JPH0237224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は架空線の真上に該架空線に平行して
細線材を張設し、架空線への鳥類の休止を阻止す
る形式の鳥害防止装置に関し、上記細線材が上記
架空線の真上に、常に位置するようになした鳥害
防止用細線材取付装置を提案するものである。

＜従来技術と問題点＞ 架空線の真上に細線材を張設して該架空線への
鳥群の休止を阻止する形式の鳥害防止装置は種々
の提案がなされており、例えば実公昭58−36297
号公報にも開示されている。然しながら上記張設
された細線材が経時変化その他の原因により、取
付金具が廻つてしまうなどして架空線の真上より
位置ずれを生じ、上記鳥群の休止を阻止する機能
を著しく減ずることがある。また、上記細線材の
設置等においても架空線の真上を検出して取付を
行うため、例えば特公昭59−53761号公報記載の
技術にも見られるように、設置に先立つて架空線
に線引機を走らせて基準線を該架空線上にマーク
するなど特段の作業を必要とすることがある。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案はかかる事情を勘案してなされたもの
で架空線の真上に該架空線に平行して細線材を張
設し、架空線への鳥類の休止を阻止する形式の鳥
害防止装置において、架空線を挾持する如くし
て、該架空線に所定間隔を置いて取付固定される
挟持金具と、該挟持金具に遊嵌保持される遊嵌金
具を有し、該遊嵌金具はその中間部分で挟持金具
に遊嵌保持され、かつ下方側には重錘を、下方側
には細線材の取付部をそれぞれ有してなり、該取
付部は、前記挟持金具の架空線への取付間隔に等
しい長さの細線材の一方端を固定すべくしてなる
ことを特徴とする鳥害防止用細線材取付装置をそ
の解決するための手段とし、設置後、細線材の位
置ずれが生ずることのない上記取付装置を提案す
るものである。

＜作用＞ 架空線を挟持する如くして、該架空線に所定間
隔を置いて取付固定される挟持金具に回動自在に
遊嵌保持される遊嵌金具、該遊嵌金具は下方側に
重錘を有してなるから、上方側が常に上記架空線
の真上に位置し、従つて該遊嵌金具の上方端に固
定される細線材は、常に上記架空線の真上に位置
する作用があり、鳥群の該架空線への休止はこれ
が確実に阻止されるのである。

＜実施例＞ 第１図は本考案の鳥害防止用細線材取付装置を
用いて架空線に細線材を設置した状態を示す斜視
図、第２図は同装置一組の全体を斜視して示す説
明図、第３図は同装置の正面図、第４図は同装置
の側面図である。

架空線１を挟持する如くして取付固定される挟
持金具２は上・下２個の部分よりなり、中央部分
が筒状で両端に緊締部２１，２１′を持つ、上方
より見てコの字状を呈しており、該緊締部２１，
２１′をボルトナツトで締付け、架空線１への取
付固定がなされる。該挟持金具２の筒状の部分に
遊嵌金具３が遊嵌保持されるが、該遊嵌金具３も
左・右２個の部分よりなり、重力方向の下方端に
は重錘３１を、他方、上方端には細線材の取付部
３２を有し、かつ、上下の中間部分を外方に膨出
させた遊嵌部３３が形成され、この部分が上記挟
持金具２の筒状部分に嵌合される。取付部３２は
上端に適宜なギヤツプを形成してなり、ピン３４
が設けられている。細線材４の両端部はループが
形成され更に先端は上方に少しく起立してなつて
おり上記遊嵌金具３の取付部３２のピン３４に上
記ループを嵌合させ、取付けがなされたとき、該
取付部３２の上方に突出して取付部３２への鳥類
の休止を阻止する突起部４１を形成する。なお、
細線材４の１個の長さは、前記挟持金具３の架空
線１への取付間隔（所定間隔）と同一であり、こ
れを架空線１の所望区間に複数個、前記取付部３
２を介して連結して設置がなされる。

架空線１への設置に際して、まず、取付開始位
置に挟持金具２を架空線１を挟持する如くして緊
締部２１，２１′をボルトナツトを用いて取付固
定し、次いで遊嵌金具３の遊嵌部３３を上記挟持
金具２の筒状部分に左右より挟込む如くして嵌合
させボルトナツトで緊締する。このとき細線材４
の一方端のループ部分を取付部３２のピン３４に
嵌合させ固定がなされる。更に所定間隔（細線材
４の一個の長さに等しい）を置いて、次の挟持金
具２を取付固定し、遊嵌金具３の取付部３２には
上記細線材４の他端と次の細線材４の一方端が固
定され、架空線１の所望区間にこの作業が繰返さ
れ連結がなされていくのである。なお、上記挟持
金具２の筒状部分の外径より遊嵌金具３の遊嵌部
３３の内径がわずかに大にすること、また設置す
る細線材４が遊嵌部３３を軸として、架空線１の
上方に位置するよう重錘３１のウエイトを設定す
ることは勿論である。

＜効果＞ 本考案の鳥害防止用細線材取付装置は上述の構
成よりなるから、細線材は常に架空線の真上に位
置して、経時変化その他の原因により取付金具が
廻つてしまうなどして生ずる細線材の位置ずれは
皆無であり、また、細線材の架空線への設置に先
立つて取付の基準線をマークするなどの作業も不
用となる。なお、遊嵌金具の重錘は、細線材を架
空線の真上に位置させるためのものであるから遊
嵌金具の下方側自身が充分ウエイトを有すると
き、または細線材が極めて軽量であるときについ
てはこれを省略することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の鳥害防止用細線材取付装置を
用いて架空線に細線材を設置した状態を示す斜視
図、第２図は同装置一組の全体を斜視して示す説
明図、第３図は同装置の正面図、第４図は同装置
の側面図である。 １……架空線、３１……重錘、２……挟持金
具、３２……取付部、３……遊嵌金具、４……細
線材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架空線の真上に該架空線に平行して細線材を張
   設し、架空線への鳥類の休止を阻止する形式の鳥
   害防止装置において、架空線を挟持する如くし
   て、該架空線に所定間隔を置いて取付固定される
   挟持金具と、該挟持金具に遊嵌保持される遊嵌金
   具を有し、該遊嵌金具はその中間部分で挟持金具
   に遊嵌保持され、かつ下方側には重錘を、上方側
   には細線材の取付部をそれぞれ有してなり、該取
   付部は、前記挟持金具の架空線への取付間隔に等
   しい長さの細線材の一方端を固定すべくしてなる
   ことを特徴とする鳥害防止用細線材取付装置。