JPH0239763B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カメラなどの光学装置における合焦
検出装置に関するものであり、特に１眼レフカメ
ラなどにおいて撮影レンズからの結像光束を用い
て合焦検出を行なう、いわゆるTTLの合焦検出
装置に関するものである。

従来より、合焦検出装置に多く用いられている
合焦検出方法には大きく分けて結像光束による像
のボケを受光素子等で検出して合焦検出を行う方
法、すなわちボケ像検出方法と特殊光学系によつ
て作られた２つの像の相対的位置関係から撮影レ
ンズのデフオーカス量を算出して合焦検出を行う
方法、すなわちズレ像検出方法の２つの方法があ
る。特に、１眼レフレツクスカメラにおいて、撮
影レンズを通つた結像光束を用いて合焦検出を行
う場合、ズレ像検出方法は撮影レンズのデフオー
カス量を直接検出でき、又、比較的大きく像がボ
ケた場合にも有効に合焦検出が出来るなどの特徴
がある。

第１図は、本出願人が出願した特願昭57−
150520の発明の一実施例のズレ像検出方法の合焦
検出装置の光学系の概略図である。次に第１図の
合焦検出装置を説明する。撮影レンズ１の周辺部
からの結像光束L₁，L₂によつて予定結像面Ｓ上
につくられた第１の物体像をフイールドレンズ３
と光分割手段５を介して２次結像レンズ６により
２次結像面７上に配置した複数の素子よりなる受
光素子８_-1，８_-2，９_-1，９_-2面上に各々第２の
物体像として再結像させている。

そして受光素子８_-1，８_-2，９_-1，９_-2上に結
像した第２の物体像の相対的位置関係を受光素子
８_-1，８_-2，９_-1，９_-2により検出して撮影レン
ズ１の合焦状態を判別している。

尚、予定結像面Ｓ近傍にはスリツト２_-1を有す
る遮光板２が配置されており、４つの第２の物体
像が２次結像面７上で各々重なり合わないように
光分割手段５と２次結像レンズ６が適切に設定さ
れている。

すなわち同図において、撮影レンズ１の結像点
が予定結像面Ｓより外れ、非合焦となつたときは
そのデフオーカス量に応じて、各受光素子面上に
結像する第２の物体像は撮影レンズの合焦時に比
べて光軸Ｌの垂直方向、異つた位置に各々再結像
する。

従つてこのときの受光素子面上に結像した第２
の物体像の相対的位置関係を各々の受光素子で検
出することによつて、撮影レンズ１のデフオーカ
ス量を直接求め撮影レンズ１を所定量移動させて
合焦状態へ導いている。

光分割手段５はプリズムよりなつており同図に
おいては２つの光偏向部５_-1，５_-2を有してお
り、一方の光偏向部５_-2は、光偏向部５_-2に入射
した光束を撮影レンズ１の光軸Ｌを挾んで両方向
に同じ角度で偏向させるようになつている。他方
の光偏向部５_-1は光偏向部５_-1に入射した光束を
光軸Ｌの下方に偏向させるようになつており、光
偏向部５_-2の前方に配置されている。

この結果、同図に示すように予定結像面Ｓに結
像した物体像は光分割手段５と２次結像レンズ６
により、２次結像面７上に４つの第２の物体像を
再結像する。尚４は光分割手段５に入射する光束
を制限する開口である。

フイールドレンズ３は撮影レンズ１の予定結像
面近傍に配置されており、光分割手段５を撮影レ
ンズ１の射出瞳近傍に結像させている。又このと
きのフイールドレンズ３は、光分割手段５が撮影
レンズ１の射出瞳径内に全て入るような屈折力を
持つている。

受光素子８_-1，９_-1面上に結像する第２の物体
像は撮影レンズ１の射出瞳の片側を通過した光束
で、又受光素子８_-2と９_-2面上に結像する第２の
物体像は射出瞳の他方の片側を通過する光束で
各々独立に形成されている。

このように撮影レンズ１の射出瞳を複数に分割
し、各々の領域を通過する光束によつて複数の第
２の物体像を形成させた構成を採るのは撮影レン
ズ１が明るいレンズのときは受光素子８_-1，８_-2
からの出力信号若しくは全ての受光素子からの出
力信号を用い、又撮影レンズ１が暗いレンズのと
きは受光素子９_-1，９_-2からの出力信号を用いて
精度良く撮影レンズ１の合焦状態の検出を行う為
である。

このように第１図に示す合焦検出装置は撮影レ
ンズの射出瞳径内に光分割手段の各々の光偏向部
が含まれるようにしておき、撮影レンズの明るさ
に応じて適当に選択して使用することによつて合
焦検出用の光束を効率的に使用し、かつ精度の良
い合焦検出を行うことができるものである。

本発明は更に精度良く、しかも簡易に合焦検出
を達成することのできる合焦検出装置の提供を目
的とするものである。

本発明の目的を達成するための合焦検出装置の
特徴は撮影レンズの結像面後方に結像面に形成さ
れた物体像を複数の物体像に再結像させるための
２次結像系を配置し、２次結像系による複数の物
体像の形成される位置に各々複数の素子よりなる
受光素子を配置し、複数の物体像の相対的位置関
係を受光素子により検出し、撮影レンズの合焦検
出を行う合焦検出装置であつて、撮影レンズの結
像面近傍に複数のスリツトを有する遮光部材を配
置したことである。

次に本発明の実施例を各図を用いて説明する。

第２図は本発明の一実施例の光学系の概略図で
あり、合焦検出方法の原理は第１図と同じであ
る。同図において１５は撮影レンズ、１６は予定
結像面Ｓ近傍に配置した２つのスリツト１７，１
８を有する遮光部材、１９は遮光部材１６の直後
に設けられたフイールドレンズ、２０，２１，２
２の各要素は第１図と同じ機能を果たすもので、
２０は２次結像レンズ２２への入射光束を制限す
る開口、２１は光偏向部２１_-2の上に、さらに光
偏向部２１_-1が設けられた光分割手段である。

撮影レンズ１５によるスリツト１７，１８を通
過した２つの第１の物体像は２次結像レンズ２２
により８つの第２の物体像として２次結像面２３
上に各々重なり合わないように再結像される。こ
のとき光分割手段２１によりスリツト１７を通過
した物体像は４つの物体像２６_-1，２７_-1，２６
_-2，２７_-2として各々が重なり合わないように、
又スリツト１８を通過した物体像も同様に４つの
物体像２４_-1，２５_-1，２４_-2，２５_-2として
各々が重なり合わないように再結像される。

フイールドレンズ１９は光分割手段２１を撮影
レンズ１５の射出瞳近傍に結像させており、これ
により、例えばスリツト１７面上の一点２８に結
像する光束のうち撮影レンズ１５の射出瞳の外側
の光束２９_-1，２９_-2は光偏向部２１_-2の部分に
入射し２次結像面２３上の一点３１_-1，３１_-2に
又撮影レンズ１５の射出瞳の内側の光束３０_-1，
３０_-2は光偏向部２１_-1の部分に入射し２次結像
面２上の一点３２_-1，３２_-2に各々結像する。ス
リツト１８面上の一点においても同様である。

スリツト１７とスリツト１８は合焦検出の対象
とする被写体を考慮して撮影レンズ１５の光軸Ｌ
を挾んで対称に配置しても、又一方のスリツト１
７を光軸Ｌ上に他方のスリツト１８を光軸Ｌより
離して配置しても良い。又スリツトを２つ以上遮
光板に設ける事も又、任意の位置にスリツトを設
定する事も可能である。そして２次結像面２３上
には複数の素子からなる受光素子が複数配置され
ている。このときの状態を第３図に示す。

第３図は２次結像面２３上に配置された受光素
子３３_-1，３３_-2，３４_-1，３４_-2とスリツト１
７を通過した光束による第２の物体像２６_-1，２
７_-1，２６_-2，２７_-2とスリツト１８を通過した
光束による第２の物体像２４_-1，２５_-1，２４
_-2，２５_-2との相互の関係を示す。

受光素子３３_-1は２つの第２の物体像２４_-1，
２５_-1を含む大きさを有しており、同様に受光素
子３３_-2も２つの第２の物体像２４_-2，２５_-2を
含む大きさを有している。

一方、受光素子３４_-1は、第２の物体像２７_-1
を含む大きさであり、同様に受光素子３４_-2は物
体像２７_-2を含む大きさを有している。

撮影レンズ１５が明るいレンズのときは受光素
子３３_-1，３３_-2からの出力信号を用い撮影レン
ズ１５の射出瞳の広い部分を通過した多くの光束
を利用することによつて合焦検出の精度を向上さ
せている。

又、撮影レンズ１５が暗いレンズのときは受光
素子３４_-1，３４_-2からの出力信号を用いれば射
出瞳を通過した光束を光偏向部２１_-1で効率良く
受光素子に導光することが出来合焦検出の精度を
向上させることができる。受光素子の選択は本実
施例では撮影レンズの明るさに応じて電気的若し
くは受光素子の前面にシヤツター等を配置して機
械的手段によつて容易に行うことができる。

第４図は、撮影レンズ１５の射出瞳近傍にフイ
ールドレンズ１９によつて光分割手段２１を結像
したときの両者の関係を示した説明図である。

同図において、２０′は開口２０の開口部の投
影像、３５，３６は各々撮影レンズの射出瞳径
で、射出瞳径３５は撮影レンズが明るい場合の外
径であり、射出瞳径３６は撮影レンズが暗い場合
の外径である。２０′の開口部と２１′_-2は各々、
光分割手段２１の２つの光偏向部を撮影レンズの
射出瞳近傍に投影した場合であり、第２図に示す
ように光偏向部２１_-1の形状が正方形であるの
で、第４図の光偏向部２１_-1の投影した形状も正
方形となつている。

撮影レンズが明るいとき、射出瞳径３５内に開
口２０の開口部の投影像２０′の像が入るように、
又撮影レンズが暗く射出瞳径が小さく３６となつ
たときには射出瞳径３６内に光偏向部２１_-1の像
が入るようになつている。

このような構成を採用することにより各受光素
子面上に正しい輝度分布を有した第２の物体像を
結像させることができる。

尚、開口部の投影像２０′、光偏向部２１_-1の
像２１′_-1の大きさが、それぞれ射出瞳径３５，
３６の大きさに比べて、少し小さ目にしておく方
が交換レンズの射出瞳距離の差、瞳の偏心誤差、
ピント合せに伴なう撮影レンズのくり出しによる
瞳の移動、などの点から製造上好ましい。

このように本実施例によれば撮影レンズが大き
くデイフオーカスしている状態においても有効に
動作する合焦検出装置が実現できる。すなわち、
第２図においてある被写体に対して撮影レンズ１
５が予定結像面から大きくピントがずれている場
合、光分割手段２１_-2の領域を通過した光束によ
る第２の物体像は撮影レンズ１５の射出瞳の外側
からくる光束によつて形成されるので第２次結像
面２３上において大きくボケてコントラストが低
く、しかも横ズレ量が大きくなり、例えば受光素
子２４_-1，２４_-2面上に結像される２つの第２の
物体像の相対的位置変化が大きくなり合焦検出が
困難となる場合がある。

しかしながら本実施例によれば撮影レンズ１５
の射出瞳の内側からくる光束、例えば受光素子２
７_-1，２７_-2面上に結像される光束による第２の
物体像を利用すれば第２の物体像の相対的位置変
化は少く又ボケ量も少ないので受光素子２７_-1，
２７_-2を用いることによつて良好に合焦検出を行
うことができる。

次に本発明に用いる電気的処理方法としては、
少なくとも撮影レンズの移動すべき方向を判別で
きるものが適当である。たとえば、本出願人によ
つて特願昭57−23615号公報で提案されている方
法がある。それによれば、例えば第３図の受光素
子３３_-1，３３_-2からの出力信号を各々a₁，a₂，
…a_N，およびb₁，b₂，…b_Nに対して Ｖ＝_N-K 〓ⁱ⁼¹ min｛ａ（ｉ），ｂ（ｉ＋ｋ）｝−_N-K 〓ⁱ⁼¹ min｛ａ（ｉ＋ｋ），ｂ（ｉ）｝ (1) なる合焦状態判別信号Ｖを演算する。上式で光電
出力信号ａ（ｉ），ｂ（ｉ），（但しｉ＝１〜Ｎ）は
全と正値信号であり、又、min｛ｘ，ｙ｝は２個
の正実数ｘ，ｙの内、小なるものを示している。

第５図はこの演算をアナログ演算回路で行なう
一実施例であり、４６，４７は二次像を受光する
受光素子であり、これらから時系列信号として出
力された受光信号は２段のアナログシフトレジス
タ４８，４９を通過する。受光素子４６，４７は
物理的に２系列に隔てられて配列される必要はな
く、１列の受光素子列を部分的に分けて用いても
よい。これらの電子部材は図示しないクロツク発
生回路により同期制御されている。シフトレジス
タ４８，４９はそれぞれａ（ｉ），ａ（ｉ＋１）及
びｂ（ｉ），ｂ（ｉ＋１）の信号を保持しており、
(1)式のmin｛ａ（ｉ），ｂ（ｉ＋１）｝を決定するコ
ンパレータ５０，min｛ａ（ｉ＋１），ｂ（ｉ）｝を
決定するコンパレータ５１に結線されている。コ
ンパレータ５０及びその反転出力を生ずるNOT
ゲート５６は排反的にアナログスイツチ５２，５
３を制御し、積分器５８min｛ａ（ｉ），ｂ（ｉ＋
１）｝を出力する。同様にコンパレータ５１及び
その反転出力ゲート５７は排反的にアナログスイ
ツチ５４，５５を制御し積分器５９にmin｛ａ（ｉ
＋１）＋ｂ（ｉ）｝を出力する。積分器５８，５９
の出力は差動増幅器６０に導かれ、この差動増幅
器６０から合焦状態判別信号Ｖが出力される。

上記方法は、撮影レンズの非合焦時において、
合焦へ向かう撮影レンズの移動方向を指示するこ
とができるもので、上述(1)式のＶの正負が前ピン
状態、後ピン状態に各々対応している。また設定
された微少な定数値εに対し｜Ｖ｜＜εとなつた
ときに合焦であると判断する。これをまとめたも
のが第６図で、撮影レンズの繰り出し位置によ
り、上述したＶの値が変化する様子を示してい
る。

デフオーカス量が量的に求められると、自動焦
点調整を行なうサーボ系が合焦に到達する速度が
著しく高められる。また、前記(1)式に示したよう
な方向指示量は被写体のコントラストによつて
（符号は変化しないが）絶対量が変動し、｜Ｖ｜＜
εと定義された合焦幅が一定しない。これに対
し、デフオーカス量の演算結果は被写体コントラ
ストに依存しないから、適当な許容デフオーカス
量を設定すれば一意的な合焦判定規準となる。

尚、本発明における光分割手段の光偏向部の外
形形状や開口部の形状は四角形でなくとも、前述
の瞳径との大小関係が満たされればどんな形状で
あつてもよい。

撮影レンズの射出瞳からの光束を効率よく受光
素子へ導く為に、例えば第７図に示すような形状
としてもよい。第７図は第４図と同様に、撮影レ
ンズの射出瞳径と開口部及び光分割手段の投影像
の関係を示したものである。

同図において、７８は開口部の投影像、７６，
７７は各々撮影レンズの射出瞳径、７９は光偏向
部の投影線である。

このような形状とすることにより、より多くの
光量を受光素子に導くことが出来る。

本実施例では、光分割手段により撮影レンズの
物体像を４つの第２の物体像になるようにした
が、４つに限らず４つ以上の第２の物体像が再結
像するようにしても良く、又遮光部材１６に２つ
以上のスリツトを設けてもよい。このような構成
を採ることによつて得られる複数の第２の物体像
を段階的に順次選択して用いれば明るさの異なる
撮影レンズを段階的に設定して使用することが出
来、合焦検出精度をより向上させることができ
る。

受光素子の選択は、撮影レンズが明るさの異な
る交換レンズである場合は交換レンズの開放Ｆナ
ンバーピンからの信号により電気的に、合焦検知
処理系への入力信号源を切換える方法、又は、カ
メラ本体に取付けられた切換スイツチにより切換
える方法等で行なえばよい。

以上のように本発明によれば複数のスリツトを
有する遮光板を予定結像面近傍に配置し撮影レン
ズの射出瞳を複数の領域に分割し各々分割された
領域を通過する光束のみで各々独立に第２の物体
像を複数形成させこれらの複数の第２の物体像の
相対的位置関係を受光素子で検出して合焦検出を
行う構成を採ることにより明るさの異なる撮影レ
ンズを交換したときに容易に受光素子の選択が行
なえ又精度の良い合焦検出が可能となる。又撮影
レンズの明るさが異つていても射出瞳を通過した
光束を各受光素子に均一に入射させることが出来
るので各受光素子毎のバラツキを少なくすること
が出来、合焦検出精度の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本出願人が先に出願した発明の一実施
例の光学系の概略図、第２図は本発明の一実施例
の光学系の概略図、第３図、第４図は第２図の一
部の説明図、第５図、第６図は本発明の一実施例
の信号処理の説明図、第７図は本発明の他の実施
例の一部分の説明図である。 図中１，１５は撮影レンズ、２，１６はスリツ
ト開口を有する遮光部材、５，２１は光分割手
段、６，２２は２次結像レンズ、７，２３は２次
結像面、８_-1，８_-2，９_-1，９_-2，２４_-1，２４
_-2，２５_-1，２５_-2，２６_-1，２６_-2，２７_-1，
２７_-2は各々受光素子である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 撮影レンズの結像面後方に前記撮影レンズに
   より形成された物体像を組をなす２つの物体像に
   再結像させるための２次結像系を配置し、前記２
   次結像系による物体像の組が形成される位置に素
   子列よりなる受光素子を配置し、前記組を構成す
   る物体像間の相対的位置関係を前記受光素子を用
   いて検出し、前記撮影レンズの焦点調節状態の検
   出を行う合焦検出装置であつて、前記撮影レンズ
   の結像面近傍に複数の視野制限スリツトを有する
   遮光部材を配置し、前記２次結像系は各物体像の
   組を光を偏向させて互いに重なり合わないように
   複数組形成する複数の部分系から構成し、前記受
   光素子は物体像の複数組を夫々受光する様に複数
   設けて成り、更に前記スリツトの１つのスリツト
   からの光束より夫々形成された物体像の組を同時
   に受光した受光素子から得られる２つの物体像間
   の相対位置を表す出力信号に基づいて焦点検出を
   行うか、前記スリツトの別の１つのスリツトから
   の光束より形成された物体像の組を受けた受光素
   子から得られる２つの物体像間の相対位置を表す
   出力信号に基づいて焦点調節状態の検出を行うか
   を選択する選択手段を配置したことを特徴とする
   合焦検出装置。