JPH0246709B2 - Kagakusenishioyobisonoseizohohonarabinisonokiji - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の目的 この発明は種々の性質機能を有する鉱物、金属
その他の固形物を化学繊維糸の中にとり込みこの
化学繊維糸による生地の利用によつて固形物の性
質機能を利用せんとするものである。

(A) 従来の技術について 従来の化学繊維糸は、その原料を溶解し化学繊
維となしこれを紡績糸とするか、射出して繊維糸
となしこれを撚糸する等の手段が用いられていた
がこれらの糸の中に鉱物や金属等々の固形物粉を
混入するということなどは発想外のことであつ
た。まして固形物を繊維糸の中に一体として取り
入れその性質や機能を生地（布）の利用によつて
活用せんとする技術は現在存在しないところであ
る。

(B) 発明が解決せんとする課題 本発明は以上にかんがみ、固形物を化学繊維糸
の中に一本として取り込む技術とその繊維糸及び
固形物の性質や機能の画期的な利用方法を提供せ
んとするものである。

(2) 発明の構成作用及び効果について。

本発明は以上の目的をもつてなされたものであ
るが次にその構成について説明する。

地上に存在する鉱物（鉱石）や金属その他の生
成物体は多種多様でその性質もすべて異り、我々
はその個々の性質を医療その他各方面に利用して
いる。

例えば磁性体は磁気医療器、鉛はＸ線防止用に
という具合に利用しているが如くである。

まず本発明の第一実施例の構成を述べると、磁
性体や気泡体、吸水性体や撥水性体、健康に良好
な放射線を発している放射線体等々これらの鉱
物、金属その他の固体を粉砕して固形物粉(1)とな
し、この固形物粉(1)を接着剤又は糊料(5)の噴霧の
中を通過させ又は混入攪拌等適宜の手段で固形物
粉(1)の表面に接着剤又は糊料(5)を附着させ、この
固形物粉(1)を綿繊維（植物繊維）や化学繊維の粉
末即ち繊維粉(2)の中を通過させるとか、又は繊維
粉(2)の中に混入してこれをまぶすなどその他の手
段で固形物粉(1)に繊維粉(2)を附着させる。他方化
学繊維(3)を接着剤又は糊料(5)の噴霧の中を通すか
その他の適宜の手段でもつて化学繊維(3)の周面に
接着剤又は糊料(5)を附着させ、この化学繊維(3)に
前記固形物粉(1)を噴霧するか、固形物粉(1)を浮遊
せしめてその中を化学繊維(3)を通すか、或は化学
繊維(3)に、繊維粉を附着させた固形物粉(2)をまぶ
す等々適宜の手段を用いて化学繊維の周面に固形
物粉(1)を附着せしめる。

然るときは化学繊維(3)に固形物粉(1)が附着した
繊維（3′）が生成される。

この繊維（3′）を紡績糸(4)或は撚糸(4)となし、
更にこの繊維糸(4)を所定の温度でもつて加熱する
と除々に溶融化しその過程で固形物粉(1)及び繊維
粉(2)は化学繊維の中のその一部或は全部が取り込
まれ一体化する。なお繊維粉(2)が化学繊維粉であ
る場合は繊維粉(2)自体は化学繊維(3)と一体化（同
質化）する。又繊維粉(2)が植物繊維粉(2)であれば
同質化はしないが化学繊維(3)の中に取り込まれ一
体化する。勿論固形物粉(1)も同様である。所定の
温度で所定の時間加熱し固形物粉を適宜化学繊維
糸(4)の中に取り込み一体化が進んだならば加熱を
止め冷却する。然るときは化学繊維の中に固形物
粉(1)の全体又は一部を一体的に取り込んだ化学繊
維糸(4)が生成される。この化学繊維糸(4)は繊維粉
(2)が植物繊維粉であるときは生成された化学繊維
糸(4)の体中で互に絡みあうし、繊維粉(2)それ自体
が化学繊維糸(4)それ自体の強化材料となり、化学
繊維糸(4)を強靭にする作用と効果を有する。

次に本発明の第二実施例について説明する。前
記第一実施例同様の手段によつて固形物粉(1)に綿
繊維等の植物繊維粉(2)を附着させ、これを化学繊
維粉(2)を附着させ、これを化学繊維原料の溶解液
に混合射出すれば化学繊維体内に固形物粉(1)と植
物繊維粉(2)とを完全に取り込んだ化学繊維糸
（4′）が生成される。

この化学繊維糸（4′）は、植物繊維粉(2)が化学
繊維糸（4′）の柔軟性、強靭性を強化し、固形物
粉(1)が磁性体であれば化学繊維糸（4′）が磁波を
発生し、気泡体（軽石等）であれば空気を含有
し、鉛粉であれば鉛粉をまんべんなく含有する化
学繊維糸（4′）となる。

以上のように本発明の化学繊維糸（4′）は固形
物(1)の種類や性質によつて化学繊維糸（4′）の性
質や機能が異つてくるから当該繊維糸（4′）を使
用してそれぞれ異つた用途の生地を織成又は編成
する。織成又は編成した生地においても固形物粉
(1)の種類をとわず柔軟性、耐衝撃性、屈曲性に富
み強靭な生地となり、固形物粉(1)の性質或は機能
を利用した布製品として利用することができる。
一例を次にあげれば固形物粉をイオン石粉や磁気
粉とした場合の生地を使用しては、その治療効果
を利用して治療用衣服その他の布製品に利用可能
であり、軽石等気泡粉を固形物粉(1)として使用し
た生地の場合は浮力と軽量を利用し、防水加工を
して海難事等の救命衣服（料）として使用でき、
又鉛粉を固形物粉(1)として使用した本発明生地は
放射線防護服にも利用可能である。

以上のように本発明は鉱物、金属その他の固形
物の性質を何らかの目的に利用しようとする際、
これを粉末化して繊維の中にとり込み、生地に加
工してその生地を利用することによつて目的を達
することができるという大きな利点を有するもの
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維粉(2)を附着させてなる固形物粉(1)の一部
   又は全体を糸自体内に取り込んでなることを特徴
   とする化学繊維糸。 ２ 繊維粉(2)を附着させてなる固形物粉(1)を更に
   化学繊維(3)に附着させ、当該化学繊維（3′）をも
   つて製したる化学繊維糸を所定の温度で溶融化し
   更に冷却してなることを特徴とする前記請求項１
   記載の化学繊維糸。 ３ 植物繊維粉(2)を附着させてなる固形物粉(1)を
   化学繊維原料溶解液と混合射出してなることを特
   徴とする前記請求項１記載の化学繊維糸。 ４ 前記請求項１記載の化学繊維糸をもつて織成
   また編成してなる生地。