JPH0232121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用シートの身体拘束枠の回動調整
機構に関する。

一般に車両用シートに幼児を着座させる場合は
チヤイルドシートを装着していた。しかし車両の
横揺れやブレーキ等によつて幼児がチヤイルドシ
ートから脱落して思わぬ事故が発生する恐れがあ
つた。これに対し近年車両用シートに身体拘束枠
を装着して幼児を拘束することが提案されている
（未公知）。第１図に示すように常時はシートバツ
ク部１の外周部を構成する身体拘束枠２は、水平
部３と１対の脚部４，５でほぼＵ字状に形成され
ている。身体拘束枠２は使用時に脚部４，５の下
端の軸６を支点としてシートクツシヨン部７側に
回動して図示しないロツク機構で水平状態にロツ
クされ、この身体拘束枠２で幼児の腹部を包囲す
るようにしたものである。しかしながらこの身体
拘束枠２は使用時には常に水平状態に維持される
ので幼児によつては不適合な場合がしばしばあつ
た。

従つて本考案の目的は身体拘束枠に回動調整機
構を設け、水平位置以外の状態にもロツクできる
ようにして前述した欠点を解消するものであり、
以下実施例を用いて本考案を詳細に説明する。

第２図ないし第６図は本考案の車両用シートの
身体拘束枠の回動調整機構の一実施例を示す図で
ある。第２図において車両用シートはシートクツ
シヨン部９、シートバツク部１０及び安全枕１１
から成る。安全枕１１はシートバツク部１０の上
方に形成された孔１２にステー１３を挿入して取
付けられている。身体拘束枠１４はシートバツク
部１０の側面に回動自在に取付けられている。身
体拘束枠１４は水平部１５とこの水平部１５の両
側から直角方向に延びている１対の脚部１６，１
７でほぼ逆Ｕ字状に形成されており、常時はシー
トバツク部１０の外周を構成する。水平部１５に
は安全枕１１のステー１３を受ける穴１８が形成
されている。回動調整機構８は、第３図ないし第
６図に示すようにシートバツク部１０内に埋設さ
れた固定板１９を有する。固定板１９の身体拘束
枠１４の脚部１７側にはロツク板２０が固定され
ている。ロツク板２０には身体拘束枠１４の内部
に設けられたフレーム２１に取付けられる軸２２
のねじ切りされた先端に螺入されるねじ穴２３
と、ロツク軸２４の先端２５を受ける複数のロツ
ク穴２６，２７，２８，２９を有する。ロツク穴
２６，２７，２８，２９は軸２２を中心とする円
周上に位置される。フレーム２１のロツク板２０
側には回転軸受３０が設けられている。回転軸受
３０には軸２２が挿通されかつロツク板２０のね
じ穴２３と同軸の穴３１と、ロツク軸２４を挿通
できる孔３２とを有する。上記ロツク軸２４は上
記身体拘束枠１４の脚部１７の外側から内側方向
に貫通する如く設けられた貫通孔５０に挿通さ
れ、フレーム２１の穴２１Ａと回転軸受３０の穴
３２を通つてロツク板２０のロツク穴２６，２
７，２８，２９の１つを嵌合できるように延びて
おり、その脚部１７の外面突出側には取手３３を
有している。ロツク軸２４にはフレーム２１側の
回転軸受３０の面に当接するストツパー３４が設
けられている。このストツパー３４とフレーム２
１との間には付勢手段としてのスプリング３５が
介在されており、ロツク軸２４を回転軸受３０側
に付勢している。ロツク軸２４の取手３３とフレ
ーム２１の間にはガイド管３６が配置されてい
る。ガイド管３６は第５図に示すように長手方向
に斜めのガイド穴３７が形成されている。ガイド
管３６のガイド穴３７を通つてロツク軸２４に取
付けられたロツクピン３８はロツク軸２４が取手
３３により回転された時にガイド穴３７に沿つて
案内されてロツク軸２４に回動させつつ軸線方向
に移動させるようになつている。フレーム２１と
回転軸受３０を介してロツク板２０のねじ穴２３
に螺合された軸２２は身体拘束枠１４をシートバ
ツク部１０に取付け、軸２２を支点として身体拘
束枠１４を前後に回動自在にする。シートクツシ
ヨン部９の前部には凹部３９が形成され、この凹
部３９内に常時は収納されるクツシヨン素体４０
がヒンジ部４１で後部に折り返えせるようになつ
ており、クツシヨン素体４０が折り返して積層さ
れた時にチヤイルドシートとして使用できるよう
になつている。

以上の構成によれば、身体拘束枠１４がシート
バツク部１０側に回動されている時はロツク軸２
４の先端２５が第３図及び第４図に示すようにロ
ツク板２０のロツク穴２６に嵌合されている。身
体拘束枠１４の水平部１５の穴１８から安全枕１
１のステー１３を外す。次に身体拘束枠１４の脚
部１７の外面の取手３３をシートクツシヨン部９
側に回動すると、ロツク軸２４が回転し、ロツク
ピン３８がガイド管３６のガイド穴３７に沿つて
引出され、これによりロツク軸２４がスプリング
３５をストツパー３４でフレーム２１側に圧縮し
ロツク軸２４を取手３３方向に移動する。ロツク
軸２４の先端２５は第６図に示すようにロツク板
２０のロツク穴２６から離脱し、身体拘束枠１４
をシートクツシヨン部９側に回動できる状態にな
る。身体拘束枠１４を例えば第７図に示すように
回動するとロツク軸２４も軸２２を中心とする円
周上を回転する。ロツク軸２４の先端２５がロツ
ク板２０のロツク穴２８にくるようにロツク軸２
４を回転し、ロツク穴２８に位置した時に取手３
３を離すとスプリング３５の復元力によりガイド
ピン３８はガイド管３６のガイド穴３７内を逆行
し、ロツク軸２４をシートバツク部１０側に回転
させ、ロツク軸２４の先端２５が軸２２を中心と
する円周上に設けられたロツク穴２８に嵌合され
る。これにより身体拘束枠１４が第７図に示すよ
うに少し傾斜した位置でロツクされる。クツシヨ
ン素体４０をヒンジ４１で後部に回動することに
よつてチヤイルドシートとして使用できる。安全
枕１１のステー１３をシートバツク部１０の穴１
２に挿入する。

身体拘束枠１４をシートバツク部１０側に回動
するには、安全枕１１のステー１３をシートバツ
ク部の穴１２から外し、前述したように取手３３
をシートクツシヨン部９側に回転してロツク軸２
４を回転させることによりガイドピン３８がガイ
ド管３６のガイド穴３７内を移動しかつスプリン
グ３５がストツパー３４でフレーム２１側に偏倚
してロツク軸２４が身体拘束枠１４の脚部１７方
向に移動し、ロツク軸２４の先端２５がロツク穴
２８から離脱する。身体拘束枠１４をシートバツ
ク部１０側に回動し、ロツク軸２４の先端２５が
ロツク板２０のロツク穴２６と同軸に位置した時
に取手３３を離すことにより、スプリング３５が
復元してガイドピン３８がガイド穴３７を介して
移動しロツク軸２４の先端２５がロツク穴２６に
嵌合するようにロツク軸２４がシートバツク部１
０側に移動する。これにより身体拘束枠１４がシ
ートバツク部１０側でロツクされる。安全枕１１
のステー１３を身体拘束枠１４の水平部１５の穴
１８に挿入し、クツシヨン素体４０を凹部３９に
収納させることにより通常の車両用シートとする
ことができる。

以上説明したように本考案によれば、車両用シ
ートのシートバツク部１０の外周をなすほぼＵ字
状の身体拘束枠１４の脚部を上記シートバツク部
１０に回動自在に取付ける軸２２を中心とする円
周上に位置された複数の孔２７，２８，２９を有
するロツク板２０をシートバツク部１０側に設
け、上記脚部の外側から内側方向に貫通する如く
設けられた貫通孔５０に挿通されて上記ロツク板
２０の各孔２７，２８，２９方向に進退自在とな
つたロツク軸２４を常時上記各孔２７，２８，２
９方向に付勢手段で付勢するようにして上記身体
拘束枠１４に取付けたので、身体拘束枠１４を予
め定められた複数のロツク位置の所望の位置でロ
ツクすることができる。これにより身体拘束枠１
４を幼児に応じて適合させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の身体拘束枠を有する車両用シー
トの斜視図であり、第２図は本考案の身体拘束枠
の回動調整機構を有する車両用シートの斜視図で
あり、第３図は本考案の要部の断面図であり、第
４図はロツク板の正面図であり、第５図はガイド
管の斜視図であり、第６図は本考案の要部の一動
作を示す断面図であり、第７図は身体拘束枠の一
傾斜状態でロツクした車両用シートの斜視図であ
る。 １４……身体拘束枠、１９……固定板、２０…
…ロツク板、２１……フレーム、２２……軸、２
３……ねじ穴、２４……ロツク軸、２６〜２９…
…ロツク穴、３３……取手、３４……ストツパ
ー、３５……スプリング、３６……ガイド管、３
７……ガイド穴、３８……ガイドピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用シートのシートバツク部１０の外周をな
   すほぼＵ字状の身体拘束枠１４の脚部を上記シー
   トバツク部１０に回動自在に取付ける軸２２を有
   する回動調整機構において、上記軸２２を中心と
   する円周上に位置された複数の孔２７，２８，２
   ９を有するロツク板２０をシートバツク部１０側
   に設け、上記脚部の外側から内側方向に貫通する
   如く設けられた貫通孔５０に挿通されて上記ロツ
   ク板２０の各孔２７，２８，２９方向に進退自在
   となつてロツク軸２４を常時上記各孔２７，２
   ８，２９方向に付勢手段で付勢するようにして上
   記身体拘束枠１４に取付けたことを特徴とする車
   両用シートの身体拘束枠の回動調整機構。