JPH0216340Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はカメラと結合された第１の鏡胴部材
と、該第１の鏡胴部材内に支承され、光学部材を
保持しかつ軸線方向で可動な第２の鏡胴部材とを
有するレンズに関する。

従来の技術 この種の鏡胴は特に写真レンズのために使用さ
れ、この場合第２の鏡胴部材はフオーカシングの
ため或はまた焦点距離調節のために軸線方向で可
動である。

シネカメラの場合には、屡々画像とそれに対応
するサウンドとを同期的に記録することが所望さ
れ、この場合にはマイクロホンはカメラケーシン
グの前に配置されかつ該ケーシングと機械的及び
電気的に接続されている。

このようなカメラとマイクロホンとの配属関係
は、録音の障害を回避するために、カメラケーシ
ング内で発生する全ての雑音、就中運転雑音を最
適に消去することを必要条件とする。

最近では、カメラ構造体内の雑音消去問題はか
なりのところまで排除された。カメラケーシング
の側方に配置されたマイクロホンは妨害雑音をも
はや記録しないが、このような妨害雑音問題はマ
イクロホンをカメラケーシング前方に配置すると
相変らず発生することが判明した。

調査の結果、このためにはカメラケーシングか
らカメラレンズを通つて前方に流出する雑音が問
題であることが判明した。カメラレンズにおいて
カメラ固定の鏡胴部材と、該鏡胴内で可動な鏡胴
部材との間に生じる小さな間隙が、妨害雑音をカ
メラケーシングから外向きに、しかも直接マイク
ロホンの方向に導出する。

考案が解決しようとする問題点 従つて、本発明の課題は、カメラケーシングの
内部で発生する雑音がレンズを通つて外部に流出
することができないように、冒頭に記載した形式
のレンズ鏡胴を提供することであつた。

問題点を解決するための手段 前記課題は、本考案に基づき冒頭に記載した形
式のレンズ鏡胴において、上記鏡胴部材の一方に
環状溝１５が設けられており、該溝１５にその全
周にわたつて半径方向で弾性的に、他方の鏡胴部
分の円筒面１７に接触する、良好な乾燥潤滑特性
を有する材料から成る部材１６が嵌合されている
ことにより解決されることが判明した。

作 用 本考案に基づく構成によれば、その全周にわた
つて半径方向で弾性的に、他方の鏡胴部分の円筒
面に接触する部材によつて両者の鏡胴部材間の間
隙が展開される、この場合この部材のために良好
な乾燥滑り特性を有する材料を選択することによ
り、例えばレンズのフオーカシングのために鏡胴
のフオーカスリングにかけられるべきトルクがシ
ールされていないレンズに比較してほとんど高め
られないように配慮されている。

特に有利な構成は、実用新案登録請求の範囲第
２項記載の対象である。この実施態様で設けられ
た半径方向で弾性の部材は、実用新案登録請求の
範囲第３項又は第４項記載に基づき構成されてい
てもよい。この場合には特に弾性部材としてシリ
コーンホースを選択することにより構造が特に簡
単になる。

考案の効果 本考案の構造は、既存の写真レンズにも大した
コストをかけずに後から装備することができる程
に極めて簡単である。

雑音消去に対する要求が特に高い場合には、レ
ンズ鏡胴の多数の位置に半径方向で弾性的に嵌合
されたプラスチツク条片を有する夫々１つの溝を
設けるのが特に有利であることが立証された。

実施例 次に図示の実施例につき本考案を説明する。

第１図に示したシネカメラは、ハンドグリツプ
２が枢着されたカメラケーシング本体１と、カメ
ラレンズ３とから成る。このカメラレンズはフオ
ーカシングのために回動自在のリング４を有す
る。この実施例では、マイクロホン５がカメラケ
ーシング１と機械的かつ電気的に係脱自在に接続
されている。該マイクロホンはカメラケーシング
１から完全に分離されてカメラの固有の支持体に
配置されていてもよい。

運転雑音がカメラケーシング１の内部からレン
ズ３を通つてマイクロホン５に達するのを阻止す
るために、レンズ３は本考案に基づき構成された
鏡胴を有する。

このような鏡胴は例えば第２図に部分的に断面
して示されている。該レンズは第１の固定の又は
カメラと係脱自在に結合された鏡胴部材６を有
し、該鏡胴部材はフオーカシングリング４によつ
て包囲されている。このリングはピン７で第２の
鏡胴部材９のらせん状溝８に係合する。この部材
９は鏡胴部材６内の軸線方向に延びるスリツト１
２内をピンで直線的に案内される。従つて、フオ
ーカシングリング４を回転させると、第２の鏡胴
部材９、ひいては該部材と結合されたレンズの前
玉１３は矢印１４の方向に運動せしめられる。

第１のカメラ固定の鏡胴部材６には、環状溝１
５が設けられている。この溝には細長いプラスチ
ツク条片１６が嵌合され、該条件は第２の鏡胴部
材９がその円筒面１７上を運動する際にシール状
態で滑動する。該プラスチツク条片１６はその全
長にわたつて半径方向で弾性的に第２の鏡胴部材
９の円筒面１７に接触する。図示の実施例では、
溝１５内に嵌合されたシリコーンホース１８から
条片１６に半径方向に向かうばね力が作用する。

プラスチツク条片１６は良好な乾燥滑り特性を
有する材料から成る。このような材料としては、
商品名“テフロン”又は“ルーロン（Rulon）”
で市販されているプラスチツクを使用することが
できる。これらの材料は、カメラレンズ３のフオ
ーカシングのためにリング４にかけられるべきで
あるトルクがシールされていないカメラレンズに
対して識別されうるように高められないほど良好
な滑り特性を有する。

第２図及び第３図のシリコーンホース１８の代
りに半径方向で弾性の部材として、例えば第４図
の実施例に示されているような板ばね１９を使用
することもできる。また、別の弾性部材も可能で
ある。しかしながら、いかなる場合でも、シール
条片１６はその全周にわたつて均一に弾性的に鏡
胴部材９の円筒状面に接触することが保証される
べきである。

更に、カメラレンズを最高感度のマイクロホン
のためにも雑音が外部に達し得ないように構成す
べき場合には、第２図の実施例に示されているよ
うに、複数の弾性部材を設けるのが有利である。
この場合には、第２の溝１５′が設けられ、該溝
内にシール条件１６′が嵌合され、該シール条件
はその全周にわたつてシリコーンホース１８′の
ばね作用を受けて鏡胴部材９の円筒面１７に接触
する。

【図面の簡単な説明】

第１図はカメラレンズの前方に配置されたマイ
クロホンを有するシネカメラの側面図、第２図は
第１図のカメラレンズの部分的断面した側面図、
第３図は本考案によるレンズ鏡胴の１実施例の拡
大断面図及び第４図は別の実施例の拡大断面図で
ある。 １……カメラ、６……第１の鏡胴部材、９……
第２の鏡胴部材、１３……光学部材（前玉）、１
５，１５′……溝、１６，１６′……接触部材（プ
ラスチツク条片）、１７……円筒面、１８，１９
……弾性部材、（１８……シリコーンホース、１
９……板ばね）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ カメラ１と結合された第１の鏡胴部材６と、
   該第１の鏡胴部材内に支承され、光学部材１３
   を保持しかつ軸線方向で可動な第２の鏡胴部材
   ９とを有するレンズ鏡胴において、上記鏡胴部
   材の一方に環状溝１５が設けられており、該溝
   １５にその全周にわたつて半径方向で弾性的
   に、他方の鏡胴部分の円筒面１７に接触する、
   良好な乾燥滑り特性を有する材料から成る部材
   １６が嵌合されていることを特徴とするレンズ
   鏡胴。 ２ 溝１５が方形の横断面を有し、該溝内にまず
   半径方向で弾性の部材１８，１９がかつその上
   に方形の横断面を有する細長いプラスチツク条
   片１６が嵌合されている、実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のレンズ鏡胴。 ３ 半径方向で弾性の部材がシリコーンホース１
   ８から成る、実用新案登録請求の範囲第２項記
   載のレンズ鏡胴。 ４ 半径方向で弾性の部材が板ばね１９から成
   る、実用新案登録請求の範囲第２項記載のレン
   ズ鏡胴。 ５ 多数の位置に半径方向で弾性的に嵌合された
   プラスチツク条片１６，１６′を有する夫々１
   つの溝１５，１５′が設けられている、実用新
   案登録請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項に記載のレンズ鏡胴。