JPH024100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はカラー・ブラウン管の螢光面の露光
等に供する強制冷却型超高圧水銀ランプの構造に
関するものである。

カラー・ブラウン管の螢光面の露光用光源とし
ては従来第１図で示す如く筐体５と発光光線放出
用および保護用の透明ガラス板４により形成され
たランプ・ハウス１内に強制冷却型超高圧水銀ラ
ンプ２を設置して使用していた。このランプは使
用時には水銀蒸気の遷位発光による紫外光、近紫
外光、可視光に加え強烈な熱線をも発生する為に
使用時にはランプ・ハウス１内に設けた冷却ノズ
ル（図示せず）より高圧エアーを吹付け、このエ
アーをランプハウス１内における強制流動空間１
３を経てドレーン７から排出させるように構成し
ている。又この強制冷却型超高圧水銀ランプ２は
第２図で示す如く石英ガラス・パイプ３内に水銀
９を封入し電極８を設け電極端子６間に高電圧
（約0.5〜1.5KV）を印加する事により作動する。
カラー・ブラウン管の螢光面の露光では水銀蒸気
の遷位発光の内3650Åの近紫外発光が有用であ
る。従来螢光面の露光時間を短縮する為第３図に
示す如くランプの管壁と同心軸となる様に反射鏡
１０を設けて今まで利用していなかつた光を反射
鏡１０により反対方向にもどしてやり露光々線の
強度を上げる事が試みられた。十分な反射率を有
する反射鏡１０を使用すれば初期的には露光々線
の強度を約２倍近く迄増大させる事が可能である
が、時間とともに強裂な熱線及び紫外線により反
射鏡１０の表面が酸化したり、高圧エアー中の不
純物が鏡面に焼付いたりして反射鏡１０の反射率
が下落して露光々線の強度が下がつて来るばかり
でなく、露光光線の配光分布の均一性も損われ精
度良い配光分布を要するカラー・ブラウン管の螢
光面の露光処理に対しては致命的な欠陥となる。
又ランプと反射鏡との位置関係も重要でありこの
設定の精度が悪いと、２重光源になつたりして位
置精度が重要であるカラー・ブラウン管の螢光面
の露光用光源としては、甚だ好ましくない事とな
る。この様な反射鏡の欠点を取り除く為に第４図
の如く強制冷却型超高圧水銀ランプ２の石英ガラ
ス・パイプ３の外周片側表面に直接例えばAl（ア
ルミニウム）やAg（銀）等の金属の蒸着膜１１を
形成する事が試みられる。この様な直接反射鏡で
は前述した様な反射鏡の反射特性の経時変化の問
題やランプと反射鏡の位置関係の問題等は全て解
決されて良好な強度を有する露光々線が得られる
様になつたが新な重大な問題が生じた。すなわ
ち、金属の蒸着膜１１を付着した部分では内部か
ら幅射されて来る熱線も再び内部へ反射されてし
まう為この部分のランプの温度が異常に上昇しラ
ンプが破損してしまつたり石英ガラス・パイプ３
の失透が生じたりしてランプの寿命が著しく短く
なつたり又失透の為露光々線の配光分布特性が阻
害されたりする等の重大な幣害がそれである。

この発明は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、ランプ寿命の低下や失透によ
る配光分布特性の劣化をまねくことなく、露光光
線強度を十分に増大させることができる強制冷却
型超高圧水銀ランプを提供することを目的とす
る。

以下金属の蒸着膜１１を形成した従来の強制冷
却型超高圧水銀ランプ２を示す第４図によりこの
発明の一実施例を説明する。

この発明では金属の蒸着膜１１のかわりに酸化
セリウム（CeO₂）と弗化マグネシウム（MgF₂）
の多層膜を均一な厚さで石英ガラス・パイプ３の
外周表面に密着させて形成する。このような光学
膜１２は光の干渉現象を利用したものでありコー
ルド・ミラーとして原理的には知られており各蒸
着層の膜厚の制御を十分行えば3650Åの近紫外部
での反射率が70〜90％、赤外部の反射率が10〜20
％の選択光学膜１２を得る事が可能である。この
様な選択光学膜１２を従来のAl（アルミニウム）
がAg（銀）等の金属の蒸着膜１１のかわりに使用
すればランプの内部から輻射されて来る熱線の多
くは内部へ再び反射される事はなく又3650Åの近
紫外光の多くは再び反対側へ反射され露光々線の
強度が増大されるが従来の様なランプの温度上昇
によるランプ寿命の低下の問題や失透による露
光々線の配光分布特性の阻害の問題等は全く生じ
ない。

以上は冷媒としてエアーを使用した強制冷却型
超高圧水銀ランプについて述べたがこの発明はこ
れに限られるものではなく適当な選択光学膜１２
の組み合わせを選べば水を冷媒とした強制冷却型
超高圧水銀ランプにも応用出来る。

以上のように、この発明によれば、ランプハウ
ス内の冷媒の強制流動空間に設置される水銀ラン
プにおける石英ガラス・パイプの外周表面のう
ち、露光光線を放出しない側のほぼ半周表面に、
酸化セリウムと弗化マグネシウムの多層膜からな
り、熱線の大部分は透過し近紫外光の大部分は反
射する選択光学膜を密着して形成したので、強制
流動する冷媒によるランプ全体の冷却作用と熱線
のランプ内部への反射にともなう温度上昇の抑制
作用との相乗により、ランプが熱的に破損するこ
とおよび石英ガラス・パイプが失透することを極
力抑制することができる。したがつて、膜を付加
したことによるランプ寿命の低下や露光光線の配
光分布特性の劣化を十分に抑えながら、近紫外光
の反射効率を高めて、露光光線強度を十分に増大
させることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のランプ・ハウスを示す側面図、
第２図は従来の強制冷却型を示す側面図、第３図
は従来の反射形を示す側面図、第４図は本発明の
一実施例を示す側面図である。 図において、３は石英ガラス・パイプ、１２は
選択光学膜である。なお、図中、同一符号は同一
または相当部分を示す。

【特許請求の範囲】

１ ランプの全長が120mm以下、消費電力が1.5W
以下の螢光燈であつて、電極が熱電子放出型とす
ることを特徴とする小型螢光燈。 ２ アルゴン、クリプトン若しくはネオンから選
ばれるガスが６〜50トールの圧力で充填されてな
る特許請求の範囲第１項記載の小型螢光燈。 ３ 波長が約440nm、550nm、610nmの光出力が
大きな３波長型螢光体がガラス封体の内面に塗布
されてなる特許請求の範囲第１項記載の小型螢光
燈。