JPH0222456B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カセツト収容室にカセツトテープを
収容し、録音、再生時には、ヘツドをテープに接
触させるべく上昇させ、早送り、巻き戻し、停止
時にはヘツドを下降して、ヘツドをテープより離
隔させるテープレコーダのヘツド昇降装置の改良
に関するものである。

従来この種のテープレコーダのヘツド昇降装置
としては、第１図乃至第４図に示すものが存在し
ていた。

これを、その図面に就いて説明すれば、１はシ
ヤーシＡに取付けられたトリガプランジヤで、シ
ヤーシＡの軸２に回動自在に軸支されたトリガレ
バ３の一端に連結されている。

４はキヤプスタン軸で、フライホイル５が固着
されており、モータ６の軸に取付けられたモータ
プーリ７とフライホイル５の間にベルト８が張架
され、フライホイル５が回軸されるようになつて
おり、キヤプスタン軸４にはキヤプスタンギヤ９
が固着されている。

１０はキヤプスタンギヤ９に噛合すべき回転子
たるカムギヤで、その２個処に歯形のない無歯形
部１０ａ，１０ｂが設けてあり、又カムギヤ１０
と共に回転する押上カム１１と２個処のピン１
２，１３が設けられている。

１４はシヤーシＡに一端を止着されたトリガバ
ネで、カムギヤ１０の無歯形部１０ａがキヤプス
タンギヤ９の位置に回動してフライホイル５の回
転がカムギヤ１０に伝達されなくなつた時に、ピ
ン１２がトリガバネ１４に接し、その付勢力によ
つてカムギヤ１０を回転方向に回転させようとす
る。

同様に、無歯形部１０ｂがキヤプスタンギヤ９
の位置にある時に、ピン１３がトリガバネ１４に
接してカムギヤ１０を回転させようとする。

１５はヘツド（図示していない）を装備してシ
ヤーシＡを上下動自在としたヘツドベースで、シ
ヤーシＡに一端を止着したヘツドベース戻しバネ
１６で下向きに付勢されており、又ヘツドベース
１５には押上カム１１に接する従動子たる駆動ピ
ン１７が植立されている。

更に、トリガレバ３にはトリガレババネ１８の
一端を張架すると共に、カムギヤ１０に突起１０
ｃを設け、テープレコーダの録音、再生を行うた
めのプレイボタン（図示していない）の操作がさ
れず、トリガプランジヤ１に電流が供給されてい
ない場合には、トリガレバ３はトリガレババネ１
８に引かれてその係止部３ａにカムギヤ１０の突
起１０ｃが係止され、カムギヤ１０は回転方向に
回転できない。

又、プレイボタンが操作され、トリガプランジ
ヤ１に電流が流れるとトリガレババネ１８に抗し
てトリガレバ３は回動し、その突当部３ｂにカム
ギヤ１０の突起１０ｃが突き当り、カムギヤ１０
の回転は阻止される。

テープレコーダの非録音、非再生時には、第１
図に示すように、キヤプスタンギヤ９と噛合すべ
き位置にカムギヤ１０の無歯形部１０ａがあり、
その突起１０ｃがカムレバ３の係止部３ａに係止
されるため、カムギヤ１０は回転しない。

今、録音、再生のためにプレイボタンが操作さ
れると、トリガプランジヤ１に電流が供給されて
励磁すると、これに引かれてトリガレバ３は回動
し、係止部３ａによる突起１０ｃの係止が解除さ
れる。

この時、カムギヤ１０はそのピン１２が前述の
ようにトリガバネ１４で回転方向に付勢されてい
るので、この付勢によつて回転を開始し、カムギ
ヤ１０とキヤプスタンギヤ９が噛合し、カムギヤ
１０の回転が継続する。

このカムギヤ１０と共に押上カム１１も回転す
るので、押上カム１１が駆動ピン１７に接してこ
れを押し、ヘツドベース１５をヘツドベース戻し
バネ１４に抗して上昇させ、ヘツドをテープに接
触させる。

然るに、カムギヤ１０の回転が継続し、ヘツド
ベース１５の上昇が完了すると、第３図のように
カムギヤ１０の無歯形部１０ｂがキヤプスタンギ
ヤ９との噛合位置に来て、キヤプスタンギヤ９の
回転が伝達されなくなる。

この時、ピン１３はトリガバネ１４を押し上
げ、更にその死点を過ぎて反対側に入り込んでカ
ムギヤ１０の回転方向の付勢を受けるようになつ
た時に、突起１０ｃがトリガレバ３の突当部３ｂ
に突き当り、カムギヤ１０は回転を停止されるの
でヘツドはテープに接触した状態に維持される。

次に、録音、再生を中止すべくプレイボタンが
操作されると、トリガプランジヤ１への電流が遮
断されるため、第３図に示すようにトリガレバ３
はトリガレババネ１８に引かれて回動し、突当部
３ｂによる突起１０ｃの係止を解除するので、ピ
ン１３はトリガバネ１４の付勢によつてカムギヤ
１０を回転させ、その歯形部をキヤプスタンギヤ
９に噛合させ、その回転が伝達される。

このカムギヤ１０の回転によつて押上カム１１
が回転して駆動ピン１７を押し上げなくなるた
め、ヘツドベース１５はヘツドベース戻しバネ１
６で下降させられる。

そして、カムギヤ１０の回転によりその無歯形
部１０ａがキヤプスタンギヤ９の位置に来て、そ
の回転が伝達されなくなり、ピン１２はトリガレ
ババネ１４に接し、下死点を過ぎてトリガレババ
ネ１４の回転方向の付勢を受けるようになつた
時、突起１０ｃがトリガレバ３の係止部３ａで係
止され、第１図の状態に戻るものである。

このようにしてテープレコーダのヘツドは録音
再生に際してテープに接したり、離れたりするも
のであるが、録音、再生の中止時、ヘツドを装備
したヘツドベース１５は、ヘツドベース戻しバネ
１６の力だけで下降されていたので、ヘツドベー
ス１５の下降時の摺動ロス、ヘツドのリード線の
負荷、低温時の潤滑油の硬化による負荷増加等に
対応するためにヘツドベース戻しバネ１６の力を
強くすると、プレイ時にヘツドベース１５を上昇
するための負荷が大きくなり、各部の摩耗を早め
たり、フライホイル５の回転速度が低下したりす
ることがある。

更に、異常な負荷となるようなことが発生する
と、ヘツドベース１５が下らないためにカセツト
ハーフが取り出せなくなる事態が生ずる等の欠点
を持つていた。

本発明は、このようなテープレコーダのヘツド
昇降装置において、ヘツドベースの下降時に、ヘ
ツドベースを強制的に下降させる押下カムを付加
することにより、ヘツドベース戻しバネの力を弱
くし、プレイ時の負荷を小としても確実にヘツド
ベースを下降させ、以つて従来の欠点を除去する
ことを目的とするものである。

今本発明を、第５図乃至第７図に示す実施例に
就いて説明する。

この実施例は第１図乃至第４図に示した従来の
テープレコーダのヘツド昇降装置に於いて、カム
ギヤ１０に、ヘツドベース１５の駆動ピン１７に
接してヘツドベース１５を下降させる押下カム２
０を設けたもので、第５図乃至第７図に於いて、
第１図乃至第４図と同一符号は同一部分を示して
いる。

従つて、この実施例に於いても、テープに録音
再生を行うべくプレイボタンを操作した場合の各
部の動作は、前記従来のものと同一に行われ、第
５図の状態となり、トリガプランジヤ１が励磁さ
れている間は、ヘツドベース１５は上昇位置を保
持する。

次に、録音再生を中止すべく、プレイボタンを
操作した場合には、従来のものと同様な動作を各
部が行つて第６図のようにカムギヤ１０が回転を
開始する。

この場合、ヘツドベース１５はヘツドベース戻
しバネ１６に押されて駆動ピン１７が押上カム１
１に沿つて下降を開始すると同時に、押下カム２
０も駆動ピン１７に接し、第７図のようにこれを
強制的に押し下げる作用をする。

斯くしてヘツドベース１５の下降が終り、ヘツ
ドがテープから離隔されると、カムギヤ１０の突
起１０ｃがトリガレバ３の係止部３ａに係止され
てカムギヤ１０が停止するの他、各部は前記実施
例と同様の動作をして、次のプレイに備えた待期
位置をとるものである。

叙上のように本発明は、ヘツドを装備したヘツ
ドベースは、テープから離隔される下降方向への
付勢の他に、押下カムで強制的に下降させられる
から、下降方向への付勢は極めて小さい力で足り
るので、これを上昇させるための各部に対する抵
抗を小さくすることができ、従つて各部の摩耗や
破損を未然に防止できるばかりでなく、ヘツド或
いはヘツドベース等に異常な負荷が加わつた場合
でも、ヘツドベースの下降、テープからの離隔が
行え、カセツトハーフが取り出せなくなるという
故障が起きない等の多くの利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来のテープレコーダのヘ
ツド昇降装置の原理図で、各図はその動作順序を
示し、第５図乃至第７図は本発明の実施例で、各
図はその動作順序を示す。 １０…カムギヤ、１１…押上カム、１５…ヘツ
ドベース、１６…ヘツドベース戻しバネ、１７…
駆動ピン、２０…押下カム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ テープレコーダのヘツドを取り付けられ、ヘ
   ツドをテープから離隔すべく下降方向に付勢され
   たヘツドベースと、テープレコーダの操作子の操
   作により所定角度回転する回転子と、前記ヘツド
   ベースに植立した従動子に接してヘツドベースを
   上昇方向に押す押上カムと、前記下降方向の付勢
   を助長する押下カムとを前記回転子と連動させた
   ことを特徴とするテープレコーダのヘツド昇降装
   置。