JPH02235940A - 表面改質成形物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 木発明は、プラスチックス成形物の表面を改質する技術
に関するものである。

従来の技術 プラスチックス成形物は、多種の用途に使用されている
が、使用目的によってはその表面の性質が目的に適合し
ないときがある。

そのため、使用したプラスチックス木来の性質は生かし
ながらも、その表面を改質することにより、耐水性、耐
薬品性、酎侯性、濡れ性、印刷性、染色性、潤滑性、接
着性などの性質を付与することが行われている。

「機能材料Ｊ．１９８９年２月号、５〜ｌ３頁、および
「工業材料」、第３６巻第１４号、４５〜５９頁には、
プラスチックスの表面改質に関する総説が掲載されてお
り、プラスチックスの表面改質手段として、ブラズ．マ
処理、紫外線処理、放射線処理、イオンビーム処理、薬
液処理、蒸気処理、機械的粗面化処理、無機粒子配合な
どの手段があることが示されている。

また本出願人のうちの１人は、プラスチックス成形物に
フッ素系樹脂水性分散液の浸透層を設けることにより、
温湿度変化に対する寸法安定性、荷重下での使用におけ
る摩耗・変形の防止性、耐熱性などの性質を付与する技
術を提案している。（特開昭５９−１９９２４１号公報
参照） 発明が解決しようとする課題 上述の「機能材料」や「工業材料」に記載の改質技術、
あるいは特開昭５９−１９９２４１号公報に記載の技術
により、採用した個々の具体的手段に応じたプラスチッ
クス成形物の表面改質が図られる。

殊に、特開昭５９−１９９２４１号公報の技術は、操作
が簡単でかつ成形物の形状の如何を問わず適用できる点
で有利である」一、プラスチックス成形物の表面特性を
顕著に改良できるので興味がある。

しかしながら、該公報に記載の技術により製造した改質
成形物は、これを液体と接触する用途に用いたり、長期
間にわたり使用する場合、フッ素系樹脂が徐々に失われ
て、経時的に表面改質の効果が低下してくることがあっ
た。また現在では、上記公報の出願当時に比し市場の求
める要求性能はさらに高くなっており、その要求に応え
る高性能のプラスチックス成形物の開発が強く望まれて
いる。

本発明者らは、特開昭５９−１９９２４１号公報に記載
の技術が限定された範囲でしか検討されていないため未
解明の部分も多いことに鑑み、該公報に記載の技術をさ
らに発展させるべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を見
い出すに至った。

課題を解決するだめの手段 木発明の表面改質成形物は、予め表面を活性化処理した
プラスチックス成形物に、フッ素系樹脂分散液を含浸、
乾燥してなるものである。

以下本発明を詳細に説明する。

プラスチ・ンクス成形物としては、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ＡＢＳ樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂
、アクリル系樹脂、ポリカーポネート系樹脂、ポリアセ
タール系樹脂、ポリゴステル系樹脂、ポリスルホン系樹
脂、ボリフェニレンオキ号イド系樹脂、エチレンービニ
ルアルコール共重合体、ポリウ１／タン系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂
、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、ジアリフタレ−１・
樹脂、合成ゴム，天然ゴムをはじめとする種々の樹脂か
ら成形された硬質、軟質または弾性を有する成形物があ
げられる。これらの成形物同士、あるいはこれらの成形
物と他の材料との複合物であってもよい。成形物の形状
は、フィルム、シート、ボード、フィラメント、パイプ
、ロッド、容器、ハニカム、各種の部品形状など任意で
ある。

上記プラスチックス成形物の表面を活性化処理する方法
としては、プラズマ処理、紫外線処理、電子線処理、放
射線処理、イオンビーム処理、コロナ放電処理、薬液（
溶剤を含む）処理、蒸気処理、機械的粗面化処理、微粒
子配合などがあげられる。どの活性化処理を採用するか
は、プラスチックス成形物の種類、使用目的、形状など
に応じ適宜選択される。

フッ素系樹脂分散液におけるフッ素系樹脂としては、テ
トラフルオロエチレンのホモポリマーまたはコポリマー
、フッ化ビニリデンのホモポリマーまたはコポリマー、
クロロトリフルオロエチレンのホモポリマーまたはコポ
リマーなどがあげられる。特にテトラフルオロエチレン
のホモボリマーまたはコポリマーが有用であり、コポリ
マーの場合のテｌ・ラフルオロエチレン以外のコモノマ
ーとしては、才レフィン、含フッ素オレフイン、パーフ
ルオロ才レフィン、フルオロアルキルビニルエーテルな
どがあげられる。

これらのフッ素系樹脂は分散液（殊に水性分散液）とし
て用いられるが、この分散液には、フッ素系界面活性剤
；パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス
、ペトロラタム等のワックス；シリコーンオイル、シリ
コーングリス、オイルコンパウンド、シリコーンワニス
等のシリコーンを配合しておくことも好ましい。これら
を含有させると、プラスチックス成形物内部へのフッ素
系樹脂の浸透に好影響を与える。

フッ素系樹脂分散液には、そのほか、フッ素系界面活性
剤以外の界面活性剤、ｐＨ調節剤、多価アルコール、柔
軟剤、粘度調節剤、光沢剤、安定剤などが含有されてい
てもよい。また、水性分散液の場合であっても、適当な
溶剤を適当量併用すると、エマルジョンに近い分散液が
得られるようになる。

表面を活性化処理したプラスチックス成形物へのフッ素
系樹脂分散液の含浸は、該成形物をフッ素系樹脂分散液
中に浸漬することによりなされる。浸漬は、常圧下だけ
でなく、減圧下または加圧下に行うこともできる。この
場合、浸漬を減圧下または加圧下に行う方が含浸量の点
および含浸速度の点で有利であるが、含浸に供する成形
物はその表面が活性化処理されているので、常圧下でも
含浸量および含浸速度は予想されるよりもはるかに良い
結果が得られる。

含浸層の形成は、上記浸漬法のほか、塗布法や噴霧法に
よっても行うことができる。プラスチックス成形物表面
を部分的に改質する場合は、塗布法や噴霧法の方が有利
であることもある。

含浸処理後は、必要に応じ成形物表面に付着したフン素
系樹脂分散液を洗浄または拭き取りにより除去した後、
成形物を自然乾燥または加熱乾燥により乾燥する。これ
により目的とする表面改質成形物が得られる。

作用および発明の効果 活性化処理したプラスチックス成形物は、その表面が化
学的、物理的に活性化している。そこにフッ素系樹脂分
散液が接触すると、フッ素系樹脂分散液は成形物の表面
内部にすみやかに浸透し，乾燥後はフッ素系樹脂がそこ
に確実に定着して容易には脱落しない。

そしてフッ素系樹脂の定着により、該成形物は摩擦堅牢
度、滑り性、耐熱性、耐湿性、防汚性、寸法安定性、耐
久性などの性質が顕著に改善される。この場合成形物の
表面硬度は事実上変化しないので、意図する用途への使
用が上記処理によって不適合になるおそれがない。

本発明の表面改質成形物にあっては、単に通常のプラス
チックス成形物にフッ素系樹脂分散液を含浸、乾燥させ
た場合に比し、より緩やかな条件でも表面が改質される
上、液体と接触する用途に用いたり、過酷な環境下で用
いたりしても、改質効果の持続性がすぐれている。

実　　施　　例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。

〈成形物〉 下記プラスチックス成形物Ａと、それを表面活性化処理
したものＢを準備した。

成形物Ｉ Ａ　：ポリエチレン板 Ｂ　１：Ａをプラズマ処理（　Ａ　ｒ，　１０ｍｉｎ）
Ｂ　２：Ａをクロム酸、ついで硝酸で処理Ｂ３：Ａをサ
ンドブラスト処理 Ｂ４：ＡをＣＳ２蒸気中で加熱下に処理Ｂ５：Ａをイオ
ンビーム処理 成形物２ Ａ：ＡＢＳ樹脂板 Ｂ　１：Ａを真空下に紫外線照射処理 Ｂ２：Ａを電子線照射処理 Ｂ３：Ａを放射線照射処理 成形物３ Ａ：ナイロン６板 Ｂ：Ａを紫外線照射処理 成形物４ Ａ：ポリアセタール板 ＢＡＡをプラズマ処理（Ｎ２，　２０ｍｉｎ）成形物５ Ａ：ポリプロピレン板 ＢＡＡの成形時にｌＯ重量％の酸化チタンを配合して成
形 〈フッ素系樹脂分散液〉 下記の組成のフッ素系樹脂水性分散液を準備した。（「
％」は重量％） 分散液１ ポリテトラフルオロエチレン微粒子　　　３％テトラフ
ルオロエチレンーへキサフルオロプロピレンコボリマー
微粒子　　　　　　　　　３％シリコーンオイル　　　
　　　　　　　　３％マイクロクリスタリンワックス　
　　　　２％パラフィン系低沸点溶剤　　　　　　　１
０％界面活性剤、安定剤　　　　　　　　　　７％水　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　７　２％分散液２ ポリテトラフルオロエチレン微粒子　　　３％フッ素系
界面活性剤　　　　　　　　　　１％パラフィン系中沸
点溶剤　　　　　　　１６％エチレングリコール　　　
　　　　　　　３％界面活性剤、安定剤　　　　　　　
　　　５％水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　７　２％〈含浸、乾燥条件〉 上述の成形物１〜５を、」一述の分散液１またほ２に種
々の温度および圧力条件下に浸漬した後、取り出し、つ
いで水をスプレーして表面に付着している分散液を除去
し、最後に熱風乾燥機中で乾燥した。

条件を第１表に示す。

第　　１ 表 〈改質効果とその保持性〉 成形物１〜５につき、下記の条件で評価を行った。

成形物Ａ，Ｂおよび含浸処理を行った成形物Ａ，且と、
これらを２週間屋外に放置したものに対し、成形物Ａを
擦りつけて摩擦堅牢度を調べたた。成形物Ａ（当初品）
に成形物Ａ（当初品）を５０往復擦りつけたときに生ず
る表面の傷と同程度の傷がつく往復回数で摩擦堅牢度を
評価した。結果を第２表に示す。

第　　２ 表 上記の結果から、成形物Ａにフッ素系樹脂分散液を含浸
させた成形物Ａは、摩擦堅牢度が顕著に向」一するが、
これを屋外放置すると摩擦堅牢度がある程度低下するこ
とがわかる。

また、成形物Ａを活性化処理した成形物Ｂは摩擦堅牢度
がかえって低下するが、活性化処理を施した成形物Ｂに
フッ素系樹脂分散液を含浸させた成形物Ｂは、成形物Ａ
にフッ素系樹脂分散液を含浸させた成形物Δに比しさら
に摩擦堅牢度が向上するのみならず、屋外放置によって
も摩擦堅牢度の低下が著しく小さいことがわかる。

上記の傾向は、摩擦堅牢度についてだけでなく、滑り性
、耐熱性、酎湿性、防汚性などの性質においても見られ
、活性化処理を施した成形物Ｂにフッ素系樹脂分散液を
含浸させた成形物Ｂは、過酷な環境下で用いたりしても
、改質効果の持続性がすぐれている。

る。

なお、成形物の表面硬度は、フッ素系樹脂分散液の含浸
によっても変化しない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、予め表面を活性化処理したプラスチックス成形物に
   、フッ素系樹脂分散液を含浸、乾燥してなる表面改質成
   形物。 ２、プラスチックス成形物表面の活性化処理が、プラズ
   マ処理、紫外線処理、電子線処理、放射線処理、イオン
   ビーム処理、コロナ放電処理、薬液処理、蒸気処理、機
   械的粗面化処理または微粒子配合によりなされている請
   求項１記載の表面改質成形物。