JPH0235207A - 回転体固定具およびそれを用いた回転体ならびにその製作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、回転体固定具およびそれを用いた回転体なら
びにその製造方法に係り、例えば、回転軸に対する歯車
、プーリ、軸受等の被締結部品の固定、特に心出しや位
置決めに好適な、回転体固定具およびそれを用いた回転
体ならびにその製造方法に関するものである。

［従来の技術］ 従来の装置は、例えば特開昭６１−−７９００８号公報
に記載されているように、ねじによる締め付けにより回
転体を回転軸に固定していた。

また、回転体の穴径（内径）を回転軸の外径よりわずか
に小さくしておき、熱膨張を利用して挿入する焼きばめ
、冷しぼめ等により固定していた。

［発明が解決しようとする課題］ 」１記従来技術における前者、特開昭６１−７９００８
号公報記載の技術では、機構が複雑で各部材の精度が不
十分であると偏心がおこりやすく、また、ねじの締め付
は力にアンバランスがあると、高速回転時に振動を発生
しやすいことについて配慮されていなかった。

また、」１記従来技術における後者の熱膨張を利用した
嵌合技術は、作業設備の大きさや作業コストの面で問題
があった。特に、回転体を回転軸に固定するときの位置
決めを高精度に行うことか困難であるという問題があっ
た。

本発明は、」１記従来技術における課題を解決するため
になされたもので、その第１の目的は、簡単な設備で容
易に回転体を回転軸に固定でき、かつ、十分な精度の軸
心合わせと、十分な固定強度を実現しうる回転体固定具
を提供することにある。

また、本発明の第２の目的は、回転軸に対する回転体の
固定位置（回転軸方向の固定位置、回転方向の固定角度
）の高精度の調整を可能にする回転体固定具を提供する
ことにある。

さらに、本発明の第３の目的は、回転軸への取り付け、
心出しの容易な歯車やプーリなどの回転体を実現するこ
とにある。

さらに、本発明の第４の目的は、互いに噛み合う雄雌一
対のスクリューロータ頓における同期歯車の組み付けと
タイミング調整を容易にするスクリュー流体機械を実現
することにある。

さらに、本発明の第５の目的は、」二記第１〜第４の目
的を実現するために使われる回転体固定具の信頼性を高
め、かつ、製作の容易な回転体固定具の製作方法を提供
することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記第１の目的を達成するために、本発明の回転体固定
具に係る第１の発明の構成は、回転軸と、その回転軸と
ともに回転する回転体とを固定する回転体固定具であっ
て、形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし
、固定前には、回転軸と回転体の穴との間の環状の間隙
に挿入することができる寸法をしており、固定時には、
定められた温度と時間とによる熱処理によって記憶して
いる寸法形状に戻る作用が働き、外径は拡大して回転体
の穴径よりも大きな径になろうとして回転体に接触し、
内径は縮小して回転軸の軸径よりも小さな径になろうと
して回転軸に接触し、これらの接触による摩擦力で回転
体を回転軸に固定するものである。

上記第１−の目的を達成するために他の手段を用いても
よい。

すなわち、本発明の回転体固定具に係る第２の発明の構
成は、第１の発明と同様前提のもとに、その回転体固定
具の一部が回転軸との固定前にあらかしめ回転体に固定
されており、固定時には、定められた温度と時間とによ
る熱処理によって記憶している寸法形状に戻る作用が働
き、当該回転体固定具の内径は縮小して回転軸の軸径よ
りも小さな径になろうとして回転軸に接触し、その接触
による摩擦力で回転体を回転軸に固定するものである。

また、同様に第３の発明の構成は、その回転体固定具の
一部が回転体との固定前にあらかしめ回転軸に固定され
ており、固定時には、定められた温度と時間とによる熱
処理によって記憶している寸法形状に戻る作用が働き、
当該回転体固定具の外径が拡大して回転体の回転中心に
設けられた穴径よりも大きな径になろうとして回転体に
接触し、その接触による摩擦力で回転体を回転軸に固定
するものである。

次に、上記第２の目的のうち、回転軸方向の固定位置の
高精度の調整を可能にするために、本発明の回転体固定
具に係る第４の発明の構成は、回転軸と、その回転軸と
ともに回転する回転体とを固定する回転体固定具であっ
て、形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし
、その内面は回転軸に固定され、その外面も回転体の回
転中心に設けられた穴の内面またはその付近に固定され
、回転体と回転軸双方に固定されたのちに、定められた
温度と時間とによる熱処理によって記憶している寸法形
状に戻る作用が働き、回転軸に固定された内面に対して
回転体に固定された外面が軸方向に平行移動する変形を
なし、その変形量は熱処理の条件によって決められ、前
記回転軸に対する前記回転体の軸方向の固定位置を前記
変形量で調整しうるものである。

また、」二記憶２の目的のうち、回転方向の回転角度の
高精度の調整を可能にするために、本発明の回転体固定
具に係る第５の発明の構成は、前記第４の発明と同様前
提のもとに、定められた温度と時間とによる熱処理によ
って記憶している１法形状に戻る作用が働き、回転軸に
固定された内面に対して回転体に固定された外面が回転
方向に回転軸を軸とする回転変形をなし、その変形量は
熱処理の条件によって決められ、前記回転軸に対する前
記回転体の回転方向の固定角度を前記変形量で調整しう
るちのである。

次に、」二記憶３の目的を達成するために、本発明に係
る回転体の構成は、回転軸に固定されて、その回転軸と
ともに回転する回転体において、回転軸を挿入するため
の穴が回転中心に設けられており、その穴の内面または
その付近に、形状記憶作用を有する部材による環状の回
転体固定具が固定されており、回転体固定具の内径は回
転軸径より太きいか同等で、回転体か回転軸に固定され
る前には前記回転軸を前記回転体に挿入することが可能
で、固定時には、定められた温度と時間とによる熱処理
によって記憶している寸法形状に戻る作用が働き、回転
体固定具の内径が小さな径になろうとして回転軸に接触
し、その接触による摩擦力で回転軸に固定されることを
特徴とする回転体固定具を用いたものである。

さらに、」−記憶４の目的を達成するために、本発明に
係るスクリュー流体機械は、互いに噛み合う雄雌一対の
スクリューロータをケーシング内に備え、前記スクリュ
ーロータは、ケーシングまたは相手側スクリューロータ
とも互いに微小な間隙を保有しながら非接触で回転する
ものであって、前記一対のスクリューロータの回転を同
期させるように、各々の回転軸に互いに噛み合う同期歯
車を備えてなるスクリュー流体機械において、形状記憶
合金による環状の形状をなし、定められた温度と時間と
による熱処理によって記憶している寸法形状に戻る作用
が働く回転体固定具を用いて、前記同期歯車の回転軸へ
の固定を行なったものである。

さらに、上記第５の目的を達成するために、本発明に係
る回転体固定具の製作方法は、回転軸と、その回転軸と
ともに回転すべき回転体の穴との間の環状の間隙に挿入
しうるように、形状記憶作用を有する部材の薄い箔状の
板を多層巻き付けて環状の形状に形成するようにしてい
る。

［作用コ まず、基本となる第１の発明の詳細な説明する。

回転体の回転中心に設けられた穴に回転軸を通すと、回
転軸の外径に対して回転体の穴径（内径）を十分に大き
くしたものでは両者間に環状の間隙が生しる。

この間隙に、形状記憶作用のある金属または合成樹脂を
材料として形成した環状の形状の回転体固定具を挿入す
る。回転体固定具は、挿入しゃすいように、記憶された
寸法よりも外径は小さく、内径は大きく成形されている
ので、回転軸と回転体との間に必要とされる固定後の力
にくらへて十分に小さい力で挿入することができる。

所定の位置に回転体固定具が挿入されたのち、定められ
た温度と時間とによる熱処理を加える。

熱処理によって回転体固定具は記憶している寸法形状に
戻ろうとして外径は大きくなり、内径は小さくなる。

この変形によって、外周は回転体の中心穴内面に強く接
触し、なお大きくなろうとして回転体に応力を及ぼす、
この応力による摩擦力によって回転体と回転体固定具と
は固定される。

一方、回転体固定具の内周は回転軸の外周面に強く接触
し、なお小さくなろうとして回転軸に応力を及ぼす。こ
の応力による摩擦力によって回転軸と回転体固定具とは
固定される。

このように、回転体固定具を仲介して回転体が回転軸に
固定される。

また、回転体固定具は変形の前後ともに回転軸に対して
回転対称であるので、半径方向以外の力が生しにくい。

このため、回転体固定具の外周。

内周の真円度や材料の均一性さえ十分であれは、固定さ
れた回転軸と回転体との偏心は極めて小さい。

第２の発明の作用は、前記第１の発明の作用において、
回転体と回転体固定具とがあらかじめ固定されている以
外はすべて同様である。

また、第３の発明の作用も、前記第１の発明の作用にお
いて、回転軸と回転体固定具とがあらかしめ固定されて
いる以外はすべて同様である。

次に、第４の発明の詳細な説明する。

回転体固定具か回転体と回転軸との双方に固定されたの
ちに定められた温度と時間とによる熱処理を行う。熱処
理を行うと、回転体固定具は記憶している形状に戻ろう
として、内面に対して外面は軸方向に平行移動する変形
をする。その変形量は、熱処理における温度などの条件
により変わる。

このため、回転軸」二での回転体の軸方向の固定位置を
回転体固定具の変形しうる範囲内において調整すること
か、熱処理の条件を調整することで可能になる。

形状記憶性を有する月料は、一般に高温、長時間はど記
憶した形状に戻りやすいので、回転体固定具の変形によ
り回転体の位置を大きく動かすときには、高温あるいは
長時間の熱処理を行なえばよい。逆に少量の変形でよい
ときには前例に比較して熱処理条件を低温あるいは短時
間にすれはよい。

また、第５の発明の作用は、前記第４の発明の作用にお
いて、回転体固定具の変形が軸方向ではなく回転方向で
ある点以外はすへて同様である。

これらの回転体固定具を用いた回転体、スクリュー流体
機械が所望の作用をなすことは言うまでもない。

次に、回転体固定具の製作方法の考え方を述へる、形状
記憶作用を有する物質（部材）は、−・般に、薄い、あ
るいは細い形状はどその作用が顕著に現われる。しかし
、薄板状のものでは、その厚さ方向の変形は小さい。そ
こで、形状記憶作用を有する部材の薄板を多層にするこ
とで、変形量はそれらを合わせたものとなり、十分な変
形量を確保できる。

［実施例］ 以下、本発明の各実施例を第１図ないし第１１図を参照
して説明する。

まず、第１の発明の一実施例を第１図ないし第３図を参
照して説明する。

第１図は、本発明の一実施例の回転体固定具を、回転体
２回転軸間に挿入した状態を示す断面図、第２図は、第
１図の回転体固定具による固定後の状態を示す断面図、
第３図は、その回転体固定具の内外径」法の変化を示す
断面図である。

第１図において、１は、形状記憶合金製の環状の形状を
した回転体固定具、２は回転体、３は回転軸である。

第１図に示す固定前の回転体固定具１の外径は回転体２
の内径より小さく、同時に回転体固定具１の内径は回転
軸３の外径よりも大きい。このため、回転体固定具１を
、回転体２の中心穴（内径）と回転軸３の外径との間の
環状の間隙に挿入し第１図の配置にすることは、強い力
を必要とせず容易に行うことができる。

これらに定められた温度と時間とによる熱処理を加える
と、第２図に示すように回転体固定具１は形状を変化さ
せて、外径は大きくなり、内径は小さくなる。そして、
外径は回転体２の中心穴内面に接触し、さらに大きくな
ろうとするので、回転体２に内面に内部応力が発生し、
それにより生ずる摩擦力で回転体２と回転体固定具１と
が結合される。同様に、回転体固定具１の内径は回転軸
３の外周面に接触し、さらに小さくなろうとするので、
回転軸３表面に応力が発生し、それにより生ずる摩擦力
で回転軸３と回転体固定具」とが結合される。

このようにして回転体２と回転軸３とが回転体固定具１
を介して固定される。

回転体固定具１は、一方向性の形状記憶合金を用いるた
め、熱処理後に再び常温に戻しても固定が外れることは
ない。

したがって、回転体固定具］の変形前の寸法を第３図（
ａ）のように、外径Ｄｏ、内径Ｄｊと表わし、変形後の
回転体固定具コ′の変形後の寸法を第３図（ｂ）のよう
に、外径ＤＯ′、内径Ｄ１′と表わすと、次のような関
係がある。

Ｄｊ＞Ｄｉ Ｄ　ｏ　＜　Ｄ　。

本実施例によれば、簡単な設備で容易に回転体を回転軸
に固定でき、かつ十分な精度の軸心合わせと、十分な固
定強度とを実現しうる回転体固定具を提供するという本
発明の第１の目的を達成し、この回転体固定具を用いる
ことによって回転軸への取付け、心出しの容易な回転体
を実現するという本発明の第３の目的を達成することが
できる。

次に、第２の発明の一実施例を第４図および第５図を参
照して説明する。

第４図は、本発明の他の実施例の回転体固定具祭回転体
に固定し回転軸を挿入した状態を示す断面図、第５図は
、第４図の回転体固定具による固定後の状態を示す断面
図である。

第４図において、］１は、形状記憶合金製の環状（はぼ
円筒状）の形状をした回転体固定具、１２は回転体、」
３は回転軸である。

第４図に示す固定前の回転体固定具１］は回転体］、２
の中心穴にあらかじめ鋳込みによって固定されており、
回転体固定具１」の内径は回転軸１３の外径よりも大き
い。このため、回転体１２と一体の回転体固定具１１を
回転軸］３に挿入するには強い力を必要とせず容易に行
うことができる。

第４図の状態で、定められた温度と時間とによる熱処理
を加えると、第５図に示すように回転体固定具コ」は形
状を変化させて内径は縮小し回転軸１３の外周面に接触
し、さらに小さくなろうとするので回転軸」−３表面に
応力が発生し、それにより生しる摩擦力で回転軸１３と
回転体固定具］コ−どが結合される。このようにして、
回転体１２と回転軸１３とが回転体固定具１１を介して
固定される。

本実施例によれば、先の実施例で説明したと同様の効果
が得られ、本発明の第１の目的、第３の目的を達成する
ことができる。

次に、第３の発明の一実施例を第６図および第７図を参
照して説明する。

第６図は、本発明のさらに他の実施例に係る回転体固定
具を回転軸に固定し回転体に挿入した状態を示す断面図
、第７図は、第６図の回転体固定具による固定後の状態
を示す断面図である。

第６図において、２１は、形状記憶合金製の環状（はぼ
円筒状）の形状をした回転体固定具、２２は回転体、２
３は回転軸である。

第６図に示す固定前の回転体固定具２１は回転軸２３に
あらかしめ圧入によって固定されており、回転体固定具
２１の外径は回転体２２の中心穴の内径よりも小さい。

このため、回転軸２３と一体の回転体固定具２１を回転
体２２に挿入するのに強い力を必要とせず容易に行うこ
とができる。

第６図の状態で、定められた温度と時間とによる熱処理
を加えると、第７図に示すように回転体固定具２１は形
状を変化を変化させて外径が拡大し回転体２２の中心穴
内面に接触し、さらに大きくなろうとするので回転体２
２内面に応力が発生し、それにより生しる摩擦力で回転
軸２３と回転体固定具２］とが結合する。このようにし
て回転体２２と回転軸２３とか回転体固定具２］−を介
して固定される。

第６，７図の実施例によれば、先の各実施例で説明した
と同様の効果が得られ、本発明の第１の目的、第３の目
的を達成することができる。

次に、第４の発明の一実施例を第８図を参照して説明す
る。

第８図は、本発明のさらに他の実施例に係る平行変形す
る回転体固定具の断面図で、（ａ）図は変形前、（ｂ）
図は変形後を示す。

第８図に示す回転体固定具５は、形状記憶合金製の環状
の形状をなすものである。この回転体固定具５は、温度
を始めとする熱処理条件によって軸方向の内面に対する
外面の変位Ａが決められる。

これを利用して、内面に固定された回転軸に苅する、外
面に固定された回転体の位置を調整することができる。

第８図の実施例によれば、回転軸に対する回転体の固定
位置、特に回転軸方向の固定位置の高精度の調整を可能
にする回転体固定具を提供するという第２の目的を達成
することができる。

次に、第５の発明の一実施例を第９図を参照して説明す
る。

第９図は、本発明のさらに他の実施例に係る回転変形す
る回転体固定具の正面図で、（ａ）図は変形前、（ｂ）
図は変形後を示す。

第９図において、６は、形状記憶合金製の環状の形状を
なす回転体固定具、７は、回転軸を中心とする内面に対
する外面の回転変位０を示すための印である。

この回転体固定具６は、温度を始めとする熱処理条件に
よって、回転変位Ｏが決められる。

これを利用して、回転体固定具６の内面に固定された回
転軸に対し、回転体固定具６の外面に固定される回転体
の回転角度を調整することができる。

第９図の実施例によれば、回転軸に対する回転体の固定
位置、特に回転方向の固定角度の高精度の調整を可能に
する回転体固定具を提供するという第２の目的を達成す
ることかできる。

次に、回転体固定具を用いた回転体の例を第１０図を参
照して説明する。

第１０図は、本発明の回転体固定具を用いたスクリュー
流体機械の略示構成図である。

第１０図において、５］、、５２は、互いに噛み合う雄
雌一対のスクリューロータ、５３．５４はその回転軸、
５５．５６は回転軸５３．５４に設けた同期歯車である
。

一対のスクリューロータ５１．．５２は微小な間２：） 隙を確保しながら回転する。スクリューロータ５１．５
２の回転同期が狂うとスクリューロータ同志が接触し、
騒音、振動を発生し事故の原因となってしまう。そのた
め、各々の回転軸５３．５／４に同期歯車５５．５６を
設け、これによって回転同期をとっている。

しかし、同期歯車５５．５６を回転軸５３，５４に固定
するときの固定角度を調整することは簡単ではない。そ
の理由は、スクリューロータ５１゜５２間の間隙が非常
に小さいために、同期歯車５５．５６の固定角度もその
間隙以上の狂いがあるとスクリューロータ５１，５２．
が互いに接触してしまうからである。

そこで、同期歯車５５．５６の固定と微小な角度調整と
を、前記の第１ないし第３の発明のいずれか、さらに第
５の発明の回転体固定具を用いて行うものである。

第１０図の実施例によれば、互いに噛み合う雄雌一対の
スクリューロータ軸における同期歯車の組み付けとタイ
ミング調整を容易にするスクリュ一流体機構を実現し、
本発明の第３，４の目的を達成することができる。

次に、回転体固定具の製作方法の一例を第１１図を参照
して説明する。

第１１図は、本発明のさらに他の実施例に係る回転体固
定具の正面図である。

第１１図に示す回転体固定具７は、形状記憶合金よりな
る部材を薄い箔状の板とし、これを多層巻き付けて環状
の形状に形成したものである。

一般に、形状記憶作用は薄いほど強く表われるので、第
１１図に示した回転体固定具７では、形状記憶作用を有
効に活用することができる。

すなわち、第１１図の実施例によれば、第１〜第４の目
的を実現するために使われる回転体固定具の信頼性を高
め、かつ、製作の容易な回転体固定具の製作方法を提供
するという本発明の第５の目的を達成することができる
。

なお、上記の各実施例では、回転体固定具を形成する部
材を形状記憶合金としたが、本発明はこれに限らず、形
状記憶作用を有する合成樹脂を用いて回転体固定具を形
成してもよい。

また、第２．第３の発明において、回転体固定具は、回
転体にあらかじめ鋳込みによって固定区する例を説明し
たが、本発明はこれに限らす、冷し嵌め、圧着、接着、
ねじ止め等の手段で固定しても差支えない。

［発明の効果コ 以上述へたように、本発明によれば、簡！１ｔな設備で
容易に回転体を回転軸に固定でき、かつ、１−分な精度
の軸心合わせと十分な固定強度とを実現するとともに、
回転軸に対する回転体の固定位置（回転軸方向の固定位
置、回転方向の固定角度）の高精度の調整を可能にする
回転体固定具を提供することができる。

また、本発明の回転体固定具を用いて、回転軸への取り
付け、心出しの容易な歯車やプーリなどの回転体の実現
、さらに互いに噛み合うａ雌−列のスクリューロータ軸
における同期歯車の組み付けとタイミング調整を容易に
するスクリュー流体機械を実現することができる。

さらに、回転体固定具の信頼性を高め、かつ、製作の容
易な回転体固定具の製作方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の回転体固定具を、回転体
２回転軸間に挿入した状態を示す断面図、第２図は、第
」−図の回転体固定具による固定後の状態を示す断面図
、第３図は、その回転体固定具の内外径寸法の変化を示
す断面図、第４図は、本発明の他の実施例の回転体固定
具を回転体に固定し回転軸を挿入した状態を示す断面図
、第５図は、第４図の回転体固定具による固定後の状態
を示す断面図、第６図は、本発明のさらに他の実施例に
係る回転体固定具を回転軸に固定し回転体に挿入した状
態を示す断面図、第７図は、第６図の回転体固定具によ
る固定後の状態を示す断面図、第８図は、本発明のさら
に他の実施例に係る平行変形する回転体固定具の断面図
、第９図は、本発明のさらに他の実施例に係る回転変形
する回転体固定具の正面図、第１０図は、本発明の回転
体固定具２゛７ を用いたスクリュー流体機械の略示構成図、第１１図は
、本発明のさらに他の実施例に係る回転体固定具の正面
図である。 １、．５，６，７，１．１，２］−回転体固定具、２．
１２．２２・回転体、３，１３．２３　　回転軸、５１
．５２・・・スクリューロータ、５５．５６同期歯車。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、回転軸と、その回転軸とともに回転する回転体とを
   固定する回転体固定具であって、 形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし、 固定前には、回転軸と回転体の穴との間の環状の間隙に
   挿入することができる寸法をしており、 固定時には、定められた温度と時間とによる熱処理によ
   って記憶している寸法形状に戻る作用が働き、外径は拡
   大して回転体の穴径よりも大きな径になろうとして回転
   体に接触し、内径は縮小して回転軸の軸径よりも小さな
   径になろうとして回転軸に接触し、 これらの接触による摩擦力で回転体を回転軸に固定する
   ことを特徴とする回転体固定具。 ２、回転軸と、その回転軸とともに回転する回転体とを
   固定する回転体固定具であって、 形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし、 その回転体固定具の一部が回転軸との固定前にあらかじ
   め回転体に固定されており、 固定時には、定められた温度と時間とによる熱処理によ
   って記憶している寸法形状に戻る作用が働き、当該回転
   体固定具の内径は縮小して回転軸の軸径よりも小さな径
   になろうとして回転軸に接触し、 その接触による摩擦力で回転体を回転軸に固定すること
   を特徴とする回転体固定具。 ３、回転軸と、その回転軸とともに回転する回転体とを
   固定する回転体固定具であって、 形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし、 その回転体固定具の一部が回転体との固定前にあらかじ
   め回転軸に固定されており、 固定時には、定められた温度と時間とによる熱処理によ
   って記憶している寸法形状に戻る作用が働き、当該回転
   体固定具の外径が拡大して回転体の回転中心に設けられ
   た穴径よりも大きな径になろうとして回転体に接触し、 その接触による摩擦力で回転体を回転軸に固定すること
   を特徴とする回転体固定具。 ４、回転軸と、その回転軸とともに回転する回転体とを
   固定する回転体固定具であつて、 形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし、 その内面は回転軸に固定され、その外面も回転体の回転
   中心に設けられた穴の内面またはその付近に固定され、
   回転体と回転軸双方に固定されたのちに、 定められた温度と時間とによる熱処理によって記憶して
   いる寸法形状に戻る作用が働き、回転軸に固定された内
   面に対して回転体に固定された外面が軸方向に平行移動
   する変形をなし、その変形量は熱処理の条件によって決
   められ、前記回転軸に対する前記回転体の軸方向の固定
   位置を前記変形量で調整しうることを特徴とする回転体
   固定具。 ５、回転軸と、その回転軸とともに回転する回転体とを
   固定する回転体固定具であって、 形状記憶作用を有する部材による環状の形状をなし、 その内面は回転軸に固定され、その外面も回転体の回転
   中心に設けられた穴の内面またはその付近に固定され、
   回転体と回転軸双方に固定されたのちに、 定められた温度と時間とによる熱処理によって記憶して
   いる寸法形状に戻る作用が働き、回転軸に固定された内
   面に対して回転体に固定された外面が回転方向に回転軸
   を軸とする回転変形をなし、 その変形量は熱処理の条件によって決められ、前記回転
   軸に対する前記回転体の回転方向の固定角度を前記変形
   量で調整しうることを特徴とする回転体固定具。 ６、回転軸に固定されて、その回転軸とともに回転する
   回転体において、 回転軸を挿入するための穴が回転中心に設けられており
   、 その穴の内面またはその付近に、形状記憶作用を有する
   部材による環状の回転体固定具が固定されており、 回転体固定具の内径は回転軸径より大きいか同等で、回
   転体が回転軸に固定される前には前記回転軸を前記回転
   体に挿入することが可能で、固定時には、定められた温
   度と時間とによる熱処理によって記憶している寸法形状
   に戻る作用が働き、回転体固定具の内径が小さな径にな
   ろうとして回転軸に接触し、 その接触による摩擦力で回転軸に固定されることを特徴
   とする回転体固定具を用いた回転体。 ７、互いに噛み合う雄雌一対のスクリューロータをケー
   シング内に備え、前記スクリューロータは、ケーシング
   または相手側スクリューロータとも互いに微小な間隙を
   保有しながら非接触で回転するものであって、前記一対
   のスクリューロータの回転を同期させるように、各々の
   回転軸に互いに噛み合う同期歯車を備えてなるスクリュ
   ー流体機械において、 形状記憶合金による環状の形状をなし、定められた温度
   と時間とによる熱処理によって記憶している寸法形状に
   戻る作用が働く回転体固定具を用いて、前記同期歯車の
   回転軸への固定を行なったことを特徴とするスクリュー
   流体機械。 ８、回転軸と、その回転軸とともに回転すべき回転体の
   穴との間の環状の間隙に挿入しうるように、 形状記憶作用を有する部材の薄い箔状の板を多層巻き付
   けて環状の形状に形成することを特徴とする回転体固定
   具の製作方法。