JPH0220397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用横開き窓の遠隔操作装置に関
するものである。

第１図に示すように２ドア自動車でリヤサイド
ウインドをその前端のヒンジ部を中心として
側外方に回動させて開くようにしたものにおいて
は、前席に着座しているドライバーが運転中でも
容易に該リヤサイドウインドの開閉操作を行い
得るよう運転席近傍に遠隔操作装置を装着して
いるのが普通である。

上記遠隔操作装置は一般に操作レバーと、該操
作レバーとリヤサイドウインドを連結するワイ
ヤとからなり、該操作レバーを操作することによ
りワイヤが長手方向に作動してリヤサイドウイン
ドの開閉を行うようになつている。

しかしリヤサイドウインドは、閉時ウエザス
トリツプのシール反力が開方向に作用するので、
閉状態保持には大きな力を必要とし、操作レバー
とワイヤによる遠隔操作装置のみにては、特にシ
ール反力の作用する全閉寸前から全閉までの操作
力が極端に大きくなる欠点があり、また全閉時外
力による窓ガラスの開方向作動を阻止すべく逆転
防止機構等複雑なる機構を遠隔操作装置とは別に
設けているのが普通である。

本考案は極めて簡単なる構成によつて上記のよ
うな閉操作時の操作力極大化をなくし、また外力
による開方向作動を阻止する逆転防止機能等を併
せ持つた遠隔操作装置を提供することを目的とす
るもので以下本考案を第２図乃至第４図の実施例
につき説明する。

第２〜４図において、１は前席近傍の車体部材
例えばフロア等に固着されるベース、２は該ベー
ス１に軸２１により回動可能に軸着された操作レ
バー、３はほぼＬ字状をなすリンクで、該リンク
３はそのコーナ部をベース１に軸３１にて回動可
能に取付けられ、該リンク３の一方の端部はピン
３２を介して前記操作レバー２に設けた長穴２２
にスライド可能に係合し、他方の端部にはほぼＬ
字状をなすスライドリンク４の一端部が軸４１に
て回動可能に結合されている。

スライドリンク４の他端にはスライドピン５が
固定され、該スライドピン５がベース１に設けた
ガイド溝１１にスライド可能に嵌装されている。

前記リンク３の回動中心となる軸３１の中心は
上記ガイド溝１１の中心線の延長上に位置してい
る。

スライドピン５には図示しないワイヤの一端が
結合され、該ワイヤの他端はリヤサイドウインド
に結合されている。

上記において、操作レバー２を第２図において
時計方向に回動操作すると、該操作レバー２の長
穴２２に一端が係合しているリンク３は軸３１を
中心として時計方向に回動し、スライドリンク４
はスライドピン５を中心として時計方向に回動し
つつ該スライドピン５はガイド溝１１内を後方
（第２図において右側）にスライドし、ワイヤを
介してリヤサイドウインドを開き、第２図鎖線示
の如くスライドピン５がガイド溝１１の後端に至
つたところでリヤサイドウインドは全開となる。

又第２図鎖線の状態から操作レバー２を反時計
方向に回動操作すると、リンク３も反時計方向に
回動し、スライドリンク４はスライドピン５を中
心として反時計方向に回動しつつスライドピン５
はガイド溝１１内を前方にスライドし、スライド
ピン５がガイド溝１１の前端に至つたところでリ
ヤサイドウインドは全閉となるものである。

本考案では第５図に示すように、スライドピン
５がガイド溝１１の前端に当つた状態において、
該スライドピン５の中心ａからリンク３の軸着点
（即ち軸３１の中心点）ｂまでの距離Ａと、上記
リンク３の軸着点ｂからスライドリンク４の軸着
点（即ち軸４１の中心点）ｃまでの長さ即ちリン
ク３の有効長Ｂと、上記ａからｃまでの長さ即ち
スライドリンク４の有効長Ｃとの関係をＡ＋Ｂ＞
Ｃとなるよう設定し、点ｃがａとｂを結ぶ直線即
ちデツドポイントDpに至るわずかに手前におい
てスライドピン５がガイド溝１１の前端に当りリ
ヤサイドウインドが全閉状態となるように構成し
ている。

そしてそれ以上操作レバー２を閉方向に回動操
作することにより、リンク３のｂ，ｃ間の部分が
δだけたわみつつ更に反時計方向に回動しデツド
ポイントDpを越え、第５図鎖線示の位置でリン
ク３がベース１に設けたストツパ部６に当つてそ
れ以上の回動は拘止され、点ｃはc′に至つてスト
ツプする。

上記デツドポイントDp手前の全閉状態位置か
らデツドポイントDpまでの回転角αと、デツド
ポイントDpを越えてからストツパ部６に拘止さ
れるまでの回動角α′を等しくしておけば、リンク
３にはたわみが残らず、また上記ｃからc′に至る
間点ａの位置は変らず、従つてリヤサイドウイン
ドは全閉状態のままである。

上記リヤサイドウインドの閉作動時、全閉寸前
から全閉に至る間即ちリヤサイドウインドがウエ
ザストリツプに当接してそれを圧縮させシール反
力が強大となる間は、リンク３の単位回動角に対
するワイヤの引張り方向ストロークは極めて微少
となるので、小なる操作力にて容易にシール反力
にうち勝ち全閉とすることができる。又リンク３
の回転中心即ち軸３１からピン３２までの長さを
図示のように軸３１から軸４１までの長さより大
に構成していることにより、そのレバー比によつ
て更に操作力を軽くすることができる。

第５図鎖線示の全閉操作完了状態では、シール
反力等によるリヤサイドウインドの開方向荷重
は、リンク３をストツパ部６に押しつける方向に
作用するので、リンク３が反転してリヤサイドウ
インドが開くようなことは決してない。

更に閉作動時、スライドピン５がガイド溝１１
の前端に当つてから更にリンク３をたわませて回
動操作し全閉操作完了となるので、操作の節度感
を得ることができ、操作の確実性の向上をはかる
ことができるものである。

以上のように本考案によればベースと単純な形
状の操作レバー、リンク及びスライドリンクの簡
単なる組合せにより、全閉操作時の倍力機能及び
全閉状態の保持機能をもつた遠隔操作装置を得る
ことができるもので、全閉操作時の節度附与によ
り操作性向上をはかり得ることと相俟つて実用上
多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用すべき自動車の一例を示
す側面説明図、第２図は本考案の実施例を示す側
面図、第３図及び第４図は第２図のＸ−Ｘ及びＹ
−Ｙの各断面図、第５図は第２図のリンクとスラ
イドリンクとの関係を示す説明図である。 １……ベース、１１……ガイド溝、２……操作
レバー、２２……長穴、３……リンク、４……ス
ライドリンク、２１，３１，４１……軸、５……
スライドピン、６……ストツパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体部材に固着されガイド溝を有するベース
   と、該ベースに回動可能に取付けられた操作レバ
   ーと、中央部をベースに回転可能に取付けられ一
   端部を上記操作レバーの長穴に係合されたほぼＬ
   字状をなすリンクと、該リンクの操作レバーへの
   係合端部とは反対側の端部に一端部を回転可能に
   取付けられ他端部に設けたスライドピンを上記ベ
   ースのガイド溝にスライド可能なるよう嵌装した
   スライドリンクと、該スライドピンに一端を結合
   し他端部を横開き窓に連結したワイヤ等の連結部
   材とからなり、上記スライドピンがガイド溝の前
   端部及び後端部にそれぞれ当接したとき横開き窓
   が全閉及び全開となり、且つリンクとスライドリ
   ンクとの枢着点がデツドポイントのやや手前でス
   ライドピンがガイド溝前端部に当接するよう設定
   すると共に、その状態からリンクをたわませつつ
   更に閉方向に回動させリンクとスライドリンクと
   の枢着点がデツドポイントを越えた位置で該リン
   クのそれ以上の回動を拘止するストツパ部をベー
   スに設けたことを特徴とする自動車用横開き窓の
   遠隔操作装置。