JPH0245734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、家庭用クーラ、カークーラなどに
使用される凝縮器に関し、特にその冷媒通路の路
内面に関する。

［従来技術および考案の課題］ この種の凝縮器は、複数の冷媒通路を有する蛇
行状偏平管の各直管部間にコルゲート・フインが
介装され、強制送風により冷媒通路と直交状に風
が流れるように構成されている。従来の凝縮器に
おいては、冷媒通路は、その入口から出口までの
全通路を横断面方形等の同一断面形状になされ、
路内表面積を全通路にわたつて均一なものとした
のであつた。そして冷媒は過熱ガス状で冷媒通路
の一端から入り、通路の冷媒入口付近から凝縮し
初めて通路の前流部分で徐々に湿り度を増し、つ
いで冷媒はガス・液混合状態で通路の後流部分に
入り、さらに凝縮が進んで液状部分の割合が増
し、後流部分の出口付近で凝縮を完了し、凝縮冷
媒は過冷却状態で出口から流出する。ところで、
冷媒の熱交換係数は、液状の場合よりもガス状の
場合の方が小さい。そこで冷媒通路においてガス
状冷媒の割合が後流部分のそれよりも比較的大き
い前流部分の路内表面積を、同通路の後流部分の
それより大きくして、ガス状冷媒と空気との熱交
換効率を向上させ、冷媒入口から後流部分までの
距離を短縮して、凝縮器の小型化を果すことが考
えられる。

この考案の目的は、ガス状冷媒と空気との熱交
換を効率よくなし得て、凝縮性能を向上すること
ができる上に、小型化を果すことのできる凝縮器
を提供することにある。

［課題の解決手段］ この考案による凝縮器は、複数の冷媒通路を有
する蛇行状偏平管の各直管部内にコルゲート・フ
インが介装されている凝縮器において、偏平管は
並列状に設けられた複数の冷媒通路を内部に有す
るアルミニウム押出型材から蛇行状に形成された
ものであり、また偏平管は前流管とこれに連結部
材で接続された後流管とからなり、前流管と後流
管は同形の横断面外周形状を有し、前流管の冷媒
通路の路内表面積は後流管の冷媒通路の路内表面
積より大きくなされていることを特徴とするもの
である。

前流管の冷媒通路は後流管の冷媒通路より大き
な路内表面積を有するものであれば、どのような
形状をなしていてもよく、たとえば横断面鋸歯状
ないし波形等の凹凸面となされてもよく、イン
ナ・フインを有していてもよい。

また、偏平管を構成する前流管および後流管は
１本でも複数本でもよい。

［考案の効果］ この考案によれば、前流管の冷媒通路の路内表
面積は後流管の冷媒通路の路内表面積より大きく
なされているので、ガス状冷媒の割合が後流部分
のそれよりも比較的大きい前流部分において、ガ
ス状冷媒と空気との熱交換を効率よくなし得て、
凝縮器の熱交換性能を向上することができる上
に、冷媒入口から後流部分までの距離を短縮し
て、凝縮器の小型化を果すことができる。

また、前流管と後流管を接続する連結部材によ
つて冷媒が撹拌されるので、熱交換効率を向上さ
せることができる。

さらに、前流管と後流管は同形の横断面外周形
状を有するので、蛇行状偏平管の各直管部間の距
離を何処においても一定に設定することができ、
その結果直管部間にコルゲート・フインを取り付
ける作業を容易に行なうことができる。加えて、
連結部材による前流管と後流管の接続作業も容易
に行なうことができる。

［実施例］ 以下、この考案の実施例について図面により具体
的に説明する。

第１図から第３図までにおいて、凝縮器は、複
数の冷媒通路１を有する蛇行状偏平管２の各直管
部２ａ間にコルゲート・フイン３が介装されたも
のである。偏平管２の上下両端には、冷媒通路１
に連通する冷媒供給ヘツダ４および冷媒排出ヘツ
ダ５がそれぞれ接続されている。そして冷媒は、
供給ヘツダ４から冷媒通路１にガス状で流入し、
強制送風により冷媒通路１と直交状に流される風
と熱交換して、出口に達するまでの間に凝縮され
るようになされている。

偏平管２はアルミニウム押出型材から形成した
ものであつて、その内部に多数の冷媒通路１が並
列状に設けられている。そしてこれは、上側の前
流管７と下側の後流管とからなり、これらの管
７，９は同形の横断面外周形状を有し、連結部材
１０を介して接続されている。前流管７における
冷媒通路１の路内面６は、第２図に示すように、
横断面鋸歯状の凹凸面となされ、また後流管にお
ける冷媒通路１の路内面８は、第３図に示すよう
に、横断面矩形（ただし幅方向の両端部は横断面
円弧状）に形成されている。したがつてガス状冷
媒の割合が比較的大きい前流管７の冷媒通路の路
内面６の表面積は、後流管９の冷媒通路の路内面
８のそれよりも大きくなされている。

コルゲート・フイン３はアルミニウム薄板製
で、偏平管２にろう接せられており、かつ多数の
ルーバを備えている。コルゲート・フイン３付き
の偏平管２は左右両側板１１，１２および上下端
板１３，１４によつて囲われている。

第４図は凝縮器の変形例を示すもので、この例
では偏平管４１は上側の１本の前流管４２と、下
側の２本の後流管４３，４４とからなり、これら
が連結部材４５を介して連結されている。そして
前流管４２の上端は冷媒供給ヘツダ４６に接続さ
れ、２本の後流管４３，４４の各下端は冷媒排出
ヘツダ４７に接続されている。

この変形例の場合も、前流管の冷媒通路の路内
面は横断面鋸歯状の凹凸面となされ、また後流管
の冷媒通路の路内面は横断面矩形（ただし幅方向
の両端部は横断面円弧状）に形成されている。し
たがつてガス状冷媒の割合が比較的大きい前流管
の冷媒通路の路内面の表面積は、後流管の冷媒通
路の路内面のそれよりも大きくなされている。

なお、第４図における他の符号は、第１図にお
ける同符号の部材と同じものを示す。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す凝縮器の正面
図、第２図は第１図上の−線に沿う拡大断面
図、第３図は第１図上の−線に沿う拡大断面
図、第４図は凝縮器の変形例を示す正面図であ
る。 １……冷媒通路、２，４１……偏平管、３……
コルゲート・フイン、６，８……路内面、７，４
２……前流管、９，４３，４４……後流管、１
０，４５……連結部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の冷媒通路を有する蛇行状偏平管の各直管
   部間にコルゲート・フインが介装されている凝縮
   器において、偏平管は並列状に設けられた複数の
   冷媒通路を内部に有するアルミニウム押出型材か
   ら蛇行状に形成されたものであり、また偏平管は
   前流管とこれに連結部材で接続された後流管とか
   らなり、前流管と後流管は同形の横断面外周形状
   を有し、前流管の冷媒通路の路内表面積は後流管
   の冷媒通路の路内表面積より大きくなされている
   ことを特徴とする凝縮器。