JPH0229637B2 - - Google Patents

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JPH0229637B2
JPH0229637B2 JP59253091A JP25309184A JPH0229637B2 JP H0229637 B2 JPH0229637 B2 JP H0229637B2 JP 59253091 A JP59253091 A JP 59253091A JP 25309184 A JP25309184 A JP 25309184A JP H0229637 B2 JPH0229637 B2 JP H0229637B2
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silicon carbide
resin
crystals
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parts
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Kyotaka Tsukada
Hidetoshi Yamauchi
Yoriichi Tsuji
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は多孔質炭化ケイ素焼結体の開放気孔中
に合成樹脂が充填された摺動特性に優れた炭化ケ
イ素質複合体に関する。 従来、炭化ケイ素は高い硬度、優れた耐摩耗
性、優れた耐酸化性、優れた耐蝕性、良好な熱伝
導率、低い熱膨張率、高い耐熱衝撃性並びに高温
での高い強度等の化学的および物理的に優れた特
性を有し、メカニカルシールや軸受け等の耐摩耗
材料、酸およびアルカリ等の強い腐蝕性を有する
溶液のポンプ部品又は水道管のパツキン等の耐蝕
材料として広く使用することができる材料であ
る。 〔従来の技術〕 ところで、炭化ケイ素焼結体は高い硬度を有
し、耐摩耗性に優れているが、自己潤滑性に乏し
く、特にメカニカルシールや軸受け等の摩擦現象
を伴う機械構成部品として使用する上で装置の耐
久性や信頼性に欠ける問題があつた。 前述の如き問題を解決する材料として、特開昭
58−161982号公報に「含ふつ素重合体をセラミツ
クスに結合させたセラミツクス複合体」に係る発
明が開示されており、同公報明細書中に炭化ケイ
素質焼結体とフツ素樹脂との複合体が記載されて
いる。 しかしながら、前述の発明には、フツ素樹脂と
の複合化に適した炭化ケイ素焼結体の特性につい
ては何ら記載されていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、前述の如き合成樹脂との複合体には
多孔質炭化ケイ素焼結体が使用されるが、従来知
られている多孔質炭化ケイ素焼結体の製造方法と
して、特開昭48−39515号公報に「炭化珪素粉に
炭素粉を加え又は加えずに炭素質バインダーを加
えると共にこの炭素粉及び焼成時に生成されるバ
インダーからの遊離炭素と反応する理論量の珪素
質粉を添加して形成し、しかる後この成形体の炭
素粉中で1900〜2400℃に加熱して成形体中の炭素
分を珪素化することを特徴とする均質多孔性再結
晶炭化珪素体の製造方法。」が開示されている。 しかしながら、上述の方法で製造された多孔質
体の構造をモデル的に図示すれば第2図に示すよ
うであり、結晶相互の結合が弱いため、結晶粒子
が脱離し易い欠点を有していた。 本発明は、前述の如き従来知られた多孔質炭化
ケイ素焼結体の有する欠点を除去改善した多孔質
炭化ケイ素体、すなわちフツ素樹脂等の合成樹脂
との複合化に適した炭化ケイ素焼結体を適用する
ことにより、摺動特性に優れた炭化ケイ素質複合
体を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 前記目的に対し、本発明者らは種々研究を行つ
た結果、平均アスペクト比が3〜50であり、かつ
長軸方向の平均長さが0.5〜1000μmの主として炭
化ケイ素質板状結晶から構成される三次元網目構
造を有する多孔質炭化ケイ素焼結体を新規に知見
し、この多孔質炭化ケイ素焼結体の開放気孔中に
合成樹脂を充填することにより、前記問題点を解
決することのできることに想到し、本発明を完成
した。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の多孔質炭化ケイ素焼結体(以下、多孔
質体と称する。)は平均アスペクト比が3〜50で
あり、かつ長軸方向の平均長さが0.5〜1000μmの
主として炭化ケイ素質板状結晶から構成されかつ
開放気孔を有する三次元の網目構造となつている
ことが必要である。 前記多孔質体の平均アスペクト比が3〜50であ
ることが必要な理由は、平均アスペクト比を3以
上とすることによつて炭化ケイ素質板状結晶で構
成される気孔が結晶の占める容積に対して比較的
大きく、かつ高強度の多孔質体、すなわち高い気
孔率を有する高強度多孔質体となすことができる
からであり、また50よりも大きいと板状結晶で構
成される多孔質体の結晶相互の接合部が少ないた
め、多孔質体自体の強度が低く、炭化ケイ素質複
合体の強度が低くなるからである。前記多孔質体
の平均アスペクト比はなかでも5〜30であること
がより好適である。 なお、ここでいうアスペクト比とは焼結体の任
意の断面において観察される個々の結晶の長軸と
短軸の比である。 また、前記板状結晶の長軸方向の平均長さが
0.5〜1000μmであることが必要であることの理由
は長軸方向の平均長さが0.5μmより小さいと前記
板状結晶により形成される気孔が小さく、場合に
よつては気均の一部が独立気孔になつていること
があり、合成樹脂の充填が困難であるためであ
り、一方、1000μmより長くなると、板状結晶の
接合部の強度が小さく、多孔質体自体の強度が低
いためである。なかでも、前記板状結晶の長軸方
向の平均長さは1〜800μmであることがより好
適である。 本発明の多孔質体は、10〜70容量%の開放気光
率を有するものであることが好ましい。その理由
は、前記開放気孔率が10容量%よりも低いと合成
樹脂を充填することが困難であるばかりでなく、
実質的に合成樹脂の充填量が少ないため摺動特性
を向上させることが困難であるからであり、一方
70容量%よりも高いと多孔質体の強度が低く、粒
子が脱離し易いばかりでなく、複合体の熱伝導率
が低くなり、摩擦熱によつて焼付き易くなるから
である。 また、前記網目構造の開放気孔の平均断面積は
0.01〜250000μm2であることが好ましい。その理
由は開放気孔の平均断面積が0.01μm2より小さい
と合成樹脂の充填が困難であるからであり、一
方、開放気孔の平均断面積が250000μm2より大き
いと、多孔質体自体の強度が低く、なかでも前記
網目構造の開放気孔の平均断面積は0.25〜90000μ
m2であることが有利である。 そして前記多孔質体の結晶100重量のうち3〜
50のアスペクト比を有する板状結晶は少くとも20
重量部を占めることが好ましい。ところで、前記
板状結晶の含有量は結晶の構造写真を解析するこ
とにより求められる。ここで、前記多孔質体が20
重量部以上の3〜50のアスペクト比を有する板状
結晶で占められていることが好ましい理由は、前
記板状結晶が20重量部より少いと、アスペクト比
の小さい炭化ケイ素結晶が多く含まれることにな
り、合成樹脂の充填が困難であるからである。な
かでも前記板状結晶は前記多孔質体の結晶100重
量部のうち少くとも40重量部を占めることが有利
である。 そして、前記多孔質体の比表面積は少くとも
0.05m2/gであることが有利である。ここで比表
面積は窒素吸着のよるBET法によつて求められ
る値である。比表面積が0.05m2/g以上が好まし
い理由は、合成樹脂との接合面積が多くより高強
度の複合体となすことができるからであり、なか
でも0.2m2/g以上の比表面積を有するものが最
も好適に使用できる。 本発明において使用する合成樹脂としては、ア
セタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、スチレンアクリロニトリル樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフ
エニレンサルフアイド樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂およびフツ素樹脂から選択される樹脂を
単独あるいは混合して使用することができ、なか
でもアセタール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂および
フツ素樹脂は自己潤滑特性に優れており、摺動特
性を著しく向上させることができる。 前記合成樹脂を多孔質体の気体中へ充填する方
法としては、樹脂を加熱して溶融させて含浸する
方法、樹脂を溶剤に溶解させて含浸する方法、樹
脂をモノマー状態で含浸した後ポリマーに転化す
る方法あるいは、微粒化した樹脂を分散媒液中に
分散し、この分散液を多孔質体に含浸し、乾燥し
た後、樹脂の溶融温度で樹脂を焼きつける方法が
適用できる。 次に本発明において使用される多孔質体の製造
方法について説明する。 長軸方向の平近長さが10〜1000μm、平均アス
ペクト比が3〜50の炭化ケイ素質板状結晶から主
として構成されてなる三次元網目構造を有し、前
記網目構造の開放気孔の平均断面積が400〜
250000μm2の範囲内の平均断面積を有する多孔質
体は、 (a) 平均粒径が10μm以下の炭化ケイ素粉末であ
つてβ型、2H型および非晶質の炭化ケイ素を
少くとも60重量%含有する炭化ケイ素粉末を所
望の形状に成形する効程;および (b) 前記(a)工程により得られた成形体の耐熱性の
容器内に装入して外気の侵入を遮断しつつ1900
〜2300℃の温度範囲内で焼成する工程によつて
得ることができる。 前記出発原料は少くとも60重量%のβ型、2H
型および非晶質の炭化ケイ素焼結体を含有する炭
化ケイ素の出発原料の1つとすることが有利であ
る。この理由はβ型結晶、2H型結晶および非晶
質の炭化ケイ素結晶は比較的低温で合成される低
温安定型結晶であり、焼結に際し、その一部が
4H、6Hあるいは15R型等の高温安定型α型結晶
に相転移して、板状結晶を生じやすいばかりでな
く、結晶の成長性にも優れた特性を有しているか
らであり、特に60重量%以上のβ型炭化ケイ素か
らなる出発原料を用いることが有利である。 前記出発原料は平均粒径が10μm以下の微粉末
であることが有利である。平均粒径が10μmより
も小さい粉末は、粒子相互の接触点が比較的多
く、また炭化ケイ素の焼成温度において、熱的活
性が大であり、炭化ケイ素粒子間での原子の移動
が著しく大きいため、炭化ケイ素粒子相互の結合
が極めて起りやすい。したがつて板状結晶の成長
性が著しく高い。特に、前記出発原料の平均粒径
は5μm以下であることが板状結晶の成長性によ
り好ましい結果を与える。 そして、前記出発原料による所望の形状に成形
された炭化ケイ素成形体はたとえば黒鉛、炭化ケ
イ素等の耐熱性の容器内に装入して外気の侵入を
遮断しつつ1900〜2300℃の温度範囲内で焼成され
る。このように耐熱性の容器内に装入して外気の
侵入を遮断しつつ焼成を行う理由は、隣接する炭
化ケイ素結晶同志を融合させかつ板状結晶の成長
を促進させることができるからである。前述の如
く耐熱性の容器内に装入して外気の侵入を遮断し
つつ焼成することによつて隣接する炭化ケイ素結
晶同志を融合させ板状結晶の成長を促進させるこ
とのできる理由は、炭化ケイ素粒子間における炭
化ケイ素原子の蒸発−再凝縮および/または表面
拡散による移動を促進することができるためと考
えられる。これに対し、従来知られている常圧焼
結、雰囲気加圧焼結あるいは減圧下における焼結
法を試みたところ、板状結晶の成長が困難である
ばかりでなく炭化ケイ素粒子の接合部がネツク状
にくびれた形状となり、焼結体の強度が低くなつ
た。前記耐熱性の容器としては、黒鉛、炭化ケイ
素、炭化タングステン、モリプデン、炭化モリプ
デンのうち少くとも1種以上の材質からなる耐熱
性容器を使用することができる。 また、前記生成形体を外気を遮断することので
きる耐熱性容器中に装入して焼成することによ
り、焼成時における炭化ケイ素の揮散率を5重量
%以下とすることが有利である。 ところで、比較的大きな平均断面積の開放気孔
を有する多孔質体を得るには焼成時の昇温速度を
比較的ゆつくりとした速度で焼成すること、最高
温度を比較的高くすることおよび/または最高温
度での保持時間を長くすることが有利である。こ
の条件によれば個々の炭化ケイ素の板状結晶を大
きく成長させることができ、その結果、大きな気
孔断面積を有する多孔質体を得ることができる。 一方、比較的小さな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度を比
較的速くすること、最高温度を比較的小さくする
ことおよび/または最高温度における保持時間を
短くすることが有利である。 この条件によれば個々の炭化ケイ素の板状結晶
をそれほど成長させることがないからである。 また、前記生成形体を1900〜2300℃の温度範囲
で焼成する理由は焼成温度が1900℃よりも低いと
粒子の成長が不十分であり、高い強度を有する多
孔質体を得ることが困難であり、2300℃よりも高
い温度になると炭化ケイ素の昇華が盛んになり、
発達した板状結晶が逆にやせ細つてしまい、その
結果高い強度を持つた多孔質体を得ることが困難
となるためであり、なかでも1950〜2250℃の間で
焼成することがより好適である。 一方、長軸方向の平均長さが0.5〜200μm、平
均アスペクト比が3〜50の炭化ケイ素板状結晶か
ら主として構成されてなる三次元網目構造を有
し、前記網目構造の開放気孔の平均断面積が0.01
〜10000μm2の範囲内の平均断面積を有する多孔
質体は、 (a) 平均粒径が10μm以下の炭化ケイ素であつ
て、この粉末はα型、β型および/または非晶
質炭化ケイ素と不可避的不純物とからなる炭化
ケイ素粉末である出発原料であつて、この粉末
100重量部に対し、アルミニウム、ニホウ化ア
ルミニウム、炭化アルミニウム、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ
素、窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カルシウ
ム、炭化カルシウム、クロム、ホウ化クロム、
窒化クロム、酸化クロム、鉄、炭化鉄、酸化
鉄、ホウ化ランタン、酸化ランタン、酸化リチ
ウム、ケイ素、窒化ケイ素、チタン、酸化チタ
ン、二酸化チタン、三酸化チタンおよび酸化イ
ツトリウムのなかから選ばれるいずれか1種ま
たは2種以上を10重量部以下を均一に混合する
工程; (b) 前記(a)工程により得られた混合物を成形する
工程;および (c) 前記(b)工程により得られた成形体を耐熱性容
器内に装入して外気の侵入を遮断しつつ1700〜
2300℃の温度範囲内で焼成する工程により、得
ることができる。 前記出発原料は平均粒径が10μm以下の微粉末
であることが有利である。平均粒径が10μmより
も小さい粉末は、粒子相互の接触点が比較的多
く、また炭化ケイ素の焼成温度において、熱的活
性が大であり、炭化ケイ素粒子間での原子の移動
が著しく大きいため、炭化ケイ素粒子相互の結合
が極めて起りやすい。したがつて板状結晶の成長
性が著しく高い。特に、前記出発原料の平均粒径
は5μm以下であることが板状結晶の成長性によ
り好ましい結果を与える。 前記出発原料には、アルミニウム、ニホウ化ア
ルミニウム、炭化アルミニウム、窒化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ素、窒
化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化カ
ルシウム、クロム、ホウ化クロム、窒化クロム、
酸化クロム、鉄、炭化鉄、三酸化鉄、ホウ化ラン
タン、酸化ランタン、酸化リチウム、ケイ素、窒
化ケイ素、チタン、酸化チタン、二酸化チタン、
三酸化チタンおよび酸化イツトリウムの中から選
ばれるいずれか1種または2種以上が添加され
る。前記物質は炭化ケイ素の結晶成長の速度を著
しく高める働きがあり、一方、前記物質は前記炭
化ケイ素成形体の焼成温度1700〜2300℃において
前記物質の蒸気および/または分解生成物の蒸気
が生成し、前記炭化ケイ素成形体のすみずみまで
拡散し、極めて多くの板状結晶の核が形成され、
各々の部分で板状結晶の発達が起こり、その結果
形成される板状結晶の大きさが制限され細かい粗
織の三次元網目構造となるためである。前記化合
物のうち、特にホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ
素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、鉄、
炭化アルミニウム、ニホウ化アルミニウム、アル
ミニウムを有利に使用することができる。 一方、前記物質の添加量は前記炭化ケイ素を主
体としてなる出発原料100重量部に対し、10重量
部以下であることが有利である。その理由は、10
重量部よりも多く添加しても、前記炭化ケイ素成
形体の焼成温度範囲内において前記化合物およ
び/またはその分解生成物の蒸気分圧はほとんど
変らない。逆に前記物質が前記成形体内で残留す
る量が多くなるため炭化ケイ素本来の特性が失な
われるからである。さらに板状結晶の成長に適し
た前記化合物の添加量は炭化ケイ素出発原料100
重量部に対し、5重量部以下が好適である。 また、前記出発原料として使用される炭化ケイ
素はα型、β型および/または非晶質炭化ケイ素
のいずれも使用することができる。 前記出発原料に焼成時に遊離カーボンを残す炭
素源を添加することができる。このような炭素源
としては、焼結開始時に炭素の状態で存在するも
のであれば使用することができ、例えばフエノー
ル樹脂、リグニンスルホン酸塩、ポリビニルアル
コール、コンスターチ、糖蜜、コールタールピツ
チ、アルギン酸塩のような各種有機物質あるいは
カーボンブラツク、アセチレンブラツクのような
熱分解炭素を有利に使用することができる。 遊離カーボンは前記物質と同時に存在すると、
結晶の成長性を抑え、微細な炭化ケイ素板状結晶
を形成するため、微細な気孔を有する多孔質体を
得るのに効果がある。 また、前記遊離炭素分としては出発原料100重
量部に対し、5重量部以下であることが有利であ
る。その理由は、5重量部より多く添加してもそ
の効果には変わらず逆に前記多孔体に残留する量
が多くなり、多孔質体の耐酸化性を低下させるた
めであり、なかでも3重量部以下であることがよ
り効果的である。 前記耐熱性容器は、黒鉛、炭化ケイ素、窒化ア
ルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化タングステ
ン、炭化チタン、酸化マグネシウム、炭化モリブ
デン、モリブデン、炭化タンタル、タンタル、炭
化ジルコニウム、黒鉛−炭化ケイ素複合体の中か
る選ばれるいずれか1種からなる容器を使用する
ことができる。 これらの容器は前記焼成温度範囲内で溶融する
ことがなく、その形を保持することが可能であ
り、また、前記添加物の蒸気および/または分解
生成物の蒸気の系外への漏出を抑制し、前記添加
物の効果を炭化ケイ素成形体のすみずみまで行き
わたらせる効果がある。なかでも、黒鉛、炭化ケ
イ素、黒鉛−炭化ケイ素複合体、炭化タングステ
ン、窒化アルミニウム、炭化チタン、モリブデ
ン、炭化モリブデンを有効に使用することができ
る。 また、比較的大きな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには焼成時の昇温速度を比較
的ゆつくりとした速度で焼成すること、最高温度
を比較的高くすることおよび/または最高温度で
の保持時間を長くすることが有利である。この条
件によれば個々の炭化ケイ素の板状結晶を大きく
成長させることができ、その結果、大きな気孔断
面積を有する多孔質体を得ることができる。 一方、比較的小さな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度を比
較的速くすること、最高温度を比較的小さくする
ことおよび/または最高温度における保持時間を
短くすることが好ましい。この条件によれば個々
の炭化ケイ素の板状結晶をそれほど成長させるこ
とがないからである。 また、前記生成形体を1700〜2300℃の温度範囲
で焼成する理由は焼成温度が1700℃よりも低いと
粒子の成長が不十分であり、高い強度を有する多
孔質体を得ることが困難であり、2300℃よりも高
い温度になると炭化ケイ素の昇華が盛んになり、
発達した板状結晶が逆にやせ細つてしまい、その
結果高い強度を持つた多孔質体を得ることが困難
となるためであり、なかでも1750〜2250℃の間で
焼成することがより好適である。 次に本発明を実施例および比較例について説明
する。 実施例 1 出発原料として使用た炭化ケイ素微粉末は94.6
重量%がβ型結晶で残部が実質的に2H型結晶よ
りなり、0.39重量%の遊離炭素、0.17重量%の酸
素、0.03重量%の鉄、0.03重量%のアルミニウム
を主として含有し、0.28μmの平均粒径を有して
いた。 前記炭化ケイ素微粉末100重量部に対し、ポリ
ビニルアルコール5重量部、水300重量部を配合
し、ボールミル中で5時間混合した後乾燥した。 この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後金
属製押し型を用いて50Kg/cm2の圧力で成形した。
この生成形体の密度は1.2g/cm2、乾燥重量は21
gであつた。 前記生成形体を外気を遮断することのできる黒
鉛製ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用し
て1気圧のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。な
お、前記黒鉛製ルツボは内容積が50mlのものを使
用した。 焼成は2.5℃/分で2200℃まで昇温し、最高温
度2200℃で6時間保持した。 得られた焼結体の重量は19.6gであり、その結
晶構造は第1図の走査型電子顕微鏡写真(75倍)
に示したように、平均アスペクト比が12で長軸方
向の平均長さが380μmの板状結晶が多方向に複
雑に絡み合つた三次元構造を有しており、3〜50
のアスペクト比を有する板状結晶の含有量は多孔
質体全重量の98%であつた。また、この多孔質体
の気孔は直線的でない開放気孔であり、その開放
気孔率は全容積の64%比表面積は1.2m2/g、曲
げ強度は180Kg/cm2であつた。 この多孔質体を外径が30mm、内径が15mm、厚さ
が5mmのリング状に加工した後、平均粒径が
0.26μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子を
60重量%分散させた懸濁水に真空下で浸漬し含浸
させた後、380〜400℃の温度で焼着し、複合体を
得た。この複合体中に充填されたポリテトラフル
オロエチレンは0.85gであり、多孔質体の空隙に
占める割合は50.1容量%であつた。 この複合体のステンレス鋼(SUS304)に対す
る乾式摺動試験を500mm/secの摺動速度で摺動さ
せるリングオンリング法で10Kgf/cm2の端面荷重
を負荷して行つたところ、摩擦係数は0.15〜
0.22、摩耗係数は3.1×10-4mm/Km・(Kgf/cm2
であり、極めて優れた摺動特性を有していること
が認められた。 なお、前記摩耗係数(K)は下記関係式によつ
て求められる値である。 K=h/PVT K:摩耗係数(mm/Km・(Kgf/cm2))h:摩耗深
さ(mm) T:摺動時間(sec)、P:端面荷重
(Kgf/cm2) V:摺動速度(Km/sec) 比較例 1 実施例1と同様であるが、ポリテトラフルオロ
エチレンを複合化せずに摺動試験を行つたとこ
ろ、摩擦係数は0.5〜0.7、摩耗係数は2.3×10-1
mm/Km・(Kgf/cm2)であつた。 比較例 2 ポリテトラフルオロエチレン70重量に対しガラ
ス繊維が30重量部複合化された一般的な摺動材料
のステンレス鋼(SUS304)に対する摺動試験を
実施例1に示した条件と同様にして行つたとこ
ろ、初期の摩擦係数は0.2〜0.25と比較的低かつ
たが、約1時間後に摩擦面が異常に発熱し0.2〜
0.4の範囲で著しく変動する現象が認められた。
また、この時の摩耗係数は2.2×10-3mm/Km(Kg
f/cm2)であり、ステンレス鋼の表面が著しく荒
れていることが認められた。 比較例 3 実施例1と同様の方法であるが、生成形体をル
ツボに入れずに焼結し、平均アスペクト比が1.8、
長軸方向の平均長さが30μmのほとんど粒状の炭
化ケイ素からなる結晶構造の多孔質体を得た。こ
の多孔質体の重量は18.8gであつた。この多孔質
体の開放気孔率は全容積の67容量%であつたが、
曲げ強度は4Kg/cm2と著しく低いものであつた。 この多孔質体に実施例1と同様の方法でポリテ
トラフルオロニチレンを多孔質体の空隙に対して
30容量%複合した。この複合体の摩擦係数は0.15
〜0.2と比較的低い値であつたが、摩耗係数は8.5
×10-3mm/Km(Kgf/cm2)と著しく劣つていた。 実施例 2・3 実施例1と同様であるが、成形圧を3000Kg/
cm2、10Kg/cm2に変えて製造した多孔質体に加熱溶
融したポリアセタール樹脂を含浸して複合体を製
造した。 得られた複合体の特性は第1表に示した。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明の炭化ケイ素質複合体
は、極めて優れた摺動特性を有しており、機械装
置の軸受やシール部分のような摩擦現象を伴う機
械構成部品などに適用することにより、装置の耐
久性や信頼性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1に記載の多孔質体の結晶構
造を示す走査型電子顕微鏡写真(75倍)、第2図
は、従来の炭化ケイ素多孔質体の構造を示す模式
図である。 A……炭化ケイ素質骨材、B……結合剤、C…
…多孔質体の間隙。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 三次元網目構造の開放気孔を有する多孔質炭
    化ケイ素焼結体であつて、平均アスペクト比が3
    〜50であり、長軸方向の平均長さが0.5〜1000μm
    の主として炭化ケイ素質板状結晶構造から成り、
    前記開放気孔の中に合成樹脂が充填されてなる炭
    化ケイ素質複合体。 2 前記多孔質炭化ケイ素焼結体は10〜70容量%
    の開放気孔率を有する特許請求の範囲第1項記載
    の炭化ケイ素質複合体。 3 前記開放気孔の平均断面積は0.01〜250000μ
    m2である特許請求の範囲第1あるいは2項記載の
    炭化ケイ素質複合体。 4 前記多孔質炭化ケイ素焼結体100重量部のう
    ち、3〜50のアスペクト比を有する板状結晶は少
    なくとも20重量部である特許請求の範囲第1〜3
    項記載の炭化ケイ素質複合体。 5 前記合成樹脂は、アセタール樹脂、ナイロン
    樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹
    脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、スチレン
    アクリロニトリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
    リウレタン樹脂、ポリフエニレンサルフアイド樹
    脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂あるいはフツ素
    樹脂から選択される少なくとも1種である特許請
    求の範囲第1〜4項記載の炭化ケイ素質複合体。 6 前記合成樹脂は、前記多孔質炭化ケイ素焼結
    体の開放気孔100容量部に対し、少なくとも10容
    量部充填されてなる特許請求の範囲第1〜5項記
    載の炭化ケイ素質複合体。
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