JPH0279753A - 磁石型回転子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転子に係り、特にインバータ等の制御装置を
介して供給される電源によって駆動され、回転域が低速
から高速にまで及ぶ、例えば密閉型電動圧縮機等に好適
な無刷子電動機の永久磁石型回転子に関する。

〔従来の技術〕

従来の永久磁石型回転子（以下単１こ回転子と称す）の
−数的橘造は、第５図、および第６図に示す如く、鉄等
の磁性体にて円筒状に構成されたヨーク１の外周部に所
定の磁極が形成されるように複数個のＣ型永久磁石（以
下単に磁石と称す）２を接着剤等で固着して円筒状に配
置したものである。磁石２の材料としては、フェライト
磁石の使用が一般的であるが、このフェライト磁石は機
械的強度に脆いという欠点を有しており、従って高速回
転時の遠心力による破損及び飛散等の防止を目的として
、磁石２の外周部には、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂や
ステンレス管等の外周部保護部材３が設けられている。

一方密閉型’Ｉｌｉ動圧縮機に於ては、異物の混入は摺
動部の信頼性を損うことになるので、磁石若しくは回転
子の製造時に磁石内部に生じる小さな亀裂が回転時の遠
心力若しくは振動等によって磁石を破損させ、破損した
磁石の微小片が圧縮ｉ１内に散乱するのを防止する目的
で回転子軸方向の両端部には端部保護部材４が設けられ
る。この端部保護部材４はアルミニウム若しくは亜鉛な
どの低融点金属のダイカストにより形ｊ戊され、ヨーク
１内部を貫通する複数の連結部６によって回転子の軸方
向両端に保持されている。

諜 〔発明が解決しようとするＰ！ｕ題点〕上記従来技術で
構成された回転子に於いては、磁石２と外周保護部材３
をダイキャストマシンの金型内にセットし端部保護部材
４を形成すると、製作面において、低融点金属（例えば
亜鉛）ダイカスト時の約４００℃のヒートショックと高
射出圧力（例えば７００−／ＣｆＩ）により、磁石２が
急激な熱歪をうけて、第７図に示すごとく磁石２に亀裂
１３を生じて破損に至り、空隙部を発生する。

湯の未充填部や巣などの鋳造欠陥が質量のアンバランス
となって、高速回転時に振動を発生する。

充填金属の密度が大きいとアンバランス量が更に拡大し
て、回転体としての性能が低下する。また、外周保護部
材の変形３ａや亜鉛のはみ出しに対して、仕上げ加工が
必要であった。

亜鉛が完全に充填した場合の回転子のモータ特性は磁石
間に充填した導電性の亜鉛に誘起電流が発生し、これが
漂遊損失として働いてモータ効率を２〜５％低下させる
。

これに対して磁石２を別体の端部保護部材４と連結棒で
機械的に締結する方式ではフェライト磁石の軸方向長さ
のバラツキを見込んで回転子寸法の設計がなされるため
、端部ｕａＫｍ材４と磁石２との間には場合によって相
当大きな間隙が生じる。

このため、この部分に間隙充填材を設けて磁石２の端部
保護の補強がなされていた。この間隙充填材は熱硬化性
樹脂を充填、硬化する等の手段によって構成されると、
回転子組み立て工数の増加や、熱硬化性樹脂の反応副生
成物や未反応物による圧縮機構成物の冷媒、冷凍機油、
絶縁材料への影響が大きくなるなどの問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、磁石とヨーク、端部保護部材および外周保
護部材をヨークに設けた突起部を磁石の配置のガイドに
活用し、上記構成部材をヨークと端部保護部材を貫通す
る棒とその突端の加締めの機械的な締結方式によって所
定の配置にセットした後、端部保護部材に設けた樹脂注
入口より、溶融粘度を任意に調整し、低温度（例えば２
００〜３５０℃）、低圧力（例えば３００Ｋｆｒ／ｃｎ
ｌ）で充ｊｊＪでき、低密度の非導電性の特長を有し、
かつ、耐フロン冷凍機油性のすぐれたガラス転移温度４
０℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を一気に注入一体に充填
固着できる構造にすることにより達成できる。

注入口の充填物は回転子の回転動作に対して、ずれない
ように、機械的な締結作用も兼ねているものである。

〔作用〕

充填するガラス転移温度４０°Ｃ以上の結晶性熱可塑性
樹脂は、密閉型圧縮機の使用環境となるフロンと冷凍機
油の混合液に対して、アタック性、例えば強度の低下、
膨潤や溶解、応力亀裂現象や低分子物の抽出がされ難く
、無機系充填材を任意に配合して溶融粘度を適当に選定
し、かつ低温度、低圧力で充填することが可能なため、
ヒートショックによる磁石の損傷や外周保護部材の変形
や充填が容易にできることなどにより、回転体のアンバ
ランス性を大巾に改善できる。また、アルミニウムや亜
鉛の充填金属に比べて低密度となるので微少の充填欠陥
があっても動バランス特性を少く抑えることができ、振
動を小さくできる作用や軽量化による回転応答性の改善
がはかれる。

結晶性熱可塑性樹脂は予じめ、ヨーク、磁石、外周保護
部材、端部保護部材を金型内にセットした状態で端部保
護部材に設けた注入口より、注入後、冷却固化するのみ
で、各部品を同時に一体に充填固着することができる。

かかる実施例は、熱硬化性樹脂のごとく、加熱硬化工程
や充填物はみ出しの除去と外周保護部材との締結工程な
どの複雑な組立て作業を必要としないので生産性がすぐ
れている。また熱硬化性樹脂では加熱硬化反応を伴うた
め、反応副生成物や未反応残留物が冷媒冷凍機油に溶出
して、圧縮機および冷媒配管系において、析出して流路
の閉塞現象や冷媒、冷凍機油、電気絶縁物に対して特性
劣化を加促する心配があるが、本発明の樹脂ではこのよ
うな溶出問題をおＣすことがない。

このように製作したインバータ制御モータに組込んで性
能をみると、非導電性樹脂の充填の効果で漂遊損失が減
少し、モータ効率を大巾に改善できることを確認できた
。

ここで使用できるガラス転移温度４０℃以上の結晶性熱
可塑性樹脂とは圧縮機が通常に運転するでいるので、フ
ロンや冷凍機油の分子間内への侵入を抑制する作用とし
て働くので、溶解や膨潤、機械的強度の低下などの劣化
現象が発生しない。

ガラス転移温度４０℃以上の結晶性熱可塑性樹脂とは、
ポリアミド（ナイロン６、ナイロン６６など）、ボリフ
エニレンサ４＃７アイド、ポリブチレンテレフタレート
、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテル
ケトン、芳香族ポリエステル、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリアミドイミドなどの樹脂を対象としたもので、
これら中に任意の範囲でガラス繊維や無機充填材をブレ
ンドして、必要な溶融粘度と流動性とを調整すると共に
、樹脂の？ｔ（ｉ強強化を狙うことかできるものである
。

上記のごとく、本発明の永久磁石型回転子は高速、特に
インバータ制御の密閉型電動圧縮機の無刷子型モータに
組込むと、振動が少く、またモータ効率が２〜５９６向
上できる特長がある。

従って、上記の密閉型電動圧縮機を使用して、冷凍装置
を構成すると低振動低騒音化がはかれ、エネルギー効率
が２〜５９６向上する。ここでの冷凍装置とはルームニ
アコンディショナー、冷蔵庫、除湿機、ショーケース、
大形空気調和機などを対象とするものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図、第２図、第あり、円
筒状に配置される磁石２との当接部の全域にわたって環
状に設けられており、複数の樹脂注入口兼まわり止め穴
１０と連結し、さらに磁石２の軸方向端部が嵌挿可能部
と樹脂の流路となるように径方向に所定の幅を有して構
成されるものである。また８は端部保護部材４ｍ及びヨ
ーク１の内部を各々軸方向に貫通する複数の棒状部材で
あり、軸方向両端への突出端９にネジ又は加締め等によ
る締結手段を施すことにより、端部保護部材４ａを外周
保護部材３を挾んで、回転子の軸方向両端に保持するも
のである。

次に第２図に示す回転子の構成方法を説明すると予め棒
状部材８が貫通可能な穴部を設けたヨーク１を鉄等の磁
性体にて円筒状に構成し、このヨークｌの外周部に所定
の磁極が形成されるように複数個の磁石２をヨーク１に
形成した第３図の詳細図に示す突起部１ａをガイドにし
て、適当な間隙をもたせて、円筒状に配置する。しかる
後、円筒状の外部保護部材３を嵌挿し、予め棒状部材８
が貫通可能な穴部を設けた端部保護部材４ａを軸方向両
端に装着し、このとき磁石２の端部がヨーク１の軸方向
端部より突出する場合にはその突出部を凹部７へ嵌挿す
る。そして棒状部材８を端部保護部材４ａ及びヨーク１
の穴部へ嵌挿するとともに、突出端９にネジ又は加締め
などの適当な締結加工を施して、端部保護部材４ａとヨ
ーク１と外周保護部材３を挾んだ状態で固着し、端部保
護部材４ａの注入口兼まわり止め穴１０より、ガラス転
移温度４０℃以上の結晶性熱可塑性樹脂、例えばポリフ
ェニレンサルファイドを２５０〜３５０℃に加熱して、
約３００Ｋｅ／ｃｎ！で加圧注入し、磁石２と隣接する
磁石２の格子状流路１２と端部保護部材の凹部７に設け
た段付環状流路７ａに一体形に充填して、回転子構成部
材を機械的に固着させた後、冷却して回転子が完成する
。この時、回転子構成部材の温度を１５０℃以上に予熱
しておくと、樹脂の流動充填性が良く、また結晶化が促
進されて、耐フロン、耐冷凍機油性や機械的強度が著し
く改善できた。

本発明の前記方式で製作した回転子は動バランス特性が
きわめて良好で、振動が少なく、かっモータ効率が２〜
５９６向上することが実測により確認できた。

次に充填する樹脂の種類について、密閉型圧縮機が運転
されるフロン２２とナフテン系冷凍機油の共存液の中に
種々の樹脂を１５０℃、７日間浸没し、樹脂の特性変化
を実測した結果（実施例１〜９）と供試樹脂の特性（比
較例１〜６）との関係を表−１、表−２に示した。

この結果によると、実施例１〜５、実施例７〜８に示す
ごとく結晶性樹脂のポリアミド（ナイロン６、ナイロン
６６）、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレートのガラ
ス転移温度４０℃以上のものが、強度低下、膨潤溶解や
亀裂や溶解抽出物が非常に少いため、充填物として最適
であることを見い出した。一方実施例６のガラス転移温
度の低いポリアセタールや比較例１〜６に示すとと（供
試した非品性のポリフェニレンオキサイド、ポリカーボ
ネート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフオン、ポ
リエーテルイミド、ボリアリレートは膨潤溶解現象や強
度特性の著しい低下がおこり、実用的でないことが確認
された。従って、前記のガラス転移温度４０℃以上の結
晶性熱可烈性樹脂を充填して固着した回転子は、密閉型
圧縮機の使用環境において、十分な実用性能を保有する
ことが判明された。また、この試験に共存した、エステ
ルイミドエナメル線、ポリニステールフィルムへのアタ
ック性は少なく、問題とならない。同様にフロン２２の
分解やナフテン系冷凍機油の炭化促進などの劣化加泥現
象も見受けられなかった。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ヨーク、端部保護部材、磁石、外周保
護部材の固着組立が溶融樹脂の注入成形により、簡単に
できるので、回転子の生産性が向上して経済的効果が期
待できると共に、低密度の樹脂が完全に充填されるので
、回転体の質量のアンバラン特性に起因する振動や軽量
化による回転応答性などの回転体性能が向上し、更に充
填物が非導電性物質であるため、モータ組品とした場合
の回転子に生じる誘起電流による漂遊損失を減少させる
効果が働き、アルミニウムダイカスト充填に比べて、モ
ータ効率が２〜５９６向上する効果がある。また充填し
た樹脂は圧縮機の運転環境に於いても、十分な強度と耐
フロン耐冷凍機油性を有しているので、フロンを使用す
る密閉型電動圧縮機のモータのフェライト磁石型回転子
として、信頼性が高く、特にインバータ制御により、回
転数が高速となる用途において、回転子性能の向上に著
るしい効果がある。したがって、密閉型電動圧縮機、こ
れを使用する冷凍装置においても、低振動低騒音、エネ
ルギー効率２〜５９６の向上の期待が見込める。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の平面部分断面図、第２図は
正面部分断面図、第３図は第１図のＡ部詳細図、第４図
は第１図のＢ部詳細図である。第５図は従来の一般的な
フェライト磁石型回転子の平面部分断面図、第６図は正
面品分断面図、第７図は第６図のＣ部詳細図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、円筒状ヨークの外周部に分割した永久磁石を配置し
   、更に円筒状外周保護部材を嵌挿し、軸方向両端に前記
   保護部材を設けてなる回転子に於いて、前記永久磁石と
   隣接する永久磁石、ヨーク、端部保護部材および外周保
   護部材との隙間に、ガラス転移温度４０℃以上の結晶性
   熱可塑性樹脂を加熱加圧注入後冷却固化して、前記構成
   部材を固着して機械的に締結する構造の磁石型回転子。 ２、前記結晶性熱可塑性樹脂として、ポリアミド、ポリ
   フェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート
   、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテル
   ケトン、芳香族ポリエステル、ポリエチレンナフタレー
   ト、ポリアミドイミドなどを使用することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の回転子。 ３、特許請求の範囲第１項記載の回転子を使用した密閉
   型電動圧縮機。 ４、特許請求の範囲第３項記載の密閉型電動圧縮機を用
   いた冷凍装置。