JPH022179Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、苗植付装置を設けた走行機体に施肥
装置を設けた施肥装置付田植機に関する。

〔従来の技術〕

上記田植機において施肥装置を設けるに、従
来、苗植付装置による苗植付予定箇所あるいは苗
植付箇所の機体左右方向で隣り合うものの中間位
置に連続的に施肥するとか、あるいは、植付爪と
は機体走行方向で離しながらも、植付苗の機体左
右方向箇所に施肥するものがあつた。

ところが、機体走行方向が変化して蛇行を生じ
た場合に、施肥された箇所に苗が植付けられたり
植付苗に近接して施肥されたりして、肥料枯れに
より欠株を生じるとか、又、施肥装置を構成する
作溝器によつて植付苗が掻き取られて欠株を生じ
るといつた欠点があつた。

そこで、例えば実開昭51−60414号公報で示す
ように、機体蛇行による悪影響を回避すべく、植
付爪に機体左右方向で近接させて作溝器を設ける
ととも、機体走行方向及び機体左右方向で隣り合
う植付予定箇所の中間位置に薬剤を施すように薬
剤を供給する間歇供給機構を設け、蛇行いかんに
かかわらず、苗植付とほぼ同時にその植付苗の近
くに薬剤を施すようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この場合には確かに薬剤を施す機構である為に
施肥の場合のように作溝器によつて押し流された
泥土が植付苗側に流れ込み、植付苗を倒し易くな
る欠点はないものの、薬剤供給パイプを、植付爪
の回動軌跡や苗のせ台の横移動に支障の無いよう
に設けなければならず、製作が困難になる欠点が
あり、又、植付途中で苗補給を行う際には間歇的
に施された薬剤の間を通つて苗のせ台に到ること
になるので、その時に押し出された泥土が薬剤を
既植苗側に押し移動させ、薬剤が苗に接触する等
の不具合が生じ、これも肥料枯れを招来する欠点
は解消されていなかつた。

本考案は、上記の点に鑑み、作溝器による植付
苗の倒れや製作上の困難さを招くこと無く、肥料
故れに起因する欠株を防止できるようにすること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的の達成のために、冒記した
施肥装置付田植機において、前記施肥装置を前記
苗植付装置の植付爪と機体走行方向前方に離れた
位置に設けると共に、前記施肥装置に、前記苗植
付装置に連動して、機体走行方向の前後に相隣る
苗植付予定箇所どうしを結ぶ線上又はその近く
で、相隣る前記苗植付予定箇所の中間位置に施肥
するように肥料を供給する間歇供給機構を付設し
てあることを特徴とする。

〔作用〕

上記構成による作用は次の通りである。

つまり、苗植付けに先立つて泥面を作溝すると
共に、その溝に、苗植付後に機体走行方向で隣り
合う植付苗を結ぶ線上又はその近くでそれら植付
苗の中間に位置するであろう箇所に間歇的に施肥
するのである。

〔考案の効果〕

上記作用による効果は次の通りである。

即ち、施肥装置を植付爪と離して設けることに
より、植付爪やその回動軌跡の制約を受けずに作
溝器を設けることができ、製作容易にでき、か
つ、作溝器で押流された泥土によつて植付苗を倒
すことを確実に回避でき、しかも、たとえ機体走
行に伴つて蛇行を生じ、植付爪が直線走行の場合
に通過する予定位置よりも機体左右方向にズレた
としても間歇供給された肥料の機体走行方向での
〓間、即ち、肥料の供給されていない箇所に植付
爪を位置させ、そこに苗を植付けることができ、
肥料枯れによる欠株を防止できるようになつた。

更に、苗補給時などに作業者が歩行するところ
の植付条列の間は、植付直後の苗に対する施肥対
象位置とはなつていないので、作業者がその植付
条間を歩いても、施肥位置の近くを踏むこと自体
が少なく、また、既植え苗及び施肥位置から歩行
地点が離れているので、歩行によつて多少の泥押
出しが生じたとしても、従来よりも泥移動の影響
を受けにくく、既植え苗の倒れや肥料の移動等に
起因して既植苗に肥料が近接することによる肥料
枯れを招来することが少ない。

以上のように、先行して施肥を行いながら、そ
の施肥位置を前記線上又はその近くに設定するこ
とによつて、機器の配置構成を容易にしながら肥
料枯れを効果的に抑制できる、二つの効果を満足
できるに至つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

前後に車輪１，２を軸架した走行機体に運転座
席３とハンドル４を設け、前部に予備苗のせ部
５、及び、速効性肥料と遅効性肥料の第１及び第
２タンク６，７を設けると共に、後部に、リンク
機構８を介して苗植付装置９を連動連結し、か
つ、苗植付装置９に、速効性肥料に対する第１施
肥装置１０と遅効性肥料に対する第２施肥装置１
１とを設け、施肥装置付田植機を構成してある。

前記第１施肥装置１０を構成するに、前記第１
タンク６にラセン体による移送装置（いわゆるバ
ネコン）１２を介して連通される第１ホツパー１
３を、苗のせ台１４の支持アーム１５に連設した
支持ブラケツト１６に取付け、他方、苗植付装置
９下部の整地フロート１７，１７に作溝器１８…
を取付け、第１ホツパー１３と作溝器１８…とを
流下ホース１９…を介して接続してある。前記作
溝器１８…夫々を、植付爪２０よりも機体前方に
離して設けると共に、植付爪２０…夫々を通る機
体前後方向一直線上に位置させて設けてある。図
中１８ａは埋め戻し用の板を示す。

第１ホツパー１３の下部に設けた繰り出しロー
ル２１の外周面に、周方向に120度づつ位相を異
らせて一対づつの肥料収容溝２２，２２を形成す
ると共に、それら繰り出しロール２１，２１と植
付爪２０に対する駆動系とを連動連結し、植付爪
２０の１回の回動に伴つて繰り出しロール２１が
１／３回転するように構成し、かつ、前記流下ホー
ス１９…の長さ、並びに、作溝器１８…の位置
を、繰り出された肥料が苗植付予定箇所ａ…の機
体走行方向で隣り合うものの間に供給されるよう
に配置し、間歇供給機構を構成してある。

この間歇供給機構を構成するに、例えば、第１
ホツパー１３の下部あるいは流下ホース１９の途
中箇所にシヤツターを設け、そのシヤツターを植
付爪２０の駆動に連係して開閉させるように構成
しても良い。

第２施肥装置１１を構成するに、前記第１ホツ
パー１３の前方に第２ホツパー２３を並設し、他
方、フロート１７，１７の前端中央に深い溝を形
成するための作溝器２４，２４を取付け、第２ホ
ツパー２３と作溝器２４，２４夫々を流下ホース
２５，２５を介して接続すると共に、第２タンク
７と第２ホツパー２３とをラセン体による移送機
構（いわゆるバネコン）２６を介して接続し、速
効性肥料の供給に先立ち、所定苗植付予定箇所の
機体左右方向中間で深い箇所に、遅効性肥料を供
給するように構成してある。図中２４ａは埋め戻
し用板部材を示す。

上記遅効性肥料は植付苗の根部よりも深く供給
されるものであり、かつ、その作溝作用位置を第
１施肥装置１０による作溝作用位置よりも比較的
前方に離し、その作溝に伴つて押流される泥土が
比較的安定すると共にフロート１７，１７で整地
された後に第１施肥装置１０の作溝器１８による
作溝作用を受けさせるように配慮してある。

尚、上記第１施肥装置１０は、例えば、播種器
を備えた播種作業車にも適用できる。

本考案としては、第２施肥装置１１を設けない
ものでも良い。

本考案は、歩行型田植機にも適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る施肥装置付田植機の実施例
を示し、第１図は全体側面図、第２図は要部の平
面図、第３図は要部の一部切欠拡大側面図であ
る。 ９……苗植付装置、１０……施肥装置、２０…
…植付爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗植付装置９を設けた走行機体に施肥装置１０
   を設けた施肥装置付田植機であつて、前記施肥装
   置１０を前記苗植付装置９の植付爪２０と機体走
   行方向前方に離れた位置に設けると共に、前記施
   肥装置１０に、前記苗植付装置９に連動して、機
   体走行方向の前後に相隣る苗植付予定箇所どうし
   を結ぶ線上又はその近くで、相隣る前記苗植付予
   定箇所の中間位置に施肥するように肥料を供給す
   る間歇供給機構を付設してある施肥装置付田植
   機。