JPH0243016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、空気調和機において、保安上の見地か
ら送風用のプロペラフアンを囲むように設けられ
るフアンガードに関し、住宅用空気調和機、業務
用空気調和機、小型冷蔵冷凍ユニツト等に利用さ
れる。

従来の技術 第４〜６図において、１は空気調和機の外郭を
構成するキヤビネツトであり、この内部に熱交換
器３、送風用電動機４、プロペラフアン５が収め
られている。また、キヤビネツト１の背面には空
気吸込みグリル２が具備され、一方キヤビネツト
の前面には回転するプロペラフアン５から人を保
護するための保安用のフアンガード７が取付けら
れている。なお、キヤビネツト１の下面には、空
気調和機を支えるための脚１０が具備されてい
る。

しかして、プロペラフアン５が送風用電動機４
より動力を得て回転することにより、外気が空気
吸込みグリル２よりキヤビネツト１の内部へ吸込
まれ、熱交換器３を経てフアンガード７から外部
へ吐出されるという空気の流れが生じる。このよ
うにして、空気調和機の送風が行なわれる。

また、プロペラフアン５はその羽根の後流側の
径が拡径となるように形成されており、この羽根
の拡径部１３の外縁には一定間隔（寸法Ｃで表
示）を保つて囲むように形成されたベルマウス６
が配設されている。このような構造にすることに
より、プロペラフアン５の前流まではフアンの軸
に対して平行流であつた空気の流れが、このプロ
ペラフアン５により、フアンの軸に対して斜め外
側へ流れるように方向が変り、そしてフアンガー
ド７より外部へ吐出される。

フアンガード７は、フアン軸方向の断面形状が
円の形をしたリング状の枠８が同心円上に多数配
置されていることにより構成されている。そし
て、これらのリング状枠８のフアン軸方向の配置
は、フアンガード７の最外周部においては、キヤ
ビネツト１の前面より少しの距離があいていて、
ここからフアンガード７の中心部に向うに従つ
て、その距離は除々に増すように配置されてい
る。これにより、フアンガードの開口部は斜めに
配置されることになり、この傾きは、プロペラフ
アン５から斜め外側へ吐出される空気の流れに対
して概ね直交するように決められる。

すなわち、このような枠傾き配置とすることに
より、空気の流れ方向における枠間の隙間寸法
（開口面積）Ｂを最大にし、（例えば、第７図に示
す如き枠垂直配置の場合におけるＫよりも、同一
の枠ピツチ寸法Ａであつても、大きく、Ｂ＞Ｋと
なる）、空気低抗を最小にしている。

また、その斜めに傾いたフアンガード開口部Ｘ
の範囲は、プロペラフアン５から吐出される空気
の大半が流れるようにこの斜めの開口部分は大き
くとつてあり、そして残りの中心開口部Ｙにおい
てはフアンガード７の斜めの部分Ｘのキヤビネツ
ト１から最も離れた位置で、フアン軸に対して直
交するようにリング状枠８が配置されている。そ
して、これらのリング状の枠８は、第４図に示す
ように、放射状に延びて配置されている骨材１２
によつて連結され、これらの放射状骨材１２は、
中央部で、円すい台の形状をした遮風板９に連結
されている。

考案が解決しようとする問題点 従来の空気調和機においては、前述した如く、
フアンガード７を構成する多数のリング状枠８
を、プロペラフアン５から斜め外側へ吐出される
空気の流れに対して最も空気抵抗が小さくなるよ
うにするため、空気の流れに対して開口部が概ね
直交するように斜めに配置し、この斜めの部分Ｘ
ができるだけ多くなるように構成されている。し
たがつて、その結果として、騒音、風量などの性
能面ではたいへん有効ではあるが、空気の流れ方
向をフアン軸に対して斜め外側へ傾くようにして
いるために、この空気の流れ方向に対して概ね直
交するようにできるだけ多くとられるフアンガー
ド７の開口部Ｘもフアン軸に対して傾くことにな
るため、フアンガード７のフアンの軸方向の寸
法、すなわちキヤビネツト１の前面からフアンガ
ード７の先端までの距離（寸法Ｈで表示）が大き
くなるため、フアンガードが大きく出つ張つた形
となつていて、その分、空気調和機の全体として
の奥行寸法が増してしまい、空気調和機の薄形化
を阻害する一因となつていた。

そこで、本考案は、空気調和機において、その
フアンガードによる騒音・風量などの性能面への
影響を悪化させないで、フアンガードのフアン軸
方向の奥行寸法を小さくするようにしたものであ
る。

問題点を解決するための手段 本考案は、空気調和機におけるフアンガードを
構成する枠において、フアン軸方向に対して直交
する部分の枠についてそのフアン軸方向の断面形
状を２辺がフアン軸方向に対して平行で残りの２
辺がプロペラフアンより斜め外側へ吐出される空
気の流れ方向に対して概ね平行となる平行四辺形
としたものである。

実施例 以下第１〜３図を参照して本考案の一実施例に
ついて詳述する。第１〜３図において、第４〜６
図に示したものと同一の部分には同一の参照符号
を付してその詳細な説明は省略する。

しかして、本実施例によれば、フアンガード１
１が従来例のものと異なつており、このフアンガ
ードはキヤビネツト１の前面に取付けられ、同心
円上に断面形状の異る２種類のリング状枠８及び
１４が多数配置されることにより構成されてい
る。

これらのリング状枠８，１４は放射状に延びて
配置されている骨材１２により連結され、これら
の放射状骨材１２は中央部で円すい台の形状をし
た遮風板９に連結されている。

しかして、フアンガード１１を構成するリング
状枠のフアン軸方向の配置に関し、フアンガード
１１の最外周部においては、キヤビネツト１の前
面より少しの距離があいており、ここからフアン
ガードの中心部へ向うに従つて、その距離は除々
に増すように配置される。これにより、フアンガ
ードの開口部は斜めに配置されることになり、こ
の傾きはプロペラフアン５から斜め外側へ吐出さ
れる空気の流れ方向に対して概ね直交（直交方向
に対して30゜以内）するように決められる。そし
て、その斜めに傾いた開口部Ｘの範囲は、従来例
のものより小さくとるようにし、この斜めに傾い
たフアンガード開口部はフアン軸方向の断面形状
が円の形をしたリング状の枠８により構成されて
いる。

一方、残りの内側部分Ｙの枠の配置は、フアン
ガード１１の斜めの開口部Ｘのキヤビネツト１か
ら最も離れた位置で、フアン軸に対して直交する
ようにリング状枠が配置され、この部分のフアン
ガード開口部Ｙはフアン軸方向の断面形状が２辺
がフアン軸方向に対して平行となり、残りの２辺
がプロペラフアン５から吐出される斜め外側の空
気の流れ方向に対して概ね平行（平行方向に対し
て30゜以内）となるような平行四辺形をした枠１
４により構成されている。

次に、その作用について説明する。

空気調和機におけるフアンガードのリング状の
枠と枠との間の隙間は、回転するプロペラフアン
５から人を保護するために法規上その寸法が決め
られてしまうため、この間隔は一定の値以下にす
る必要がある。第２及び６図には、この枠と枠と
のピツチ寸法をＡで表示し、またこれら枠間の隙
間寸法をＢで表示している。

また、プロペラフアン５からフアン軸に対して
斜め外側へ吐出される空気の流れに対して空気低
抗が最も小さくなるようにするためには、フアン
ガードの開口部をこの空気の流れ方向に対して直
交する程良くなることは、前述の通りである。こ
こで、フアンガードのフアン軸方向の寸法を小さ
くするためには、すなわちフアンガードのフアン
軸方向の寸法（奥行き）を第５図に示したＨより
も小さくして第１図に示すＧ（Ｈ＞Ｇ）にするた
めには、フアンガード１１の斜め開口部Ｘを短か
くし、その分、フアン軸に対して直交する部分の
開口部Ｙを増す必要がある。しかし、このフアン
軸に対して直交する部分のフアンガード開口部Ｙ
は空気の流れ方向に対して直交しない部分である
ことから、この部分Ｙの増大に伴い空気抵抗も増
大してしまう問題が生じてしまう。そこで、本考
案は、このフアンガードの枠の配置が空気の流れ
方向に対して直交しない部分Ｙにおける枠の断面
形状を改良することにより空気抵抗を最小にし、
この改良を行うことによつてフアンガードのフア
ン軸方向の寸法（奥行き）を小さくすることを可
能とし、これに伴う風量、騒音等の性能低下は最
小限におさえるようにしたものである。すなわ
ち、前述したフアン軸に対して直行する部分のフ
アンガード開口部Ｙに、フアン軸方向の断面が円
の形をしたリング状枠８を配置した場合は（第３
図に破線にて示す）、リング状枠のピツチＡ寸法
して、プロペラフアン５から斜め外側へ吐出され
る空気の流れに対する隙間はＫ寸法にて示され
る。これに対して、フアン軸方向の断面が、２辺
はフアン軸方向に平行であり、残りの２辺がプロ
ペラフアン５から吐出される斜め外側の空気の流
れ方向に対して概ね平行（平行方向に対して30゜
以内）となるような平行四辺形の枠とした場合に
は、Ｊ寸法にて表わされる。そして、各寸法の関
係は、Ｂ＞Ｊ＞Ｋとなる。

このように、フアン軸に対して直交する部分の
フアンガード開口部においては、リング状枠のフ
アン軸方向の断面形状を前述の平行四辺形にする
ことにより、定められた枠のピツチ寸法Ａの元に
おいて空気の流れる方向の隙間寸法を最も大きく
とることができるため、ここを通る空気の抵抗を
小さく押えることができる。

考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば、従来例
に対してフアンガードのフアン軸方向の寸法（第
１図に寸法Ｇで表示）を小さくしてもそれによる
空気抵抗の増加を最小限に押えることができるた
め、風量、騒音等の性能を犠性にすること無く、
フアンガードの奥行寸法が薄くなつた分だけ空気
調和機全体としての奥行寸法を薄形化することが
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による空気調和機の内部構造の
一例を示す側断面図、第２図は第１図の部拡大
詳細図、第３図は第２図の部拡大詳細図、第４
図は従来の空気調和機の正面図、第５図はその内
部構造を示す側断面図、及び第６図は第５図の
部拡大詳細図、第７図はフアンガードの枠をフア
ン軸に対して直交するように配置した場合におけ
る枠間の隙間寸法を示す図である。 １……キヤビネツト、２……空気吸込みグリ
ル、３……熱交換器、５……プロペラフアン、６
……ベルマウス、８……枠、９……遮風板、１１
……フアンガード、１２……骨材、１４……枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フアン軸中心に対して斜め外側へ空気を吐出す
   る送風装置を備えると共に、同送風装置から吐出
   される空気の後流側にフアンガードを設置した空
   気調和機において、前記フアンガードを構成する
   枠のフアン軸方向の断面形状を２辺がフアン軸方
   向に対して平行で残りの２辺が前記送風装置より
   斜め外側へ吐出される空気の流れ方向に対して略
   平行となる平行四辺形としたことを特徴とする空
   気調和機のフアンガード。