JPH0240548B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車用板材、自動車のドアパネ
ル、ルーフパネル等の車体外板その他に使用され
る板材に貼着して発泡硬化せしめ板材と一体化し
た補強リブを形成するための補強材に関する。

従来、第１図イ，ロ，ハで示すように、自動車
のドア１の外板であるドアアウタパネル２すなわ
ち金属製の板材２ａの内面へ、予めガラス繊維、
不織布等の強化材料３を添着した熱硬化性樹脂製
の補強材４を貼着し、この補強材４を加熱硬化す
ることによつて板材を補強することが知られてい
る（実開昭55―101659号）。尚、図中５はドアイ
ンナパネル、６はドアウインドサツシユ、７はサ
イドウインドガラス、８はアウトサイドドアハン
ドルである。

しかしながらこの従来例にあつては、補強材４
はその厚さ寸法を相当大きくしなければ所定の補
強効果が得られず使用する樹脂材料の量も多くそ
の分生産原価が高くなり且つ重量も増加するとい
う問題点があつた。又他の従来例として予め成形
硬化した補強材を板材へ接着することも知られて
いるが、この場合板材の形状に完全に合致するよ
う補強材を成形することが必要であるが、このよ
うな成形は難しくしかも板材は通常プレス加工し
たものが多く、プレス加工条件によりスプリング
バツク量にバラツキがあるため、補強材と板材の
両者の接着を完全に行なうのは非常に困難である
という問題点があつた。

そこで本出願人は、第２図イ，ロで示すよう
に、ドアアウタパネル２である金属製の板材２ａ
の内面又は防錆用の被覆９上へ、ガラス繊維その
他の強化材料１０が添加された熱硬化性の樹脂材
１１を施し、この樹脂材１１その他で、トンネル
状の補強リブ１２を形成する自動車用板材及びそ
の製造方法を、先に提案した（特願昭54―114731
号）。この提案した発明によれば上記従来例の問
題点は全部解消する。

ところで、このトンネル状の補強リブ１２を形
成するには、第３図で示すような板材補強用の補
強材１３を使用するようにしている。この補強材
１３は加熱すれば発泡する未発泡の発泡材１４
〔例えば発泡性ポリエチレンシート、発泡性エポ
キシシート等の帯状の発泡材〕に、上記強化材料
１０が添加された未硬化状の樹脂材１１ａを、予
め積層したものである。

即ち第４図に示すように樹脂材１１ａの片側面
に板材２ａへの貼着面１５を残して前記未発泡の
発泡材１４を貼着一体化させ且つ発泡材１４の下
面１４ａと貼着面１５との双方の全体を剥離紙１
６で被覆するようにしている。

そしてこのような樹脂材１１ａ及び発泡材１４
を含む補強材１３を板材２ａへ、前記剥離紙１６
を引き剥して貼着し、次いで加熱処理にて発泡材
１４の発泡と樹脂材１１ａの硬化を併せ行ない、
第２図ロに示すように板材２ａ上に一体的にトン
ネル状の補強リブ１２を形成するものである。従
つて加熱処理に先立ち前記補強材１３は板材２ａ
上に確実に貼着されていることが必要で、このた
め樹脂材１１ａの貼着面１５には相当な貼着・粘
着性が予め与えられている。そしてこの貼着面１
５の貼着性、粘着性を保護するとともに保管時の
便宜のために前述の如き剥離紙１６で発泡材１４
の下面１４ａ及び貼着面１５の全体を被覆してお
き、板材２ａに貼着する際にのみこの剥離紙１６
を第４図の２点鎖線で示すように引き剥すように
している。本出願人が先に提案したこの発明によ
つて従来の問題点はことごとく解決するが、その
補強材１３につき、第５図の一部拡大図に示すよ
うに、貼着面１５の端部１５ａ、具体的には発泡
材１４の端部１４ｂ近辺の端部１５ａ、の劣化防
止をより確実にすることが希望される。なぜなら
第４図，第５図で示す如く補強材１３の下面側の
すべて、即ち貼着面１５及び発泡材１４の下面１
４ａ、のすべてを剥離紙１６で被覆しているが、
貼着面１５の端部１５ａと発泡材１４の端部１４
ｂとのコーナー部１７にはわずかではあるが間隙
１８が残りやすく、ためにこの部分の貼着性が経
時的に劣化しやすいからである。

この発明は以上のような要請に基づいてなされ
たもので貼着面の保護を確実にするため貼着面の
みを全面的に剥離紙で被覆するようにした自動車
用板材の補強材を提供せんとするものである。

以下この発明の詳細を図面に基づいて説明す
る。尚以下において従来と同一乃至類似の部分に
ついては同一符号を以て示し重複説明を省略する
ものとする。

第６図及び第７図はこの発明の一実施例を示す
図である。２０は剥離紙で、発泡材１４の下面１
４ａを残し貼着面１５のみを全面的に被覆してい
るものである。そして剥離紙２０の端部２０ａは
発泡材１４の端部１４ｂに当接するようにしてそ
の近辺の貼着面１５の端部１５ａが露出しないよ
うに確実に被覆している。従つて貼着面１５の端
部１５ａと発泡材１４の端部１４ｂとのコーナー
部１７には全く第５図に示したような間隙１８が
生じないようにされている。

補強材１３を構成する熱硬化性の樹脂材１１ａ
としては、熱硬化性のエポキシ樹脂材が好適であ
るが、これに限定されず塗装工程における焼付温
度（120℃〜180℃）において硬化し且つ常温にお
いて柔軟で粘着性、貼着性を有するものであれば
よく、メラミン系、フエノール系、ウレア系の樹
脂材その他でも採用できる。尚、これら樹脂材１
１ａが常温で粘着性、貼着性に欠けるか若しくは
粘着性、貼着性が弱い場合板材２ａに対応せしめ
る面に粘着性、貼着性に富む素材を予め添加して
貼着面１５を形成することも十分可能である。

樹脂材１１ａの表面又は表面部にはガラス繊維
その他の強化材料１０を予め含ませることができ
る。この強化材料１０としてはガラス繊維が好適
であるが、これ以外にもガラス繊維不織布、カー
ボンフアイバー、ポリエステル不織布、ポリプロ
ピレン不織布、クラフト紙等を採用してもよい。
又、このような強化材料１０は樹脂材１１ａの表
面を覆う状態、同表面部に埋設された状態等、樹
脂材１１ａに対する添加の態様は自由である。

発泡材１４としては、発泡エポキシ樹脂シート
が好適であるがこれに限らず例えば塗装工程の焼
付温度（120℃〜180℃）で樹脂材１３の硬化に先
駆けて発泡し、適当な培率で体積膨張を行ない且
つ前記焼付温度に十分耐えられる耐熱性を有し、
加えて軽量なものであればどのような素材でも採
用できる。

従つて軟質性、硬質性、独立気泡、連続気泡は
問わない。尚、このような発泡材１４の下面１４
ａは貼着性を備えておらず、剥離紙で被覆されず
とも物性的に経時変化する可能性は少ないもので
ある。樹脂材１１ａに対する発泡材１４、剥離紙
２０、強化材料１０の添加状態は第７図で示すよ
うなものとなり、この補強材１３を板材２ａに貼
着するに際し作業者は貼着面１５のみを被覆して
いる剥離紙２０を引剥し板材２ａの補強を必要と
する部位に貼着することになる。

この発明に係る自動車用板材の補強材は、以上
説明してきた如き内容のものなので、発泡材の端
部近辺の貼着面が剥離紙によつて確実に被覆され
貼着面の端部と発泡材の端部とのコーナー部には
全く間隙が残されておらず使用する際に剥離紙を
引剥すまで外気に対し貼着面は完全にシールされ
ていることになりその貼着性が劣化することはな
い。さらに剥離紙は比較的コストの高いものであ
るが発泡材の下面を含む補強材の下面側のすべて
を被覆していた場合に比べ発泡材の下面は被覆せ
ず貼着面のみ被覆するようにしたのでその分コス
ト削減ができ補強材を安価に製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来例を示すドアの正面説明図、同
ロは第１図イのロ−ロ線に沿う断面説明図、同ハ
は第１図ロのハ部拡大断面説明図、第２図イは従
来例の解決手段として既に提案済みのドアアウタ
パネルの要部斜視説明図、同ロは第２図イの−
線に沿う断面図、第３図は第２図ロに到る前の
補強材の断面説明図、第４図は第３図に示した補
強材の部分拡大斜視図、第５図は第４図に示した
補強材の正面図及び部分的拡大図、第６図はこの
発明に係る補強材の一実施例を示す補強材の部分
斜視図、そして、第７図は第６図で示した補強材
の正面図である。 １…ドア、２…ドアアウタパネル、２ａ…板
材、３，１０…強化材料、４，１３…補強材、１
１，１１ａ…樹脂材、１２…補強リブ、１４…発
泡材、１４ａ…発泡材の下面、１４ｂ…発泡材の
端部、１５…貼着面、１５ａ…貼着面の端部、１
６，２０…剥離紙、２０ａ…剥離紙の端部、１７
…コーナー部、１８…間隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 未硬化シート状の樹旨材の粘着性を具備して
   いる片側面に、該樹脂材よりも幅が狭い未発泡の
   発泡材を長手方向に沿つて添着一体化させると共
   に、該発泡材の周辺に残された前記樹脂材の片側
   面を貼着面として板材に貼着させる自動車用板材
   の補強材において、 上記貼着面のみを剥離紙で全面的に被覆したこ
   とを特徴とする自動車用板材の補強材。