JPH0222452A - 装飾部材 - Google Patents

装飾部材

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JPH0222452A
JPH0222452A JP33568887A JP33568887A JPH0222452A JP H0222452 A JPH0222452 A JP H0222452A JP 33568887 A JP33568887 A JP 33568887A JP 33568887 A JP33568887 A JP 33568887A JP H0222452 A JPH0222452 A JP H0222452A
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JP
Japan
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layer
chromium
carbonitride
hard coating
substrate
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JP33568887A
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English (en)
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Akira Uchiyama
明 内山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えばイオンブレーティング法を用いた装飾部
材に関し、更に詳しくは炭窒化クロムで被覆され、ステ
ンレスに酷似の色調を有する装飾部材に関する。
〔発明の(既要〕
本発明は装飾部材において金属クロムを蒸発源とし例え
ば窒素系ガスおよび炭化水素系ガスを含む雰囲気中にお
けるイオンブレーティング法により従来にない耐摩耗性
、耐擦傷性、高密着性及び高硬度を有し、ステンレスと
同等の外観色調を呈する装飾部材を安価に提供するとこ
ろにある。
〔従来の技術〕
従来、例えば装飾部材である時計用外装部品における外
観色調は装飾品的な立場から金色系と白色系が9割り近
くを占めている。そこで白色系の仕上としては、まずス
テンレス素材を研磨加工しステンレス自体の色調を最終
外観としたものがあった。また黄銅、洋白等の耐食性の
悪い材料に対してはCuメツキあるいはNiメツキにて
下地処理した後仕上としてパラジウム合金、ロジウム、
銀等を湿式メツキにより処理し白色仕上を施すことが行
われてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、前述の従来技術においてステンレス素材をその
まま例えば時計用外装部品として用いた場合は、ステン
レス自体の硬度がビッカース硬さにてHv 180〜2
00程度と低い為、消費者が携帯するとわずか数ケ月で
擦傷痕がついてしまい長期間にわたり当初の装飾外観を
維持することができないという欠点があった。また湿式
メツキによる黄銅、洋白素材上へのパラジウム合金、ロ
ジウム、銀等のメツキ処理は時計用外装部品では数ミク
ロンの厚みで処理するのが一般的であるがメッキ厚が薄
い為硬度が低く、前述のステンレス素材と同様に長期の
使用により傷が著しく発生し、外観が低下する欠点があ
った。さらにパラジウム合金、ロジウム、銀等は非常に
高価である為、低コスト化が難しいと言う問題点があっ
た。
そこで本発明はこの様な問題点を解決するもので、その
目的とするところは例えばイオンブレーティング法によ
り作成した高硬度の炭化クロム、窒化クロムおよび炭窒
化クロム被膜により耐摩耗性、耐擦傷性を満足し、従来
のステンレス素材と同等の白色色調を有し且つ安価な装
飾部材を適用しうる技術を提供するところにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の装飾部材は、硬質被膜が形成される装飾部材に
おいて、前記硬質被膜は、少なくとも、金属クロムを主
成分とする下層と、該下層の上に形成される炭窒化クロ
ムを主成分とする上層の各層を有することを特徴とする
装飾部材。
〔作用〕
本発明の前述の構成によれば装飾部材の基板上の(以下
基板という)の第−層に例えばイオンブレーティング法
により純金属で活性な下層としての金属クロム層を形成
し、基板との密着性を確保し、次いで炭化及び窒化を進
め上層としての炭窒化クロムを形成させることにより、
下層と上層との密着性を確保させる。この二層構造によ
り時計用外装部品としての密着品質は確保される。
次に下層と上層との間に下層と上層との混合領域を設け
る三層構造にすることにより、密着性は二層構造に比し
さらに高められる。これは金属クロム層から炭窒化クロ
ム層に到るまでの中間層としての金属クロムと炭窒化ク
ロムとの混合領域を形成することが硬質被膜への機械的
な歪及び熱的ショックに対し、応力の伝達層として働き
、金属クロムが応力の吸収層及び緩衝層として働く為の
必要不可欠なものである。上記構成により硬質被膜トー
タルの基板に対する密着性は二層構造に比しさらに高め
られる。
二層構造の密着性をさらに高める為には五層構造に硬質
被膜を細分し各層の応ツノ差を少なくする必要がある。
つまり、基板上の第−層に純金層で活発な金属クロム層
を形成し基板との密着性を完全に確保し、金属クロム層
形成の途中から窒化又は炭化反応を進めて第二層とし第
三層として充分に進んだ窒化クロム又は炭化クロム層を
形成させる。次に窒化クロム又は炭化クロムの形成途中
より窒化反応と炭化反応を同時に進行させ第四層とし最
終的な硬質被膜表面部分は十分に進んだ炭窒化クロム層
とする。第−層と第二層、第二層と第三層、第三層と第
四層及び第四層と第五層においてそれぞれ層間では必ず
同一組成金属を約50%共有しており、いわゆる拡散状
態を呈することにより眉間の密着力は飛躍的に向上する
。さらに第−層から第三層へ至るまでの中間層としての
金属クロムと炭化クロムの混合領域又は金属クロムと窒
化クロムとの混合領域、第三層から第五層へ至るまでの
中間層としての炭化クロムと炭窒化クロムとの混合領域
または窒化クロムと炭窒化クロムとの混合領域□これら
の各混合領域を形成することが三層構造に比べさらに被
膜への機械的な歪及び熱的シゴンクに対し、応力の伝達
層として働き最下層の金属クロムが応力の吸収層及び緩
衝層として働く為の必要不可欠なものである。前記構成
によりイオンブレーティングによる硬質被膜特有の脆さ
がさらに改善され、硬質被膜トータルの基板に対する密
着性は三層構造以上に完全に確保される。硬質被膜の色
調は上層の炭窒化クロム特有の特性の為、二層、三層、
及び五層の構造の違いには全く影響されない。
前記炭窒化クロムの硬質被膜はイオンブレーティング法
により生成される為Hv −1500以上の硬さを有し
ており数ミクロンの17みて実用携帯上はぼ傷を防止で
きる。また被膜の色調が金属光沢を有し、ステンレスと
類似の色調の為、例えば本発明を時計用外装部品に適用
した場合には、時計用外装部品とステンレス素材より製
作された他部品との組合せも外観上全く違和感な(使用
することができ、バンドも含めた携帯時計の全面または
形状的に特に傷が付きやすい部分のみにも本発明を適用
できうる。本発明の炭窒化クロム層はその厚みが0.1
5μm〜3.0μmの範囲が色調、硬度の点においてよ
り好ましく、この範囲における炭窒化クロム層の表面は
、JIS  Z2068で規定する(CIF  197
6)L”、a”   b”色空間においてL”、a”b
“はそれぞれ65%≦L”  590%、−3≦a“ 
≦5、−5≦b7 ≦10の関係を満足する色調を有す
ることを特徴としている。
この色調のとき炭窒化クロムの硬質被膜はステンレス素
材に酷似した色調で金属光沢をもって輝いている。Lo
が小さすぎると硬質被膜表面の明度が低(なって黒味を
おびてくる為、硬質被膜の光沢が不満足となり、またL
′が高すぎると明度が高くなりすぎてキラつくばかりと
なる為L0は65%〜90%の範囲が好ましく、更には
72%〜83%が最も好ましい、また硬質被膜表面の色
調においてaoが小さずぎると緑っぽ(なりすぎ、逆に
大きすぎると赤味が強くなりすぎるし、またb*が小さ
すぎると青っぽくなりすぎ、逆に大きすぎると黄味が強
くなりすぎる為a“ b“はそれぞれ−3≦a0≦5、
−5≦b*≦IOの範囲が好ましく更には−l≦a*≦
2、−*≦b*≦6が最も好ましい。次にイオンブレー
ティング法によるステンレス色調の炭窒化クロムの硬質
被膜はクロムまたはクロム合金を蒸発源とし窒素系ガス
及び炭化水素系のガスを反応性ガスとして生成されるク
ロムと炭素と窒素との化合物が適用できうる。さらには
反応性ガスとして窒素系ガス、炭化水素性ガスに微量の
酸素系ガスを添加することによるクロムと炭素、窒素、
酸素の化合物も適用できる。いずれもイオンブレーティ
ングによるステンレスに酷似した色調の硬質被膜厚みは
生産性、機能性(耐摩耗性、耐擦傷性、密着性)より総
厚が0.15μm〜5.0μmの範囲が好ましく、さら
には1μm〜2μmの範囲が最適である。硬質被膜の生
成方法においてはイオンブレーティング法以外にも同様
な物理的蒸着法に位置付けられるスパッタリング法また
は化学的蒸着法(CVD法)及びプラズマ化学蒸着法(
PCVD)等が容易に適用できうる。
本発明の装飾部材の基板としては例えばイオンブレーテ
ィング法による場合にはイオンブレーティング処理中の
温度に耐え得るものであればいかなるものであっても良
い。たとえばセラミック、超硬、N1基合金、Co基合
金、ステンレス、銅合金、亜鉛、亜鉛合金、プラスチッ
ク等が適用できうる。イオンブレーティング法により得
られる硬質被膜は相対的にピンホールの介在するものが
ほとんどの為、該硬質被11りを被覆する以前に耐食性
品質を満足しておく必要がある。セラミック、超硬Ni
基合金、Co5合金、及びステンレス等の基板はそれ自
体耐食性が良好の為、基本的には下地メツキは必要とし
ないがS(サルファ)の様な快削成分の多いステンレス
基板は若干耐食性が劣る為、下地層として金、金合金、
クロム、パラジウム、パラジウム合金、ルテニウムある
いはロジウムメツキ層を単層又は数種の積層とし基板の
耐食性を確保する必要がある。また銅合金、亜鉛、亜鉛
合金を基板とする場合はメツキにより銅、Ni、Ni合
金を単層または積層した後、金、金合金、クロム、パラ
ジウム、パラジウム合金、ロジウム、ルテニウム等のメ
ツキを単層または数種積層して耐食性を確保する必要が
ある。特に銅合金、亜鉛、亜鉛合金の基板についてはイ
オンブレーティング処理する前に上記の下句メツキを施
すことによりイオンブレーティング処理中に基板材料が
直接高温、高真空雰囲気にさらされるのを防止し該基板
材料内部の温度上昇を防ぎ、脱亜鉛現象によるフクレの
発生を防止することができる。また基板にプラスチック
を用いる場合は前述の銅合金、亜鉛、亜鉛合金基板への
下付はメツキと同様のメツキを行う工程に先たち無電解
メツキによりN1等の処理を行うのが一般的である。プ
ラスチック基板は融点が低く、かつ有機物の為イオンブ
レーティング処理中の温度上昇によりガスの吹出しが発
生しやすく、イオンブレーティング被膜との密着不良が
多発しやすい、密着不良性防止上、前述の下付メツキは
不可欠となる。
下付メツキの厚みは単層の場合でも積層の場合でも、生
産性、機能性の点より2μm−10μmが最適であるが
0.2μm〜20μmへ範囲を拡大しても基本品質は変
わらない。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。第1
図、第2図、第3図及び第4図は本発明の5US304
を素材とした時計用外装部品の断面図である。セラミッ
ク、超硬、Nf基合金、CO基合金、ステンレス、銅合
金、亜鉛、亜鉛合金、プラスチック等の材料により形成
され、適宜、下付メツキ処理された時計ケース基板上に
イオンブレーティング法によりステンレスに酷似した色
調の炭窒化クロムの硬質被膜を生成する工程に先たち、
真空槽内にアルゴンガスを導入し0.02Lorrの圧
力に保持し基板への負の印加電圧0.5kvで5分間イ
オンボンバードメントを行い時計ケース基板表面のクリ
ーニングを行った。次にアルゴンガスを排出し真空室内
をI X l O−’Lorrに戻した後、電子ビーム
加熱により金属クロムを蒸発させ、基板電圧を一〇、1
kv印加しプラズマを発生させ、イオン化した金属クロ
ムを基板へ生成させる。この状態で金属クロムを主成分
とする下層2が生成される。ついで窒素ガス及びアセチ
レンガスを種々の一定の比で徐々に真空槽内へ導入し、
最終的に種々の一定圧力まで導入する。この一定圧力に
ガスが安定するまでの時間に生成する硬質被膜が金属ク
ロムと炭窒化クロムとの混合層4である。
次に窒素とアセチレンとの混合ガスが一定圧力になって
以降、一定時間イオンブレーティング処理を継続し最終
的に炭窒化クロムを主成分とする上層3を生成させ第2
図にて示される金属クロムを主成分とする層2(下層)
金属クロムと炭窒化クロムの混合層4と、炭窒化クロム
を主成分とする1!I3(上N)とから形成される三層
構造の硬質被膜を得た。尚、窒素ガス及びアセチレンガ
スを急速に真空槽内へ導入することにより混合層4の無
い第1図に示される金属クロムを主成分とする層2(下
層)と炭窒化クロムを主成分とするN3C上層)とから
形成される二層構造の硬質被膜を得た構成を作成した。
また金属クロムを主成分とする下層2を生成させた後つ
いで窒素ガスまたはアセチレンガスを一定量で徐々に真
空槽内へ導入し、最終的に2×10−’torrの一定
圧力まで導入する。この一定圧力にガスが安定するまで
の時間に生成する層が金属クロムと窒化クロムとの混合
層5又は金属クロムと炭化クロムとの混合層8である。
続いて窒素またはアセチレンのガス圧が一定圧力になっ
て以降一定時間イオンブレーティング処理を継続し窒化
クロムを主成分とする層6又は炭化クロムを主成分とす
る層9を形成させた0次に窒素ガス及びアセチレンガス
の混合ガスを種々の一定比で徐々に真空層へ導入し、最
終的に種々の一定圧力まで導入する。この一定圧力に混
合ガス圧が安定するまでの時間に生成する被膜が窒化ク
ロムと炭窒化クロムとの混合層7または炭化クロムと炭
窒化クロムとの混合層10である。最後に窒素とアセチ
レンとの混合ガスが一定圧力になって以降一定時間イオ
ンブレーティング処理を継続し最終的に炭窒化クロムを
主成分とするN3を生成させ第3図および第4図に示す
五層構造の硬質被膜を得た。
上記方法により、第1図〜第4図に示す各々の硬質被膜
の構成毎に本発明の実施例1〜32と比較例1〜26と
の合計48個をサンプルとして硬質被膜を形成させた時
計ケースを用い携帯時計を完成させた後、色調、耐食性
、耐摩耗性及び密着性について検査した結果と、硬質被
膜作成条件等とを含めて第1表〜第9表に整理した。
第1表は第1図に示す金属クロムを主成分とする層(下
Jif) 2と、炭窒化クロムを主成分とする層(上l
i) 3との二層構造における本発明の実施例1〜8、
比較例1〜5のサンプルの検査結果と硬質被膜作成条件
を示す。
第2表は第1表の前記サンプルに対応した各層の形成時
間と硬質被膜J7みを示す。
第3表は第2図に示す前記下N2と、金属クロムと炭窒
化クロムの混合層4と、前記上層3との三層構造におけ
る本発明の実施例9〜16、比較例6〜12のサンプル
の検査結果と硬質被膜作成条件を示す。
第4表は第3表の前記サンプルに対応した各層の形成時
間と硬質被膜厚みを示す。
第5表は第3図に示す前記下層2と、金属クロムと窒化
クロムの混合層5と、窒化クロムを主成分とするN6と
、窒化クロムと炭窒化クロムの混合層7と、前記上層3
との五層構造における本発明の実施例17〜24、比較
例13〜19のサンプルの検査結果と硬質被膜作成条件
を示す。
第6表は第5表の前記サンプルに対応した各層の形成時
間と硬質被膜厚みを示す。
第7表は第4図に示す前記下712と、金属クロムと窒
化クロムの混合Ji5と、窒化クロムを主成分とするJ
i6と、窒化クロムと炭窒化クロムの混合層7と、前記
上層2との五層構造における本発明の実施例25〜32
、比較例20〜26のサンプルの検査結果と硬質被膜作
成条件を示す。
第8表は第7表の前記サンプルに対応した各層の形成時
間と硬質被膜厚みを示す。
第9表は前記本発明の実施例1〜32と比較例1〜26
のサンプルのうち前記第1表〜第8表に示す下付メツキ
有りの場合の下はメツキ構成及びメツキ厚みを示す。
尚第1表、第3表、第5表、第7表に記載する「処理時
間(分)」はイオンブレーティング中のクロムの蒸着時
間を示し、rNz /Cm H,Jは上層生成時におい
て、ガス圧一定時のNZとC□H2の流量比を示し、「
ガス圧」は上層生成時において、N2及びC,H,の単
一又は混合ガス安定時の真空槽圧力を示し、「膜厚」は
下層〜上層のトータル厚さを示す。
第 表 第 表 また前述の第1表、第3表、第5表、第7表の評価特性
に対する評価基準を第10表に示す。
第10表 次に各特性の確認方法について以下に述べる。
各硬質被膜表面の色調はJIS  Z  810520
14で規定する標準の光Cを用いてJISZ  081
05−1013で規定する分光反射率を求め、この値を
(CIE1976)L”  a”b”色空間に変換して
定量化した。
また色調判定は肉視にて行いステンレスと比較検討した
。膜厚は硬質被膜をシャドウィングしそのとき形成され
た段差を小坂研究所社製微少粗さ測定器にて測定した。
更に第2表、第4表、第6表、第8表に示した第一層〜
第五層については硬質被膜断面をX線分析し各層の厚み
を求めた。硬度はマイロクビッカース硬度計10gr荷
重にと測定した。また耐摩耗性は牛皮上に時計ケースの
側面を密着させ500gr荷重を時計ケースに加えなが
ら10cmストロークにて3万回往復摩耗させた時計ケ
ース側面の硬質被膜の摩耗程度を61認した。密着性は
時計ケースをハイスにて両端より圧縮荷重を加え折曲部
が90°以上になる様にし、折曲部の硬質被膜の剥離程
度を調べた。耐食性については人工汗および人工海水(
3%NaCf)中に時計ケース完成品を40°C×90
%の温湿雰囲気中で201′半浸漬し、腐食及び変色の
発生を3周べた。
本発明における前記実施例1〜32のサンプルにおいて
イオンブレーティング法により炭窒化クロムを主成分と
する硬質被膜を表面に形成した携帯時計ケース完成品は
ステンレスに酷似した色調を呈し、人工汗及び人工海水
の耐食性試験にて腐食の発生が見られず、更に折曲によ
る密着性試験においては第1表に示す本発明の実施例1
〜8に示す二層構造、第3表に示す本発明の実施例9〜
16に示す三層構造、第5表、第7表に示す本発明の実
施例17〜32に示す五層構造の順で密着性は高くなっ
たが、いずれの構成でも密着品質は時計用外装部品とし
て十分であった。また第1表の比較例4および第3表、
第5表、第7表の比較例12.19.26に示ず様にト
ータルの硬質被膜厚みが5μmを越えj¥くなりずぎる
と密着性は劣り、硬質被膜剥離が見られ、密着品質を6
1保する硬質被膜厚みは0.15μrn〜5μmの範囲
の場合には前記所定の色調が61保されると共に硬度も
11vlooo以上が確保されるのでより好ましい。
また、金属クロムを主成分とする層2(第2表、第4表
、第6表、第8表の第一層)の膜厚はいづれの場合も0
.05μm〜2.0μrnが好ましい。
金属クロムと炭窒化クロムの混合層4 (第4表の第二
層)、金属クロムと窒化クロムの混合層5(第6表の第
二層)、金属クロムと炭化クロムの混合層8(第8表の
第二層)、窒化クロムと炭窒化クロムの混合層7(第6
表の第四層)および炭化クロムと炭窒化クロムの混合層
10(第8表の第四層)の膜厚はいずれの場合も0.0
5μm〜0.5μmが好ましい。窒化クロムを主成分と
する層6(第6表の第三層)および炭化クロムを主成分
とする層9(第8表の第三Ji)はいずれの場合も0゜
05μm〜3.0μmが好ましい。
また、5US304基板の表面に各種の加工を施し、例
えばスジ目模様、格子模様、梨地模様および鏡面等の表
面加工を施し、その上に本発明の硬質被膜を形成した場
合においても、その外観は前記硬質被膜を形成しない場
合と同様に表面加工の装飾性を表現できる。ことに色調
は5US304基板の下地の色調とほぼ同一の色調にす
ることが可能であり、耐傷性に優れた特有の効果を耐傷
性に劣るSUS、304基板に追加できるものである。
さらに硬質被膜にパフ掛等のボリシング加工を施せば光
沢を有する装飾性の優れた外観を得ることができる。ま
た硬質被膜の表面はHv=1000以上の充分な硬度を
有しており耐摩耗試験においては素地の露出は全く見ら
れなかった。硬質被膜の色調においてはNt/CzHz
  (流量化)及びガス圧の条件により若干違ってきた
が、はとんどが金属光沢を有し且つステンレスに酷似し
ており全く差異のない外観を呈し全部品又は特定部品の
時計用外装部品に十分適用できうるちのであった。
しかし比較例第1表、第3表、第5表、第7表に示され
る各々の比較例1.6.13.20に示す様にガス圧が
極端に高くなった場合の硬質被膜はL”=62%と明度
が低く黒味を帯びており光沢のない外観となり、逆に比
較例2.7.14.21に示ず様にガス圧が極端に低く
なるとL”=91%と明度が高くなりすぎキラつき感が
顕著過ぎて時計用外装部品としては好ましくないもので
あった。これはガス圧が高すぎた場合は炭窒化クロム硬
質被膜中のクロムとN及びCの組成比においてNおよび
Cの重量%が極端に多くなり、結晶的に結合が不安定と
なる為、硬質被膜は非常にポーラスな構造で光を吸収し
やすくなることよりL“値が低く、暗い色調となってし
まう。逆にガス圧が極端に低い場合は炭窒化クロムの組
成比においてクロムの重量%が極端に多くなり、蒸着さ
れた金属クロム特有のキラついた外観となるのである。
以上よりL1値は65%≦L*≦90%の範囲がより好
ましく選択されるものである。
更に比較例3.8.15.22に示す様に反応ガスをN
2ガスのみとすると生成被膜のCrN特有の青っぽい色
味が強くなり本発明の目的範囲外の色となってしまい、
また比較例4.9.16.23に示す様に反応ガスをC
,N2ガスのみとすると生成被膜はCrCとなり赤味の
強い色となり好ましくない。以上からa *  b 1
=については一3≦a*≦5、−5≦b0≦10の範囲
がより好ましく選択されるものである。
第1表〜第8表に示す本発明の実施例1〜32における
硬質被膜の色調はN Z / Ct Htの流量比、ガ
ス圧、クロムの蒸発量及び処理時間を一定にしてイオン
ブレーティング処理することにより、色調の制御は容易
に行え、同一条件にて10回の別々に処理したイオンブ
レーティングによる製品を抜き取って色差計及び目視に
て比較したが、その差を全く認めることができず色調に
対する繰返し精度の高い製法であることが確認できた。
本発明の技術は、時計用外装部品のみならず、メガネフ
レーム、ライターケース、装飾バンド、バックル、ネタ
タンビン及び指輪、スプーン、フォーク等装飾品全最に
適用可能である。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、ステンレス素材そのものを研磨仕上す
る方法及び黄銅、洋白等へパラジウム、ロジウム、銀等
を湿式メツキした白色仕上としての従来の方法は、表面
硬度が柔らかく、長期の使用により傷が著しく発生し、
外観が低下するという欠点があったが、本発明によれば
装飾部材の基板表面に金属クロムを主成分とする層(下
層)を形成し、その上に炭窒化クロムを主成分とする層
(上層)を形成して硬質被膜を生成した事により、外観
的には従来のステンレス素材と全く色調の差異が無く、
かつ長期携帯後もほとんど傷がつがず当初の外観を維持
し、且つ耐摩耗性、密着性、及び耐食性に優れた装飾部
材提供できるという効果を有する。
4・・・金属クロムと炭窒化クロムの混合層5・・・金
属クロムと窒化クロムの混合層6・・・窒化クロムを主
成分とする層 7・・・窒化クロムと炭窒化クロムの混合層8・・・金
属クロムと炭化クロムの混合層9・・・炭化クロムを主
成分とする層 10・・・炭化クロムと炭窒化クロムの混合層以上 出願人 セイコーエプソン株式会社
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明実施例で作成した時計ケースの
断面図である。 l・・・5US304基板(装飾部材)2・・・金属ク
ロムを主成分とする層(下層)3・・・炭窒化クロムを
主成分とする層(上層)第 図 笛 )n メ 〕a 〉 ψ 叫

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)硬質被膜が形成される装飾部材において、前記硬
    質被膜は、少なくとも、金属クロムを主成分とする下層
    と、該下層の上に形成される炭窒化クロムを主成分とす
    る上層の各層を有することを特徴とする装飾部材。
  2. (2)前記硬質被膜が金属クロムを主成分とする下層、
    金属クムロと炭窒化クロムとの混合物からなる中間層お
    よび炭窒化クロムを主成分とする上層の三層構造からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の装飾部
    材。
  3. (3)前記硬質被膜が金属クロムを主成分とする下層、
    金属クロムと窒化クロムとの混合層である第二層、窒化
    クロムを主成分とする第三層、窒化クロムと炭窒化クロ
    ムとの混合層である第四層および炭窒化クロムを主成分
    とする上層の五層構造からなることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の装飾部材。
  4. (4)前記硬質被膜が金属クロムを主成分とする下層、
    金属クロムと炭化クロムとの混合層である第二層、炭化
    クロムを主成分とする第三層、炭化クロムと炭窒化クロ
    ムとの混合層である第四層、及び炭窒化クロムを主成分
    とする上層の五層構造からなることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の装飾部材。
  5. (5)前記炭窒化クロムを主成分とする上層の厚みが0
    .15μm〜3.0μmである場合の前記炭窒化クロム
    の表面がJIS Z8105−2068で規定する(C
    IE 1976)L^*、a^*、b^*色空間におい
    てL^*、a^*、b^*はそれぞれ65%≦L^*≦
    90%、−3≦a^*≦5、−5≦b^*≦10の関係
    を満足するステンレスに酷似の色調を有していることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の装飾部材。
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