JPH0234931B2 - - Google Patents

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JPH0234931B2
JPH0234931B2 JP56071541A JP7154181A JPH0234931B2 JP H0234931 B2 JPH0234931 B2 JP H0234931B2 JP 56071541 A JP56071541 A JP 56071541A JP 7154181 A JP7154181 A JP 7154181A JP H0234931 B2 JPH0234931 B2 JP H0234931B2
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JP
Japan
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catalyst
synthesis gas
syngas
temperature
ratio
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JP56071541A
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JPS57188536A (en
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Kei Beru Ueruton
Deiton Changu Kurarensu
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ExxonMobil Oil Corp
Original Assignee
Mobil Oil Corp
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Publication date
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Publication of JPH0234931B2 publication Critical patent/JPH0234931B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
石炭から合成ガスを経由して液体燃料を製造す
る方法には、よく知られたフイツシヤー・トロプ
シユ(F―T)法と、米国特許第3928483号に記
載のような最近開発されたメタノール―ガソリン
法との二つの主要な径路がある。フイツシヤー・
トロプシユ(F―T)法ではガス、液体炭化水
素、酸素含有化合物および水を含むC1〜C50に亘
る広範囲の生成物が得られる。 上述の方法の各々に共通したことは合成ガス
(シンガス、H2+CO)を製造する資本費用の何
よりも大切な影響である。これはガス化器の設計
により変化し、この設計は石炭の性質および生成
物のエンタルピーにより影響される。ガス化器の
技術の最近の報告書によれば高効率のガス化器が
造られ、これは必然的にガス化に際しスチーム対
酸素の低比率を使用することによつて比較的低ガ
ス比のシンガス(H2+CO)を生成する。こうし
て、最も最近になつて進歩したガス化器は高熱効
率が得られる比較的低生成物回収温度および低ス
チーム/炭素比を必要とする温度で運転される。
これらの条件下で製造されたシンガスはに等し
い水素/一酸化炭素比をもつが、さらに普通には
最高の効率のガス化器の場合には前記比は1未満
であり、約0.4〜約0.7の範囲内の値である。現在
の慣用のF―T法やメタノール合成法では2に等
しいか或はそれ以上のH2/CO比を必要とするか
ら、前述のような低いH2/CO比のシンガスは直
接F―T法やメタノール合成に使用することはで
きない。こうして、1またはそれ以下の低H2
CO比のシンガスを2まで、またはそれ以上の
H2/CO比に増大するための外部の水性ガス移行
(シフト)反応操作は前記の最も進歩した高効率
のガス化器によつて達成される効率上の利得をも
相殺するものである。 シンガスから一挙にジメチルエーテル(DME)
を製造する主要な利益は、この化合物が例えば米
国特許第3928483号に記載のような1〜12の制御
指数をもつZSM―5により代表される結晶性ゼ
オライトを使用してガソリン沸点範囲の炭化水素
に容易に転化できるからである。前記米国特許に
おいては生成したメタノールを脱水して得られた
エーテルに生成物を結晶性ZSM―5ゼオライト
上で転化している。 シンガスからメタノールを合成する際に遭遇す
る問題は得られる平衡転化率(炭素効率)がむし
ろ低いことである。慣用のメタノール合成の際に
満足な収率を得るためには大量の未反応水素と一
酸化炭素とを再循環することが必要である。この
大量の再循環を必要とすることは装置の大きさを
著しく増大させ、従つて投下資本が増大するか
ら、このことは前記方法の経済的魅力に悪影響を
及ぼすものである。 従つて、一回流通反応当りのメタノールの生産
性すなわちシンガスの転化率を増大するための改
善策が探究されてきた。その一解決策はメタノー
ルを平衡に関与しない最終生成物に更に反応させ
ることによつて化学平衡を移動させるにある。提
唱された平衡移動反応の一つは中間体のメタノー
ル生成物を脱水してジメチルエーテルを生成させ
るにある。 例えば、米国特許第3894102号はシンガスをメ
タノール合成および酸性脱水触媒の混合触媒と接
触させてジメチルエーテルを含む第1段階中間生
成物をつくり、次いで前記中間生成物を第2段階
でZSM―型触媒と接触させて芳香族炭化水素を
生成することからなる合成ガスをガソリンに転化
する方法を開示している。第1段階反応の触媒と
して任意のメタノール合成触媒を使用できるが、
下記の相対金属重量の金属組成:Cu50〜70部、
Zn50〜25部およびCrと希土類金属との各々の5
〜15部のZn/Cu/Cr/希土類金属各酸化物の混
合物が好適な組成物である。このような組成物の
Cr/(Cu+Zn)比は0.07〜0.3である。 米国特許第3894102号の方法で使用するシンガ
スは比較的高いH2/COモル比をもつ。メタノー
ル合成触媒上のシンガス転化反応におけるジメチ
ルエーテル置換反応により得られる重要な別の改
善は米国特許第4011275号明細書により教示され、
この米国特許は0.8〜1.7のH2/COモル比をもつ
シンガスを2成分ジメチルエーテル合成触媒上で
転化する転化反応を開止している。ジメチルエー
テル/メタノール合成の場合にはメタノール合成
単独の場合よりシンガスの転化率が高いだけでな
く、ジメチルエーテル/メタノール合成に対する
最高の平衡転化率が、メタノール合成の場合に
H2/CO比が2であるのに比して1で得られる。
後者の米国特許の第6図と第8図とはシンガス供
給原料と共に水を添加すると最高の平衡転化率を
うるのに必要なH2/CO比がより水素不足シンガ
ス供給原料の方にさえシフト(移動)することを
示している。前記供給原料に二酸化炭素を添加し
てもジメチルエーテル/メタノール合成には明ら
かな効果は全く得られない。COと一緒に水を添
加することによつて得られる水素不足供給原料の
場合転化率が増大することは添加したH2Oと過
剰のCOとの間の内部水性ガス移動(シフト)反
応によりより多くの水素(これは有機生成物に転
化される)を生成するためである。後者の反応に
有用であると云われるメタノール合成触媒は慣用
の触媒である。 米国特許第4098809号は更に、供給ガスのCO含
量に比してCO2含量が低ければ、CO,CO2およ
びH2含有水素不足供給原料混合物Cu/Zn/Crメ
タノール合成触媒―アルミナ上で転化条件下で接
触させることによつてジメチルエーテルが製造で
きることを教示している。この特許は反応したガ
ス中に水が存在することはメタノールの脱水反応
を抑制し、それによつてジメチルエーテルへの1
回流通当りの転化率を制限するから望ましくない
と教示している。しかし水素に比してCOが顕著
に過剰である時はスチームの添加は有用であると
云われる。この特許に開示された方法に適したメ
タノール合成成分は銅に基ずく触媒および亜鉛に
基ずく触媒およびCrに基ずく触媒がある。82/
16/4の原子比のCu/Zn/Crメタノール合成触
媒成分が例において使用されている。この触媒の
Cr/(Cu+Zn)比は0.04である。触媒調製の方
法については開示されていない。 米国特許第4096163号はメタノール合成成分お
よびZSM―5型ゼオライト成分を含む触媒上で
シンガスを炭化水素生成物に転化することを提唱
している。特に望ましい特定のメタノール合成触
媒は記載されていない。 そのほかに、シヤーウイン(Shirwin)および
ブルム(Blum)はカリフオルニア、パロ・アル
ト(Palo Alto)のエレクトリツク・パワー・リ
サーチ・インスチチユートのために調製された
「リキド・フエーズ・メタノール」の題名で1978
年5月のインテリム・レポート(Interim
Report)にガンマアルミナおよび13X分子篩を
工業用メタノール合成触媒含有スラリー反応系に
添加することによつてDMEを製造する試みを報
告している。230℃〜300℃、35〜69絶対気圧、
2015〜6915GHSV(時間当りのガス空間速度)
で、微量のDMEが観察されるにすぎない。ダビ
ドソン(DaVidson)980SiO2/Al2O3上に含浸さ
れた6/3/1原子比のCu/Zn/Crからなる触
媒は50%H2、25%CO、10%CO2および15%CH4
含有供給原料から230℃、69絶対気圧、
2000GHSVで微量のDMEを生成するのにすぎな
い。 米国特許第4177167号はケイ素化合物で安定化
したジメチルエーテル合成触媒は安定化されてい
ない触媒に比して高活性を示し、より長い触媒使
用寿命を示すことを教示している。触媒はCr,
La,Mn,Cu,Znの酸化物または塩の混合物お
よびAlと前記酸化物または塩との併用物からな
る。安定化された触媒の活性を維持するために10
%〜70%の範囲のAlの原子含量が必要である。
この触媒は慣用の方法により造られる。Cu/
Zn/Cr成分の共沈処理が例証されている。触媒
の組成(Al含量以外)は特定の効果をもつもの
であるようには開示されていない。例証された触
媒のCr/(Cu+Zn)比は約0.2〜0.6である。供
給原料ガス中の適当なH2/COモル比は約0.3〜10
の範囲内であるべきことが開示されている。例に
用いられたシンガスのH2/CO比は3である。 DMEを直接合成する可能性が希土類金属促進
剤およびガンマアルミナを含有するCu/Zn/Cr
の物理的混合物により初めて実証された。 H2/CO比が4のシンガスが315℃、50絶対気
圧、1440GHSVで上記触媒と接触され、得られ
た転化率は31.5%(平衡値の86%)であつた。生
成物は22.4%DME、0.93%CH3OH、29.0%CO2
2.0%H2O、3.2%軽質炭化水素および残余はH2
COとであつた。上記触媒をH2/CO比=1のシ
ンガスと315℃、103絶対気圧、4400GHSVでも
試験した。30日間で60%(平衡値の75%)から40
%に低下した転化率は触媒が急速に劣化すること
を示すものである。H2を使用し、315℃〜400℃
で触媒を再生することを試みたが失敗に終つた。 触媒の劣化は既知のジメチルエーテル合成法に
おいて重要な問題であり、この理由は触媒の劣化
は他の点では非常に価値ある方法でもその工業的
実施性を著しく制限するからである。 本発明はジメチルエーテル合成に使用すること
によつて失活した劣化触媒を再生するための信頼
性があり且つ工業的に実施可能な方法を提供する
ことにより、全ジメチルエーテル合成法を一層経
済的に魅力ある方法となすものである。 本発明はジメチルエーテル合成触媒のメタノー
ル合成成分として特定のZn/Cu/Cr触媒を使用
することによつて触媒の劣化を最少となし、且つ
特定の酸化再生法を使用することによつて合成ガ
ス供給原料のほぼ平衡転化率を維持するのに充分
な高レベルの触媒活性を維持することができると
の考察に基くものである。 当業者にはジメチルエーテル合成にこの種の触
媒を使用することは既知であるが、触媒の組成、
特にそのクロム含量と触媒の劣化との関係は明ら
かにこれまで認められてはいなかつたものであ
る。 従つて、本発明は合成ガスを232℃〜399℃の温
度で、0.1〜1.0のCr/Cu+Zn)の原子比の共沈
したCr,CuおよびZn成分と酸性脱水成分とを含
有する触媒組成物と接触させ、次いで該触媒組成
物を38℃〜538℃の温度で酸素含有ガスと接触さ
せることによつて触媒組成物を再生することから
なる、合成ガスをジメチルエーテルに転化する方
法を提供するものである。 本発明のシンガス転化方法ではメタノール合成
触媒の金属成分と酸性脱水成分とを組合わせて使
用する。本発明方法に使用する触媒組成物は水素
化成分をそれら単独で、或は脱水成分と混合して
共沈させる技法に依存するものであり、Cu,Zn
およびCrの原子比は上述した比較的狭い範囲内
で変化しうる。更に詳しくは、Cu,ZnおよびCr
の共沈した成分はCr/(Cu+Zn)比が0.1〜1.0、
更に好ましくは0.25〜0.75の相対量で使用され
る。0.5の比が特に好ましい。他方、Cu/Znの比
は0.5〜3.0であるのが好ましい。 触媒組成物の酸性脱水成分すなわち触媒のマト
リツク支持体はガンマアルミナ、シリカーアルミ
ナ、高SiO2含量のZSM―5結晶性ゼオライト、
リン酸塩、酸化ケイ素と併用した酸化チタン、希
土類金属または粘土である。これらの物質のうち
で、ガンマアルミナが特に好ましく、特に触媒組
成物の約50%を構成する量が好ましい。 本発明のジメチルエーテル合成法はH2/CO比
が1以下または1以上でもよいから特に興味ある
ものである。こうして、H2/CO比は0.5〜3、更
に好ましくは0.5〜2である。しかし1またはそ
れ以下のガス比を使用するのが特に好ましい。こ
の理由はこのようなガス比の合成ガスは上述した
近代的高効率ガス化器によりはるかに経済的に製
造でき、且つこのようなシンガス給源は全処理コ
ストの30%〜40%を低減させるからである。この
低ガス比(<1)シンガス雰囲気では0.4〜0.7の
H2/CO比をもつ低ガス比シンガスの水素不足性
はスチーム(H2O)を前記低ガス比シンガス原
料と混合して或は別個に触媒に注加することによ
り矯正または相殺できる。この添加されたスチー
ムは使用する触媒組成物により水性ガス反応に使
用され、接触反応帯域でH2/COガス比を増大す
るのに極めて有効である。この操作は低ガス比の
シンガスを改変するための外部からの水性ガスに
よるH2/CO比移動に対する必要性をなくし、そ
れによつて本発明方法の全体の経済性の改善に更
に寄与する。 シンガスををジメチルエーテルに転化する本発
明方法を開発する際に実施した研究およびその研
究から発展した概念によりガンマアルミナのよう
な適当な酸性マトリツクスと混合したCu,Znお
よびCrの共沈した酸化物の混合物から成る、選
定された触媒組成物がジメチルエーテル合成を行
ために高触媒活性と選択率とを与えることが判明
した。しかし、更に重要なことはこれらの触媒組
成物は周期的に酸化により再生できて所望の高触
媒活性を維持することができること、すなわち、
本発明で使用する特定の触媒組成物は特定の酸化
再生処理および比較的短期間前処理技法によつて
長期の処理期間中定常状態の高活性を維持できる
ことが知見されたことである。例えば、シンガス
反応帯域中の触媒は該帯域中で再生するか、或は
触媒を別の触媒再生帯域に通して再生し、次いで
反応帯域に戻して所望の触媒活性と選択性とを維
持することができる。従つて触媒の再生は固定床
を使用するか、或は移動触媒床系を使用するかに
よつて連続式に、または半連続式に、または間け
つ的に例えば周期的に行うことができる。 ガンマアルミナと混合した共沈したCr,Cu,
Zn触媒成分は、触媒を空気と同じ或はそれより
低い酸素分圧をもつ酸素含有ガスを比較的短時間
接触させるか或は供給した酸素富化ガスの再生器
からの流出が始まるまで周期的に接触させること
によつてDMEの実質上熱力学的収率を達成する
ための高活性状態を維持できることが判明した。
このことがこれまで既に達成されていたとの証拠
はない。ここに規定した共沈触媒を使用する場合
には触媒は38℃〜538℃の温度で首尾よく再生で
き、長期にわたる処理期間に対しても538℃以下
の温度を使用することが好ましい。触媒の酸化す
なわち再生の後で、必須ではないにせよ、新しく
酸化した触媒を高温度還元性ガスと接触させるこ
とを避けるのが重要である。すなわち、新しく再
生した触媒を水素、水素―一酸化炭素混合物また
は他の還元性ガスで還元することは特に接触温度
が260℃またはそれ以上の時は避けるべきである。
従つて、酸素で再生した触媒をシンガス供給原料
または希薄シンガスのような還元性ガスと最初は
177℃〜約232℃の温度で接触させ、その後で温度
を上昇させるか或はシンガス供給原料の組成を変
化させるか或はそれら両者を同時に行うかして
DMEのほぼ熱力学的収率を達成することが好ま
しい。 触媒の再生は固定触媒系を使用するか、または
移動触媒系を使用するかによつて周期的に或は連
続的に行うことができる。更に低ガス比のシンガ
スをDMEに転化することは平衡条件以下に徐々
に下降する転化条件下で行つてもよく、この場合
には触媒を酸化再生を必要とするまでにより長い
期間にわたつてシンガスを送給して使用状態に保
つことができる。こうして、触媒の酸化再生は触
媒粒子を酸化するために接触する時に非常な高温
度の発熱を避けることが重要である。1週間毎の
再生または毎日の再生処理または中間の頻度での
再生処理を可能にするスイング反応器方式で使用
する触媒の頻繁な再生処理が有利に使用できる。
触媒の毎日の再生処理はシンガスを転化して
DMEの実質上平衡収率を達成するために望まし
く、再生温度はより最適の触媒活性を維持するた
めには約538℃以下に保つのが好ましい。 本発明は図を参照して以下に更に詳細に説明す
る。 上述のように、ジメチルエーテル合成は他のF
―T操作やメタノール合成操作にまさる決定的利
点をもたらす。この理由はジメチルエーテル合成
は特に比較的低ガス比のシンガスを使用すること
を可能となすからであり、この特徴は低ガス比の
シンガス供給原料を使用する際に必要に応じスチ
ームを噴射または添加することによつて、低ガス
比シンガス(H2/CO比が1より小)を生成する
高効率ガス化操作と組合わせて有利に使用でき
る。この操作において触媒の水性ガス反応能力が
有利に利用される。 第1図はシンガス100モル当り触媒に共供給さ
れる水(スチーム)のモル量に対する全H2+CO
転化率を示すグラフであり、COと一緒に供給
(共供給)したスチームの一効果を説明するもの
である。H2/CO比は0.67で、温度は316℃、圧力
は50気圧、75気圧および100気圧である。第1図
からわかるように、転化率は最高値を通り、この
最高値は圧力が増大すると共に共供給するスチー
ムの相対量が多い方へ移行する。従つて、最高の
転化率は同等の全圧力でH2/CO比=1の場合の
最高転化率より若干低いことは明らかである。 合成ガスからジメチルエーテルの直接合成は多
くの異なる組合わせ操作にかなり有利に使用でき
る。すなわち、効率のよいシンガス発生操作から
得た、或は石炭の現場ガス化操作によつて得た、
低ガス比シンガスからジメチルエーテルを経済的
に生成することは組成がかなり化合物または炭化
水素またはそれら両者を製造するための競合径路
中で特に有利に利用できる。 例えば、低ガス比シンガスに水を共供給する時
の主要な効果は水と過剰のCOとの水性ガス生成
反応を経て更に付加量の水素を生成することによ
つてシンガスの利用範囲が増大されることであ
る。水を共供給することにより得られる前ほどは
重要ではないがしかし別の効果はシンガス転化反
応から回収した流出流のH2/CO比を少くとも1
まで増大させることである。回収される流出流中
のH2/CO比を増大させるこの効果を第2図に示
す。第2図はシンガス100モル当りの触媒に共供
給した水(スチーム)のモル量に対するシンガス
転化触媒帯域からの流出ガスのH2/CO比をグラ
フで示すものである。この図において最初の
H2/CO比は0.67、温度は316℃で、圧力は50気
圧、75気圧および100気圧である。 本発明により合成されるDME生成物は適当な
アルコール例えばt―ブタノールとの反応によ
り、或は枝分れオレフイン例えば酸触媒を使用し
て2―メチルプロパンとの反応によりメチル―t
―ブチルエーテルに品位向上しうる。前記酸触媒
は支持物質を使用し或は使用しない硫酸或は無機
酸である。或は酸触媒は酸性イオン交換樹脂、支
持体上のリン酸であつてもよい。処理温度は50℃
〜300℃であるが、60℃〜150℃の温度が特に好ま
しい。30〜50気圧の圧力がこの処理には好適であ
る。 他の処理では、ガス化操作から最初得られたシ
ンガスを触媒スラリー反応系中でジメチルエーテ
ルに富んだ生成物に変えることができる。このよ
うな系では触媒の金属成分と酸成分とは高沸点液
体相、例えば鉱油物、フイシヤー・トロプシユ合
成の油生成物、例えばデカントオイルの一部およ
び潤滑油ベースストツクにより包囲されるか、或
はそれらに懸濁される。固体触媒成分は金属成分
と酸成分との合併粒子として、或は別個の粒子と
して使用できる。この液相処理は一般に約260℃
〜約343℃の温度および約68気圧〜136気圧の圧力
で実施できる。 更に他の処理では、DME生成物を酸触媒の存
在下に水との反応によりメタノールに転化でき
る。触媒はケイ藻土、シリカ―アルミナ・アルミ
ナ、還元された酸化タングステンまたは酸性結晶
性ゼオライト上に分散された五酸化リン(P2O5
である。温度は一般に約204℃〜約371℃で、圧力
は一般に10気圧〜100気圧である。 或はまた、DME生成物は銅触媒の存在下に酸
素と反応させてホルムアルデヒドとなしてもよ
い。このような処理では温度は約600℃〜720℃、
圧力は1〜5気圧である。銅触媒の代りにアルミ
ナ、シリカ―アルミナまたはケイ藻土のような担
体中に分散させたリン酸と併用した酸化タングス
テン、または銀単独または少量の銅および助触し
た銀触媒である。銀触媒を使用する時には温度は
一般に600℃〜800℃で、圧力は3〜8気圧であ
る。更にまた、モリブデンで助触した鉄からなる
触媒混合物(例えばFe2O318重量%、+MoO3 82
重量%)も350℃〜400℃で使用できる。 更にまた、DME転化反応のオレフイン中間生
成物を液体燃料転化操作への供給原料として使用
することによつて液体燃料を生成することができ
る。すなわち、DME生成物を343℃〜427℃、好
ましくは少くとも371℃の温度でHZSM―5 結
晶性ゼオライトにより代表される結晶性ゼオライ
トと接触させることによつてオレフイン中間生成
物に転化し、生成したオレフインは使用する条件
および触媒活性に依存して枝分れ鎖オレフインま
たは直鎖オレフインであつて、ガソリン沸点範囲
内で沸とうする。或はまた、生成したオレフイン
から芳香族留分が多いガソリン生成物を生ずるよ
うに操作条件および触媒を選択することもでき
る。更にまた、オレフイン中間体をオレフインオ
リゴメ化またはオレフイン化と水素化と組合わせ
ることによつてジエツト燃料に品位向上すること
もできる。オレフイン中間体のオリゴメ化は175
℃〜約250℃の温度で達成でき、特に200℃〜220
℃の温度および10〜100気圧の圧力が好ましい。
ジエツト燃料を製造するためにオレフインのオリ
ゴメ化を行う時には水を共供給し、触媒組成物中
の遊離P2O5分を約15〜18%に維持することが望
ましい。ケイ藻土は酸性触媒支持体材料として使
用してもよい。 DME生成物からオレフインを合成する工程は
使用する反応条件および触媒に依存して化学薬品
成分、枝分れオレフイン、芳香族およびガソリン
沸とう範囲物質を取得する工程の組合わせ操作に
おける中間工程である。上述の組合わせに加え
て、DMEから造られたオレフインに加えて仕意
の給源物質からのオレフインの混合物をメタノー
ルと反応させて高オクタンエーテルをつくること
ができることも認められた。 上述の方法の任意の方法において、未反応シン
ガスは水を添加し、或は添加することなく、CO2
を除去前または必要に応じCO2を除去後にDME
転化操作に再循環できる。他方、CO2を含む全未
反応ガスを、水を共供給し或は供給することな
く、フイツシヤー・トロプシユシンガス転化操作
に送り、反応させて広範囲の生成物を造ることが
できる。 さて第5図に本発明の処理操作によるシンガス
の品位向上のためのブロツク工程図を示す。1ま
たはそれ以下のH2/CO比をもつ低ガス比のシン
ガスを帯域4でジメチルエーテルに転化するため
に導管2により本発明方法の操作に導入される。
水は導管6により直接に、或は導管8を経て導管
2中でシンガスと混合した後DME合成帯域4に
装入する。帯域4では、DMEを多量に含み、且
つ若干のメタノールを含む生成物を生成するよう
に温度、圧力および空間速度が選択される。帯域
4はまた未反応シンガスおよびCO2をDMEに富
んだ生成物から分離する分離施設を備える。未反
応シンガスとCO2とは導管10により回収され、
更に処理される。メタノールおよびCO2を含有す
るDMEに富んだ生成物は導管12により回収さ
れ取出される。DMEに富んだ生成物は導管12
により帯域14に送られ、ここでエーテルは
ZSM―5により代表される結晶性ゼオライトと
接触させてガソリン沸点範囲のオレフインおよ
び/または芳香族炭化水素に転化される。回収さ
れたDME中のメタノールもまた前記ゼオライト
触媒との接触によりガソリン沸点範囲の物質に変
えられる。帯域14中で意図される反応は使用す
る触媒と共にその目的反応に対して特に選択的な
操作条件下でオレフイン化、重合および芳香族化
である。ゼオライト触媒成分はコバルト、鉄、白
金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミ
ウム、銅、亜鉛、マンガンおよびモリブデンの1
種またはそれ以上を添加することによつて水素化
活性を備えていてもよい。オレフイン性および/
または芳香族性ガソリン沸てん範囲生成物はこの
処理の生成物として導管16により回収される。 導管10により帯域4から回収されたCO2を含
み、且つH2/COに富むシンガスはフイツシヤ
ー・トロプシユ触媒を含む帯域18(F―T)に
送られ、ここで前記H2/COに富むシンガスは添
加した水の存在または不在下でフイツシヤー・ト
ロプシユ型シンガス転化反応にかけられる。帯域
18で行われる反応は特に鉄、コバルトおよびル
テニウム触媒により付与されるフイツシヤー・ト
ロプシユ合成反応である。もつともオスミウムお
よびロジウムのような他の触媒成分も種々の成功
度で使用できる。他方、前記フイツシヤー・トロ
プシユ触媒金属成分は前記個々の成分の活性を所
望の範囲内に調節するために改変されたゼオライ
トまたは酸性担体と混合してもよい。フイツシヤ
ー・トロプシユ触媒成分はZSM―5 結晶性ゼ
オライトにより代表される結晶性ゼオライトと混
合してシンガスを特にガソリン沸点範囲の成分に
転化することもできる。帯域18中で使用する触
媒は流動床触媒反応系または固定床触媒反応系の
ものでもよく、或は液相反応系に懸濁して使用す
るものでもよい。このように、シンガスはカリウ
ムで変性した鉄のようなフイツシヤー・トロプシ
ユ触媒上で転化してアルコール、酸素含有化合物
および炭化水素を包含するC1〜C5炭素成分の混
合物を生成することができる。このフイツシヤ
ー・トロプシユ合成は通常149℃〜427℃の温度、
3.5〜136気圧の圧力で行うことができる。フイツ
シヤー・トロプシユ合成による生成物は通常分別
してC4成分およびそれより低沸点成分をガソリ
ン沸点範囲生成物およびそれより高沸点のデカン
ト(decant)オイル生成物から回収することが
できる。酸素含有化合物は水相で回収でき、その
後ZSM―5により炭化水素に転化される。 フイツシヤー・トロプシユ合成による生成物の
品位向上処理は最近の刊行物に記載の種々の多く
の経路で行うことができる。フイツシヤー・トロ
プシユ生成物をこれらの刊行物の一つまたはそれ
以上の記載に従つて処理してLPG、ガソリンお
よびデイーゼル燃料油を得るのが特に好ましい。 例えば、DME合成から得た未反応シンガスの
品位向上処理は米国特許第4086262号、第4157338
号および第4159995号に記載の技法により達成で
き、および/またはフイツシヤー・トロプシユ合
成の全生成物を米国特許第4041094号、第4046830
号および第4046831号に記載の技法によつて処理
することもできる。別法として、フイツシヤー・
トロプシユ合成の生成物を分離しガソリン範点物
質およびそれ以下の沸点の物質を米国特許第
4041095号、第4045505号、第4049741号および第
4052477号の技法により処理してもよい。ガソリ
ンより高沸点の物質(ここではデカントオイルと
称する)は米国特許第4044064号、第4046829号、
第4053532号、第4059648号および第4071574号に
記載の技法により処理することができる。 第5図の操作配列において、および操作の特定
の方法によつて、CO2を含むシンガスは帯域18
中でフイツシヤー・トロプシユ合成触媒上で処理
してアルコール、酸素含有物質および炭化水素を
含有する生成物を排出する。この生成物を帯域1
8中で分離して炭化水素を分離し、この炭化水素
を導管20により帯域22に導く。帯域22で
は、ZSM―5により代表される少くとも5オン
グストロームの気孔開口、12以上のシリカ/アル
ミナ比および1〜12の範囲の制御指数をもつ結晶
性ゼオライトを含む1種またはそれ以上の触媒上
で炭化水素は転化される。この接触反応操作では
温度および圧力条件は供給した炭化水素をLPG、
比較的高オクタン価のガソリン、デイーゼル燃料
油および/または所望の凝固温度および流動点特
性をもつジエツト油に品位向上するように選択さ
れる。操作条件は処理する特定の炭化水素留分お
よびLPG、高オクタン価ガソリン、デイーゼル
燃料およびジエツト燃料生成物の1種またはそれ
以上の留分生成物を生成しようとする所望に応じ
てかなり広範囲に変えることができる。 以下に記載する試験は迅速な触媒の装入、およ
び前処理および反応条件、供給原料ガスの混合物
および触媒を外乱することなく再生条件を容易に
調整できる関連装置部品を備えたミクロ反応器中
で行つた。反応器は反応器中の触媒層の全長にわ
たつて延びる環状の外径3.175mmの304不銹鋼
(SS)のサーモウエルを備えた長さ400mm、外径
9.525mmの304SS管であつた。3.0c.c.の触媒層(長
さ90mm)を300mmの垂直管炉中の中央に配置した。
触媒層を反応器中の空所を満たすパイレツクスガ
ラス管に支持されたバイコール(Vycor)(コー
ニング・グラス・ウオークスの商品名)ガラスウ
ールによつて所定の位置に保持した。温度は反応
器の近くの炉壁に置かれた熱電対を備えた比例帯
制御器により維持した。反応器の使用中、予め混
合したH2とCOとを圧縮して活性炭トラツプ(こ
の活性炭は装入原料ガスシリンダー中に存在する
微量の鉄カルボニルを除くために必要である)を
通して反応器に供給した。一定のガス流量をサー
マル・マス・フロー制御器により保ち、反応圧力
は反応器および液体トラツプの下流側の背圧調整
器により維持した。 触媒の調整および前処理 所望の金属の硝酸塩の熱(85〜90℃)水溶液に
熱炭酸ナトリウム水溶液を徐々に添加(100%以
上の過剰量の炭酸塩)することによつて所望の金
属を共沈させることにより触媒〜を造つた。 沈殿を過し、洗浄水中の炭酸塩がなくなるま
で洗浄した。次いで洗浄した沈殿を減圧炉(70
℃)中で乾燥し、空気中で少くとも6時間焼成し
た。焼成した粉末の銅、亜鉛、クロムおよびナト
リウムについての斑点分析は最終物質中に存在す
るそれらの金属が最初の硝酸塩溶液中と同じ比率
で存在すること、およびナトリウムは実質上除去
されたことを示した。これらの調製の詳細を後記
第1表に示す。 次いで焼成した粉末(―80メツシユ)を酸性脱
水成分としての等重量のガンマアルミナ粉末(こ
れは538℃で少くとも6時間焼成ずみ)と物理的
に混合し、得られた混合物を機械上でペレツトと
なし、10/30メツシユに粉砕した。 得られた触媒組成物の各々を次いで反応器中の
H2/N2還元性気流(1気圧、GHSV=1500)中
で204℃で、該気流の水素含量を0〜2体積%に
徐々に増大させ、次いで8.5体積%に水素分圧を
増大することによつて前処理した。この前処理し
た触媒を不活性ガス流中で49℃以下に冷却し、反
応器への供給ガスを所望の圧力および空間速度お
よび高めた温度でシンガスに切換えた。 別の触媒(触媒)を下記のようにして造つ
た: 触媒調製例の触媒について使用した炭酸塩沈
殿メタノール成分の一部を260℃で焼成した:得
られた粉末の一部を等重量のガンマアルミナと混
合し、ペレツトとなし、粉砕し、見かけ密度が
1.05g/mlの10〜30メツシユの部分を選んだ。こ
の触媒のCr/Cu+Zn比は0.5であつた。 触媒の一部の3mlを管状反応器に装入し、上
述のように前処理し、反応に使用した。 更に別の触媒(触媒)を下記のようにして造
つた:第1表の触媒について示したCu―硝酸
塩、Zn―硝酸塩およびCr―硝酸塩の量を水170ml
に溶解した;これにNH4OH(29%)溶液41.5ml
を徐々に添加し、PHが7.5に達すると沈殿が得ら
れた;この沈殿を1〜1.5の水で3回洗い、減
圧炉で乾燥し(140℃)、357℃で焼成した;得ら
れた粉末の一を等重量のガンマアルミナと混合
し、ペレツト化し、粉砕し、10〜30メツシユの部
分を選んだ。こうして得られたDME触媒は触媒
とはメタノール触媒中の金属が炭酸塩でなくア
ンモニアにより沈殿した点で異なる。
【表】 第1表からわかるように触媒の組成は種々に変
えた。このことは類似の3種のCu/Zn比でのク
ロム組成の効果で比較すること、および類似のク
ロム含量でのCu/Znの組成の効果を比較するこ
とを可能となす。 触媒劣化特性 各触媒の劣化特性を操作日数に対してプロツト
したln〔―ln(1−Q)〕(Qは実測したシンガス全
転化率/熱力学平衡値により予期した全転化率の
比である)の勾配により定量的に調べた。負のこ
の勾配は指数函数で表わした失活(減衰)速度で
ある。この概念は減垂速度式 K=K0e-bt (1) (式中Kは実験による反応速度項、K0は新鮮
な触媒に対するこの項の値、bは減衰パラメー
タ、tは操作時間である) を実験反応器モデル ln(1−X/Xeq)=−K/GHSV (2) (式中XはH2+CO2の実測された全モル転化
率、Xeqは平衡値、GHSVは反応に対する時間当
りのガスの空間速度である) に代入した時に得られる。式(1)を式(2)に代入し、
それを直線形に変形すると下記の式が得られる: ln〔−ln(1−X/Xeq)〕=ln(K0/GHSV)−bt
(3) 下記第2表に第1表に記載した6種の触媒の
各々に対する実験条件の詳細を、式(3)の反応式を
最小二乗法にあてはめることによつて得た減衰定
数bの値と共に掲げる。第6図において減衰定数
の値は比Cr/(Cu+Zn)により表わされる6種
の触媒の各々のクロム組成に対してプロツトし
た。
【表】 これらの試験から、約0.1〜約1.0のCr/(Cu+
Zn)比の組成の場合に触媒の性能は最良であり、
約0.5のCr/(Cu+Zn)比が好ましいことは明ら
かである。この値から逸れると低Cu/Zn(0.5)
の場合の触媒の作用および共沈法以外の操作によ
り造つた商業的に入手しうるメタノール触媒の作
用が表われる。Al2O325%、50%および83%を含
む触媒の劣化データの研究から50%アルミナ含有
触媒の劣化動作が好ましいことが決定された。高
クロム含有触媒の場合には活性に及ぼすアンモニ
ア沈殿または炭酸塩沈殿の効果は著しく異なる。
アンモニア沈殿によつて造つた触媒は炭酸塩沈殿
触媒より低転化率の活性をもつことが判明した
(以下の記載および第7図参照)。従つて以後は炭
酸塩沈殿法を触媒調製に採用した 触媒の再生 本発明の発展の初期段階においては約288℃以
上ではDME合成触媒の劣化は主としてメタノー
ル合成触媒成分の劣化と関係していると考えられ
た。メタノール合成触媒の機構の詳細はわからな
いが、劣化の原因は(1)コークスの析出、(2)触媒の
相変化、(3)酸化状態の変化であると想像された。
更に別の可能性は特にH2が少ない供給原料を使
用した場合にはCOの強い競合収着である。 銅に基ずくDME合成触媒に関する研究から下
記の観察が得られた:(1)活性を30%喪失して20日
間で劣化した使用ずみ触媒は分析によればコーク
スの付着量は1.3%(供給原料の0.001%)であつ
た;(2)この触媒を空気中で538℃で16時間焼成す
ると更に活性は失われた;(3)使用ずみ触媒のサン
プルはCO化学収着能を示さない;(4)使用ずみ触
媒すなわち劣化の触媒をH2で処理しても活性を
回復するのに有効ではなかつた。活性な触媒の成
分が存在する状態はわからないが、しかし銅が金
属状態に還元されると触媒はもはや活性ではな
く、また過度に苛酷な酸化処理に付した触媒も活
性ではないことを示唆する形跡がある。また、活
性な触媒は銅がCuIの状態で存在する触媒である
ことが既に提晶されている〔例えば「ジヤーナ
ル・オブ・キヤタリシス」407〜429頁(1979年)
参照、ここにはZnO中のCuIの溶体がCu/ZnO、
Cu/ZnO/Al2O3およびCu/ZnO/Cr2O3低圧メ
タノール合成触媒中の活性成分であることが報告
されている〕。更にCuI溶体によるCOの定量的吸
着は英国、ロンドンのインターサイエンス・パブ
リケーシヨン発行のF.A.CottonおよびG.
Wilkinson共著「アドバンスト・インオーガニツ
ク・ケミストリイ」第2版、898頁に教示のよう
に既知である。こうして、触媒のCO化学収着能
の喪失および触媒の活性はCuI状態の還元と関係
があるものと推測される。 本発明で使用するDME製造触媒の活性を長期
間の使用期間にわたつて維持するために下記の試
験を行つた。 Cr/Cu/Zn/γ―Al2O3触媒組成物の酸化処
理を、純酸素または不活性ガス(ヘリウム)中の
希薄酸素を含有する容器を反応器入口に結合する
ことによつて行つた。前記容器に不活性掃気ガス
を装入し、前記容器中のガスと拡散により混合
し、該掃気ガスで容器中のガスを劣化触媒に輸送
した。酸素処理後、前記容器および触媒含有反応
器をヘリウムと共に反応圧および反応温度にもた
らし、次いで供給原料流の入口をシンガスに切換
え、反応器の上流側の前記容器中で拡散によりシ
ンガスを混合すれば、反応器は徐々に主としてシ
ンガスに変化し、同時に温度を反応温度に調整し
た。この方式により、再生処理中に使用した酸素
の供給頻度、期間、分圧および量を変化させた。
このように行つた酸化処理の研究によりジメチル
エーテル合成触媒を再付冷し安定化する再生操作
を確立した。 最初の研究は104日で転化率が20%に劣化した
Cu:Zn:Cr=1:1:1+50%γ―Al2O3触媒
(触脳調製例の触媒)について行つた。 100酸素含有ガス/触媒脈流による反応器
条件(100気圧、GHSV=4000)で処理した時の
最低有効酸素分圧を決定した。高全圧力(100気
圧)および307℃〜338℃の範囲の温度で4種の酸
素分圧(0.1気圧、1気圧、4気圧および2気圧)
で処理を行つた。得られた結果を後記第3表に最
初の4例に要約した。再生後、初期転化率は140
%も増大した。しかし再生触媒はその後約10日後
に再生前のレベルに弱まる明瞭な転化率を示して
劣化した。従つて、0.1気圧以上の酸素分圧、そ
して約1〜4気圧またはそれ以上の酸素分圧が高
全圧力および触媒1当り酸素含有ガス100の
脈流ガス体積での処理に対し好ましいことが明ら
かである。 再生中触媒と接触する酸素の全体積を次に第3
表の最後の3例に記載のように増大した。これら
の再生操作では酸素分圧を約1気圧に保つた。し
かし酸化処理温度は高めた。第3表から触媒の酸
素処理後の転化率の変化により証明されるように
触媒の活性は低下することがわかる。例えば、
108.8日の操作後に触媒を酸素により再生し、そ
の活性は転化率47.6のレベルに回復した。次いで
活性は37.4の転化率のレベルに低下し、114.0日
間の操作後にその活性は酸化再生により47.1%の
転化率レベルに回復した。この最後の3例により
示すように大量(体積)の酸素で処理後には触媒
活性は55.8、56.6および44.8の転化率レベルに活
性が回復した。
【表】
【表】 50日間で29%の転化率に劣化したCu:Zn:Cr
=1:1:1+25%アルミナの触媒について2番
目の再生研究を行つた。酸化脈流(5日目毎に
100気圧で1気圧のO2、100/―触媒の脈流
の11サイクル中に転化率を45%以上に保つた。95
日と101日の間および104日と108日との間、毎日
の酸化処理により44%(±2.6%)の平均最低転
化率レベルに保つた。101日と104日の間は酸化脈
流体積を25/―触媒に減らした。この3日間
中転化率は42%から36%に下がり、一層苛酷な酸
化処理(1気圧O2で100/―触媒)が好まし
いことを示した。 この実験で68日後に酸化脈流の後に、新鮮な触
媒を「付活」または前処理するために使用する水
素処理を行つた。この処理後の触媒の性能は再生
処理の効果をほとんど改善しなかつた。使用した
水素処理は酸化工程によつて再生された部位を失
活させるのに明らかに充分であつた。 最後の2サイクル(107日と108日)の間、酸化
処理を1%酸素で100気圧の代りに純酸素1気圧
で行つたが、再生された触媒の転化活性に大きな
差異は観察されなかつた。脈流中の酸素の最初の
分圧を約1気圧に保つている限り実際の全圧(1
〜100気圧)を保つために不活性ガスを使用でき
るように思われる。 第3番目の研究においては、新鮮な触媒
(Cu:Zn:Cr=1:1:1+50%アルミナ)を、
高空間速度での反応条件(GHSV=4000、316
℃、100気圧、H2/CO=1)に対して、最初3
日毎(第7図A)および毎日再生(第7図B)サ
イクルを行つた(再生サイクル条件:O2圧1気
圧、全圧100気圧;100―O2/―触媒;293℃
〜343℃;GHSV(O2)=70〜600)。次いで再生な
しの期間(第8図中C)をおいた後で毎日再生処
理(第8図中D)を低空間速度での反応条件
(GHSV=2000、316℃;100気圧;H2/CO=1)
下で長期間(24サイル)の毎日の再生処理(全圧
1気圧、O2圧1気圧、100―O2/―触媒;
293℃〜343℃、GHSV(O2)=70〜600)を行つ
た。これらの実験は本質的に平衡転化率での安定
な操作が毎日の再生により維持できることを示
す。この試験の結果を第8図に示す。 更に別の試験では触媒を週期的に酸化再生し
ながら50日間反応に使用した。公称反応条件は圧
力100気圧、温度316℃、供給原料H2/CO比(モ
ル比)1/1のシンガス、最初の28日間の反応操
作のGHSV4300、29日目のGHSV3000、30日〜
49.5日間のGHSV2000であつた。この触媒の週期
的酸化再生は下記の2種の操作態様で行つた: A 最初の28日間の反応操作に対する酸化再生操
作は下記の通りである: 1 反応器を100気圧のヘリウムで洗浄する; 2 容器から100気圧でヘリウム中1%の酸素
の混合物100/―触媒〔標準状態
(STP)で100―O2/―触媒〕で
GHSV7000で触媒を溶離する(この工程中 3 100気圧のヘリウムで洗浄する 4 100%シンガスをヘリウム100/―触媒
の「緩衝容器」を通して反応器へGHSV
4300で通すことによつて316℃の温度、100気
圧で反応を再開する。 B 28日後の酸化再生中: 1 反応器を大気圧に圧力降下させ、ヘリウム
中で洗浄する。 2 容器から1気圧の100%酸素100/―触
媒(すなわち標準状態で100のO2)の脈流
をヘリウムで約600のGHSV、約260℃〜316
℃の温度で溶離する 3 系をヘリウムで洗浄し、1460気圧に加圧す
る。 4 上述の態様Aの工程4に従つて反応器に
100%シンガスの装入を再開し、次いで
GHSVを所望の値の2000(または3000)に低
下させる。 3日毎のサイクルはGHSV4000での安定な操
作を維持するのに有効ではなかつたが、毎日の低
苛酷度の再生サイクルにより56%転化率(平衡転
化率の70%)での安定な操作が1週間維持され
た。このデータの統計的相関関係は本質的に「定
常状態」の活性を示した。 低い方の供給速度(GHSV=2000)では再生
なしでは触媒が劣化した。しかし毎日の再生によ
り実質上平衡転化率(80%の平衡転化率に対して
79%)を20日間の操作(24サイクル)中維持する
ことを可能とした。各サイクルの終りに物質収支
をとつた。劣化は統計上顕著ではなかつた。 この触媒について研究の主要な結論は50%以上
の平衡転化率レベルないし実質上80%までの転化
率レベルがジメチルエーテル合成に対する安定な
触媒作用により維持できるというにある。しかし
触媒の周期的、或は比較的連続した、低苛酷度の
酸化再生がこの転化率を維持するために望まし
い。 最後の試験では、触媒(アンモニア沈殿)を
100気圧の圧力、温度316℃、H2/COの供給比
1/1(モル比)およびGHSV4000の公称反応条
件で数日間反応に使用した。触媒の性能を触媒
の性能と第7図で比較した。 再生に際して触媒調製法の効果 本発明のジメチルエーテル合成触媒のメタノー
ル合成成分中にCr存在の重要性および共沈殿法
の効果の重要性を更に確証するために、穏和な酸
化再生に対する種々の触媒調製物の応答を調べ
た。調査した変性触媒の詳細を第4表に掲げた。
等重量部のγ―アルミナとメタノール合成成分の
物理的混合物からジメチルエーテル合成触媒のペ
レツトを造つた。触媒ととはCu/Zn/Crま
たはCu/Zn/Alの組合わせた成分をその硝酸塩
の溶液から過剰のNa2CO3溶液で共沈させ(最終
PH9)、次いで260℃で焼成することによつて造つ
た。触媒XIはCu/Znの一対の成分を炭酸塩で共
沈し、次いで343℃で焼成することによつて造つ
た。触媒XIIはCu/Znの対成分を炭酸塩で沈殿し、
343℃で焼成し、米国特許第3790505号に記載の操
作によつてワング(Wang)ブレンダー中でAlの
水懸濁体と高剪断力スラリー混合により造つた。
触媒はCu/Crの対成分とZn/Crの対成分と
を炭酸塩により沈殿させ、次いでそれらの焼成し
た(260℃)粉末を混合することによつて造つた。
これらの触媒調製物のその他の詳細は上述したの
と同様で、例えば望ましくない発熱を避けるため
に希薄な低温度水素で付活した。 上述の装置中でこれらの触媒によるシンガス転
化を調査した(316℃、100気圧、H2/CO比1お
よびGHSV2000、但し触媒では28日まで
GHSV4000、以後2000)。上述の操作態様Bによ
つて周期的酸化再生を実施した。但し温度は288
℃から343℃とした。 Cu/Zn/Cr基本形の再生動作を第10図に掲
げる。第8図に説明したデータの場合と同様に、
このデータは触媒の酸化再生により活性が更新
されることを示す。充分に頻繁に周期的に再生処
理することによつて定常的な転化率が得られる。 変性剤CrとAlとの共沈効果は第10図(触媒
)および第11図(触媒)において変性剤が
不在の第12図(触媒XI)と比較できる。第10
図においてAはGHSV=4000、BはGHSV=
2000で操作した。これらの図において最初の転化
活性は極めてよく似ている。しかし変性剤が不在
の場合には触媒XIの最初の再生処理さえも効果が
ない。すなわちCu/Zn成分は構成上の促進剤に
より安定化されることが肝要である。第10図、
第13図において●印は酸化再生後物質収支をと
つたことを示す。
【表】 Al変性剤を物理的混合によつて配合する効果
を第13図に説明する。この触媒(触媒XII)の活
性と再生処理効果とは非変性触媒XI(第12図)
のものと密接に平行している。劣化した触媒は再
生できなかつた。変性剤は活性金属と共沈させな
ければならないことは明らかである。 変性剤Crの半分を銅と共沈させ、他の半分を
亜鉛と共沈させ、それらを焼成した粉末を脱水成
分と組合わせてDME触媒を形成させた場合(触
媒)がこの結論をよく支持している。この触
媒は余り活性ではないが、第14図に示すよ
うに再生可能である。この組合わせによる触媒の
活性が大巾に低下したのは活性なメタノール合成
部位はメタノール合成成分の酸化亜鉛相との固溶
体中の銅を含むという仮設と合致する。 共沈したCu/Zn/Alに基ずくDME触媒Crで
変性した対応物より高再生活性(再生処理後の活
性)をもつことにより最初は特徴付けられる。し
かし、40日の期間と4回の酸化処理の後ではAl
変性触媒はもはや再生できない。 明らかに、本発明の共沈したCu/Zn/Crに基
ずくDME触媒は再生に対して著しく安定性を示
す。安定した高転化率が80日間にわたつて、そし
て45サイクルにわたつてGHSV=2000で観察さ
れる。GHSV=4000でさえ、125日間そして5サ
イクル後に触媒は再生可能である。 第9図は酸化再生に対する苛酷度(温度)限度
を確認するために集めたデータを説明する。転化
は316℃、100気圧、Cu/Zn/Cr(1/1/1)
に基ずく触媒上にH2/CO=1のシリガスを使用
してGHSV 4000で行つた(第9図中のa〜jの
記号は下記条件による酸化再生処理を示す)。
【表】 再生温度は293℃〜510℃に変化したことがわか
る。510℃以上での再生は低下した、恐らく非可
逆的触媒活性を生じた。 水素不足シンガスを水と共供給する効果 現在の、そして時に好適で一層経済的なガス化
装置により製造される水素不足シンガス(H2
CO<1)は適当な合成触媒によつてジメチルエ
ーテル(DME)に選択的に転化することによつ
てかなり有利に利用できる。このような操作にお
いては、水を選択的DME合成触媒と接触させる
ために低ガス比のシンガスと共に水を共供給し、
選定されたDME触媒の成分の水性ガス反応活性
により水は同じ位の量のCOと共に水素とCO2
に転化される。上述の第1図および第2図におけ
る平衡条件の場合に説明のようにシンガスの使用
は改善されるか、またはDME合成工程からの
H2/CO流出流のモル比は品位が向上するか、或
はそれら両者が達成される。 水が共供給されたDME合成工程から回収され
た品位が向上したH2/CO比ガスは当然他のガ
ス、主としてCO2を含有する。DME転化率に及
ぼすこのようなCO2希釈剤の平衡へ及ぼすきびし
い不利な効果のために、このシンガスの使用は必
要な精製を行わなければこのCO2含有ガスを
DME合成工程へ再循環することは最良の方法で
はない。 適当に品位向上したH2/COガス比のシンガス
を含む回収された未反応シンガス流は別に転化活
性が(DMEの場合のように)平衡の制限を受け
ないで、かつ(恐らくDME合成の場合より選択
的でなく)回収された未反応シンガス流を使用で
きる転化系に通される。このCO2含有シンガスを
転化するのに特に適した第2の反応系はFe―、
Co―またはRu―タイプの合成触媒の一種を使用
するフイツシヤー・トロプシユ転化装置からな
る。このような第2の合成触媒系はCO2除去の中
間段階を全く必要としないか或は最少の必要度で
回収されたDME再循環シンガスを最適な利用を
行うことを可能となす。このような系は上述の第
5図に説明されている。 DMEシーケンスからの品位向上したシンガス
流出流はフイツシヤー・トロプシユ鉄基触媒操作
に特に適している。「Industrial and Engineer―
ing Chemistry―Process Research and
Development」第15巻(4)(1976年)にH2/CO比
(H2/CO<6)とF―T反応器導入口における
CO2の濃度の両者を増大することによつて利益が
得られることが示唆されている。(Pco/PH23
の比を低下させると(すなわちH2/COを増大す
ると)、所望しない炭素の生成が減少する。また、
炭化水素生成物のメタンへの選択率はPco2が増
大すると低下する。こうして、H2/CO比と回収
した中間段階のシンガス流のCO2含量とがDME
合成段階へH2Oをシンガスと一緒に供給する結
果として増大すると、ここに想定する2段階操作
のフイツシヤー・トロプシユ段階において利益が
得られる。 水をシンガスと一緒に供給しないで操作した時
に未反応シンガスとしてDME装置から回収され
た、或は拒否されたシンガスH2/CO比は第2番
目の装置で使用するのに充分なほど水素が多量で
はない。品位向上は別の水性ガス移行反応装置中
で達成される。しかし品位向上は更に経済的に
DME合成装置へ通される低ガス比のシンガスに
水を一緒に供給することにより達成される。Fe
―、Co―またはRu―基触媒を使用するF―T合
成を含む特定の二次方法は通常DME合成工程か
らの流出流よつて与えられるような1またはそれ
以上のH2/COモル比のシンガスを必要とする。
DME反応器の合成動作を理解することによりガ
ス化工程から得たシンガスと共に供給する水の量
は以下に説明するような量であることが示され
る。またシンガスと一緒に装入する水の量は以下
に説明するように制限されるべきである。 1より小さいH2/COモル比rのシンガス装入
原料の場合には、水はこのシンガスと一緒にジメ
チルエーテル合成反応器に下記の量: r′−r/HrS<1 (SはH2O/COのモル比で、化学量論パラメ
ータr′はr<r′1の関係により制限される任意
の値である) で装入できる。前記反応器からのH2/CO流出流
のモル比はSが増大すると共に増大する。 Sに関する制限は理想的動作の場合について下
記のように表わされる: (1) Sの上限であるS<1はCOとH2Oとが完全
にCO2とH2とに変化したという事実によつて
定められる。S=1の場合にはCOは次のエー
テル合成のために残つてはいない。 (2) シンガス化学量論パラメータのr′は重要な意
義をもつ。ジメチルエーテルの化学量論関係は
r′=1.0のH2/COのモル比の供給量を予想させ
る。装入モル比rが<1であるときはモル量で
表わした一緒に供給する水の量 S=r′−r/1+r′=1−r/2 は、もし一緒に供給したH2Oが全部利用でき
るCOと完全に反応してH2とCO2とを生成する
ならば有効な1のH2/CO比を生ずる。 (3) r<rの場合のr′の下限は(4)式の左側の分数
が正であるという条件を表わす。 上述の制限と概念とは理想化されたもので、そ
れらの実際の値は触媒のバイパスやバツクミキシ
ングのような因子と共に反応器の複雑な平衡動作
や力学的動作に依存し、さらに即座に予見するこ
とを複雑となす。特定の反応器の形状および合成
操作パラメータに対しては、シンガス転化率また
は反応器出口でのH2/CO比のような可変因子は
水共供給パラメータ(S)と相関させることがで
きる。このような相関関係を利用して式(4)により
規定される範囲の所望のS値を決定できる。 このような相関関係を下記の試験の手順により
説明する。 2種の別の触媒およびを2部に調製す
る。まず第1に、メタノール成分を3種の金属成
分の硝酸塩の撹拌された水溶液に過剰の熱(85℃
〜90℃)炭酸ナトリウム溶液を添加することによ
つて3種の金属成分を共沈し、得られた沈殿を洗
浄し、乾燥し、約260℃で焼成することによつて
造つた。 これらのメタノール成分を粉末に磨砕し、各々
の粉末を等重量のガンマアルミナ粉末〔磨砕した
アメリカン・サイアナミドSB#464(商品名)〕と
混合した。 触媒はは銅、亜鉛およびクロムの等量ずつ
から造つたメタノール成分を含み、触媒は
銅、亜鉛およびアルミニウムの等原子量から造つ
たメタノール成分を含む。 両方の触媒を最初水素/不活性ガス流と1気
圧、204℃で、その水素組成を徐々に2体積%に
増大し、次いで8.5体積%に増大することによつ
て付活し、次いで合成条件で周期的酸素再生を行
いながら長期間操作を行つた。これらの酸化再生
処理は反応器を不活性キヤリヤで洗浄し、触媒上
に100(標準状態、STP)/―触媒の酸素脈
流を大気圧、288℃〜343℃の温度および触媒の熱
損傷を防止するのに充分な緩徐な空間速度で通
し、次いで徐々に不活性洗浄流を反応温度でシン
ガスで置換することによつて行つた。 触媒は下記の公称条件下で毎日再生しなが
ら反応操作を行つた:316℃、50〜54気圧、
GHSV(シンガスに基いて)1000、供給原料H2
COモル比2/3および種々の量の共供給水。第
3図に示すように水共供給量は実験期間中全搬に
亘つて変化させた。第3図において●印は
H2O/CO比0.0、Γ印はH2/CO比0.04、□印は
H2/CO比0.12、△印はH2/CO比0.25および▽印
はH2/CO比0.37の場合を示す。第4図にこの実
験の結果を供給したCOの単位量当りの共供給し
た水の量Sと2種の可変因子―反応器出口H2
COモル比(A)と反応したH2+COについての全シ
ンガス転化率(B)―に対して相関させ、観察した値
を所定の供給条件での熱力学的平衡転化率(第4
A図、第4B図における破線曲線)について投影
した値と比較した。第4図に掲げた結果は問題と
する特定のジメチルエーテル合成系について得る
ことができる。 触媒は316℃でH2/COモル比が2/3の
シンガスとH2/CO1モル当り0.25モルの水共供給
レベル、圧力54気圧で周期的に酸化再生しながら
長期間にわたつて接触させた。再生後18時間で且
つ接触30日後の触媒の作用を第5表に掲げた。流
出流のH2/COモル比の0.85は供給原料のモル比
より大きくなつていることを示す。観察した流出
流中のH2/CO比と触媒についてのこの実験
についての転化率との比較は触媒について相
関させた平衡値からの外れ具合と同様な平衡値か
らの外れ具合を示した。 第 5 表 ジメチルエーテル合成生成物 触媒、再生18時間後 供給原料 H2/CO 0.67 H2O/CO 0.25 反応条件 操作日数 30日 温度(RXR)℃ 316 圧力(気圧) 54 GHSV 1200 WHSV 0.98 Kg//時間 0.95 反応器生成物分布(重量%) H2 1.9 CO 31.3 CO2 45.5 H2O 0.56 DME 19.3 CH3OH 1.3 CH4 0.10 C2+ 0.04 転化率(モル%) H2 52.2 CO 62.3 合計 58.3 選択率 D/(D+M) 98 空間時間収率 Kg//時間 0.195 最後の試験では管状反応器はFe3O4とj―アル
ミナとの1:10の重量比 圧縮された粉末からな
る触媒を使用するフイツシヤー・トロプシユ/鉄
系として運転される。反応条件は下記の通りであ
る:H2/CO供給比=1/1、圧力(H2+CO)=
27気圧、WHSV〔(H2+CO)/金属に基いて〕=
10.3、温度=320℃。そして下記の結果が得られ
た:H2+CO転化率=89%、炭化水素生成物分
布;メタン21%、C2〜C4―37%およびC5+42%。
同様な結果が反応器への供給原料がH2/COモル
比1および希釈剤がCO2であるシンガスの場合に
も反応器入口H2+CO分圧が同様なレベル(27気
圧)に維持するならば期待される。 上述した触媒を使用するDME反応系から
の回収された未反応シンガスの流出流は所定量の
水を共供給することによつてH2/COモル比が1
またはそれ以上からなるように調整できる。第4
A図から反応器流出流のH2/COモル比が1とな
る水の供給速度はH2O/COが0.31モルのところ
に投影される。こうして第5図において説明する
ように本発明による2段階操作の特定例において
は触媒はH2O/CO供給モル比0.31で上述の
ように運転され、それによつてジメチルエーテル
生成物を約47%シンガス転化率で生成され、約1
のH2/COモル比をもつ流出シンガス流が回収さ
れ、この流出シンガス流はフイツシヤー・トロプ
シユ操作に対する供給原料として使用するのに適
当である。
【図面の簡単な説明】
第1図はシンガス100モル当り触媒に共供給し
た水のモル数に対するH2+CO2の転化率(モル
%)を示すグラフ、第2図はシンガス100モル当
り触媒に共供給した水のモル数に対するシンガス
転化触媒帯域からの流出ガスのH2/CO比を示す
グラフ、第3図は操作日数(触媒)と種々の
H2O/CO比でのシンガス(H2+CO)転化率
(モル%)との関係を示すグラフ、第4A図は共
供給した水とCOとのH2O/COモル比と流出ガス
中のH2/COモル比との関係を示すグラフ、第4
B図は共供給したH2O/CO比とシンガス(H2
CO)転化率(モル%)との関係を示すグラフ、
第5図は本発明による処理操作によりシンガスの
品位向上プラントのブロツク工程図、第6図は
Cr/(Cu+Zn)で表わされる触媒のクロム組成
と減衰定数bとの関係を示すグラフ、第7図は触
媒および触媒の操作日数とシンガス転化率
(モル%)との関係を示すグラフ、第8図は最初
3日目毎と毎日再生処理し、次いで再生処理なし
の期間後に毎日再生処理した時の操作日数とシン
ガスの転化率(モル%)を示すグラフ、第9図は
酸化再生時の苛酷度を変えた場合の転化率の変化
を示すグラフ、第10図は基本形の触媒
(Cu/Zn/Cr=1/1/1、共沈)の操作日数
とシンガスの転化率との関係を示すグラフ、第1
1図は触媒(Cu/Zn/Al、共沈)の操作日数
とシンガスの転化率とを示すグラフ、第12図は
触媒XI(Cu/Zn=1/1、共沈)の操作日数と
シンガスの転化率とを示すグラフ、第13図は触
媒XII(Cu/Znを炭酸塩沈殿し、Al成分は高剪断
力混合)の操作日数とシンガスの転化率とを示す
グラフ、第14図は触媒(Cu/CrとZn/Cr
とをそれぞれ別個に共沈した)の操作日数と転化
率との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 合成ガスを232℃〜399℃の温度で、0.1〜1.0
    のCr/(Cu+Zn)の原子比の共沈したCr,Cuお
    よびZn成分と酸性脱水成分とを含有する触媒組
    成物と接触させ、その後で前記触媒組成物を酸素
    含有ガスと38℃〜538℃の温度で接触させること
    によつて該触媒組成物を再生することを包含す
    る、合成ガスをジメチルエーテルに転化する方
    法。 2 触媒を288℃〜454℃の温度で再生する特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 3 触媒を293℃〜343℃の温度で再生する特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 4 再生後、触媒を合成ガスと177℃〜232℃の温
    度で接触させ、次いで温度を転化処理温度に上昇
    させる特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
    れかに記載の方法。 5 再生後、触媒を不活性ガスで希釈した合成ガ
    スと177℃〜232℃の温度で接触させ、次いで温度
    を上昇させ、かつ合成ガスの濃度を転化処理条件
    の濃度に増大させる特許請求の範囲第1項ないし
    第3項のいずれかに記載の方法。 6 触媒組成物のCr/(Cu+Zn)原子比が0.25
    〜0.75で、Cu/Zn原子比が0.5〜3.0である特許請
    求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の
    方法。 7 触媒の酸性脱水成分がガンマアルミナである
    特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに
    記載の方法。 8 ガンマアルミナが触媒組成物の50重量%をな
    す特許請求の範囲第7項記載の方法。 9 共沈した触媒成分が金属の硝酸塩の溶液から
    炭酸塩共沈処理により造られ、得られた沈殿を洗
    浄して炭酸塩を除き、洗浄した沈殿を空気中で約
    260℃の温度で約6時間以上焼成することにより
    造られてなる特許請求の範囲第1項ないし第8項
    のいずれかに記載の方法。 10 合成ガス装入原料が0.5〜3.0のH2/COの
    モル比をもつ特許請求の範囲第1項ないし第9項
    のいずれかに記載の方法。 11 合成ガス装入原料が0.5〜2.0のH2/COモ
    ル比をもつ特許請求の範囲第1項ないし第9項の
    いずれかに記載の方法。 12 合成ガス装入原料が0.5〜1のH2/COモル
    比をもつ特許請求の範囲第1項ないし第9項のい
    ずれかに記載の方法。 13 水を合成ガスと共に触媒に供給し、水の量
    が合成ガスの水素不足量を補給するのに充分な量
    である特許請求の範囲第12項記載の方法。 14 水の量が合成ガス中のCO100モル当り0〜
    50モルである特許請求の範囲第13項記載の方
    法。 15 1より小さいH2/COモル比rをもつ合成
    ガスと、r′−r/1+r′≦S<1(SはH2O/COモル
    比 で、r′はr<r′≦1によつて制限される任意の値
    である)なる関係式により規定される量の水とを
    ジメチルエーテルとメタノールとを含む生成物に
    転化する特許請求の範囲第12項または第13項
    または第14項に記載の方法。 16 r′が1.0である特許請求の範囲第15項記載
    の方法。 17 CO2を含有する未反応合成ガスをジメチル
    エーテルおよびメタノールから分離する特許請求
    の範囲第15項記載の方法。 18 未反応合成ガスが装入合成ガスより大きい
    H2/CO比をもつ特許請求の範囲第15項ないし
    第17項のいずれかに記載の方法。 19 未反応合成ガスが少なくとも0.85のH2
    COモル比をもつ特許請求の範囲第18項記載の
    方法。 20 未反応合成ガスが少なくとも1.0のH2/CO
    モル比をもつ特許請求の範囲第18項記載の方
    法。
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