JPH0222343B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、超音波ビームを利用して試料を観察
するとき、観察視野を可変することが出来るよう
にした超音波顕微鏡装置に関する。

光のかわりに音波を用いて、物体の微小世界を
探るという新しい方式として最近超音波顕微鏡の
開発が進められている。これは光学顕微鏡による
光の屈折率を利用するものと異なり物理的特性に
より像を結ぶものであり、物体の表面下にかくさ
れた部分をも見る事が可能である。

この超音波顕微鏡は、原理的には細く絞つた超
音波により試料面を機械的に走査し、散乱された
超音波を集音して電気信号に変換し、陰極線管の
表面に二次元的に表示し、顕微鏡像を得るもので
ある。

一般的な超音波顕微鏡の構成としては、超音波
の検出の方式により、すなわち試料内で散乱ある
いは減衰しながら透過してきた超音波を検出する
場合と、試料内の音響的性質の差によつて反射し
てきた超音波を検出する場合とによつて、透過型
と反射型とに分けられる。

第１図は、透過型の超音波顕微鏡の基本構成を
示すブロツク図である。

１は高周波発振器、２は送波側超音波集束レン
ズ、３は受波側超音波集束レンズ、４は水などの
音場媒体、５は試料保持台、６は試料、７は試料
保持台５をＸ及びＹ方向に移動させる走査装置、
８は走査装置７を制御する走査回路、９は受波側
超音波集束レンズ３からの出力を受信する受信回
路、１０は表示装置である。

前述の如き超音波顕微鏡装置において、まず、
送波側超音波集束レンズ２から照射された超音波
は、該送波側超音波集束レンズ２との共焦点の位
置に配設した受波側超音波集束レンズ３によつて
集音され、電気信号に変換される。ここで試料の
検査面が、前記超音波集束レンズの焦点に位置す
るようにしながら試料保持台５をＸ方向に振動さ
せながらＹ方向に少しずつ移動させれば、超音波
ビームは相対的に試料面を走査することになる。
超音波ビームが試料を透過する際、振幅や位相の
変化を受けるので超音波ビームが透過する試料面
の各点に対応させて表示装置１０内の陰極線管
（以後CRTと略称する）の電子ビームを掃引し、
受波側超音波集束レンズ３の出力信号に応じて輝
度変調をかければCRT上には、二次元的に顕微
鏡像が得られる。

ところで、上述の如き、超音波顕微鏡におい
て、あらかじめ決定された試料保持台上の試料の
微小な箇所を観察することは、試料面が広いため
該微小な箇所を探し決定することはかなりの苦労
を要していた。これまでは該当する箇所の近傍で
超音波ビームの照射位置を二次元的にわずかずつ
ずらしながら何回か超音波顕微鏡像を撮つて始め
て所望の箇所の超音波顕微鏡像が得られるのが普
通であつた。

本発明は、このような従来の欠点を改善するも
ので、試料の観察視野を可変できるようにし、簡
単に所望の部分の観察視野を得ることができるよ
うにした超音波顕微鏡装置を提供することを目的
とする。

次に本発明の一実施例について詳細に説明す
る。

第２図は、本発明の超音波顕微鏡装置の一実施
例を示すブロツク図である。１４は基準発振器、
１２は増幅器、１３は該増幅器１２の利得調節
器、７は走査装置となる加振器、５は該加振器７
に固定され振動する試料保持台、２は送波側超音
波集束レンズ、３は受波側超音波集束レンズ、９
は該受波側超音波集束レンズからの出力を受信す
る受信回路、１０は表示装置、１５は移相器、１
１は増幅器である。

上述の如き、超音波顕微鏡装置において、第１
図に示したように受波側超音波集束レンズ３によ
つて集束された超音波は、電気信号に変換され受
信回路９を通じて表示装置１０へ供給される。

このとき、基準発振器１４によつて発生した正
弦波を用いて加振器７を振動させるのであるが、
前記基準発振器１４と加振器７との間に配設した
増幅器１２の利得を変える利得調節器１３によつ
て、加振器７の振幅を制御する。表示装置１０に
おける観察視野は、試料保持台５の移動幅によつ
て決まり、該試料保持台５の移動幅は、加振器７
の振幅によつて決まる。

この場合、前記試料保持台５を移動させる機械
的走査と、表示装置１０内の電子線走査は当然同
期がとられていなければならないが、この同期を
とるための移相器１５と増器１１とが基準発振器
１４と表示装置１０との間に配設されている。表
示装置１０内の電子線走査を基準発振器１４の出
力によつて一定振幅とし、加振器７による機械的
走査の振幅を可変すれば、表示装置１０の画面に
は観察視野を任意に得ることができる。

以上のことから、まず加振器７の振幅を大きく
して観察しようとする箇所の近傍を広く画像とし
て得る。つぎに先に得た画像から所望の箇所に位
置決めを行ない、加振器７の振幅を小さくして超
音波ビームで再び試料を走査し所望箇所の画像を
得る。このことにより、従来の装置のように所望
の箇所の観察視野を得るために非常に時間が掛つ
たことと比較して非常に便利である。

なお、機械的走査の振幅決定は、ステツプ方式
によつても行なえるが、メーター等の指示装置と
連動させた連続可変のものを用いるならば、観察
視野を任意に決定でき、所望の箇所を簡単に見つ
けだすことができる。又、第３図に示すようにＸ
方向加振器７ａとＹ方向加振器７ｂとの振幅を独
立して制御できるようにするならば、試料をＸ方
向あるいはＹ方向にのみのばして観察することが
でき便利である。

なお、透過型超音波顕微鏡を用いて説明してき
たが、反射型超音波顕微鏡においても同様な方式
で画像を得ることができるのは無論のことであ
る。

以上述べたように本発明による超音波顕微鏡装
置によれば、試料の観察視野を可変できるため、
簡単に所望の箇所の観察視野を得ることができ、
従来の装置のように所望の箇所の観察視野を得る
ために非常に時間が掛つたことと比較して非常に
便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は透過型超音波顕微鏡のブロツク図、第
２図は本発明の一実施例の透過型超音波顕微鏡の
ブロツク図、第３図は他の実施例を示す超音波顕
微鏡の要部ブロツク図である。 １……高周波発振器、２……送波側超音波集束
レンズ、３……受波側超音波集束レンズ、４……
音場媒体、５……試料保持台、６……試料、７…
…走査装置（加振器）、８……走査回路、９……
受信回路、１０……表示装置、１１，１２……増
幅器、１３……利得調節器、１４……基準発振
器、１５……移相器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 超音波ビームにより試料面を高速査定のＸ方
   向と、それに直交する低速走査のＹ方向に機械的
   に走査し、試料からの超音波を集音し、電気信号
   に変換し、陰極線管の表面に二次元的に表示する
   表示装置を備えた機械走査型音波顕微鏡におい
   て、 高速走査のＸ方向走査のための加振器と、該加
   振器の振幅を可変にして倍率を制御する増幅器
   と、制御倍率の指示装置を具備し、 該増幅器の利得を変えることにより、前記加振
   器の振幅を変化させて、試料の観察視野を可変
   で、所望の倍率で観察できるように構成したこと
   を特徴とする超音波顕微鏡装置。