JPH02286225A - かわ張り発泡パッドの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、椅子のシート、背もたれ、車両用内装材お
よび衣服用キルテイング地等に好適なかわ張り発泡パッ
ドの製造法に関するものである。

（従来の技術） 椅子のシート、背もたれ、乗用車の内装材、アタッシュ
ケースやトランクの内貼り材としてハードボードやファ
イバーボード等の板状基材上にポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル。

ポリウレタン等のフオームパッドを積層し、その上を布
帛やレザー等の可どう性表皮シートで被覆したものが、
また衣服や寝具用クツションとして表裏の布帛間に上記
のフオームパッドを挟み、キルテイングにより一体化し
たものが使用されている。また、上記のフオームパッド
の代りに、合成繊維のフィラメントからなる不織布のフ
ィラメントおよびその交絡部を、独立気泡を有する熱可
塑性樹脂発泡体で被覆してなる弾性パッドを使用するこ
とが知られている（実開昭６３−１２４１２２号公報参
照）。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、従来は、上記のフオームパッドや弾性パ
ッドを発泡処理後のかさ高な状態で任意の基材と表皮シ
ートとの間に積層していたので、積層体の周縁を高周波
ウェルダや縫合によって仕上げたり、キルテイング状の
模様を形成したりする場合に上記の積層体を周縁やキル
テイング模様線に沿って圧縮しなければならず、この圧
縮が面倒で、十分な圧縮ができなかったり、そのため立
体感が不足したり、また表皮シートの張りが不十分にな
って見苦しい皺が生じたりする等の問題があった。そし
て、上記のフオームパッドや弾性パッドに立体感のすぐ
れたキルテイング状の凹凸模様を付すためには、注型発
泡を必要とし、そのためには金型その他の設備を用意し
なければならなかった。また、積層体中のパッドが発泡
済みのものであるため、かさ張りが大きく１発泡工程か
ら積層工程への搬送や取扱いが不便であった。

この発明は、積層終了後または製品組立後に発泡を行な
うことにより、周縁の仕上げ、キルテイング模様の形成
を容易にし、キルテイング等による凹凸模様の立体感を
増大し、表皮シートの張りを良好にして皺の発生を防止
し、かつ金型の使用を不要にしたものである。

（課題を解決するための手段） 上記の課題を解決するため、この発明においては、任意
繊維のフィラメントからなる不織布に未膨張のマイクロ
バルーンが含まれた接着性樹脂液を含浸し乾燥して上記
不織布を構成するフィラメントおよびその交絡部を上記
の接着性樹脂液で被覆し、得られた樹脂含浸不織布に布
帛や皮革またはプラスチックシートなどの可とう性の表
皮シートを積層し、得られた積層シートの少なくとも周
縁部を縫合、高周波ウェルダ、挟圧等の締め付け手段に
よって締め付け該締め付け部に位置するマイクロバルー
ンの膨張力を減殺またはそう失させた状履下で上記積層
シートを加熱し、その締め付け部以外のマイクロバルー
ンを膨張させ樹脂含浸不織布をかさ高に形成する。

上記の不織布、を構成するフィラメントは、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ポリ塩化ビニル
系、ポリオレフィン系等の合成繊維フィラメント、およ
びガラス、カーボン等の無機質繊維フィラメントである
が、合成繊維、特に加熱により巻縮を発現する潜在巻縮
性のフィラメントが好ましい、なお、上記フィラメント
の好ましい繊度は、１．０デニ一ル以上、特に５．０デ
ニ一ル以上１０．０デニール以下であり、細過ぎると製
品のバルキー性が不十分になる。

上記のフィラメントは、これをランダムに配列してウェ
ブとし、このウェブを目付量が例えば５０〜１５０ｇ／
ｒｒｒとなるように重ね、フィラメント相互の接触部を
熱接着、好ましくはパウダーボンディングで固着するこ
とにより不織布に形成される。

なお、ニードルパンチングによりフィラメント相互を絡
合して不織布に形成することができるが、この場合は、
マイクロバルーンの加熱発泡時にフィラメント相互の絡
合部にずれが生じる程度に針密度を粗くすることが好ま
しい。

上記の不織布に含浸される接着性樹脂液は、熱可塑性の
接着剤用樹脂、増粘剤および助剤がらなり、これにマイ
クロバルーンを配合し、攪拌して得られ、１００〜１８
０’Ｃの加熱により上記マイクロバルーンの膨張による
独立気泡を生じるものである。なお、マイクロバルーン
は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル等のガスバリヤ性を有する樹脂のいずれか１
種または２種以上の共重合樹脂からなり、イソプロパン
、イソブタン等のガスを封入したものである。

このマイクロバルーンと接着性樹脂固型分の好ましい配
合比は、８０／２０〜９９／１であり、特に９０／１０
〜９６／４が好ましく、マイクロバルーンの配合比が少
ないと発泡倍率が不足して反発弾性が低下し、反対に多
過ぎると接着性樹脂液の接着力が不足して加工性が悪く
なる。

上記の接着性樹脂液は、上記の不織布に浸漬、塗布、ス
プレー等の手段によって含浸させ、必要に応じて絞り、
好ましくは含浸量（固形分付量）を不織布重量の２０〜
１００％、好ましくは４０〜７０％に調節して乾燥し、
上記不織布を構成するフィラメントおよびその交絡部を
上記の接着性樹脂で被覆する。

得られた樹脂含浸不織布の表面に重ねられる表皮シート
は、織物、編物、皮革、プラスチックシート等の可とう
性シートであり、所望により、上記樹脂含浸不織布の裏
面に上記と同様の可どう性シート、またはハードボード
、ファイバーボード、パイプ等からなる任意形状の基材
を重ねることができる。

上記の表皮シートおよび樹脂含浸不織布は、積層され、
好ましくは高周波ウェルダまたは縫合によってその少な
くとも周縁部に沿って接合され、更に必要に応じて中央
部をキルテイングの模様状に接合され、接合部分に位置
するマイクバルーンが破壊されるか、またはマイクロバ
ルーンの発泡が生じない程度に締め付けられる。なお１
表皮シートおよび樹脂含浸不織布の二者を重ね、貼合せ
。

その他の任意の手段で接合し、この重合シートを任意形
状の基材、好ましくは板材やパイプ等からなる構造材に
被着し、重合シートの少なくとも周縁部を上記基材に接
合して接合部分に位置するマイクロバルーンが破壊され
るか、またはマイクロバルーンの発泡が生じない程度に
締め付けることができる。

次いで、上記の表皮シート、樹脂含浸不織布および基材
の積層体は、オーブンに入れられ、スチームヒータ、′
赤外線ヒータ、高周波誘電加熱等により１００〜１８０
℃で０．５〜５．０分間加熱され。

これにより樹脂含浸不織布中のマイクロバルーンが発泡
し、樹脂含浸不織布がかさ高性を発現する。

この場合、オーブンの加熱温度は、樹脂含浸不織布中の
接着性樹脂の融点よりも高く設定される。

なお、表皮シートとして熱可塑性シートを用い。

この熱可塑性シートの表皮シートと樹脂含浸不織布とを
、好ましくは両者間に熱可塑性樹脂フィルム等のホット
メルト接着剤を介在させて重ね、この重合シートを真空
成型用の金型に上記の表皮シートが金型凹部に面するよ
うに取付けてその周縁部を上型で抑圧固定して周縁部に
位置するマイクロバルーンの発泡が生じない程度に締め
付け、この状態下で重合シートの真空成型を行なうこと
ができる。

（作用） 積層体をオーブン中で加熱することにより、不織布の構
成フィラメントを被覆する発泡性樹脂中のマイクロバル
ーンが膨張し、フィラメント相互の接着部や交絡部にず
れが生じて樹脂含浸不織布がかさ高性を発現し、積層体
の表皮シートおよび基材の内面に圧力が加えられ１表皮
シートおよび可どう性シート製の基材が膨張し、かわ張
り発泡パッドが製造される。得られたかわ張り発泡パッ
ドの充填材は、ガスの逃げ場がないマイクロバルーンの
独立気泡を有する発泡合成樹脂および不織布で形成され
るので、連続気泡を有する通常の発泡合成樹脂、または
独立気泡であってもマイクロバルーンを有しない発泡樹
脂をパッドに用いたものに比べて圧縮抵抗が増大し、圧
縮率が低下し、底づき感が解消する。そして５表皮シー
トを積層。

接合後に発泡させるので１表皮シートおよび可とう性シ
ート製の基材が発泡に伴う内圧によって四方に緊張され
、たるみや皺が伸ばされる。しかも。

縫合や高周波ウェルダその他の締め付けによって線状に
接合され、発泡機能を失なった部分は、かさ高性を全く
発現しないで、発泡前の状態に保持されるので、かさ高
性発現部分との凹凸差が顕著に表われる。更に、目的に
応じてマイクロバルーンの充填密度を調整することによ
り、製品の空隙率、圧縮弾性率および圧縮率を容易に設
定することができる。

なお、不織布を潜在巻縮性フィラメントで製造した場合
は、発泡のための加熱処理によってフィラメントが巻縮
を発現するので、かさ高性が更に増大する。また、加熱
処理の際に表皮シートの真空成形を同時に行なうと、金
型の形状に応じて表皮シートに凹凸が成型されると共に
、樹脂含浸不織布中のマイクロバルーンが部分的に大き
さの異なる膨張をして上記金型の内部空間を満たす形状
の発泡パッドが得られ、この場合に上記の表皮シートと
樹脂含浸不織布との間にあらかじめホットメルト接着剤
をフィルムの形で介在させたときは、真空成型と同時に
両者が接着して一体化される。

（実施例） 不織布として、潜在巻縮性ポリエステルフィラメントか
らなる目付量１０８ｇ／ｒｒｆの熱融着不織布（ローア
ンド・ボナー社製、商品名「ウルトラロフトＬＰ１０８
Ｊ）を用いた。一方、マイクロバルーン（松本油脂製薬
株式会社製、商品名「松本マイクロスフェアＦ　３０Ｊ
　）　９４．５重量部、接着用の酢酸ビニル・エチレン
共重合体エマルジョン（住友化学工業株式会社製、商品
名「スミカフレックス７５３Ｊ）５重量部、アクリル酸
エステル系増粘剤（互応化学工業株式会社製、商品名「
Ｄ２５１Ｊ）０．５重量部および少量のアンモニア水を
混合して粘度を５００ＣＰに調整し、得られた濃度２０
％の水溶液を発泡性樹脂液とした。

この発泡性樹脂液に上記の熱融着不織布を浸漬し、ニッ
プロールに通して絞り、絞り率３００％。

ウェット重量４００ｇ／ｒｆに調整し、この樹脂含浸不
織布をオーブンに入れ、６５℃で乾燥した。この乾燥さ
れた樹脂含浸不織布は、厚さＩＩ、重量１７０　ｇ　／
−であった。

上記の樹脂含浸不織布を織布製基材と編物製表皮シート
との間、および織布製基材と織布製表皮シートとの間に
それぞれサンドインチ状に挟み、キルテイング加工を施
し、しかるのち１２０℃のオーブン中で２分間加熱した
ところ、マイクロバルーンが発泡し、かつ不織布の構成
フィラメントが巻縮を発現し、キルテイングによる縫合
部の厚さ１　、　Ｏｒｍ、膨張部分の厚さ１０．０ｕｎ
の鮮明な立体感を有し、クツション性にすぐれ、外観の
美しい、かつ底づき感のないクツション材が得られ、自
動車の室内クツション材として好適であった。

また、上記の乾燥された樹脂含浸不織布の上にラッシェ
ル編地の表皮シートを貼合せ、この貼合せシートを用い
て乗用車の座席の背もたれの大きさの袋を作り、背もた
れのフレームを基材として上記の袋を被着し、袋の口部
をフレーム下端部に鋲で固定し、発泡処理のみを残した
形で製品化し、しかるのちオーブン中で１２０℃、２分
間の熱処理を行なったところ、上記袋の縫製時にコーナ
部等に生じた皺が消え、膨らみが増大し、立体感に富み
、意匠性に優れた背もたれが得られた。

次に、上記の乾燥された樹脂含浸不織布の表面に熱可塑
性合成樹脂からなる厚さ１．ｏｍｍの合皮シートを表皮
シートとして貼合せ、この重合シート（幅６５ｍ、長さ
３１０１１１１）を真空成型用の最大深さ４０ｉｓの凹
みを有する金型上に、上記表皮シートを下に向けて置き
、金型を閉じて樹脂含浸不織布の裏面に平坦な」−型を
当接し、かつ重合シートの周縁を圧着により締め付け固
定し、しかるのち上記の金型を加熱しながら金型内を減
圧して表皮シートを金型の形状に真空成形すると共に、
樹脂含浸不織布中のマイクロバルーンを膨張させて上記
不織布を金型の空間形状に成形し、しかるのち成型品を
取出して上記不織布を含む発泡パッドの裏面を基板に貼
合せた。

（発明の効果） この発明は、接着性樹脂を含浸した樹脂含浸不織布を表
皮シートと積層し、はぼ製品の形態が整えられた後に加
熱して発泡性樹脂に独立気泡を４”じさせる方法である
から、従来の発泡処理後に積層し、接合して製品の形態
に整える方法に比べて、積層、接合の作業が容易であり
、かつ表皮シートが発泡に伴なう内部圧力により緊張さ
れて皺やたるみが解消し、製品の外観が美しくなり、か
つ積層時にキルテイング模様を形成すると、凹部と凸部
の差が大きい立体感に優れた凹凸模様が得られる。そし
て、不織布に潜在巻縮性フィラメントを用いた場合は５
発泡処理の際に上記フィラメントが巻縮性を発現して製
品のかさ高性が一層増大する。また、樹脂含浸不織布お
よび表皮シートの積層シートを加熱する際、表皮シート
の真空成型を同時に行なうことにより、樹脂含浸不織布
の発泡成型を同時に行なうことができ、従来、発泡性ウ
レタン液を用いた場合は表皮シートの真空成型後に更に
発泡性ウレタン液の注型を必要としたのに比べて成型工
程が半減する。

特許出願人　　東洋クロス株式会社 豊田通商株式会社 代理人　弁理士　　吉　１）了　司

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 〔１〕任意繊維のフィラメントからなる不織布に未膨張
   のマイクロバルーンが含まれた接着性樹脂液を含浸し乾
   燥して上記不織布を構成するフィラメントおよびその交
   絡部を上記の接着性樹脂液で被覆し、得られた樹脂含浸
   不織布に布帛や皮革またはプラスチックシートなどの可
   とう性の表皮シートを積層し、得られた積層シートの少
   なくとも周縁部を縫合、高周波ウェルダ、挟圧等の締め
   付け手段によって締め付け該締め付け部に位置するマイ
   クロバルーンの膨張力を減殺またはそう失させた状態下
   で上記積層シートを加熱し、その締め付け部以外のマイ
   クロバルーンを膨張させ樹脂含浸不織布をかさ高に形成
   することを特徴とするかわ張り発泡パッドの製造法。 〔２〕樹脂含浸不織布を表皮シートと任意の基材との間
   に積層する請求項１記載のかわ張り発泡パッドの製造法
   。 〔３〕樹脂含浸不織布および表皮シートの積層シートで
   袋を形成し、この袋を任意形状の基材に被着することに
   より、樹脂含浸不織布を表皮シートと基材との間に積層
   する請求項２記載のかわ張り発泡パッドの製造法。 〔４〕樹脂含浸不織布および表皮シートの積層シートを
   加熱する際、表皮シートの真空成型を同時に行なう請求
   項１記載のかわ張り発泡パッドの製造法。 〔５〕不織布が加熱により巻縮を発現する潜在巻縮性合
   成繊維フィラメントで形成される請求項１ないし４のい
   ずれかに記載のかわ張り発泡パッドの製造法。