JPH026544B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、玉を傾斜盤上でころがすようにした
遊戯装置の玉振分け供給装置に関する。

例えば、相対する競技者が交互に玉を叩きなが
ら相手のゴール内に玉を入れることによつて得点
し、得点の多少によつて勝敗を決するようにした
遊戯装置はよく知られている。この場合、いずれ
かのコール内に玉が入つたときには、競技続行の
ために再度新しい玉を競技盤上に供給しなければ
ならない。しかしながら、かく供給される玉が常
に一方の競技者のみに与えられてしまうのでは競
技上不公平なので、玉の供給は、競技者相方に交
互に行なわれるのが望ましい。

本発明は、上記の点にかんがみて、玉を競技者
の相方に交互に供給することのできる簡単な構成
から成る玉振分け供給装置を提供することを目的
とする。

以下、本発明をその実施例を示す図面に基づい
て説明する。

第１図は本発明に係る玉振分け装置を使用する
遊戯装置の１例を示す斜視図である。同図におい
て、テーブル１のほぼ中央には、湾曲する周壁２
及びその周壁２に対向し同様に湾曲する図示しな
い手前側の周壁によつて囲まれ、中央線３を頂部
として傾斜するフイールド４が設けられている。
かく傾斜するフイールド４は、その両方の裾部の
巾が湾曲する両方の周壁によつて狭められてお
り、その狭められた裾部にはそれぞれキーパ５
ａ，５ｂが配置されている。図において一方のキ
ーパ５ｂは、テーブル１の手前側面６の右方部分
に取り付けられたハンドル７と機械的に接続され
ている。ハンドル７とキーパ５ｂとを接続する機
械系は図示していないが、この機械系は、例えば
かさ歯車を利用して、ハンドル７をAA′の如く回
転させたときには、キーパ５ｂが軸８ｂの周りを
回転するように構成されている。キーパ５ｂに対
向するもう一方のキーパ５ａは、キーパ５ｂと同
様にして上記した構成と同一の構成から成る機械
系を介してテーブル１の奥側面（図示せず）に取
り付けられたハンドル（図示せず）に接続され
る。キーパ５ａもその図示しないハンドルの操作
によつて軸８ａの周りに回転する。キーパ５ａ及
び５ｂの奥には開口として形成されたゴール（図
ではキーパ５ａに対応する一方のゴール９のみが
示されている）が配置されている。フイールド４
の中央線、従つて頂部３に対応する位置の周壁２
に設けられた玉供給口１１からフイールド４へ供
給された玉は、フイールド４の傾斜に従つてキー
パ５ａ又は５ｂのいずれか一方に向つてころが
る。例えば、玉がキーパ５ｂの方にころがつた場
合、１方の競技者はハンドル７を操作してキーパ
５ｂを回転させ、ころがつて来た玉を相手側のゴ
ール９に向つて叩く。かく叩かれた玉は、頂部３
を経てゴール９へ向うが、他方の競技者は、図示
しない奥側面のハンドルを操作してキーパ５ａを
回転させ、玉がゴール９へ入るのを阻止するとと
もに、その玉をキーパ５ｂの方向へ打ち返す。こ
のように相対する競技者は、互いにキーパ５ａ又
は５ｂを操作し合つて相手側のゴールに玉を入れ
ようとするのである。仮に、いずれかの競技者が
キーパの操作ミスをした場合には、玉はそのキー
パを通過してゴールに入る。玉がゴールに入る
と、テーブル１の内部に設けられた図示しない検
知手段、例えば光センサーがその旨を検知し、こ
れによつてフイールド４上に設けられた得点表示
灯１２が点灯する。

上述した競技において、玉がいずれかのゴール
に入つた場合には、競技を続行すべく、その都度
玉供給口１１から新しい玉がフイールド４上に供
給されるのであるが、かく供給される玉が、常に
一方のキーパに向うか又はいずれか一方のキーパ
に向う確率の方が高いといつたような状態になる
と競技者にとつて不公平である。したがつて、本
実施例では供給される玉が競技者双方に交互に振
り分けられるようになつている。

以下、上記のように玉を交互に振り分けて供給
するための装置について説明する。

第２図〜第３図は、それぞれ上記玉振分け供給
装置の１例を示す正面図、平面図側断面図であ
る。これらの図において、ほぼ正方形に形成され
た支持板１３の中央部にはねじ１４ａ，１４ｂに
よつてモータ１５が取り付けられている。支持板
１３におけるモータ１５よりも上方の位置には、
２つの円形の穴１６，１７が適宜の間隔をもつて
並んで配置され、一方モータ１５よりも下方の位
置には１つの円形の穴１８が配置されている。
尚、モータ１５の出力軸１９から穴１７の中心ま
での距離は出力軸１９から穴１６の中心までの距
離よりも小さい。以下、穴１７を短間隔の穴とい
い、穴１６を長間隔の穴という。又、穴１８は、
出力軸１９からその中心までの距離が、穴１６の
中心までの距離と等しいかそれよりも長くなるよ
うな位置に設けられている。この支持板１３は、
第１図におけるテーブル１の内部であつて周壁２
の玉供給口１１の奥側に配設されるのであるが、
この場合には、第２図の通りフイールド４（２点
鎖線で示す）の頂部３が穴１６と穴１７の中間位
置にくるように支持板１３を配設する。

モータ１５の出力軸１９には、４つの玉運搬箱
２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄを90゜に等配し
て有する回転板２２が取り付けられている。これ
らの玉運搬箱の側面板２３ａ，２３ｂ，２３ｃ，
２３ｄは傾斜している。更に、モータ１５の出力
軸１９からこれら傾斜する側面板までの距離は、
２３ａ及び２３ｃまでが互いに同一の長い距離
で、２３ｂ及び２３ｄまでが互いに同一の短い距
離となつている。以下、２３ａ及び２３ｃを腕の
長い側面板といい、２３ｂ及び２３ｄを腕の短い
側面板という。回転板２２はモータ１５よつて回
転駆動され、その結果４つの玉運搬箱２１ａ，２
１ｂ，２１ｃ，２１ｄモータ軸１９を中心として
その周りを回転することになる。

支持板１３の下方の穴１８には、第４図の如
く、玉３０を導くレール２４が接続されている。
レール２４は、第１図のゴール９及びそれに対向
する相手側ゴールに入つた玉を上記の穴１８まで
導く。レール２４に導かれて穴１８に達した玉
は、回転板２２のいずれかの玉運搬箱がその穴１
８に対向するときには、運搬箱の玉通過用の開口
部を経てその運搬箱内に入るが、それ以外のとき
には回転板２２に突き当つて穴１８を通過するこ
とはない。このように穴１８は玉運搬箱内へ玉を
送り込む作用を成すので、以下この穴１８を玉取
入口という。

玉取入口１８を経て玉運搬箱内へ入つた玉は、
玉運搬箱が回転するときには、その回転に従つて
移動し、結果的に図中の上方へ持ち上げられる。
その際、玉運搬箱の上記玉通過用の開口部は支持
板１３によつて覆われているので、一旦玉運搬箱
内へ入つた玉が、上方への搬送過程中に上記開口
部から外へ飛び出すという心配はない。このよう
に、支持板１３は、モータ１５その他の各構成部
材を支持するという作用以外に、玉運搬箱の玉取
入用開口を覆つて玉がその開口から飛び出すのを
防止するという覆い体としての作用を成す。玉運
搬箱は、上記玉取入用の開口以外に、回転板２２
の外周縁に他の開口を有しているが、この外周縁
の開口から玉が飛び出すのを防ぐために、支持板
１３には回転板２２の外周縁に沿つて案内板２０
が固定されている。支持板１３の上方に配設され
た前記の２つの穴１６及び１７は、上記覆い体と
して作用する部分の支持板１３に形成されるもの
であつて、その働きは、玉運搬箱によつて上方へ
搬送された玉についての覆いを除去してその玉を
運搬箱の外へ排出することである。したがつて、
以下これらの穴１６，１７を玉取出口という。

以上の説明では、玉運搬箱２１ａ，２１ｂ，２
１ｃ，２１ｄと玉取出口１６，１７との位置関係
については特に触れていないが、これについては
次のように設定される。すなわち、短間隔の玉取
出口１７からは、腕の短い側面板２３ｂ，２３ｄ
を有する玉運搬箱２１ｂ，２１ｄがその取出口１
７に達したとき、箱内の玉が側面板２３ｂ，２４
ｄの斜面をころがつてそのまま取出口１７を通過
して外へ飛び出し、一方長間隔の玉取出口１６か
らは、腕の長い側面板２３ａ，２３ｃを有する玉
運搬箱２１ａ，２１ｃがその取出口１６に達した
ときに、玉が飛び出すのである。

長間隔の玉取出口１６と短間隔の玉取出口１７
との間には、先端に向うほど間隔が広くなる２つ
の腕２５ａ，２５ｂを有する案内部材２６が設け
られ、その案内部材２６の下方には、両方の玉取
出口１６及び１７の下縁から突出する傾斜板２７
が配置される。この傾斜板２７の両脇には、発光
素子２８と受光素子２９とから成る光センサーが
配置されている。

本実施例に係る玉振分け供給装置の構成は以上
の通りであり、その作用は次の通りである。第１
図においていずれか一方のゴール玉が入つたとき
には、図示しない検知手段がそれを検知し、これ
を合図に第２図〜第３図のモータ１５が始動す
る。モータ１５の回転によつて腕の短い玉運搬箱
２１ｂが短間隔の取出口１７に達すると（図示の
状態）玉運搬箱２１ｂ内の玉は傾斜する側面板２
３ｂをころがり、取出口１７、傾斜板２７及び玉
供給口１１（２点鎖線で示している）を経てフイ
ールド４上に落下する。フイールド４は両方の取
出口１６と１７との中間位置を頂部として左右傾
斜しているので、頂部よりも右方位置にある取出
口１７から飛び出した玉は、フイールド４の傾斜
に沿つて図中の右方向、従つて第１図におけるキ
ーパ５ｂの方向へころがる。取出口１７を通過し
た玉は、案内部材２６の一方の腕２５ｂによつて
強制的に右方へ向けられるので、取出口１７から
の玉が誤つて頂部よりも左方へ飛び出ることはな
い。玉が傾斜板２７を通過する際、その玉の通過
は光センサー２８，２９によつて検知され、それ
に基づいてモータ１５の回転が止まり、回転板２
２、従つて玉運搬箱の回転も止まる。回転する玉
運搬箱のいずれかが玉取入口１８を通過すれば、
又はいずれかの玉運搬箱がその取入口１８に対応
する位置に停止すれば、その玉運搬箱には新しい
玉が送り込まれる。第２図に示す状態では、玉取
入口１８に玉運搬箱２１ｄが対応して停止してい
るので、玉取出口１７から玉が飛び出る間、運搬
箱２１ｄには新しい玉が送り込まれる。

以上の通りに玉が供給されたので競技続行可能
となるが、玉が再びゴールに入ると、モータ１５
が再度回転を始める。今度の回転においては、腕
の長い側面板２３ａを有する玉運搬箱２１ａが取
出口１６又は１７に向う。玉運搬箱２１ａの側面
板２３ａについてのモータ軸１９からの距離は長
いので、仮にその運搬箱２１ａが短間隔の取出口
１７に対応する位置に来たとしても支持板１３に
遮ぎられて外へ飛び出すことはできない。ところ
が、運搬箱２１ａが長間隔の取出口１６に対応す
る位置に来ると、玉は箱からころがり出て取出口
１６を経てフイールド４上に落下する。取出口１
６は、フイールド４の頂部よりも左方に置かれて
いるので、取出口１６から出た玉は、フイールド
４の頂部より左方へ落下しその傾斜に従つて左方
向、従つて第１図中のキーパ５ａの方向へころが
る。この場合、案内部材２６の腕２５ａは、玉が
左方向へ落下するのを確実にする。

以上の説明から理解される通り、２つの玉取出
口１６と１７とは、互いにモータ軸１９からの距
離が異なつており、そして、これらの取出口に
は、いずれか一方の距離に対応する長さの腕を有
する玉運搬箱が交互に持ち来らされるので、玉は
取出口１６及び１７から交互に取出されることに
なる。しかも、玉を供給すべきフイールド４は、
その頂部が両方の取出口の中間に位置するように
して傾斜しているので、取出口１６から出た玉と
取出口１７から出た玉とでは、フイールド４上を
ころがる方向が異なる。すなわち、フイールド４
上に供給される玉は交互に異なる方向に向うので
ある。したがつて、相対する競技者は競技開始に
あたつて交互に玉を与えられるので、公平に競技
を展開することができる。

尚、上記実施例では２つの玉取出口１６，１
７、交互に腕の長さを異ならせて配置した４つの
玉運搬箱２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄ及び一
定方向に回転するモータ１５を用いて玉の振り分
けを実現しているが、以下のような変形例も有効
である。

まず、玉運搬箱の数は４つに限らず、２つ以上
でありさえすれば良いが、その数を増やす程小さ
な回転角度によつて玉運搬箱を次々と玉取出口１
６，１７に持ち来すことができるので玉の供給を
素早く行なうことができる。

腕の長さの異なる玉運搬箱の配置方法は、上記
実施例のように交互に配置することのみに限定さ
れず、所望する振り分け態様に適つた任意の方法
を採ることができる。例えば、腕の長さの等しい
２つの玉運搬箱と腕の長さの異なる１つの玉運搬
箱を用いれば、一定方向に２回連続して玉を供給
した後に他の方向に１回だけ玉を供給するといつ
た振り分け態様を得ることができ、例えば、この
場合には競技者間にハンデイキヤツプを持たせる
ことができる。

玉取出口の数を２つ以上としても良い。例え
ば、中心からの間隔が異なつた３つの玉取出口を
設けた場合には、異なつた３つの位置へ玉を供給
することが可能となる。但し、この場合には、玉
運搬箱の腕の長さも玉取出口の間隔に合わせて３
種類用意する必要がある。

モータ１５は一定方向に回転するものであつて
も、両方向へ回転可能のものであつてもいずれで
も良い。

更に、上記実施例では、玉取出口１６，１７の
中間に頂部３が来るようなフイールド４を有する
遊戯装置について説明したが、本発明に係る玉振
分け供給装置が、玉を使用する他の任意の遊戯装
置に適用できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による玉振分け供給装置を使用
する遊戯装置の１例の全体図、第２図は本発明の
１実施例を示す玉振分け供給装置の正面図、第３
図はその装置の平面図、第４図はその装置の側断
面図である。 ３０…玉、４…傾斜盤（フイールド）、２３ａ，
２３ｂ，２３ｃ，２３ｄ…側面板、１９…回転中
心（モータ軸）、２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１
ｄ…玉運搬箱、１３…覆い体（支持板）、１８…
玉取入用開口（玉取入口）、１６，１７…玉取出
用開口（玉取出口）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 玉を傾斜盤上でころがすようにした遊戯装置
   の玉振分け供給装置において、側面板及び玉通過
   用の開口を備え一定点を中心として回転可能であ
   りその回転中心から側面板までの距離が互いに異
   なる少なくとも２つの玉運搬箱と、回転する玉運
   搬箱の上記開口を覆い玉運搬箱内の玉が箱外へこ
   ろがり出すのを防止する覆い体と、覆い体の少な
   くとも１ケ所に設けられ玉運搬箱内へ玉を送り込
   むための玉取入用開口と、上記の距離が異なる側
   面板のそれぞれの距離に対応して上記覆い体に配
   設されその側面板上をころがつて玉運搬箱から外
   へ出ようとする玉を通過せしむる玉取出用開口と
   を有することを特徴とする玉振分け供給装置。