JPH0245134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、空気調和機等の被包装物を包装する
ための包装装置に係り、特に、矩形状に成形され
た包装装置の角部に設ける補強部材の取付及び移
動防止を、別部品を用いることなく簡単かつ堅固
に行なうことができる包装装置に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 一般に、空気調和機等を組立工場などから運搬
する場合、段ボール等の包装部材を矩形状に組み
立てた包装装置によりこの空気調和機を梱包する
ようになされている。

ところで、荷役運搬途中にて誤つてこれを落と
したりする場合があることから、この衝撃力から
包装装置の変形及び被包装物たる空気調和機の破
損を防止するために、特に集中荷重の加わること
になる包装装置の角部には例えば金属製の補強部
材が設けられている。

ここで、第１図及び第２図に基づいて従来の包
装装置を説明すると、図示する如くこの包装装置
は段ボール等の包装部材１を矩形状に組み立てて
構成され、その内側底部の角部２にこれに密接さ
せて中空角錐状の補強部材３を設けて、そして、
この補強部材３の下面４の上側から平板状の下部
クツシヨン５を挿入してこの補強部材３の移動を
規制していた。

しかしながら、従来の包装装置にあつては、補
強部材３の移動を規制するために別部品である下
部クツシヨン５を必要とするため製造コストがか
かるばかりでなく、作業能率の低下を招いてい
た。

［考案の目的］ 本考案は、以上のごとき問題点に着目し、これ
を有効に解決すべく創案されたものである。

本考案の目的は、矩形状包装装置の内側角部に
設ける補強部材の取付及び移動防止を別部品を用
いることなく簡単且つ堅固に行なうことができ、
しかも、組立て作業能率を向上させることができ
る包装装置を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は、空気調和機等の被包装物を包装する
ために、段ボール等の包装部材を箱状に組み立て
形成すると共に、上記包装部材の底部と側部とか
らなる角部に補強部材を配設した包装装置におい
て、上記包装部材の下端部に内方へほぼ直角に折
り返されて底部を形成する底部フラツプを設ける
と共に、この底部フラツプの端部に折り返し自在
に係止フラツプを設け、この係止フラツプと上記
底部フラツプとの間で上記補強部材を挾持するよ
うにし、もつて上記目的を達成するものである。

［考案の実施例］ 以下に、本考案の好適一実施例を添付図面に基
づいて詳述する。

まず、第３図は本考案に係る包装装置の角部を
示す斜視図、第４図は包装装置の一部展開図であ
る。

図示する如く、この包装装置は、空気調和機等
（図示せず）のほぼ矩形状の被包装物を包装する
ためのものであり、全体が例えば段ボール等の包
装部材１により構成されており、これを折り曲げ
て組立てることにより外装箱を成型し得るように
なつている。従つて、第４図展開図に示す如く外
装箱の側部６に相当する部分は横長の矩形状に成
型され、その途中には折り曲げ線７が上下方向に
形成されている。図示例にあつては、側部６を２
面のみ記載し、他は同様なので省略してある。

また、側部６には、この包装部材１を貫通して
２個の貫通孔８が形成されており、これが把手部
９を構成している。この側部６の一側には上下方
向に沿つてのり代部１０が折り曲げ自在に設けら
れている。

また、この側部６の上方にはすなわち包装部材
１の上端部には折り曲げ線１１を介して矩形状の
上蓋フラツプ１２が、側部６に成型した折り曲げ
線７に対応する部分で分離されてそれぞれ設けら
れている。

また、同様に側部６の下方にはすなわち包装部
材１の下端部には折り曲げ線１３を介して矩形状
の底部フラツプ１４が形成されており、組み立て
時に内方へほぼ直角に折り返し自在とされてい
る。この底部フラツプ１４は側部６に形成した折
り曲げ線７に対応する部分でそれぞれ左右に分離
されて、一方（図示例にあつては右側）が底部内
側フラツプ１４ａを構成し、他方（図示例にあつ
ては左側）が底部外側フラツプ１４ｂを構成し、
組み立て時に第３図に示す如く底部外側フラツプ
１４ｂが下部に位置する如くこれらを折り曲げ
る。尚、上記底部外側フラツプ１４ｂと底部内側
フラツプ１４ａをそれぞれ逆に設けてもよいのは
勿論である。そして、これら両底部フラツプ１４
の端部には、その長手方向に沿つて折り曲げ線１
５を介して矩形状の係止フラツプ１６，１６が折
り返し自在に設けられている。この係止フラツプ
１６は図示する如く、組み立て時に外装箱の角部
２に密接される中空三角錐状の金属製補強部材３
を係止するためのものである。

次に本考案の作用について述べる。

まず、包装部材１の側部６に上下方向に沿つて
設けた折り曲げ線７を介してそれぞれの側部６，
６をほぼ直角に折り曲げて、その端部をのり代部
１０でもつて接合し、上下が開放された外装箱を
構成する。そして、包装部材１の下端部に設けた
底部内側フラツプ１４ａをまず内方へほぼ直角に
折り曲げて、ついで底部外側フラツプ１４ｂも同
様に内方へほぼ直角に折り曲げて、これら両フラ
ツプを外装箱の角部２で上下に重ね合わせる。

そして、この角部２に中空三角錐状の補強部材
３をその頂点を押し付ける如く密接させて設置
し、上記底部内側フラツプ１４ａの端部に設けた
係止フラツプ１６を上記補強部材３側に向けて
180度折り返して補強部材３の下面４上から係止
する。これにより、補強部材３は係止フラツプ１
６の頂部１７により外装箱の角部２へ押し付けら
れた状態となり、この移動を確実に規制すること
ができる。そして、このように組み立てられた外
装箱内に被包装物が収容されることになる。

図示例にあつては、１の角部しか記載してない
が、他の角部にも同様に補強部材３が取付けられ
ることは勿論である。

また、図示例にあつては、係止フラツプ１６の
全体を折り曲げているが、これに限定されず、例
えばこのフラツプの頂部１７より適宜離間した部
分に切断加工線を設け、フラツプの端部のみを折
り返すようにしてもよい。

このように、係止フラツプ１６を折り返すこと
により外装箱の底部は段ボールの３枚重ねとな
り、下部クツシヨン効果を生ずる。

更には、補強部材を固定するために従来例にお
いて必要とされた下部クツシヨンが不要となり、
別部品を使用しないので作業能率が向上するばか
りでなく、材料費を削減することができる。

次に、上記実施例に関連した技術として包装装
置に用いられる緩衝部材について説明する。

この緩衝部材は、荷役運搬途中にて落とした場
合、衝撃力で空気調和機などの前面プラスチツク
パネル等が破損することを防止するためのもので
ある。

［考案の効果］ 以上要するに、本考案によれば次のような優れ
た効果を発揮することができる。

(1) 包装部材の一部を折り返すだけで補強部材を
固定することができるので、従来必要とされた
別部品を不要にすることができ、従つて作業効
率を向上させることができる。

(2) 別部品が不要になることにより、材料費を大
幅に削減することができる。

(3) 構造が簡単なので製造が容易で且つ安価に提
供することができる。

(4) 係止フラツプを折り返すことにより外装箱の
底部は段ボールの３枚重となり、段ボールだけ
で下部クツシヨン効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の包装装置の角部を示す斜視図、
第２図は従来の包装装置の一部展開図、第３図は
本考案に係る包装装置の角部を示す斜視図、第４
図は本考案の包装装置の一部展開図である。 尚、図中１は包装部材、２は角部、３は補強部
材、１４は底部フラツプ、１４ａは底部内側フラ
ツプ、１４ｂは底部外側フラツプ、１６は係止フ
ラツプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気調和機等の被包装物を包装するために、段
   ボール等の包装部材を箱状に組み立て形成すると
   共に、上記包装部材の底部と側部とからなる角部
   に補強部材を配設した包装装置において、上記包
   装部材の下端部に内方へほぼ直角に折り返されて
   底部を形成する底部フラツプを設けると共に、こ
   の底部フラツプの端部に折り返し自在に係止フラ
   ツプを設け、この係止フラツプと上記底部フラツ
   プとの間で上記補強部材を挾持するようにしたこ
   とを特徴とする包装装置。