JPH0248253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、乗用車等の車両用座席のリフタ装置
に関する。

〈従来の技術〉 乗用車等の車両用座席、特に前部シートには、
乗員の体格や好み等に応じてシートクツシヨンを
上昇、下降させることのできるリフタ装置が設け
られるものが多い。このリフタ装置としては、従
来、種々の機構を用いた多種多様な型式のものが
開発されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 従来の車両用座席のリフタ装置には、前述のよ
うに種々の型式のものがあるが、これら従来のリ
フタ装置の多くは、シートクツシヨンの前部と後
部とを別々に上昇、下降させる構造のものである
ため、シートクツシヨン全体の上下動作が円滑に
行われない欠点があつた。また、前後を同時に上
下動させる構造としたものにおいては、構造がき
わめて複雑で高コストとなり、かつ故障を起こす
ことが多かつた。さらに、従来の装置はシートク
ツシヨンの上下位置を限定された数段階にセツト
して使用するようにしたものが大部分で、無段階
で任意の上下位置で使用し得るものはなかつた。

本考案は、以上のような従来の問題点を解消
し、簡単な機構でシートクツシヨンの前、後部を
同時に円滑に上下動させ、しかも無段階で任意の
上下位置において使用し得る車両用座席のリフタ
装置を提供しようとするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本考案においては、
両ロツド油圧シリンダを用いてクツシヨンフレー
ムの前、後側のリフタカム部を同時に上下動させ
るように構成した。

すなわち、本考案の車両用座席のリフタ装置
は、車両用座席のスライドアジヤスタのアツパレ
ール上に前後一対のブラケツトを固設し、このブ
ラケツトにそれぞれベルクランクを揺動可能に支
持するとともに、各ベルクランクの一端にシート
クツシヨンフレームのリフタカム部を支持させ、
ベルクランクの他端をそれぞれ両ロツド油圧シリ
ンダのロツド先端に連結するとともに、一端を前
記アツパレール上に揺動可能に支持されたシリン
ダ取付けロツドの他端に前記油圧シリンダ中央部
のトラニオンを支持していることを特徴とするも
のである。

〈作用〉 上記のように構成された本考案のリフタ装置に
おいては、両ロツド油圧シリンダの作動により両
ロツド先端に連結された前、後のベルクランクが
同時に同一方向に揺動し、クツシヨンフレーム、
従つてシートクツシヨンは前、後部同時に同一量
上下する。

〈実施例〉 以下、図面に示した本考案に基づき、本考案の
構成の詳細をさらに詳細に説明する。第１図及び
第２図は本考案の車両用座席のリフタ装置の一実
施例の側面図で、第１図は下降状態、第２図は上
昇状態を示したものである。

図に見られるように、図示例の車両用座席は、
図示しないフロア上に固定されたロアレール１及
びこのロアレール１上を前後に摺動し得るアツパ
レール２からなるスライドアジヤスタ３を有して
いる。アツパレール２上に、クツシヨンフレーム
４を支持する後述のリフタ装置が設けられ、クツ
シヨンフレーム４上に図示しないシートクツシヨ
ンが載置されている。アツパレール２はロアレー
ル１上を前後にスライドし、シートクツシヨンの
前後位置を任意に調整し得る。

アツパレール２の前後端部上には、ブラケツト
５ａ，５ｂが固設されており、ブラケツト５ａ，
５ｂはそれぞれベルクランク６ａ，６ｂの中央部
をピン７ａ，７ｂで支持している。ベルクランク
６ａ，６ｂのそれぞれの一端はクツシヨンフレー
ム４のリフタカム部４ａ，４ｂをピン８ａ，８ｂ
で支持しており、その他端は両ロツド油圧シリン
ダ９のピストンロツド１０ａ，１０ｂの先端部に
ピン１１ａ，１１ｂで連結されている。

両ロツド油圧シリンダ９は中央部にトラニオン
１２を有するものであり、このトラニオン１２の
ピン１２ａは、一端をアツパレール２上に固設さ
れたブラケツト５ｃ（後記第３図参照）にピン１
３で支持されたシリンダ取付けロルド１４の他端
に設けられた長孔に嵌合して支持されている。

本考案のリフタ装置は以上のように構成されて
おり、第１図の下降限の状態から両ロツド油圧シ
リンダ９を作動させピストンロツド１０ａ，１０
ｂを同時に図示左方に移動させる。すると、両ベ
ルクランク６ａ，６ｂが同時に時計廻り方向に揺
動し、ピン８ａ，８ｂを介してクツシヨンフレー
ム４のリフタカム部４ａ，４ｂを押し上げ、シー
トクツシヨンが上昇し、上昇限位置において第２
図の状態となる。

第２図の上昇限位置から下降させるには、上記
とは逆にピストンロツド１０ａ，１０ｂを右方に
移動させ、ベルクランク６ａ，６ｂを反時計方向
に揺動させればよいことはいうまでもない。第３
図は、第１図より第２図に上昇、又は第２図から
第１図に下降する途中のシリンダ及びベルクラン
クの作動状態を拡大図示したものである。この過
程で両ロツド油圧シリンダ９はベルクランク６
ａ，６ｂの円運動に伴つて上下するが、前述のよ
うにトラニオン１２のピン１２ａがシリンダ取付
けロツド１４の長孔内に支持されているので、支
障なく作動が行われる。

〈考案の効果〉 以上の説明から明らかなように、本考案のリフ
タ装置によれば、両ロツド油圧シリンダによりク
ツシヨンフレームの前、後側のリフタカムが同時
に上下作動させられるので、シートクツシヨンの
昇降動作がきわめて円滑に行われ、しかも油圧シ
リンダの制御により無段階で任意の高さにシート
クツシヨンをセツトして使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車両用座席のリフタ装置の一
実施例の下降状態の側面図、第２図は同じく上昇
状態の側面図、第３図は作動状態を示す拡大側面
図である。 １……ロアレール、２……アツパレール、３…
…スライドアジヤスタ、４……クツシヨンフレー
ム、５ａ，５ｂ，５ｃ……ブラケツト、６ａ，６
ｂ……ベルクランク、９……両ロツド油圧シリン
ダ、１０ａ，１０ｂ……ピストンロツド、１２…
…トラニオン、１３……シリンダ支持ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用座席のスライドアジヤスタのアツパレー
   ル上に前後一対のブラケツトを固設し、このブラ
   ケツトにそれぞれベルクランクを揺動可能に支持
   するとともに、各ベルクランクの一端にシートク
   ツシヨンフレームのリフタカム部を支持させ、ベ
   ルクランクの他端をそれぞれ両ロツド油圧シリン
   ダのロツド先端に連結するとともに、一端を前記
   アツパレール上に揺動可能に支持されたシリンダ
   取付けロツドの他端に前記油圧シリンダ中央部の
   トラニオンを支持していることを特徴とする車両
   用座席のリフタ装置。