JPH022894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷却効果の向上を図つた水冷式２サイ
クル内燃エンジンの冷却装置に関する。

従来水冷式２サイクル内燃エンジンにおいて
は、掃気通路を配設する関係上ウオータジヤケツ
トは掃気通路のほぼ上方からシリンダヘツドにか
けてシリンダ外壁に形成し、冷却水を循環して燃
焼ガスが直接接触するシリンダ外壁を冷却し、シ
リンダの熱歪みを低下させ、又掃気行程時シリン
ダ内に流入した新気の温度上昇を抑制し、新気の
充填効率を向上させるようにしている。

しかしながら上記従来の冷却構造では掃気通路
の外壁は空冷に頼るのみで強制冷却されないた
め、掃気通路の外壁温度はエンジン回転数や外気
温等の諸条件により変動し、掃気通路よりシリン
ダ内に導入される新気温度が不安定となる不具合
があつた。

本考案は上記不具合に鑑みてなされ、ウオータ
ポンプとラジエータを備え、エンジ外壁に形成し
たウオータジヤケツトに冷却水を循環する水冷式
２サイクル内燃エンジンの冷却装置において、該
エンジンの掃気通路の外壁に第１ウオータジヤケ
ツトを、シリンダ上部の外壁に第２ウオータジヤ
ケツトを夫々形成し、該第１、第２ウオータジヤ
ケツトを相互に連通路で連通すると共に、第１ウ
オータジヤケツトを該ウオータポンプに、第２ウ
オータジヤケツトを該ラジエタに接続したことに
より、掃気通路を通過する吸入新気の温度が安定
化すると共に低下され、吸気のシリンダへの充填
効率が上昇し、エンジン出力が向上する水冷式２
サイクル内燃エンジンの冷却装置を提供すること
を目的とする。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第３図は本考案に係る２サイクル内
燃エンジンを示し、エンジン本体１はシリンダヘ
ツド２、シリンダブロツク３及びクランクケース
４が一体に接合されて成る。シリンダブロツク３
の中心孔にはシリンダスリーブ３ａが嵌合されて
シリンダ３ｂを形成し、シリンダヘツド２には先
端がシリンダ３ｂ上部の燃焼室５に臨む点火プラ
グ６が螺着されている。シリンダ３ｂ内にはピス
トン７が嵌挿され、該ピストン７のピストンピン
（図示なし）とクランクケース４内に軸支された
クランク軸８に取付けられた円板状のクランクウ
エブ８ａのクランクピン（図示なし）とはコンロ
ツド９で連結され、ピストン７の往復動がコンロ
ツド９を介してクランク軸８の回転に変換され
る。クランク軸８にはACGロータ１０が取付け
られている。クランク軸８と直交する方向におい
て、クランクケース４に吸気通路１１が開口さ
れ、該吸気通路１１から上方に隔つてこれと対向
するシリンダ３ｂ上部の所定位置に排気通路１２
が開口されている。又シリンダ３ｂのクランク軸
８と平行方向対向位置に一対の掃気通路１３がシ
リンダブロツク３からクランクケース４にかけて
その外壁に形成され、クランクケース４とシリン
ダ３ｂ上部の所定位置とを連通している。

前記掃気通路１３から上方には従来と同様、シ
リンダブロツク３及びシリンダヘツド２の外壁内
にシリンダ３ａを囲む位置にて第１ウオータジヤ
ケツト１４が形成されている。さらに前記クラン
クケース４の外壁内には掃気通路１３を囲む位置
にて第２ウオータジヤケツト１５が形成されてい
る。そして前記クランクケース４とシリンダブロ
ツク３に亘つてこれらの外壁には前記第１及び第
２のウオータジヤケツト１４，１５同士を連通す
る連通路１６が形成され、連通路１６は又掃気通
路１３のウオータジヤケツトの役割も兼ねてい
る。クランクケース４にはクランク軸８より互い
に噛合うギヤ１７を介して駆動されるウオータポ
ンプ１８が配設され、該ウオータポンプ１８の吐
出口１８ａは第２ウオータジヤケツト１５の冷却
水入口１５ａとウオータホース１９で接続され
る。一方第１ウオータジヤケツト１４の冷却水出
口１４ａはウオータホース２０でラジエタ２１の
入口２１ａに接続され、ラジエタ２１の出口２１
ｂはウオータポンプ１８の吸入口１８ｂとウオー
タホース２２で接続される。

尚、上記において第１並びに第２ウオータジヤ
ケツト１４，１５及び連通路１６はシリンダ３ｂ
の全周に亘つて包囲するように形成しても、又周
囲を部分的に囲むように形成してもよく、又ウオ
ータポンプ１８の吐出口１８ａと第２ウオータジ
ヤケツト１５の冷却水入口１５ａとを接続するウ
オータホース１９による水通路はクランクケース
４下部の壁と共に一体に形成し、クランクケース
４下部の冷却をも行うようにしてもよい。

上記構成において、エンジン１の始動と共にク
ランク軸８が回転し、互いに噛合うギヤ１７によ
つてウオータポンプ１８が駆動されると冷却水は
吐出口１８ａからウオータホース１９を通じて第
２ウオータジヤケツト１５に流入する。第２ウオ
ータジヤケツト１５内に流入した冷却水は掃気通
路１３とシリンダ３ｂ側壁の下部を冷却した後、
連通路１６を上昇しながら掃気通路１３の上部周
辺を冷却して第１ウオータジヤケツト１４内に流
入してシリンダ３ｂの上部を冷却する。かくして
温度が上昇した冷却水はウオータホース２０を通
じてラジエタ２１に送られ外気と熱交換されて冷
却され、ウオータホース２２を通じてウオータポ
ンプ１８の吸入口１８ｂに還流され、上記循環が
繰返される。この結果吸入新気は掃気通路１３に
おいて冷却水で冷却され温度が安定化すると共に
低下される。

以上説明したように本考案によれば、ウオータ
ポンプとラジエータを備え、エンジン外壁に形成
したウオータジヤケツトに冷却水を循環する水冷
式２サイクル内燃エンジンの冷却装置において、
該エンジンの掃気通路の外壁に第１ウオータジヤ
ケツトを、シリンダ上部の外壁に第２ウオータジ
ヤケツトを夫々形成し、該第１、第２ウオータジ
ヤケツトを相互に連通路で連通すると共に、第１
ウオータジヤケツトを該ウオータポンプに、第２
ウオータジヤケツトを該ラジエタに接続したこと
により、吸入新気が掃気通路において冷却水によ
り強制冷却されるため、エンジン回転数や外気温
等による温度変動が抑えられて温度が安定化する
と共に低下され、シリンダへの充填効率が上昇し
エンジンの出力が向上される。又ウオータポンプ
とウオータジヤケツト入口との距離が短縮される
ことからこの配管が簡素される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
面図、第２図は第１図の−線矢視断面図、第
３図は第１図の−線矢視断面図である。 １……エンジン本体、１４……第１ウオータジ
ヤケツト、１５……第２ウオータジヤケツト、１
６……連通路、１８……ウオータポンプ、２１…
…ラジエタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘツド、シリンダブロツク及びクラン
   クケースが一体に接合されてなるエンジン本体
   と、ウオータポンプと、ラジエータと、前記シリ
   ンダヘツド及びシリンダブロツクの外壁内に形成
   された第１のウオータジヤケツトと、前記シリン
   ダブロツクとクランクケースに亘つてこれらの外
   壁内に形成された掃気通路とを備え、前記ウオー
   タジヤケツトに冷却水を循環する水冷式２サイク
   内燃エンジンの冷却装置において、前記掃気通路
   を囲む位置にて前記クランクケースの外壁内に第
   ２のウオータジヤケツトを形成し、前記第１、第
   ２のウオータジヤケツト同士を前記クランクケー
   スとシリンダブロツクに亘つて形成した連通路で
   連通すると共に、前記第１のウオータジヤケツト
   を前記ラジエータに、前記第２のウオータジヤケ
   ツトを前記ウオータポンプに夫々接続したことを
   特徴とする水冷式２サイクル内燃エンジンの冷却
   装置。