JPH0234556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はパイプを着脱自在に連結する管継手
に関する。

［従来の技術］ 従来この種の管継手として、管継手を構成する
筒体に挿入したパイプを筒体に設けたロツクボー
ルによりパイプの外周を押圧して固定する構成が
採られているものが多い。かかる管継手によれ
ば、ロツクボールによるパイプへの押圧が点圧と
なるため、パイプの外面にロツクボールの押圧に
よつて凹みなどの傷が付いてしまいパイプの外形
が保てなくなつてしまう場合がある。また上記ロ
ツクボールの押圧は筒体の外周に嵌合したスリー
ブにより行なわれるようになつているが、パイプ
の挿入時にはスリーブを操作してロツクボールを
開放する必要があり、このため管継手へのパイプ
の連結作業が面倒なものとなつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のように、従来の管継手によれば、連結し
たパイプの外面に傷をつけパイプの外形が保てな
くなる場合があり、またパイプの連結時にいちい
ちスリーブを操作しなければならず、その連結作
業が面倒なものとなつているといつた問題を有し
ている。

この考案は上記点に鑑み、パイプの外面に何等
傷を付けることなく確実に連結でき、しかもパイ
プの連結をワンタツチで行なえるようにすること
を目的とした管継手を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記目的を達成するために、主筒体
前部を軸方向に形成したすり割りをもつて３以上
に分割し、該主筒体の内部には圧縮スプリングで
前方に押圧される前面部にシール部材をもつた摺
動筒を嵌合して、主筒体に求遠心方向に出没可能
に設けたボールと摺動筒の外周に設けた溝とを係
合させ、更に主筒体の外周にはスプリングで前方
に付勢したスリーブを嵌合し、更に該スリーブの
内周面部には前部に主筒体前部の外周を求心方向
に押圧するテーパー面を、後部に上記ボールを係
止する凹部を設けた。

［作用］ スリーブをスプリングに抗して後方に移動する
とスリーブの内周面に形成したテーパー面による
主筒体前部外周の押圧が解除され、上記スリーブ
の内周面後部に設けた凹部が主筒体に設けたボー
ルの上方に至ると、ボールはスリーブ内周面によ
る求心方向への押えから解除される。この結果、
主筒体内に嵌合した摺動筒は、その外周に設けた
溝に係合していた前記ボールから開放されて、圧
縮スプリングによりボール遠心方向に押し上げて
前方に移動する。摺動筒により遠心方向に押し上
げられたボールは、前方スリーブの凹部に係合
し、スリーブは後退した位置に固定される。通常
パイプの非連結時はこの状態で待機している。こ
の状態で主筒体の前方からパイプを挿入すると、
パイプの先端が摺動筒の前面部に当接し、摺動筒
を圧縮スプリングに抗して後方に移動させる。こ
の摺動筒の後方への移動により、摺動筒の溝が前
記ボールの下に至ると、該ボールが溝に係合し、
この結果ボールから開放されたスリーブはスプリ
ングによつて前方に移動し、テーパー面により主
筒体前部を求心方向に押圧し、主筒体前部は押圧
されてパイプの外周に圧接し、パイプを連結固定
する。前記主筒体前部とパイプとは面接触となる
ので、主筒体前部により圧接されたパイプ外面に
は傷が付かない。

［実施例］ 以下この考案を図面に示す実施例に基づき詳細
に説明するが、この考案は実施例に限定されるも
のではない。

図面において、１は主筒体であり、この主筒体
１の前部は軸方向に形成したすり割２をもつて４
部割してあり、４部割されたそれぞれの分割片３
の先部内外面にそれぞれ突出面４，５が形成され
ている。

また、主筒体１には前記すり割２の後方に孔６
が形成されており、この孔６にはボール７が求遠
心方向に出没可能に遊嵌合されている。８は前記
主筒体１の内部に嵌合された摺動筒であり、この
摺動筒８は圧縮スプリング９により前方に押圧さ
れている。１０は摺動筒８の前面部に設けたシー
ル部材、１１は摺動筒８の外周に形成された溝で
あり、前記ボール７が係合するようになつてい
る。１２は主筒体１の外周に嵌合されたスリーブ
であり、このスリーブ１２はスプリング１３で前
方に付勢されている。このスリーブ１２の内周部
の前部に、前記主筒体１の前部にすり割２により
形成された分割片３の突出面５に圧接して主筒体
１の前部が外周から求心方向に押圧するテーパー
面１４が形成されている。またスリーブ１２内周
部の後部に前記ボール７を係止する凹部１５が形
成されている。１６はシール部材、１７は弁体、
１８はスプリングである。

１９は上記構成からなる管継手に連結するパイ
プであり、このパイプ１９は先端に膨出部２０を
もつている。

しかして、スリーブ１２をスプリング１３に抗
して後方（図上左側）へ移動すると、テーパー面
１４による主筒体１の前部外周の押圧が解除さ
れ、上記スリーブ１２に設けた凹部１５が主筒体
１に設けたボール７の上方に至ると、ボール７は
スリーブ１２の内周面による求心方向への押えか
ら開放される。この結果、主筒体１内に嵌合した
摺動筒８は、その外周に設けた溝１１に係合して
いた前記ボール７から開放されて、圧縮スプリン
グ９によりボール７を遠心方向に押し上げて前方
に移動する。摺動筒８によつて遠心方向に押し上
げられたボール７は前記スリーブ１２の凹部１５
に係合し、スリーブ１２は後退した位置に固定さ
れる。通常、パイプ１９の非連結時にはこの状態
で待機している。この状態で主筒体１の前方から
パイプ１９を挿入すると、パイプ１９の膨出部２
０が主筒体１の前部の分割片３を押し広げるよう
にして入り、該パイプ１９の先端が摺動筒８の前
面部に当接し、摺動筒８を圧縮スプリング９に抗
して後方に移動させ、そして前記主筒体１の分割
片３の突出面４はパイプ１９の膨出部２０を乗り
越えて膨出部２０の後方のパイプ１９の外周に面
接触する。前記摺動筒８の後方への移動により、
摺動筒８の溝１１が前記ボール７の下に至ると、
該ボール７が溝１１に係合して前記スリーブ１２
の凹部１５から離脱する。この結果、ボール７か
ら開放されたスリーブ１２はスプリング１３によ
つて前方に移動し、該スプリング１２の弾発によ
りテーパー面１４が主筒体１の分割片３の突出面
５を求心方向に押圧することになり、主筒体１に
挿入されたパイプ１９はその外周面が主筒体１の
前部内周面に圧接され、パイプ１９は主筒体１に
連結固定される。同時に主筒体１前部の分割片３
の突出面４の端部がパイプ１９の膨出部２０の後
端に係止し、主筒体１からパイプ１９が抜け出る
のが防止される。また、前記主筒体１の前部とパ
イプ１９とは面接触となるので、主筒体１の前部
により圧接されたパイプ１９の外面には傷が付か
ない。

上記実施例に示す主筒体１は金属製、合成樹脂
製いずれでも良いが、合成樹脂製の場合はパイプ
１９の外面への傷付きをより確実に防止できる。

［考案の効果］ 以上のようにこの考案によれば、主筒体前部を
軸方向に形成したすり割りをもつて３以上に分割
し、該主筒体の内部には圧縮スプリングで前方に
押圧される前面部にシール部材をもつた摺動筒を
嵌合して、主筒体に求遠心方向に出没可能に設け
たボールと摺動筒の外周に設けた溝とを係合さ
せ、更に主筒体の外周にはスプリングで前方に付
勢したスリーブを嵌合し、更に該スリーブの内周
面部には前部に主筒体前部の外周を求心方向に押
圧するテーパー面を、後部に上記ボールを係止す
る凹部を設けたから、パイプの非連結時に、あら
かじめスリーブをスプリングに抗して後方に移動
させボールにより固定した状態で待機しておくこ
とにより、パイプの連結時に、パイプを単に挿入
するといつた簡単な操作によりパイプを確実に連
結し固定することができるのでパイプの連結作業
が非常に容易となり、そして、パイプの外周に圧
接する主筒体前部をスプリングで付勢されたスリ
ーブのテーパー面により求心方向に押圧するよう
にしたのでパイプの外周に必要以上の力が加わら
ず、しかもパイプの外面に加わる圧力は面圧とな
つていることから、パイプの連結時に、パイプ外
周面に傷を付けるおそれは全く無いといつた効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部縦断側
面図、第２図はこの考案に係る管継手にパイプを
連結する状態を示す一部縦断側面図、第３図はパ
イプを連結した状態を示す一部縦断側面図であ
る。 １……主筒体、２……すり割、７……ボール、
８……摺動筒、９……圧縮スプリング、１０……
シール部材、１１……溝、１２……スリーブ、１
３……スプリング、１４……テーパー面、１５…
…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主筒体前部を軸方向に形成したすり割りをもつ
   て３以上に分割し、該主筒体の内部には圧縮スプ
   リングで前方に押圧される前面部にシール部材を
   もつた摺動筒を嵌合して、主筒体に求遠心方向に
   出没可能に設けたボールと摺動筒の外周に設けた
   溝とを係合させ、更に主筒体の外周にはスプリン
   グで前方に付勢したスリーブを嵌合し、更に該ス
   リーブの内周面部には前部に主筒体前部の外周を
   求心方向に押圧するテーパー面を、後部に上記ボ
   ールを係止する凹部を設けた管継手。