して濾過され、ベンチスケール
垂直型紡糸装置で、25℃に保たれた多種類の1枚
紡糸浴中に吐き出された。1次紡糸浴内の液の成
分は次の通りである:水、メタノール、イソプロ
パノール、ピリジン、アセトニトリル、テトラハ
イドロフラン、および塩化リチウムとデイメチル
アセトアミドの対応量を含んだ前述の混合物。1
次紡糸浴でできたフアイバーは、2番目の空気浴
を通つて、次のゴデツトへと導かれる。紡糸浴中
では、表面に1つあたりの大きさが63.5ミクロン
の細孔を300持つたガラス製紡積突起口が使われ
た。 サンプルはすべてステープルフアイバー(短繊
維)として、70℃の水中で化学的に加工処理され
て、遠心分離機にかけられ100℃で一晩中炉の中
で乾燥された。吐き出されたフアイバー、およ
び、もとのセルロース溶液から再組成された精製
木材パルプのCuene I.V.を測定したところ、最
終的に再組成されたセルロースの固有粘着度は、
もとの溶液の3.0であつたのに対して2.95であつ
た。上記フアイバーの他にも、ガラス製紡積突起
口のデザインを変えることによつて、望み通りの
形のものを簡単に作ることができる:たとえば、
上質のフイルム、メンブラン天然のままの純粋な
管状組織をもつセルロース、さらには、包装材料
用のセルロース・フイルムなどである。 実験例 12 ここでは、精製木材パルプのかわりに、乾燥し
ない切りおろされた松のおがくずを使用する方法
について説明する。20メツシユの乾燥されないお
がくず20g(47%の水を含有)を10分間、200ml
の水の中で機械的に強く撹拌して、そのままの状
態で一晩中放置し、その後濾過器で吸引濾過し
た。再生液は、20gの塩化リチウム、200gのデ
イメチルアセトアミド、および総計100gの水を
含んでいるが、これを実験例10で述べたように、
部分的に蒸溜した。LiCl/DMAC中で溶解した
物質を分析したところ、おがくずの論理上のセル
ロース成分(約40%)の13.5%が溶液になつてい
た。 実験例 13 ここでは、0.125インチのスクリーンを通過で
きるようなサイズに切られた予め加水分解処理さ
れたクラフト・パルプ300gを2の水の中へ入
れて懸濁化した。30分間浸した後で懸濁液はきめ
の荒い砕かれた大きなガラス細片の孔を通つて、
ハウス真空を用いて濾過された。濡れた精製木材
パルプは、余分に付着している水を取り除くため
に、ゴム製のダムを使用して、さらに圧搾され
る。そうして、デイメチルアセトアミドがフイル
ターフアンネルへ添加され、水で活性化した精製
木材パルプは、懸濁化した。真空がかけられて、
余分な液体が取り除かれ、固体は再びゴム製ダム
によつて、絞られた。デイメチルアセトアミドに
よる処理は、再び繰り返され、最後のゴム製ダム
によつて絞られてから、活性化し、置換されたセ
ルロース・パルプは一晩中冷やされ、以下で述べ
るような溶液の準備(調製、合剤)のために使用
された。 容量1ガロンで対をなす2枚の刃をもつミキサ
ーの中に1380c.c.(1286g)のデイメチルアセト
アミドを置いた。加熱用の塩水ジヤケツトをつけ
てから、ミキサーを始動させ、その後235gの塩
化リチウムを導入した。塩化リチウムLiClとデイ
メチルアセトアミドDMACは、LiClの良好な溶
液が確実に得られるように、61℃で1時間混合し
た。このLiCl/DMACの混合溶液に、前もつて
活性化してあるパルプを40分以上の時間で加え
た。加熱された塩水はオフにされ全混合物は20分
間混合された。次に、冷たい塩水が、過熱を防ぐ
ための冷却用ジヤケツトの中で循環されて、0℃
でさらに4時間で撹拌された。撤底的に混合さ
れ、充分に膨張されたスラリーは、2日間冷却装
置の中に置かれて5℃に保たれ、その結果、セル
ロースは顕微鏡検査でも明白なようにすつかり溶
解された。溶液は、セルロース15%、塩化リチウ
ムLiCl12%、デイメチルアセトアミドDMAC73
%で構成されていた。 実験例 14 ここでは、LiCl/DMACの6%のセルロース
を含む溶液は、出来上りの再生セルロースのセル
ロース/LiCl/DMACの重量比が6/8/86に
なるようにするため、実験例2で述べたように水
で活性化し、DAMCで置換したパルプを用いて
処理された。できた溶液の固有粘度は25℃で
54000cpsであり、表面に1つあたりの大きさが
63.5ミクロンの細孔が300あけられたガラス製紡
積突起口を通つて、凝固作用をおこなうアセトニ
トリル浴の中へ、31p.s.i.で吐き出された。紡糸
時の条件は次の通りである。 ジエツト伸長=1655、ゴデツト伸長=78.5%、 1次凝固=23℃でアセトニトリル使用 2次紡糸浴=23℃で空気使用 フアイバーは、65℃の水で洗浄し、絞つて乾燥
させ、完成された標準的なレーヨンのフアイバー
(商標名Nopco RSF15)に浸し、余分なフイニ
ツシユを取り除くために遠心分離機にかけ、100
℃で一晩炉の中で乾燥した。このフアイバーの固
有粘度Cuene I.V.はもとのパルプ(出発材料)
の3.0と比較しても2.68であり、全体の処理の結
果として重合度(D.P.)はほんの少し小さくなつ
ただけであつた。このフアイバーが保有している
水の量は全体の72%を占め、次にあげるような物
理的特性をもつていた。 繊維の太さ 1.23デニール 条件付粘着力 3.74g/d 湿潤粘着力 2.64g/d 条件付伸長 6.20% 湿潤伸長 8.70% 湿潤係数5%伸長において1.40g/d これらの結果から、湿潤係数の高い、良質のフ
アイバーが湿式紡糸技術を用いることによつて、
セルロース/LiCl/DMACから作成されるとい
うことが明らかにされた。 実験例 15 15%のセルロース、12%のLiCl、そして73%の
DMACを含んだ、実験例13で取り上げられた程
度の固体率の高いセルロース半固体溶液は25℃で
数百万cpsの粘度を持ち、本質的には透明なゲル
である。このセルロース溶液の300c.c.は、表面
に1つあたりの大きさが200ミクロンの細孔が36
あけられたガラス製紡積突起口を備えた高圧押し
出し装置の中に置かれる。高圧押し出し装置中の
溶液押し出し円筒を取り囲んだ電熱バンドヒータ
ーで溶液は110℃まで加熱され、最初に存在して
いた泡をすべて取り除くため3時間以上、真空ハ
ウスで空気にさらさないようにされる。 押し出し装置は充分に直立した垂直位置へ移動
し、フアイバーは下方へ0.5インチから3フイー
トまでの長さの範囲の空隙を通つて毎分10グラム
の速度で押し出された。引出し率は所望の最終デ
ニールのフアイバーを与えるように調節され、空
気で引き出されるフアイバーは凝固浴中を通過す
る。この浴は前述の任意の凝固剤を含んだもので
もよいが、この例の場合には水が使用された。フ
アイバーは1次ゴデツトの下を通過して2次ゴデ
ツトへ導かれ、そこで2デニールの最終のフアイ
バーの太さを与えるのに充分な付加的な2次伸長
が行なわれる。フアイバーは次いで洗われて残り
のLiClおよびヂメチルアセトアミドが除去され絞
られた標準のレーヨンの最終の処理を受け、遠心
分離機機にかけられ加熱空気炉中で乾燥される。 フアイバーはこの技術によつて製造することが
できる。固体率の高いセルロース溶液における乾
燥ジエツト・ウエツト紡糸はすぐれた湿/乾粘着
保持比を有し、湿潤係数は0.40以上でそれは乾燥
ジエツト伸長によつて増加し、湿潤ゴデツト2次
伸張レベルになる。 実験例 16 この例では実験例13で記載した高い固体率のセ
ルロース溶液はセルロース/LiCl/DMACの組
成比が15/12/73であり通常酢酸セルロース液の
紡糸に使用されているパイロツトプラントの紡糸
装置で紡糸された。しかしこの場合に加熱空気の
温度はフアイバーの減成あるいはセルロースのカ
ラメルが生じないでヂメチルアセトアミドを除去
することができるように変更された。このために
押し出されたフアイバーが140℃以上の温度にな
らないように空気加熱装置および空気の流れが設
計された。毎分300mで装置の底から出るフアイ
バーは対向して流れる加熱水浴中へ導かれ、そこ
で更に伸張され一方LiClは洗い流されて再生およ
びリサイクル塔へ導かれる。 フアイバーはこの技術によつて製造することが
でき、高い固体率のセルロース溶液の乾燥紡糸は
条件付/湿潤粘着力と条件付/湿潤伸長と高い湿
潤係数のすぐれたバランスを得ることができる。 実験例11,14,15および16はフアイバーの紡糸
について記載したが他の形態の物体例えばフイル
ム、管状押出体、中空フアイバー、ケース、薄膜
もこのような紡糸と類似の技術によつて処理する
ことができる。他の再強化材料を有するセルロー
スの組成物やこの系において溶解することのでき
る他の重合物(ポリアミド、ポリエステル、ポリ
エーテル、キチン、ウレタン等)とセルロースの
混合物もこれらの技術を使用して押し出されて有
用なセルロース或はセルロースをベースとする成
型製品を提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 活性化されたセルロースを、デイメチルアセ
    トアミド、1―メチル―2―ピロリデイノンおよ
    びその混合物からなる群から選ばれたアミド、お
    よび重量で3〜15%の塩化リチウムより成る溶液
    に解重合を生じさせないようにして溶解する工程
    と、 セルロースを再構成してそれから成型されたセ
    ルロース製品を得る工程とを具備することを特徴
    とする成型されたセルロース製品の製造方法。 2 上記セルロース溶液を溶媒でないものと接触
    させることによつてセルロースが再構成される特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。 3 成型されたセルロース製品がフアイバーであ
    り、湿式紡糸技術を用いて凝固剤中に吐き出され
    て形成される特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。 4 成型されたセルロース製品がフアイバーであ
    り、ドライ・ジエツト・ウエツド紡糸技術を用い
    て形成される特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。 5 成型されたセルロース製品がフアイバーであ
    り、これが乾式紡糸技術によつて形成される特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。 6 前記溶媒でないものが、水、モノ水酸基を有
    する低度のアルコール、アセトニトリル、テトラ
    ハイドロフラン、およびそれらの混合物よりなる
    群から選ばれたものである特許請求の範囲第2項
    記載の方法。 7 セルロースがセルロースを膨張させる有極性
    媒質によつて浸透されることによつて活性化さ
    れ、前記アミド以外の有極性媒質はセルロースの
    溶解に先立つて除去される特許請求の範囲第1項
    記載の製造方法。
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