JPH0227501B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、体育館等の大形建造物に用いられる
床装置並びにその施工方法に関する。

従来、この種床装置は、床スラブ上に束サポー
トを固定し、更に該束サポートにボルトを螺合し
て、該ボルトに調整ナツトにより緩衝ゴムを嵌
挿・載置し、更に該緩衝ゴム上に大引材を流し、
そしてこの状態で、調整ナツトを調整することに
より、すべての束部分でのレベルを一定に調整し
た後、大引材上に根太材を流し、更に該根太材上
に床材を載置・固定して、旋工されていた。この
ため、現場での作業が極めて多くなり、工期の短
縮化及び旋工の効率化が望まれているにもかかわ
らず、工期が長期化していた。更に、大引材及び
根太材等の多く材料を必要とし、現場作業での人
件費の高騰と相俟つて、コストアツプの原因にな
つていた。

そこで、本発明は、支え金具を固定したパネル
板、ネジを形成した束パイプを有する中空束部
材、及び連結金具よりなり、支え金具に束パイプ
のネジを螺合すると共に、束部材をその中空部に
て床スラブに固定し、更に連結金具により隣接す
るパネル板を連結して構成し、もつて、大引材及
び根太材を必要とせず、構造が簡単で安価に構成
できるものでありながら、レベル及び水平調節も
正確・確実に行なえ、かつパネル板連結部分にお
いても床の弾力性が変化することなく連続し、更
に所定高さの床下空間を有した、優れた床装置を
提供することを目的とするものである。

また、本発明は、パネル板に束部材を固定・一
体化した状態で床スラブ上に載置し、その後、パ
ネル板の孔及び束部材の中空部を通してパネル板
の上から束部材を床スラブに固定し、そして束パ
イプをパネル板の上から回動してパネル板のレベ
ル及び水平調節をすることを特徴とし、もつて、
パネル板及び束部材をユニツト化して、現場での
作業を極めて少なくし、かつ束部材の固定及びパ
ネル板のレベル・水平調節をパネル板の上から行
うことにより、床下地装置に係る作業を大幅に省
力・容易化し、工期の短縮化及び施工の効率化を
図つた床装置の施工方法を提供することを目的と
するものである。

以下、図面に沿つて、本発明による実施例につ
いて説明する。

体育館用床装置１は、第１図及び第２図に示す
ように、大型パネル板２、中空束部材３及び連結
金具５よりなる。大型パネル板２は例えば三井ダ
イヤフロアエース（商標）等の正方形の大型積層
板よりなり、その所定箇所には４個の孔６…が穿
設されている。そして、第３図に示すように、パ
ネル板２の孔６部分には支え金具７が設置されて
おり、金具７は内側に右ネジよりなる雌ネジ９が
形成されている円筒部７ａ及び外方に拡がつてい
る鍔部７ｂよりなり、パネル板２の裏面に位置す
る鍔部７ｂから釘又はビス１０を差込んでパネル
板２に固定されている。また、中空束部材３は束
パイプ１１及び防振ゴム部材１２よりなり、束パ
イプ１１はその内部が貫通した中空部１１ａにな
つていると共に、その両端部にそれぞれ逆方向の
巻線を有する、即ち逆ネジの雄ネジ１１ｂ，１１
ｃが形成されており、更にその上端に十字溝１１
ｄが形成されている。また、防振ゴム部材１２は
所定高さを有する環状の防振ゴム１３を有してお
り、該防振ゴム１３の上下面にはプレート１５，
１６が焼付け等により固定されている。更に、上
プレート１５には防振ゴム１３の中空部１３ａと
整合するように孔１５ａが穿設されていると共
に、その上方に左ネジよりなる雌ネジ１６ａを有
する円筒部材１６が固着されている。また、連結
金具５は断面Ｈ形よりなる所定長さのバー材より
なり、該連結金具５はパネル板２の側面に形成さ
れた溝２ａにその一側面部５ａが係合すると共
に、他側面部５ｂが２枚のパネル板２，２に渡つ
てその下方を支えるようになつている。なお、第
３図において符号２ｂはパネル板２を整合するた
めの３角ザネであり、また１７はネジ１７ａを有
する脳天埋木ダボである。

そして、防振ゴム部材１２が固定ピン１９又は
埋込みボルトによる床スラブ２０上に固定されて
おり、更に防振ゴム部材１２の円筒部材１６に束
パイプ１１の左ネジ１１ｃが螺合し、かつ該束パ
イプ１１の右ネジ１１ｂが支え金具７の円筒部７
ａに螺合して、パネル板２は中空束部材３により
支持されている。更に、支え金具円筒部７ａ上部
に埋木ダボ１７が固定され、パネル板２の孔６が
塞がれている。一方、大型パネル板２の側面は、
隣接するパネル板２との間を連結金具５により連
結されて、多数のパネル板２…が同一レベルに揃
えられて、体育館用床装置１が構成されている。

次に、体育館用床装置１の施行方法について説
明する。

工場又は現場近くにて、大型パネル板２の所定
箇所に孔６が穿設され、該孔６に支え金具７がパ
ネル板裏面にてビス１０により固定されると共
に、パネル板２の側面に溝２ａ及び３角ザネ２ｂ
が形成される。更に、支え金具７の円筒部７ａに
束パイプ１１が螺合・固定され、かつ該束パイプ
１１の他端が防振ゴム部材１２に螺合・固定され
る。そして、この状態で、即ち大型パネル板２に
４本の束部材３を固定・一体化した状態で現場に
運ばれ、防振ゴム部材１２を下にして床スラブ２
０上に載置される。更に、パネル板２の孔６及び
中空束部材の中空部、即ち束パイプ１１の中空部
１１ａ、プレート１５の孔１５ａ及び防振ゴム１
３の中空部１３ａを通して、パネル板２の上から
バツフアーピン１９が打込まれ、防振ゴム部材１
２の下プレート１６が床スラブ２０に固定され
る。これにより、束部材３従つて大型パネル板２
が所定位置に固定される。そして、束パネル１１
の上端十字溝１１ｄに工具を係合することによ
り、束パイプ１１を回動して、束パイプ両端の逆
ネジ１１ｂ，１１ｃを支え金具７及び防振ゴム部
材１２の両円筒部７ａ，１６に対して螺合量を調
節し、これによりパネル板２の上から、パネル板
２のレベル及び水平を調節する。ついで、パネル
板２の側面溝２ａに連結金具５を差込み、保持す
る。そして、同様に束部材３を固定・一体化した
次の大型パネル板２を、その側面溝２ａが連結金
具５に係合するように載置・位置決めし、同様に
束パイプ１１の中空部１１ａ等を通してピン１９
により束部材３を床スラブ２０に固定し、更に束
パイプ１１を回動してレベル及び水平を調節す
る。このようにして、すべてのパネル板２…を設
置した後、支え金具円筒部７ａにネジ１７ａをネ
ジ込みかつ接着剤により接着して、孔６に埋木ダ
ボ１７を固定して塞ぐ。そして、パネル板２上を
サンデイングして、埋木ダボ１７の頭を修整する
と共に、パネル板２上を平滑に仕上げ、更にその
上を塗装して、床装置１が完成される。

なお、上述実施例は、１枚の大型パネル板２の
レベル及び水平調節をした後、次の大型パネル板
２を載置・固定したが、すべてのパネル板２を載
置・固定した後、パネル板２のレベル及び水平調
節をしてもよく、更には、すべてのパネル板２を
連結金具により連結しながら載置し、その後、各
パネル板２をピン１９等により固定し、そして各
パネル板２のレベル及び水平調節するようにして
もよい。

以上説明したように、本発明に基づく床装置１
によれば、パネル板２に支え金具７を固定し、該
支え金具７を中空束部材３の束パイプ１１に螺合
し、かつ隣接するパネル板２同しを連結金具５に
より連結したので、大引材及び根太材を必要とせ
ず、構造が簡単で安価に構成できるものでありな
がら、所定高さの床下空間を有し、かつパネル板
連結部分においても床の弾力性が変化することな
く連続し、更に、束部材３はその中空部１１ａ，
１３ａにて床スラブ２０上に固定されるので、曲
げ力の影響を受けることの少ない位置にて束部材
３を確実に固定でき、かつ支え金具７が束パイプ
１１のネジ１１ｂに螺合していることと相俟つ
て、パネル板２を確実に固定でき、床のあばれを
防止し、また、束パイプ１１のネジ１１ｂ，１１
ｃによりパネル板２のレベル・水平調節を容易に
行うことができ、これら効果が総合して、精度の
高い優れた床装置を得ることができる。

また、本発明に基づく床装置の施工方法による
と、パネル板２に支え金具７を介して中空束部材
３を固定・一体化したので、パネル板２及び束部
材３をユニツト化し、現場での作業を極めて少な
くでき、また、パネル板の孔６及び束部材３の中
空部１１ａ，１３ａを通して束部材３を床スラブ
２０に固定し、そして束パイプ１１を回動してパ
ネル板のレベル・水平調節をするので、束部材３
の固定及びパネル板１１のレベル・水平調節をパ
ネル板２の上から行うことができ、床下地装置に
係る作業を大幅に省力・容易化し、これら効果が
総合して、工期の大幅な短縮及び旋行の効率化を
図ることができる。特に、束パイプ１１はその上
方及び下方に逆方向の巻線を有する雄ネジ部１１
ｂ，１１ｃを有するので、該束パイプ１１を回転
することにより、パネル板２は倍する移動量にて
調節され、効率よくレベル・水平調節を行うこと
ができる。また、該効率のよい調節にもかかわら
ず、ネジ１１ｂ，１１ｃ，９，１６ａのリード角
の小さく保つことができ、これによりネジの自己
保持機能を維持して、長時間に亘り床のくるいを
防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る床装置を示す平面図、第
２図はその側面図、第３図はその拡大断面図であ
る。 １……（体育館用）床装置、２……（大型）パ
ネル板、３……中空束部材、５……連結金具、６
……孔、７……支え金具、９……雌ネジ、１１…
…束パイプ、１１ａ……中空部、１１ｂ，１１ｃ
……雄ネジ、１２……防振ゴム部材、１３……防
振ゴム、１３ａ……中空部、１６ａ……雌ネジ、
１７……埋木ダボ、１９……固定具（ピン）、２
０……床スラブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パネル板、該パネル板に穿設した孔部分に固
   定されかつ雌ネジを有する支え金具、上方及び下
   方に逆方向の巻線を有する雄ネジを形成しかつ中
   空部を有する束パイプ、床スラブに固定具により
   固定されかつ上部に雌ネジを有すると共に下部に
   環状の防振ゴムを有する防振ゴム部材、及び連結
   金具を備え、前記束パイプがその上方の雄ネジを
   前記支え金具の雌ネジに螺合すると共にその下方
   の雄ネジを前記防振ゴムの雌ネジに螺合し、かつ
   前記固定具を前記束パイプの中空部及び環状の防
   振ゴムを通つて前記床スラブに固定し、更に隣接
   する前記パネル板が前記連結金具にて連結してな
   る床装置。 ２ パネル板、雌ネジを有する支え金具、上方及
   び下方に逆方向の巻線を有する雄ネジを形成しか
   つ中空部を有する束パイプ、上部に雌ネジを有す
   ると共に下部に環状の防振ゴムを有する防振ゴム
   部材を備え、前記パネル板に孔を穿設し、更に該
   孔に前記支え金具を固定し、また該支え金具の雌
   ネジに前記束パイプの上方の雄ネジを螺合すると
   共に該束パイプの下方の雄ネジを前記防振ゴム部
   材の雌ネジに螺合し、そして該パネル板に前記束
   パイプ及び防振ゴム部材を固定・一体化した状態
   で床スラブ上に載置し、その後、固定具を前記パ
   ネル板の孔、束パイプの中空部及び防振ゴム部材
   を通して前記パネル板の上から前記防振ゴム部材
   を床スラブに固定し、そして前記束パイプを前記
   パネル板の上から回動して、前記逆方向の雄ネジ
   に基づき前記パネル板のレベル及び水平調節をす
   ることを特徴とした床装置の施工方法。