JPH028788Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プリンタに使用するリボンカセツト
に関し、さらに詳しくは、インクカートリツジの
インクを転写ローラを介してインクリボンに補給
する形式のリボンカセツトにおいて、インクカー
トリツジの位置を転写ローラに接触または離反す
る位置に切替える機構に関する。

従来において、インクカートリツジより転写ロ
ーラを介してインクをインクリボンに補給する形
式のリボンカセツトが周知であり、かかるリボン
カセツトにおいてインクカートリツジを転写ロー
ラに接触する位置と離反する位置とに切替えでき
るようにした例も周知である。しかし、従来にあ
つては、インクカートリツジの位置を切替えるた
めに特別に切替レバー等を付加していた。このた
めに部品点数が増え、その組立が面倒であつた。

本考案は、簡単な構成でインクカートリツジの
位置の切替を行なうことができるようにすること
を目的とするものであり、以下その一実施例につ
いて説明する。

第１図および第２図において、リボンカセツト
のケースの上板１と下板２との間に、転写ローラ
３が回転自在に支持されている。エンドレスのイ
ンクリボン４はリボン収納室５につづら折りに収
納され、その一部がケース外へ引き出されてい
る。押圧バネ６によつてインクリボン４は転写ロ
ーラ３に押しつけられており、転写ローラ３が反
時計方向に回されることによつてインクリボン４
はリボン収納室５に送り込まれ、その一方でリボ
ン収納室５からインクリボン４が引き出される。
インクリボン４の出口近傍に位置するパスローラ
７に負荷バネ８を介してインクリボン４が押しつ
けられ、これによつてインクリボン４がリボン収
納室５から引き出されるときに摩擦負荷が働ら
き、外部へ引き出されたインクリボン４が緊張す
ることになる。

インクリボン４は、この実施例では多色リボン
であつて、例えば黒、青、赤、黄の４本の色帯４
ｂ，４ｃ，４ｍ，４ｙが長手方向に平行に区画形
成されている。これに対応して、転写ローラ３は
各色帯４ｂ，４ｃ，４ｍ，４ｙと接する転写面３
ｂ，３ｃ，３ｍ，３ｙを備えている。転写ローラ
３の回りにはインクカートリツジ９ｂ，９ｃ，９
ｍ，９ｙが放射状に配置されている。各インクカ
ートリツジ９ｂ，９ｃ，９ｍ，９ｙはその内部に
黒、青、赤、黄のインク含浸体（図面はインク含
浸体１０ｃが示されている。）を内蔵し、前面よ
り突出するインク導出芯１１ｂ，１１ｃ，１１
ｍ，１１ｙが転写ローラ３の転写面３ｂ，３ｃ，
３ｍ，３ｙに対向している。

インクカートリツジ９ｂ，９ｃ，９ｍ，９ｙの
支持構造について説明する。ケースの上板１と下
板２には、インクカートリツジ９ｂ，９ｃ，９
ｍ，９ｙに対応する位置にその後縁部から転写ロ
ーラ３に向けて長溝１２，１３が形成されてい
る。各インクカートリツジ９ｂ，９ｃ，９ｍ，９
ｙの上面には、長溝１２を貫通突出する突起１４
が形成され、長溝１２内に挿置せしめられる１対
の弾性レバー１５が突起１４の背面から後方へ平
行に一体に延伸形成されている。弾性レバー１５
の上辺は長溝１２の上辺とほぼ同一位置にあり、
その下辺は長溝１２の深さのほぼ1/3の位置にあ
る。弾性レバー１５の端部上面には長溝１２から
突出する押圧片１６が形成され、またその端部近
傍の外側面には係合突起１７が突設されている。
長溝１２はその内側面に係止突起１８が形成さ
れ、インクカートリツジを後退したときに弾性レ
バー１５の係合突起１７を引き止めることができ
るようになつている。また係合突起１８は、第３
図に示すように長溝１２の上辺より約1/3の深さ
までしか形成されていない。さらにインクカート
リツジの底面には第２図の如くガイド突起１９が
突設され、長溝１３に摺動自在に嵌合している。
インクカートリツジ９ｂ，９ｃ，９ｍ，９ｙは、
その後面に設けてある板バネ２０のバネ力によつ
て転写ローラ３に向けて弾発されている。板バネ
２０はその下端部がインクカートリツジ後面に固
定され、その中途が突部２１にて弓なりに湾曲せ
しめられ、かつその上端部が長溝１２の切欠き２
２に係止してある。

第１図において、総てのインクカートリツジ９
ｂ，９ｃ，９ｍ，９ｙの芯１１ｂ，１１ｃ，１１
ｍ，１１ｙが転写ローラ３に接触する位置にあ
る。そこで適宜のインクカートリツジ例えば９ｃ
の突起１４を指先にて板バネ２０のバネ力に抗し
て押すと、このインクカートリツジ９ｃは長溝１
２，１３にそつて後退する。このとき弾性レバー
１５は長溝１２内を後方へ移動し、係合突起１８
に当接する位置にくるとそれに押されて弾性レバ
ー１５が内側へ弾性的に変位する。係合突起１７
が係止突起１８を通過した瞬間、弾性レバー１５
は元に戻つて係合突起１７が係止突起１８に係止
する。したがつて突起１４を解放しても、インク
カートリツジ９ｃは後退位置に保持され、インク
芯１１ｃは転写ローラ３の転写面３ｃから離反し
たままとなる。この後退位置にあるときに、長溝
１２上方へ突出している押圧片１６を指先にて押
下すると、弾性レバー１５は下方に弾性的に変形
し、係合突起１７が下方に沈む。したがつて係合
突起１７は係止突起１８の下面をくぐり抜け、そ
のインクカートリツジは再び第１，２図示の位置
へ板バネ２０のバネ力にて復帰する。この復帰動
作から明らかなように、押圧片１６の突出長さ
は、それを押下したときに、係合突起１７を係止
突起１８の下方へ沈めるに十分な長さが必要であ
る。

なお上記実施例は、多色リボンカセツトに応用
した例であるが、通常の単色リボンカセツトに応
用できることは勿論である。

この考案のインクカートリツジ切替機構によれ
ば、簡単な構成でインクカートリツジの位置切替
えが行なえ、かつその切替作業が容易である。ま
た限られた小スペースに設置することができるか
ら切替機構付リボンカセツトにおいても小形化で
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に関するものであつ
て、第１図はその一部を断面して示す平面図、第
２図は第１図−線断面図、第３図は上板の長
溝を示す拡大斜視図、第４図はインクカートリツ
ジの拡大斜視図、である。 １……カセツトケースの下板、２……カセツト
ケースの上板、３……転写ローラ、４……インク
リボン、５……リボン収納室、９ｂ，９ｃ，９
ｍ，９ｙ……インクカートリツジ、１１ｂ，１１
ｃ，１１ｍ，１１ｙ……インク芯、１２……長
溝、１４……突起、１５……弾性レバー、１６…
…押圧片、１７……係合突起、１８……係止突
起、２０……板バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バネによつて弾発されたインクカートリツジが
   転写ローラに弾接するようにインクカートリツジ
   に摺動自在に配置され、上記インクカートリツジ
   のインクが上記転写ローラを介してインクリボン
   に補給されるリボンカセツトにおいて、 上記カセツトケースの上板には、上記インクカ
   ートリツジの摺動方向に長溝が穿設してあり、 上記インクカートリツジの上面には、上記長溝
   を貫通する突起が形成してあり、 上記突起の背面には、上記長溝内を延伸しかつ
   端部近傍の外側面に係合突起を有する１対の弾性
   レバーが形成してあり、 上記長溝の内面には、上記インクカートリツジ
   を上記転写ローラから離反するように後退させた
   ときに上記係合突起を係止可能な係止突起が形成
   してあり、 上記弾性レバーの端部上面には、上記長溝の上
   方へ突出する押圧片が突出形成してあり、その突
   出長さは、それを押下したときに上記係止突起に
   係止した上記係合突起を上記係止突起の下方に離
   脱させるに十分な長さに設定してある ことを特徴とするリボンカセツトのインクカート
   リツジ切替機構。