JPH0254114B2

JPH0254114B2 -

Info

Publication number: JPH0254114B2
Application number: JP57224293A
Authority: JP
Inventors: Mitsuaki Awazu; Yukiko Nakamichi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1982-12-20
Filing date: 1982-12-20
Publication date: 1990-11-20
Also published as: JPS59115082A

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野本発明は洗濯槽の内底部に配する撹拌翼に関す
るものである。従来例の構成とその問題点従来より日本においてはいわゆる渦巻式洗濯機
と呼ばれる、洗濯槽の底部に撹拌翼を設け、この
回転によつて渦巻撹拌水流を生じさせて洗濯する
形式のものが実用化されている。この種洗濯機においては、第１図に示すように
撹拌翼ａは、洗濯槽ｂの底面ｃから槽ｂ内に突出
した形でとりつけられている。そのため、撹拌翼
ａが直接衣類に当たる部分は非常に洗浄力が大き
く、一方、撹拌翼ａから離れた衣類の部分は洗浄
力が弱くなるものである。その結果、洗いむらが
大きくなると共に、直接撹拌翼ａに当たる衣類の
部分のいたみが大きくなるものである。さらに、洗濯槽ｂの内径d₂に対して撹拌翼ａの
外径d₁は、約1/2程度もしくはそれ以下であり、
また、回転数は毎分約300回転以上に設定してあ
り、洗濯槽ｂ内に突出した径小の撹拌翼ａが高速
回転することになつて、撹拌翼ａに直接当たる衣
類部分をひつかけて回し、その部分ないしはその
部分に近い部分をある程度よじつて全体の衣類、
とくに洗濯槽ｂ上方にある衣類に撹拌力を与える
形となつている。このため、衣類のよじれが大きく、洗濯や脱水
終了後に衣類をとり出すとき、ほぐす労作が大き
いものであつた。また、上述したものとは別に、洗濯槽底部から
非突出状態に撹拌翼が収納され、外周部から中央
部に向うに従つて次第に深さを増すような凹状の
基板と、この基板の上面に中央部分が最も多く隆
起し、外周部分に向うに従つて次第に***部分が
減少し、その頂部が洗濯槽内底面と連続状をなす
ように設けられた翼突条とからなる脱水兼用洗濯
機の撹拌翼が提案されている。この撹拌翼は、洗濯物が洗濯槽内で片寄らず、
脱水時の振動を軽減する効果と、洗濯物をいため
ない効果を奏し得ることが予測できる。しかる
に、洗浄効果を上げるためには、翼突条間におけ
る中心側から外周側に向けての水流の形成が必要
であるにもかかわらず、上記した従来の構成で
は、この点について具体的に開示するものでな
く、洗浄面での不安が残つているものである。発明の目的本発明は、衣類のよじれを少なく、しかも、洗
浄効果の優れた洗濯機用撹拌翼を提供するもので
ある。発明の構成そして、上記目的を達成するために本発明は、
中央部が球面状に盛りあがり、この球面部から外
方に下降して水平面をなし、さらにその水平面か
ら外周に向い、接線で出発して円弧で上昇する曲
線をもつた基盤と、この基盤の上面に設け、その
中心から外周部に向つて高低の変化をもたせ、か
つ、頂部を中間点近傍位置ないしはやや外周に寄
つた位置から外方へはほぼ水平となし、前記中間
点近傍位置ないしはやや外周寄りの位置から中心
部に向つて下降するように構成した複数個の山と
を備え、外径を、洗濯槽の内径に対してほぼ70〜
90％程度に設定し、かつ、回転数がほぼ200回
転／分に設定されたものである。実施例の説明以下、添付図面にもとづいて本発明の一実施例
について説明する。第２図は全自動洗濯機の全体構成を示してお
り、１は本体外板、２は多数の脱水孔２を穿設し
た洗濯槽兼脱水槽（以下洗濯槽という）、４は洗
濯槽２の内底部に回転自在に装設した撹拌翼、５
は水受槽、６は脱水時のバランスをとるためのバ
ランサー、７はスイツチなどを収納した操作パネ
ルである。８はモーターで、この回転力は、プーリー９、
ベルト１０、プーリー１１を経、さらに、減速駆
動機構部１２によつて減速されて、前記撹拌翼４
に伝えられる。１３は脱水振動を吸収するためのダンパー、１
４はロツド、１５は排水弁、１６は排水ホースで
ある。以上が全体構成であるが、次に撹拌翼４の具体
構成につき、第３図〜第５図を参照して説明す
る。撹拌翼４は、その上面中央部が球面状にもりあ
がつた半球部１７になつており、外周方向に向つ
て基面１が下降し、或る距離下降して基面１８は
水平面１９となり、中心部２０と外周部２１のほ
ぼ中間点近傍位置から接線で外方に向つてゆるや
かに上昇する曲面２２をもたせた基盤２３と、こ
の基盤２３の上に一体もしくは一体的に形成され
た複数個の山２４とよりなり、山２４は、中心部
２０と外周部２１の間に高低の変化をもたせ、頂
部２６は前記中間点近傍位置ないしはやや外周方
向に寄つた位置２５から外方はほぼ水平２７で基
盤２３につながり、前記中間点近傍位置ないしは
やや外周に寄つた位置２５から中心部２０に向つ
て頂部２６は下降２８し、前記位置２５と中心部
２０のほぼ中間で最低点２９を有し、さらにそこ
から中心部２０に向つて上昇３０し、前記半球部
１７に接する。基盤２３と山２４の頂部２６の形状は、上記し
た通りであり、特に山２４の断面形状は、第３図
のＡ〜Ｈに対応した第５図のＡ〜Ｈにみられると
おりである。基盤２３に対する頂部２６の変化はこのように
なり、頂部２６と基盤２３の間は、適当な曲面３
１でつながり頂部２６の基盤２３に対する高さ
は、Ｄ部分が最も高く、基盤２３に接する部分で
の山２４の広さは、Ｄ部分よりもやや外周方向に
あるＣ部分が最も広い。そして、Ｃ部分から内
方、外方いずれの方向においても、狭くなる形と
なつている。ここで、Ｄ点は中心から外周の間の
ほぼ中間点ないしやや外周方向に寄つた点であ
る。なお、基盤２３中心の半球部１７の高さは、外
周部２１の高さと同等ないしは若干高くしたり、
低くしたりの変化はもたせてよく、水平２７部分
の高さは、外周部２１の高さに対して若干の高低
差を設けてよい。また、撹拌翼４の外径d₁は、洗濯槽２の内径d₂
を１とすると、ほぼ0.7〜0.9程度にし、第２図に
示したように、洗濯槽２底部に装設する。ここ
で、３２は回転軸に取付ける嵌合部、３３はボス
である。以上のような構成において、その動作を説明す
る。撹拌翼４を右回転−休止−左回転……と反転
させ、その回転数は毎分約200回転ないしはそれ
以下にして比較的低速回転させる。洗濯衣類に洗浄効果を与えるのは、撹拌翼４の
回転により生じる水流の効果と、撹拌翼４の山２
４が直接衣類を動かす効果の二つに大別される。上記撹拌翼４によつて発生する水流は、第２図
および第４図中の矢印に示すとおりであつて、中
心部２０の半球部１７から入つてきた水は、下降
して水平面１９に至り、そこから上昇して洗濯槽
２壁面に至り、さらに、これに沿つて上昇しつ
つ、撹拌翼４の上方部で大きな円弧水流となる。
すなわち、撹拌翼４の中心部２０から外周部２１
に至る基面に沿つて外方に拡がり、これが上昇し
ながら大きな円弧水流をえがくのが特長的であ
り、従来実用化されていたものが、第１図にみら
れるような小さな渦水流となるものとは大きな異
なりを生ずる。次に、撹拌翼４の山が直接衣類を動かす効果に
ついて述べる。基盤２３中央の半球部１７には山
を形成していないので、この部分での衣類のひつ
かかりを生じず、また、山２４の頂部２６は、撹
拌翼４の外周部２１に対し、同等ないしは若干の
高低差を設けたものであるから、ここでも直接衣
類をひつかけて回すことがない。また、山２４の頂部２６は、中心部２０から外
周部２１までのほぼ中間点近傍位置ないしはこれ
より若干外周に寄つた位置から外方へはほぼ水平
２７にしており、撹拌翼４の最も周速度の高い部
分がこのようになつていること、および回転数を
低速としていることから衣類を直接ひつかけて回
すことが少ない。さらに、山２４の頂部２６に高低差を設けてい
るため、単一的、画一的な撹拌でなくなる。このように、形状にもとづく効果を有した撹拌
翼４の外径d₁を洗濯槽２の内径d₂に対してほぼ70
〜90％と大きくとり、かつ、その回転数を約200
回転／分もしくはこれ以下におさえたことによ
り、洗濯槽２内に広くしかもゆつくりした水流を
おこし、洗濯衣類をゆつくり動かす効果を生む。本来、渦巻式洗濯機において、洗濯衣類を動か
す作用は、衣類を水流に乗せて動かす要素と、衣
類を直接撹拌翼４でひつかけて回す要素の大別二
要素によつて成り立ち、これが洗浄効果を生むの
である。そこで、この二要素のもたらす作用効果につい
て述べると、水流に乗せて動かす要素が強いと、
衣類はいたまず、また、よじれやからみが少ない
が、洗浄力は弱いものとなる。この典型的なもの
が、ポンプで加圧したジエツト水流式洗濯機であ
る。一方、衣類を直接撹拌翼４でひつかけて回す要
素が強いと、洗浄むらや衣類のいたみが大きく、
また、よじれやからみが大きくなり、反面、洗浄
効果は大きくなる。前記した二要素のバランスをとり、できるだけ
衣類のいたみをおさえ、衣類のよじれやからみを
少なくし、基本的な洗浄力を確保するのが望まし
い。本実施例においては、従来の渦巻式洗濯機に比
して、水流による洗浄効果の要素を大きくし、衣
類を直接ひつかけて撹拌する要素を減じたもので
ある。上記実施例の構成を採用したことにより、次表
に示したように、洗浄効果（洗浄度）を従来品と
同等レベルにとつた場合、洗浄むら、衣類のいた
み、衣類のよじれ、からみを軽減できたものであ
る。

【表】なお、ここにいう洗浄度は、電気洗濯機JIS−
Ｃ−9606に規定された試験方法によつて測定され
たものであり、洗浄むらは４回洗浄テストして40
枚の汚染布の洗浄度を標準偏差にもとづくもので
あり、また、衣類のいたみはガーゼ類を20回洗た
くした時の重量減（％）を示すものである。次に、第６図は、山２４形状が本実施例と若干
異なる場合の他実施例を示し、中心部２０と外周
部２１との間のほぼ中間点近傍位置ないしは若干
外方に寄つた位置３４から外方は、その頂部２６
を水平に、また、上記位置３４から内方は、下向
きとして、前記位置３４と中心部２０とのほぼ中
間点近傍で基盤２３に連設するように構成したも
ので、このものも本実施例と同様な効果を奏する
ものである。また、第６図において、上記した以
外の構成は、第４図に示したと同様であり、その
説明を略す。本実施例においては、全自動洗濯機に撹拌翼を
装設した場合について説明したが、洗濯槽と脱水
槽を併設した二槽式洗濯機の洗濯槽に装設しても
同様の効果が得られる。この場合は、通常洗濯槽
が略角型の平面形状を有しており、前述した洗濯
槽の内径d₂を角型の洗濯槽の対辺距離におきかえ
て考えればよく、これまた同様な効果を奏するも
のである。発明の効果上記実施例から明らかなように本発明によれ
ば、従来に比して、水流の影響力を高め得、衣類
を撹拌翼に直接ひつかけて回す効果を減じたもの
であつて、洗浄力を高いレベルに維持し、洗浄む
ら、衣類のいたみ、よじれ、からみを低くおさ
え、バランスのとれた洗濯性能を発揮し得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗濯機の全体構成を示す縦断面
図、第２図は実施例の一実施例における洗濯機の
全体構成を示す縦断面図、第３図はその撹拌翼を
示す平面図、第４図は第３図Ｘ−Ｏ−Ｙ線断面
図、第５図Ａ〜Ｈは第３図中Ａ〜Ｈの部位におけ
る各断面図、第６図は撹拌翼の他の実施例を示す
断面図である。２……洗濯槽、４……撹拌翼、１７……半球
部、１９……水平面、２０……中心部、２１……
外周部、２２……曲面、２３……基盤、２４……
山、２６……頂部、２７……水平部位、２８……
下降部位、２９……最低点。

Claims

【特許請求の範囲】１中央部が球面状に盛りあがり、この球面部か
ら外方に下降して水平面をなし、さらにその水平
面から外周に向い接線から出発して円弧で上昇す
る曲面をもつた基盤と、この基盤の上面に設け、
その中心から外周部に向つて高低の変化をもた
せ、かつ頂部を中間点近傍位置ないしはやや外周
に寄つた位置から外方へはほぼ水平となし、前記
中間点近傍位置ないしはやや外周寄りの位置から
中心部に向つて下降するように構成した複数個の
山とを備え、外径を洗濯槽の内径に対してほぼ70
〜90％程度に設定し、かつ、回転数がほぼ200回
転／分ないしはそれ以下に設定された洗濯機用撹
拌翼。２複数個の山を、その頂部が基盤の中心と外周
とのほぼ中間点近傍位置ないしはやや外方に寄つ
た位置から外方へはほぼ水平となし、前記中間点
近傍位置ないしはやや外方に寄つた位置から中心
に向つて下降するように構成し、かつ、前記中間
点近傍位置と中心とのほぼ中間で最低点を有し、
さらにその最低点から中心に向い上昇して、中央
部の球面部に連続し、前記球面部の上方半球部を
除き山を形成した特許請求の範囲第１項記載の洗
濯機用撹拌翼。