JPH0221009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、縫製作業中にミシンの返し縫いを簡
単に行なうことができるミシンの返し縫い設定装
置に関する。

従来技術 従来のミシンでは、返し縫いスイツチはミシン
本体の針棒の近傍に設けられており、また速度調
整用の速度ボリユーム等はミシン本体の台の部分
に設けられていた。

考案が解決しようとする問題点 そのため、縫い始めに正送り→逆送り→正送り
（通常縫い）の動作を行なう場合、速度ボリユー
ムが通常縫いの速度（中速〜高速）に設定されて
いると、最初の正送りの速度が速すぎて、返し縫
いスイツチを押すタイミングが難かしく、正送り
の縫い数が多すぎたり、または少なすぎたりする
という問題があつた。また、正送りの速度を最初
から低速にしておくと、返し縫いの後の正送りが
遅すぎ、その都度速度ボリユームを調整しなけれ
ばならず、非常に効率が悪いという問題があつ
た。さらに、縫製する布の最終端において、正送
り→逆送り→正送り・停止の場合も、通常速度で
は返し縫いスイツチをオンするタイミングが難か
しいので、正送りの速度を一旦低速にしてから返
し縫いスイツチをオンにしなければならず、一般
の縫製者にとつてはこの作業は難かしく、また非
効率な作業であるという問題があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するために、ミシ
ン本体に設けミシンモータを低速駆動状態に設定
する一端位置から高速駆動状態に設定する他端位
置に移動係止可能とした操作部１０を有し操作部
の一端位置の手前において操作部をクリツク可能
とした速度設定手段４，１１と、速度設定手段の
一端位置に配置し操作部の同位置への移動を検知
し返し縫い信号を発生する検知部材Ｂ，１２とを
備え、操作部を一端位置に操作することによりミ
シンを低速で返し縫いすることを特徴とする。

作 用 本考案では、速度ボリユームの最低速位置の所
にクリツク位置を設け、このクリツク位置よりさ
らに端部に返し縫いを動作させる返し縫い設定部
を設けたので、返し縫いをするときにボリユーム
の摘みを動作させると、必ず速度が低速になり、
その後で返し縫いの機構が動作するようになるの
で、操作が簡単となり、また返し縫いのタイミン
グが簡単になる。

実施例 第１図は、本考案の実施例のミシンの返し縫い
設定装置のブロツク図を示したもので、速度制御
回路１は従来のミシンモータ２の回転数をその同
軸に取付けられたタコジエネレータ３の出力電圧
によつて読み取り、速度ボリユーム４の設定電圧
に応じた速度でミシンモータ２を駆動するように
ミシンモータ２に駆動信号を出力する。また速度
制御回路１に低速設定用ボリユーム５が接続され
ている。速度ボリユーム４は電源Vccとアース間
に接続され、この速度ボリユーム４の摺動子は速
度制御回路１の入力側に接続され、またこの摺動
子は電圧比較回路６の反転入力端子に接続されて
いる。この電圧比較回路６の非反転入力端子には
電源Vccとアース間に接続された抵抗７による設
定電圧が入力され、電圧比較回路６の出力端子は
送り制御装置８に接続されている。

ここで、速度ボリユーム４は通常の速度設定範
囲Ａと返し縫い範囲Ｂに分けられ、第２図に示し
たようにミシン本体の溝９に設けられた摘み１０
によつて摺動子が速度設定範囲Ａの間で摺動され
て設定された場合には、第３図に示したようにミ
シンモータ２はその設定速度で駆動される。この
とき、電圧比較回路６は速度ボリユーム４の摺動
子からの電圧を入力して抵抗７の電圧と比較する
が、返し縫い信号より高いので、電圧比較回路６
は送り制御装置８に返し縫い信号を出力しない。

次に、摘み１０をミシン本体の溝９のクリツク
位置９′を越えて第２図の最左端に摺動したとき
は、電圧比較回路６は速度ボリユーム４の摺動子
からの電圧を入力して抵抗７の電圧と比較し、返
し縫い信号であることを判断して、電圧比較回路
６は送り制御装置８に返し縫い信号を出力する。
このとき、速度制御回路１からはミシンモータ２
に低速信号が出力される。

このようにして、速度ボリユーム４の摺動子を
ミシン本体の摘み１０の速度設定範囲Ａで摺動す
ることにより、ミシンモータ２を任意の速度に設
定することができ、また摘み１０を溝９のクリツ
ク位置を越えて返し縫い位置に摺動させることに
より、ミシンモータ２は低速のままで送り制御装
置８は返し縫い操作に移行することができる。従
つて、本実施例では、ミシンモータ２の速度及び
返し縫いの切替えを１つの摘み１０で行なうこと
ができるので、操作が簡単であるという利点があ
る。

第３図は、本考案の他の実施例のミシンの返し
縫い設定装置の概略構成を示した図で、本実施例
では、速度ボリユーム４の摺動子を移動させる摘
み１０に突起１１を設け、この突起１１は摘み１
０を点線の返し縫い位置に摺動させたとき、マイ
クロスイツチ１２の接点を押すようにしている。

このように構成した本実施例では、このマイク
ロスイツチ１２によつて返し縫い信号が出力され
るので、上記実施例と同様に、１つの摘み１０で
ミシンモータ２の速度設定と返し縫い信号の送出
を行なうことができる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案は、ミ
シン本体に設けミシンモータを低速駆動状態に設
定する一端位置から高速駆動状態に設定する他端
位置に移動係止可能とした操作部１０を有し操作
部の一端位置の手前において操作部をクリツク可
能とした速度設定手段４，１１と、速度設定手段
の一端位置に配置し操作部の同位置への移動を検
知し返し縫い信号を発生する検知部材Ｂ，１２と
を備え、操作部を一端位置に操作することにより
ミシンを低速で返し縫いするので、１つの摘みで
ミシンモータの速度制御と返し縫い制御とを行な
うことができるので、操作が容易となり、また構
成が簡単になるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例のミシンの返し縫い設
定装置のブロツク図、第２図はミシン本体の摘み
の設置状態を示した図、第３図は速度ボリユーム
の返し縫い範囲及び速度設定範囲とミシン速度と
の関係を示したグラフ、第４図は本考案の実施例
のミシンの返し縫い設定装置の構成図である。 １……速度制御回路、２……ミシンモータ、３
……タコジエネレータ、４……速度ボリユーム、
６……電圧比較回路、７……抵抗、８……送り制
御装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンを駆動するミシンモータと、 ミシン本体に設けミシンモータを低速駆動状態
   に設定する一端位置から高速駆動状態に設定する
   他端位置に移動係止可能とした操作部１０を有し
   操作部の一端位置の手前において操作部をクリツ
   ク可能とした速度設定手段４，１１と、 速度設定手段の一端位置に配置し操作部の同位
   置への移動を検知し返し縫い信号を発生する検知
   部材Ｂ，１２とを備え、 操作部を一端位置に操作することによりミシン
   を低速で返し縫いすることを特徴としたミシンの
   返し縫い設定装置。