JPS636463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動ワインダーにおける管糸供給装置
に関する。

一般に精紡上りの管糸は精紡機のスピンドルか
ら一斉に取り外されていつたん集積された後、ワ
インダーに必要本数ずつ供給されている。従つて
精紡機からいつたん玉揚げした管糸を収納する管
糸箱、管糸箱から管糸を取り出しワインダーに運
ぶ装置等が必要となり、これを自動化するために
は自動ワインダー側に自動管糸供給装置（ACF）
等の大がかりな装置を設けなければならない。さ
らに管糸を玉揚げ、保管、移送する間に管糸の糸
層表面の毛羽立ち、あるいは糸層の崩れ等を生じ
ることが多く、またそれらを設置するスペースも
必要とする。

あるいは、固定したワインデイングユニツト毎
に複数本の管糸を貯留するマガジンを設け、ユニ
ツトの管糸必要時に１本の管糸をマガジンから落
下させシユートを介してワインデイングユニツト
下方のペツグに挿入するようにした装置がある
が、やはりマガジンに管糸を供給するための装置
または専業の作業者を必要としたり、マガジンか
ら落下させてペツグへ挿入する場合、管糸の芯と
ペツグの軸心がズレていたりすると都合よくペツ
グに挿入されず途中で引掛かつたりペツグより外
れ機械設置床上に落ち管糸の糸層表面を汚したり
するという不都合がある。

本発明は上記の種々の不都合を解消するために
なされたもので、即ち自動ワインダーのワインデ
イングユニツトに沿つて走行する搬送コンベア上
をキヤリアに挿着した管糸を移送させつつ、各ワ
インデイングユニツトには上記搬送コンベアから
キヤリアを受入れる通路を設け、該通路の所定位
置に上記キヤリアを位置決めし、上記通路に所定
個数のキヤリアが貯留されると管糸供給用コンベ
ア上のキヤリアは上記ユニツトには供給されず通
過し次のユニツトに供給されるようしたもので前
述したマガジンに代わる新規なしかも極めて簡単
な構造の装置を提供するものである。

以下本発明装置の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本発明装置を適用したワインデイング
ユニツトを示すもので、各サイドフレーム１間に
支軸２および吸引パイプ３が架設され、ワインデ
イングユニツト４が上記支軸２上にて旋回可能に
支持され、自動ワインダー稼動中は上記ユニツト
４は吸引パイプ３にも載置されて適宜固定され
る。なお吸引パイプ３は図示しないブロアに接続
されて常時吸引気流が作用している。

上記ワインデイングユニツトにおける管糸５か
らパツケージ６への糸の巻取りはキヤリア７上の
管糸５から引出される糸がバルンブレーカ８、ヤ
ーンガイド９を経てテンサー１０により適当な張
力が付与され、スラブキヤツチヤ１１を経てワイ
ンデイングドラム１２により回転するパツケージ
６に巻取られる。

このとき、糸条中のスラブをスラブキヤツチヤ
１１が検出すると、スラブキヤツチヤ１１近傍に
設置されるカツターが作動して走行糸Ｙを切断
し、巻取りが停止される一方、第１のサクシヨン
アーム１３が作動してパツケージ６側の糸を第２
のサクシヨンアーム１４が管糸５側の糸を通常の
糸走行路Ｙより離れた位置に設置されるノツタ１
５に導き、該ノツタ１５で糸結びされた後、再び
巻取りが開始される。

このようなワインデイングユニツト４が第１図
紙面直角方向に多数並置されて一台の自動ワイン
ダーを構成する。上記ワインデイングユニツト４
の糸走行路Ｙ側をユニツト前面とすると、反対側
のユニツト背部下方にはユニツトに沿つて走行す
る管糸供給用コンベアベルト１６が設けられてお
り、ユニツト前面下部には同じくユニツトに沿つ
て空木管搬出用コンベアベルト１７が設置され、
上記コンベアベルト１６，１７間には管糸移送通
路１８が形成される。

なお、上記コンベアベルトにより搬送される管
糸５は第４図、第５図に示すキヤリア１９に挿着
されて搬送される。即ちキヤリア１９はコンベア
上に載置される円盤状基体２０と該基体２０上面
に形成される円盤状台部２１と該台部上に直立す
るペツグ２２とが一体的に成形または固着された
もので、内部底面は開口２３とされ、ペツグ２２
の中空内部と連通し、ペツグ２２の山形頂部２４
の斜面にはエア噴出用の孔２５が穿設されたもの
である。

従つて管糸５はキヤリア１９のペツグ２２に挿
着され台部２１に下面を支承された状態で搬送さ
れる。なお糸結びの際に管糸側から引出される糸
端Ｙ１は第５図示の如く木管２６の中心孔２７内
へ挿入垂下された状態で移送される。糸結び時に
はユニツトの所定位置のノズル２８より噴出され
るエアがキヤリア１９内部からペツグ２２の孔２
５より木管中心孔２７内へ噴出することにより垂
れ下がつた糸端Ｙ１が孔２７より上方へ飛び出し
待機するサクシヨンアームに吸引把持されるよう
になつている。

第２図、第３図において、各ワインデイングユ
ニツトに設置した管糸供給装置２９を詳述する。

即ち、管糸供給用ベルト１６および空木管排出
用ベルト１７間にはキヤリア１９の通路を形成す
べく第１、第２のガイド板３０，３１がユニツト
機台に固定される。即ち第１ガイド板３０の凹状
湾曲ガイド面３２と第２ガイド板３１の凸状湾曲
ガイド面３３によつて巾Ｓの第１の通路３４が構
成され、該通路下面はフリー回転する円板３５と
され、該円板３５上にキヤリア１９がコンベア１
６より移載されると共に円板の矢印３６方向の回
転によつてキヤリア１９は通路３４に沿つて移送
される。なお該第１の通路３４の長さは該通路内
に所定数のキヤリアが貯留された時最後部のキヤ
リア１９Ｃの端がコンベアベルト１６の端１６ａ
になるような長さである。

上記円板３５はユニツト４側面に固定されたブ
ラケツト３６に軸支３７され該軸３７は水平面に
対して若干傾斜して固定され、従つてベアリング
３８を介して自由回転する円板３５上のキヤリア
１９は軸３７の傾斜角分だけ鉛直線に対して傾斜
することになる。即ちキヤリア１９上の管糸５の
中心軸を糸の解舒方向に傾斜させて解舒性を高め
るためである。さらに上記第１、第２のガイド板
３０，３１の湾曲ガイド面３２，３４は管糸の糸
引出し位置Ｐでいつたん終わり、続く同巾Ｓの空
木管排出用通路３ａを構成するガイド面４０，４
１が各ガイド板３０，３１に形成されている。上
記排出用通路下面はブラケツトに固定した平板４
２が円板３５上面と同一平面を形成する如く傾斜
させて固定される。なお、円板３５と平板４２間
には隙間４３が形成され管糸の糸引出し位置とさ
れ、下方に配置したエア噴出ノズル２８から噴出
されるエアの通路とされる。

さらに上記円板３５はその外周４４と外周から
一定距離ｌをおいた仮想円弧４５とで形成される
環状帯部分４６が円板の回転の際、コンベアベル
ト１６の側部上面に圧接する如く、配置されてお
り、コンベアベルト１６の走行力によつて円板３
５が回転し、従つてコンベアベルト１６は管糸の
搬送と共に円板３５の駆動源としての作用を有す
る。

また、コンベアベルト１６の各ユニツト位置に
はキヤリアを供給装置２９の通路３４へ導く第３
のガイド板４７が固定される。ガイド板４７はキ
ヤリア１９の基体２０の少くとも厚さｔ分以上の
別離をコンベア１６面間に有してコンベア側部か
らコンベア中央部へ突出する如く固定され、直線
ガイド面４８と該ガイド面４８に続く湾曲ガイド
面４９が対置される第２のガイド板３１のガイド
面５０と共に第２の通路５１を構成する。

さらに、第３のガイド板４７のガイド面５２と
第１のガイド板３０のガイド面３０ａにより第３
の通路７０が構成され、第１の通路３４内に所定
量の管糸が貯留された後は、第１の通路内の最後
部のキヤリアの端がちようどコンベアベルト１６
の端になるため、さらに搬送されてくる管糸のキ
ヤリアが通路３４内のキヤリアの最後部のキヤリ
アに進入を阻止され、後続のキヤリアに押される
か、キヤリア下面面積がコンベアベルト１６側に
大となる位置をとることにより第３の通路７０を
通つて矢印６７方向へ搬送され、次のユニツトに
設けられる上記同様の管糸供給装置へ供給され
る。

なお、上記各通路５１，３４，３９，７０の巾
Ｓはキヤリア１９の台部２１の直径ｄより若干大
きい程度に、高さｈはキヤリア１９の基体２０の
厚さｔより若干大きい程度に規制される。

５３は固定板４２に軸支された管糸の位置決め
および排出用旋回レバーで、軸５４を中心に第２
図二点鎖線位置５３ａと実線位置５３間を旋回す
る。該レバー５３の軸５４も上記円板３５の軸３
７と同角度傾斜してレバー５３のガイド面５５，
５６，５７は円板３５と平行平面内を旋回し、キ
ヤリア１９の台部２１に当接する。上記レバー５
３のフツク部５８が実線位置の時、通路３４内へ
突出してキヤリア１９の台部２１に当接して管糸
を位置決めする。該フツク部５８のガイド面５５
に続く湾曲ガイド面５６は巻取位置のキヤリア１
９を押出し通路３９に沿つて排出するガイド面で
あり、さらに軸５４を中心とした円弧の一部であ
るガイド面５７は巻取位置のキヤリアを排出した
際次の新管糸を挿着したキヤリア１９ａの移送を
阻止するためのガイド面である。

なお上記レバー５３の駆動はワインデイングユ
ニツト側の新管糸供給指令によつて作動する図示
しないロツドを介して第３図のレバー５９が作動
し連結ロツド６０を介して軸４２が回転すること
により行われる。

さらに上記レバー５３の上方を旋回自在なバル
ーンガイド６１が軸支６２される。該バルーンガ
イド６１はアーム６３先端に曲面板６４を植立固
着したもので、スプリング６５によつて第２図時
計針方向に付勢され、ユニツトの巻取動作中バル
ーンガイド６１は第２図、第３図の実線位置に位
置決めされ、管糸５の引出し糸のバルーンが通路
３４中に待機する次の管糸に接触しないようにな
つている。上記バルーンガイド６１の位置決めは
スプリング付勢されたアーム６３の側面が管糸排
出用レバー５３端部のストツパ６６に当接するこ
とによりなされる。従つてレバー５３が第３図示
の二点鎖線位置５３ａまで旋回した時、バルーン
ガイド６１は軸６２を中心に、レバー５３の旋回
に追従して時計針方向に旋回し、即ちアーム６３
が二点鎖線位置のストツパ６６ａに当接する位置
まで旋回し、曲面板６４が通路３４上より退き、
新管糸を挿立したキヤリア１９ａが糸供給位置Ｐ
へ移送される。

以上のような管糸供給装置において、コンベア
ベルト１６上を移送されるキヤリア１９には精紡
上りの管糸５ａが挿着されており、ワインデイン
グユニツトに対応して設けられた第２図示のガイ
ド４７に当接すると、第２の通路５１に沿つてキ
ヤリア１９が移送され基体底面が円盤３５上に移
載され、円盤３５の矢印３６方向の回転により、
キヤリア１９は第１の通路３４に沿つて移送され
該第１の通路の屈曲部のフツク５８に係止して停
止する。このようにしてコンベアベルト１６上を
矢印６７方向に移送される管糸を有するキヤリア
１９が所定量（第２図では３個）貯留されると後
続のキヤリアは第１の通路５１を経てキヤリア１
９ｃの基体２０ｃに当接阻止され、ベルト１６と
の接触面が大きく従つて摩擦力が大きく作用して
第１の通路３４入口のキヤリア１９ｅはガイド面
５２に沿つて第３の通路７０内を進みコンベアベ
ルト１６によつて次のワインデイングユニツトへ
移送される。従つてコンベアベルト１６を巡回走
行させておけば全てのユニツトに所定個数の管糸
が供給されることになる。

第１図の定位置に位置決めされた管糸５から糸
を引出し巻取りを開始する工程は概略次の順序で
行われる。即ち、定位置のキヤリア７下方にはエ
ア噴出ノズル２８が配置されており、該ノズル２
８から噴出するエアが上述した如くキヤリアのペ
ツグに穿設した孔より管糸の木管２６中心孔へ噴
出し、木管中心孔２７内に垂れ下がつている糸端
Ｙ１を吹上げ上方の円筒状バルーンブレーカ８を
通つて糸端上端が吹き上げられる。一方ワインデ
イングユニツト側からは第２のサクシヨンアーム
１４が第１図二点鎖線位置１４ａ近傍にいたり、
バルーンブレーカ８を通つて吹上げられている糸
端を上記サクシヨンアーム１４ａが吸引・保持す
る。管糸側糸端を吸引したサクシヨンアーム１４
は軸６７を中心に反時計針方向に旋回すると共
に、パツケージ６側の糸端を吸引・保持した第１
のサクシヨンアーム１３ａが軸６８を中心に時計
針方向へ旋回し、互いの糸端を交叉させてノツタ
１５へ導入し、糸結びが行われ、その後通常の巻
取りが開始される。

糸供給位置の管糸に糸がなくなれば、ユニツト
側の検出装置が作動し、空木管の排出指令を発
し、第３図示の排出レバー５３作動用ロツド６０
が作動し、排出レバー５３は第２図示の二点鎖線
位置５３ａへ旋回して空木管を有するキヤリア１
９ｆを第１図示の如く空木管移送用コンベアベル
ト１７上へ排出し、排出レバー５３の元位置復帰
に伴い次の新管糸を有するキヤリア１９ａが通路
３４に沿つて移動し、所定の糸供給位置Ｐへ位置
決めされる。

以上のように本発明では、管糸供給用コンベア
ベルト上を独立したキヤリアに植立されて移送さ
れる管糸がワインデイングユニツトに設けられた
通路に所定個数貯留されると、後続の管糸は通路
内に貯留されたキヤリアの最後部に進入を阻止さ
れると共にコンベアベルト上に自動的に排出され
るようにした管糸供給装置を設けたので、各ユニ
ツトに設けられていたマガジンを用いることな
く、管糸を貯溜しておくことができ、新管糸を糸
供給装置へ供給するのもキヤリアを１ピツチ分通
路内を平行移動させるだけでよく極めて迅速かつ
正確に糸供給位置へ給送可能である。また上記キ
ヤリアを搬送コンベアから上記糸供給装置へ受け
渡す装置も回転板と該円板上に通路を形成したガ
イド板により構成したので、極めて簡単な装置で
管糸の供給を行うことができ、上記コンベアベル
ト上に管糸を植立したキヤリアを供給しておけば
各ワインデイングユニツトの第１の通路へ所定量
の管糸が自動的に貯留される。

さらに、上記通路内の管糸の有無を検出するた
めのセンサ、あるいは該センサの信号によつて搬
送路上の管糸を取り込むためのアクチユエータ等
が全く不要で、管糸の搬送供給装置が極めて簡単
な機械的構成部材によつて可能であり、電気的制
御装置が不要で複雑な電気配線が省略され、また
センサの誤動作による管糸の検出ミスを発生する
こともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を適用したワインデイング
ユニツトの側面図、第２図は本発明による管糸供
給装置の実施例を示す平面図、第３図は同断面側
面図、第４図は本発明装置に適用されるキヤリア
の斜視図、第５図は同縦断面図である。 ４……ワインデイングユニツト、５……管糸、
７，１９……キヤリア、１６……管糸供給用コン
ベアベルト、１７……空木管搬出用コンベアベル
ト、３０……第１ガイド板、３１……第２ガイド
板、３４……第１の通路、３５……回転円板、４
７……第３ガイド板、５１……第２の通路、５８
……フツク、７０……第３の通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のワインデイングユニツトを並設した自
   動ワインダーにおいて、上記ワインデイングユニ
   ツトに沿つて、管糸を挿立したキヤリアを載置し
   て搬送する管糸供給コンベアベルトを配置し、該
   コンベアベルトと各ワインデイングユニツトの巻
   取位置間にはキヤリアを所定数貯留するキヤリア
   通路を設け、該キヤリア通路の長さを、円板状キ
   ヤリアの基板直径の複数倍とし、即ち上記通路内
   に貯留された最後部のキヤリアの基板外周が上記
   コンベアベルトの端に位置する長さとし、かつ、
   上記キヤリア通路の入口には、コンベアにより移
   送されてくるキヤリアを上記キヤリア通路側と、
   コンベア下流側とに振り分けるガイド板が設置さ
   れ、該ガイド板の形状は上記キヤリア通路に満量
   のキヤリアが貯留されている時には、後続の移送
   中のキヤリアに対して、コンベア下流側へ向かう
   力が作用し、一方上記キヤリア通路が満量になつ
   ていない時は、後続のキヤリアに対して上記キヤ
   リア通路内へ向かう力が作用するような形状であ
   ることを特徴とする自動ワインダーにおける管糸
   供給装置。