JPH0255110A - クッション性成形体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、輸送車両における座席、自動車のヘッドレ
スト、ドアトリム等あるいは家具における椅子、ソファ
−等のクッション性を有する成形体の製造方法に関する
ものである。

〔従来の技術〕

自動車、電車等の車両の内装として人体に対する衝撃の
緩和と、ソフトな感触を目的として、各種のクッション
性成形体が使用され、これには表皮となる天然皮革若し
くは合成皮革あるいは織布のようなファブリックに、芯
となる合成樹脂発泡体を一体的に結合したものが知られ
ている。

か＼る合成樹脂発泡体からなるクッション材を用いて前
記の成形体を製造するには、予め芯となる合成樹脂発泡
体を所定形状となるように別体で成形し、得られた発泡
成形体の外側に、縫製、溶着、型付は等で所定の形状と
なした前記表皮を被包し、接着あるいは溶着等の手段で
固定することが行われている。

また、自動車のヘッドレストの如き発泡成形品を得る方
法として２例えば特開昭６２−５８２１号には、型内に
ある袋状の外皮材の内部に芯体を挿入すると共に、液状
の発泡原料を注入し、当該、外皮材の密閉状態下で発泡
させる技術が開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

クッション性成形体の製造に関し、芯となる合成樹脂発
泡体を別体で成形する従来の方法は、素材シートより形
成した表皮と、前記発泡成形体とが別体であるため、正
確な適合性に欠け、これによって成形体の外観を悪くす
る。

特に表皮体にファブリックを使用するときは。

ファブリックの持つ伸縮性によって顕著なズレを生ずる
。

一方２袋状の外皮材の内部に芯体と液状発泡原料とを注
入して発泡成形する前記特開昭６２−５８２１号の方法
は、ｒａ物地や編物地等のファブリックからなる外皮材
を使用したり、か＼るファブリック以外にも裁断生地を
縫製して形成した外皮材を使用したりすると、液状の発
泡原料がこのファブリックの織目や縫製部を通して外部
に漏出して固化し、外観を損ない、成形体のクッション
性を減するという不都合が生じ、快適な使用域を有する
クッション性成形体とはなり得ないという問題を有して
いる。

この発明はか−る現状に鑑みて、ファブリック等を表皮
層として、ソフトな使用感と、優れたクッション性を具
備した成形体を安価に提供せんとすることを目的とした
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記の目的の達成のために、この発明は、ガス遮蔽層を
裏打ちしたファブリック若しくは天然皮革１合成皮革な
どからなる表皮シートを裁断すると共に、裁断した表皮
シートのファブリックなどを中表として縫製によって所
定形状の表皮体を形成し、該表皮体の裏打層側の縫製部
に厚さ１５〜８０μのポリウレタンフィルムからなる粘
着テープを縫い代を含めて貼着してシールしたのち、シ
ールを貼着した表皮体を成形型内にセットして前記裏打
層側に発泡樹脂原料を注入し１発泡成形によって該発泡
成形体とファブリック等を表層とする前記表皮体とを一
体化させるものである。

この発明の方法において１表皮シートの外表面は、ファ
ブリック若しくは天然皮革又は合成皮革で構成するもの
で、ファブリックは織物１編物等の布生地で、ファブリ
ックは表面に適度の起毛を有するものがソフトな使用感
が得られるため、特に推奨されるものである。

しかして、か＼るファブリックに裏打するガス遮蔽層は
、樹脂フィルム、独立気泡からなる発泡体などから構成
されるもので１発泡樹脂としてウレタン樹脂を使用する
場合には、ポリウレタンフィルムを使用してガス遮蔽層
を構成することが望ましい。

表皮シートはこれを裁断し、ファブリック等を中表とし
て、適宜の縫い代を維持して縫合することによって所定
の外郭形状を有する表皮体を形成するが、その縫い代は
５寵前後であることが好ましい。

縫合による縫い代は、ファブリック等を中表として縫合
するため９表皮体裏面の裏打層に生ずるが、この裏打層
側の縫合部には前記縫い代を含めて１片面にウレタン系
若しくはアクリル形粘着剤を塗布したポリウレタンフィ
ルムからなる粘着テープを、その粘着剤面を利用して貼
着され気密に掩蔽される。

前記ポリウレタンフィルムは、伸縮性に冨み。

かつ柔軟で、縫製部の立体的な形状に追随する特徴を有
するもので、ポリエチレンなどの他の樹脂フィルムの粘
着テープでは前記特徴を有しない。

特に、貼着面が発泡ウレタン樹脂又はポリウレタンフィ
ルムを使用する場合には、前記ポリウレタンフィルムか
らなる粘着テープとの結合一体化が一層強固になる特徴
を有する。

粘着テープは、厚さが１５〜８０μ、好ましくは２０〜
３０μであって、その幅は１５鶴以上のものが好ましい
。

か＼る粘着テープとしてブラチロン（日本リルサン■の
ポリウレタンフィルムの商品名）が特に好適に使用され
る。

このフィルムは、厚みが１５μ未満の極端に薄いものは
、フィルムに「こし」がないため、貼着時の取り扱いが
厄介であり、またフィルムの製造時にピンホールが生じ
易いため、遮蔽が完全でない場合が多い。

また、厚さが８０μを超えて過度のものは、貼着面に対
する追従性が乏しくなって、貼着により縫合部が引っ張
られてシワを生じたり、この引張りでしばしば剥離する
。

このようにして得た表皮体は、ファブリック等を表面に
して成形型の型面に接するようにしてセットし、ついで
この成形型内に１例えばポリウレタン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル５ポリエチレンからなる発泡樹脂を注入
し発泡させる。

これによって表皮体裏面のガス遮蔽層に所定形状の樹脂
発泡体が一体的に形成され、所期のクッション性成形体
を得ることができる。

〔作　　用〕

この発明の方法は、ガス遮蔽層を裏打したファブリック
等で構成された表皮シートを裁断し、ファブリック等の
面を中表にして縫製することによって得た表皮体の縫製
部を、所定厚みのポリウレタンフィルムからなる粘着テ
ープで掩蔽し、この掩蔽した面に樹脂液の発泡によって
発泡成形体を一体的に結合するので、前記裏打層によっ
て液のファブリック等への浸出を防止し、また縫製部が
粘着テープで保護されてウレタン樹脂液の縫い代への含
浸による硬化やファプリツタ面等への浸出を阻止して良
好な仕上りで、ソフトな感触のクッション性成形体を得
ることができる。

この発明の方法における表皮シートの裏打層。

粘着テープ及び表皮体の内部に注入する樹脂液の組み合
わせは、特に相溶性に冨んだウレタン系樹脂を使用する
ことによって、その結合一体化が強固となり、型面れの
ない優れたクッション性成形体を得ることができる。

〔実　施　例〕

以下、この発明の実施例として自動車のヘッドレストの
製造を添付の図面を引用して具体的に説明する。

第１図において、１は外側を起毛したソフトな感触のフ
ァブリックからなる表皮体２で形成したヘッドレストを
示し２表皮体２の要所は縫合部３によって縫合されてい
る。

表皮体２は第２図に示すように、ファブリック５と、該
ファブリック５の裏面に一体的に設けた軟質のポリウレ
タン発泡層６とポリウレタンフィルム７からなる表皮シ
ート４によって形成されているもので、この表皮体２は
、ポリウレタン発泡層６とポリウレタンフィルム７をフ
ァブリック５に加熱融着させる公知の手段によって容易
に得ることができる。

表皮シート４は、所定の形状に裁断され、これらを相互
に縫合して所期のヘッドレストの外郭を構成するように
縫製されるが、第４図のように。

ヘッドレストの両側下部には一対のステー（図示せず）
を挿入止着するための挿入孔１０ａ、１０ｂを形成し、
このうち挿入孔１０ａはノズル１１を用いて内部にウレ
タン樹脂液等を流入するための液注入孔を兼ねている。

この縫合は正規の状態に対して反転した状態。

すなわち、第３図に示すように表皮シート４と縫合部３
の縫い代が外面になるようにして縫合される。

この状態において、縫い代を表側にした表皮体２の各部
の縫合部３に、厚さ２５μのプラチロンＵＯＩ（日本リ
ルサン■のポリウレタンフィルム）の片面にアクリル系
粘着剤を塗布した粘着テープ８を貼着してこの縫合部３
をシールする。

その際、粘着テープ８はその塗布した粘着剤で縫合部３
の縫い代を含めて縫合部からの液漏性がないように確実
に貼着するものである。

この操作が終われば２表皮体２を反転させてファブリッ
ク５を表面とした正規の状態の表皮体２となし、この表
皮体２を１図示しない分割型内に配置して分割型を閉鎖
し２表皮体２の下部片側に設けたウレタン樹脂液注入孔
１０ａからノズル１１を通してウレタン樹脂液と発泡の
ための添加剤その他を注入して反応させて発泡せしめる
。

注入した樹脂液は３表皮体２の内側の各縫合部３が前記
粘着テープ８によって掩蔽されているため、縫合部３の
縫い代に浸透して硬化することがない。

また、樹脂液が縫い目から外部に浸出することもなく２
表皮体２の内部で発泡して見掛けの体積を増加して表皮
体２内に充満した発泡体からなる芯材９を形成し、この
芯材９は表皮体２の内側のポリウレタン発泡層６とポリ
ウレタンフィルム７からなる裏打層に接し、この裏打層
との相溶性によって一体化し２表皮体２を所定の形状に
保持してヘッドレストとなすことができる。

〔発明の効果〕

この発明の方法は２表皮を形成する素材にファブリック
などを使用し、該ファブリック等にガス遮蔽層を裏打ち
して表皮シートを形成し、この表皮シートの裁断と縫製
で形成した表皮体の裏側の縫製部に、縫い代を含めて所
定範囲の厚さを有するポリウレタンフィルムからなる粘
着テープを貼着してシールし、この表皮体を成形型内に
セットして前記裏側に１発泡樹脂液を注入して発泡成形
し、これにより発泡成形体と表皮体とを一体化してクッ
ション性成形体となすものである。

このようにして得たクッション性成形体は、特に表面が
ソフトな感触の縫製されたファブリックで覆われ、内部
が各種合成樹脂発泡体のうち、特段に優れたクッション
性を有するウレタン樹脂発泡体で形成されているため、
高級感ある外観と。

優れた使用感とを併せ持つものである。

また１表皮体の縫製部を特定厚みの粘着ポリウレタンフ
ィルムで覆うことによって、ファブリック等の表面に液
が縫い目を通して浸出することを阻止し、かつ縫い代に
浸透して固化することを防止したため、得られた成形体
は一層良好なりソション性と使用感を持たせることがで
きるものである。

この発明の方法で得た成形体は、多くの使用材料が比較
的安価なウレタン系樹脂で構成しているので、経済的有
利に製造することができものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明のクッション性成形体の一例であるヘッ
ドレストの製造例を示し、第１図はヘッドレストの斜視
図、第２図はヘッドレストの外郭体を構成するファブリ
ックシートの縦断面図、第３図は表皮体の反転状態を示
した斜視図、第４図はヘッドレストの縦断面図である。 ■・・・ヘッドレスト　２・・・表皮体３・・・縫合部
　　　　４・・・表皮シート５・・・ファブリック ６・・・ポリウレタン発泡層 ７・・・ポリウレタンフィルム ８・・・ポリウレタン粘着テープ ９・・・芯材（ポリウレタン発泡体） １０ａ、１０ｂ・・・支持材挿入孔 １１・・・ステー（外部支持材） 第１図 特許出願人　日本リルサン株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ガス遮蔽層を裏打ちしたファブリック若しくは天
   然皮革、合成皮革などからなる表皮シートを裁断すると
   共に、裁断した表皮シートのファブリックなどを中表と
   して縫製によって所定形状の表皮体を形成し、該表皮体
   の裏打層側の縫製部に厚さ１５〜８０μのポリウレタン
   フィルムからなる粘着テープを縫い代を含めて貼着して
   シールしたのち、シールを貼着した表皮体を成形型内に
   セットして前記裏打層側に発泡樹脂原料を注入し、発泡
   成形によって該発泡成形体とファブリック等を表層とす
   る前記表皮体とを一体化することを特徴とするクッショ
   ン性成形体の製造方法。