JPH0243951Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は簡易組立家屋の改良に関するものであ
る。一般に簡易組立家屋においては、屋根板の側
端部と上部壁面板との接合部に雨水等の侵入を防
止すると共に、外観を美しくするため化粧板が取
付けられている。ところが従来実用化されている
ものは、いずれも構造が複雑で組立てにくく、し
かも組立接合面を伝つて屋内に雨水等が侵入し、
内装材や収納物が傷む恐れのあるものが多かつ
た。

本考案は、上記従来の欠点に鑑みなされたもの
で、屋根板と上部壁面板、連結板及び化粧板の形
状、及びそれらの取付構造を工夫することによつ
て、組立連合面を伝つて屋内に雨水等が侵入しな
いようにし、構造が簡単で組立がきわめて容易で
あると共に、外観的にも美しく、実用性の高い簡
易組立家屋を提供せんとするものである。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。

図において１は隅柱、２は中柱で、隅柱１と中
柱２、及び中柱２−２間には側面パネル３が挟持
されている。４は天井板で、側面パネル３と天井
板４との接合部の内側隅部には隅当材５が当接さ
れており、隅当材５は止ネジを介して各中柱２，
２に固定されている。７は波状に形成された屋根
板で、その端縁は上向に逆Ｌ字状に折返されて折
返し片８が形成されている。９は屋根板７の端部
を受ける上面１０と、天井板４と側面パネル３の
接合部の端面に当接される段差部１１が形成され
た底面１２とを有する上部壁面板で、上面１０の
端縁１０−ａは上向に折曲げられており、端面板
９の下端９−ａは側面パネル３の上端外側縁を覆
うように垂下されている。１３は屋根板７と端面
板９の接合部の外側面に沿つて当接される連結板
で、その上端部は外向に水平に折曲げられて水平
折曲げ片１４が形成されている。

また、連結板１３の下端部１５は止ネジ１６を
介して端面板９にネジ止め固定されている。１７
は外観的に美しいデザインに成形された化粧板
で、その上面１８は屋根板７に形成された逆Ｌ字
状の折返し片８上に載置されており、上面１８の
端縁１８−ａは下向に折曲げられている。また、
化粧板１７の上面１８は止ネジ１９を介して連結
板１３の水平折曲げ片１４にネジ止め固定されて
いる。そして、化粧板１７と端面板９との間には
空所２０が形成されており、化粧板１７の底面２
１の端縁と端面板９との間には隙間２２が形成さ
れている。なお、２３は屋根受材で、その端部は
端面板９の上面１０と底面１２との間に介在され
ている。

上記構成よりなる本考案の簡易組立家屋を組立
てるには、隅当材５により固定された天井板４と
側面パネル３の接合部の端面に端面板９の段差部
１１を当接し、端面板９の上面１０と底面１２と
の間に屋根受材２３の端部を挟持する。次に屋根
板７の端部を端面板９の上面１０で受けて、屋根
板７と端面板９の接合部の外側面に連結板１３を
当接し、止ネジ１６により固定する。そして最後
に化粧板１７の上面１８を屋根板７の逆Ｌ字状の
折返し片８上に載置して、止ネジ１９により化粧
板１７の上面１８を連結板１３の水平折曲げ片１
４に固定すればよい。

上記のようにして組立てられた本考案の簡易組
立家屋においては、屋根板７の端縁が上向に逆Ｌ
字状に折返されていると共に、その逆Ｌ字状の折
返し片８上には化粧板１７の上面１８が載置され
ているので、屋根板７の端部に矢印で示すように
雨水が吹込んでも雨水は逆Ｌ字状の折返し片８に
よつて止水され、折返し片８と化粧板１７の上面
１８との接合面で封水されることになる。仮に、
折返し片８と化粧板１７の上面１８との接合面よ
り雨水が侵入しても侵入した雨水の多くは化粧板
１７の内面を伝つて流下し、化粧板１７の底面２
１の端面と端面板９との間に形成された隙間２２
より滴下されるので、簡易組立家屋の内部に雨水
が侵入することはない。また、折返し片８と化粧
板１７の上面１８との接合面より侵入した雨水の
一部が屋根板７の外側面と連結板１３との接合面
に侵入することも考えられるが、侵入した雨水は
端面板９と連結板１３との接合面を伝つて流下
し、隙間２２より滴下されることになる。さら
に、屋根板７の外側面と連結板１３との接合面に
侵入した雨水の一部が端面板９の上面１０と屋根
板７との接合面に侵入することも考えられるが、
上面１０の端縁１０−ａは上向に折曲げられてい
るので、侵入した雨水は端縁１０−ａによつて完
全に止水されることになり、簡易組立家屋の内部
に雨水が侵入するのを完全に阻止することができ
る。

なお、屋根板７や端面板９、連結板１３、及び
化粧板１７等の断面形状は図示の実施例に限定さ
れるものではなく、組立てられる簡易組立家屋の
種類や大きさ、デザイン等に応じて適宜設計変更
し得ることはいうまでもない。

以上、具体的に説明したように、本考案の簡易
組立家屋は、端縁が上向に逆Ｌ字状に折返された
屋根板と、上向に折曲げられた端縁を有する上面
で屋根板の端部を受け、底面に天井板と側面パネ
ルの接合部の端面に当接される段差部が形成され
た上部壁面板と、屋根板と上部壁面板の接合部の
外側面に沿つて当接され、上端部が外向に水平に
折曲げられると共に、下端部が端面板にネジ止め
固定された連結板と、上面が屋根板の逆Ｌ字状の
折返し片上に載置されて連結板の水平折曲げ片に
ネジ止め固定されると共に、底面の端縁と上部壁
面板との間に隙間が形成された化粧板とを有して
いるので、屋根板の端部に雨水が吹込んでも逆Ｌ
字状の折返し片によつて止水され、折返し片と化
粧板の上面との接合面で封水することができ、仮
にその接合面より雨水が侵入しても化粧板の内面
及び上部壁板の外側面に沿つて流下し、化粧板の
底面の端縁と端面板との間の隙間から滴下され、
上部壁面板の上面と屋根板との接合面に侵入した
雨水は上部壁面板の上面の上向に折曲げられた端
縁で完全に止水されるから、簡易組立家屋内に雨
水が侵入するのを完全に阻止することができ、内
装材や収納物が雨水で傷む恐れはない。また、連
結板は止ネジにより上部壁面板に、又化粧板は止
ネジにより連結板の水平折曲げ片にネジ止め固定
するだけでよいから構造が簡単で、組立もきわめ
て容易である。さらに、上部壁面板は底面の段差
部を介して天井板と側面パネルの接合部の端面に
当接されるので、組立時の位置合わせが容易であ
ると共に、安定した組立構造となる等、多くの利
点を有し、外観的にも美しく、実用性の高い簡易
組立家屋を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す簡易組立家屋
の側面図で、第２図は第１図における矢視Ａ−Ａ
線に沿つて切断した部分拡大断面図である。 ３……側面パネル、４……天井板、７……屋根
板、８……逆Ｌ字状の折返し片、９……上部壁面
板、１１……段差部、１３……連結板、１４……
水平折曲げ片、１７……化粧板、２２……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端縁が上向に逆Ｌ字状に折返された屋根板と、
   上向に折曲げられた端縁を有する上面で屋根板の
   端部を受け、底面に天井板と側面パネルの接合部
   の端面に当接される段差部が形成された上部壁面
   板と、屋根板と上部壁面板の接合部の外側面に沿
   つて当接され、上端部が外向に水平に折曲げられ
   ると共に、下端部が上部壁面板にネジ止め固定さ
   れた連結板と、上面が屋根板の逆Ｌ字状の折返し
   片上に載置されて連結板の水平折曲げ片にネジ止
   め固定されると共に、底面の端縁と上部壁面板と
   の間に隙間が形成された化粧板とを有することを
   特徴とする簡易組立家屋。