JP2001337257A

JP2001337257A - 遮蔽装置

Info

Publication number: JP2001337257A
Application number: JP2000157973A
Authority: JP
Inventors: Noboru Akami; 昇赤見; Takanori Shioda; 貴則塩田
Original assignee: Nikon Corp
Current assignee: Nikon Corp
Priority date: 2000-05-24
Filing date: 2000-05-24
Publication date: 2001-12-07
Also published as: KR20010107706A; US20010048557A1; CN1325037A; US6619806B2

Abstract

(57)【要約】【課題】筒体に嵌合する遮蔽部材が筒体表面との摩擦
により削られて、筒体表面を汚すことが無く、また筒体
が偏心しても遮蔽部材との間に隙間が生じて漏光するこ
との無い遮蔽装置を提供する。【解決手段】枠体１の開口部の内周と筒体５の外周と
の間に、その内周が筒体５の外周部に摺動可能に配置さ
れる環状の遮蔽部材９を有する遮蔽装置において、この
遮蔽部材９の外周部を枠体に固定するとともに、筒体５
に接触する部分を筒体の外周部表面とほぼ同色、或いは
ほぼ透明色で構成する。また、筒体５に嵌合する遮光部
材８を、その外周部が固定されていない状態で配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は相対的に移動する部
材間の隙間を遮蔽する遮蔽装置に関するものであり、特
に光学機器の鏡筒と光学機器本体との隙間から内部に進
入する光線を遮光したり、あるいは当該隙間から内部に
侵入する水滴、塵埃等を遮断する遮蔽装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、カメラ本体とレンズ鏡筒のよう
に、相対的に移動する２つの部材の隙間から進入する光
を遮光する遮光装置として、例えば特開平６−２２２４
２２号公報や特開平１１−３０５２８６号公報に開示さ
れたものがあった。この遮光装置は、撮影レンズ鏡筒の
外周部に摺動可能に嵌合した環状（ドーナツ盤状）の遮
光部材と、該遮光部材を支持するための環状の支持部材
とから構成されており、前記遮光部材の内径寸法を前記
撮影レンズ鏡筒の外径寸法よりも小さくして遮光部材を
レンズ鏡筒の外周に嵌合させ、外周部と遮光部材とが密
着するように構成することが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の遮光
装置における遮光部材は、遮光効果を持たせる為に黒い
ゴムや合成皮革等の材料をシート状にしたものが一般的
であり、より遮光効果を上げるためには、環状の遮光部
材の内径寸法を、レンズ鏡筒との接触圧を高めるように
構成する必要があった。

【０００４】また、環状の遮光部材の外周部をカメラ本
体や一部の鏡筒に固定することにより鏡筒のガタツキ防
止の機能を持たせた遮蔽装置にあっては、カメラ本体と
鏡筒、或いは複数の鏡筒どうしに偏心が生じた場合に遮
蔽部材と鏡筒との間で部分的に接触圧が低下したり増加
したりする。ところで近年では、撮影レンズ鏡筒の外観
面は従来の黒色のみならず、デザイン性や高級感を重視
して金属質を表現したいという要望からメタリック塗装
を施した製品が多い。この種の鏡筒の塗装表面は、塗料
の中に含まれているアルミニウムの粉で、いわばヤスリ
のような状態であるといっても過言ではない。

【０００５】このような撮影レンズ鏡筒の表面を遮光部
材が摺動すると削られてしまい、削り滓が撮影レンズ鏡
筒の表面に付着して汚してしまう。特に上記のような接
触圧の増加は汚れの大きな原因となり、製品イメージの
悪化に繋がりかねないため避ける必要があった。一方
で、上述の偏心により接触圧が低下すると、遮光部材と
鏡筒との間に隙間が生じ易くなり、遮蔽不良の恐れが出
てくる。この意味からも上記の汚れ防止の為に接触圧を
むやみに低下させることはできないという、相反する制
約があった。

【０００６】本発明の目的は、遮蔽部材の摺動により筒
体が汚れることの無い遮蔽装置を提供することにある。
また、さらに、遮蔽装置の摺動による筒体の汚れを防ぐ
とともに、例え筒体が偏心した場合でもより確実に遮蔽
することのできる遮蔽装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】上記目的のため請求項１に
係る本願発明は、開口部を有する枠体（１，４）と、前
記枠体に対して相対的に移動可能な筒体（５）と、前記
枠体の開口部の内周と前記筒体の外周との間に配置され
る環状の遮蔽部材（９）とを有する遮蔽装置において、
前記環状の遮蔽部材（９）は、その内周が前記筒体
（５）の外周部に摺動可能に嵌合するとともに、前記筒
体に接触する部分（９ａ，９ｃ）を前記筒体の外周部表
面とほぼ同色に、または、当該部分をほぼ透明色で構成
することとした。

【０００８】また請求項２に係る本願発明は、請求項１
の遮蔽装置において、前記遮蔽部材（９）はその外周部
が前記枠体に固定されており、前記遮蔽装置は、内周部
が前記筒体（５）の外周部に摺動可能に嵌合するととも
に少なくとも径方向に移動可能に設けられた遮光部材
（８）をさらに備えることとした。さらに請求項３に係
る本願発明は、請求項１または２に記載の遮蔽装置にお
いて、前記遮蔽部材（９）は、前記筒体に接触しない部
分を遮光性を有する部材（９ａ）とした。

【０００９】また請求項４に係る本願発明は、請求項１
〜３に記載の遮蔽装置において、前記枠体はカメラボデ
ィであり、前記筒体はレンズ鏡筒であることとする。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による遮蔽装
置を図１乃至図３を用いて説明する。図１は本実施の形
態による遮蔽装置を備えたカメラの断面図であり、図２
は当該カメラの遮蔽装置を含む主要部分の構成を示す分
解斜視図である。また、図３は、図１に示すカメラの遮
蔽装置を拡大して示す図である。

【００１１】カメラの外観を構成するカバー１は、不図
示の種々の機構を固定するボディ本体２を覆っている。
３はフィルム圧板であり、本体２との間に不図示のフィ
ルムを通す隙間を形成する。撮影光学系は第一レンズ群
Ｌ１と第二レンズ群Ｌ２とからなり、この第一レンズ群
Ｌ１と第二レンズ群Ｌ２が光軸Ｉ方向にそれぞれ移動す
ることで、焦点距離を変更する。

【００１２】撮影光学系を備えたレンズ鏡筒は、固定筒
４、移動筒５、カム筒６、レンズ室７から構成され、カ
バー１の開口部に対し、光軸方向Ｉに進退可能に配置さ
れている。レンズ鏡筒の固定筒４はボディ本体２に固定
されており、この固定筒４の内周部には雌ヘリコイド４
ａが形成されている。移動筒５は、固定筒４の雌ヘリコ
イド４ａに雄ヘリコイド５ａで螺合しており、自ら回転
することにより光軸Ｉ方向に進退する。第一レンズ群Ｌ
１は移動筒５の内筒部５ｂに保持され、第二レンズ群Ｌ
２はレンズ室７に保持されている。カム筒６は移動筒５
の内周部に固定されており、移動筒５と一緒に回転する
ことで、第二レンズ群Ｌ２を光軸方向Ｉに移動する。
尚、移動筒５を駆動するための機構、及び第二レンズ群
Ｌ２を移動するための機構は、いずれも周知の機構を用
いているため、詳細な説明は省略する。

【００１３】さて、カバー１の開口部と移動筒５との間
には、それらの隙間から進入する光、塵埃等を遮蔽する
ための遮蔽装置が設けられている。この遮蔽装置は、主
に遮光の目的で設けられた遮光部８と移動筒５のガタツ
キ防止の目的で設けられた支持部９とからなる。この遮
光部８は、遮光効果を有する伸縮可能なゴム等の材料か
らなる環状（ドーナツ盤状）の弾性部材８ａと、この弾
性部材８ａの外周部分の剛性を確保するために弾性部材
８ａに接着等により固定された環状の芯材８ｂとから構
成される。そして遮蔽部８は、弾性部材８ａの内径を移
動筒５の外径よりも小さくしてあり、移動筒５に嵌合し
た際に図３に示す形状となり、移動筒５の外径に密着す
る。これにより、光の進入を阻止する。さらに、遮蔽部
８の外周には、カバー１の内部段差部との間に隙間８ｃ
が設けてある。

【００１４】次に支持部９は、弾性を有する無色（或い
は移動等の表面に塗装された塗料とほぼ同色）のゴム等
の材料からなる環状の弾性部材９ａと、この弾性部材９
ａの外周部分の剛性を確保するために弾性部材９ａに接
着等により固定された環状の芯材９ｂとから構成され
る。この支持部９は、弾性部材９ａの内径を移動筒５の
外径よりも小さくしてあり、移動筒５に嵌合した際に図
３に示す形状となり、移動筒５の外径に密着する。これ
により、移動筒５への密着性、耐汚れ性を実現したレン
ズ鏡筒の支持部を構成できる。

【００１５】尚、支持部９として、図４に示すように、
弾性、及び遮光性を有するゴム等の材料からなる環状の
弾性部材９ａと、この弾性部材９ａの一方の面に設けた
摺動性のあるテフロン等の低摩擦層９ｃと、弾性部材９
ａの外周部分の剛性を確保するために弾性部材９ａに接
着等により固定された環状の芯材９ｂとで構成するよう
にしても良い。

【００１６】図４に示す支持部９においても、弾性部材
９ａと低摩擦層９ｃの内径を移動筒５の外径よりも小さ
くしてあり、移動筒５に嵌合した際に図４に示す形状と
なり、移動筒５の外径に密着する。さらに低摩擦層９ｃ
に摺動抵抗の少ないテフロン等を使用したことにより、
鏡筒の動きが軽くなる。つまりこの場合は、上記の移動
筒への密着性、耐汚れ性に加え、低摩擦層９ｃによる摺
動性、弾性部材９ａによる遮光性をも実現できることに
なる。特に、支持部９は遮光性を有する弾性部材９ａを
備えることで、例えば、万一カバー１と遮光部８の隙間
から漏光した場合でもこの光を遮光することができる。

【００１７】ところで、第１レンズ群Ｌ１と第２レンズ
群Ｌ２を保持する移動筒５は、その光学性能をフルに発
揮するためには、移動した光軸方向のどの位置において
も、倒れや偏芯が有ってはならない。このため移動筒５
は一方を雄ヘリコイド５ａで固定筒４の雌ヘリコイド４
ａに螺合することで支持され、他方は支持部９を固定筒
４の先端部に接着等で固定することで支持部９により支
持される。これにより、移動筒５は移動したどの位置に
おいても倒れや偏芯を生じ難くなる。

【００１８】一方、遮光部８は光軸方向Ｉにおいてカバ
ー１の内面と支持部９との間の空間に配置されるととも
に、光軸方向Ｉと直交する方向において支持部９の外周
とカバー１の内壁面との間に隙間８ｃを設けて移動筒５
に嵌合しているだけで固定されていない。これにより、
万一移動筒５が固定筒４に対して一時的にでも偏芯した
としても、遮光部８の移動筒５表面に対する接触状態は
変わらず、隙間が生じて漏光することが防止できる。

【００１９】以上のように本実施の形態による遮蔽装置
によれば、移動筒５の外観面に高級感を出すためのシル
バーメタリック塗装等を行ったした場合、前述したよう
に塗料に含まれたアルミニュウムの粉が、図３に示すよ
うな支持部９の弾性部材９ａ（或いは図４に示すような
低摩擦層９ｃ）を削ってしまう。しかしながら、図３の
弾性部材９ａ、若しくは図４の低摩擦層９ｃを無色、或
いは塗装色に近い例えば灰色の材料とすれば、これらが
削れて移動筒５の表面に付着したとしても、汚れは目立
たない。尚、移動筒５の塗装色がシルバーメタリックの
場合、その色の明暗に合わせて弾性部材９ａ、若しくは
低摩擦層９ｃの色を白色としても良い。又、移動筒５の
塗装色が、シャンパンゴールドのメタリック塗装の場
合、低摩擦層９ｃの色を薄い茶色としても良い。このよ
うに、塗装色に合わせて低摩擦層９ｃの材料の色を決定
すれば汚れを目立たなくすることが可能となる。

【００２０】一方、遮光部８の弾性部材８ａも移動筒５
に接触しているが、遮光部８は光の進入を阻止できれば
十分なため、支持部９ほどに強い力で移動筒５に嵌合す
る必要は無い。従って、塗装表面のアルミニュウム粉に
よって遮光部８の弾性部材８ａが削られる可能性は低
い。次に、本発明の実施の形態による遮蔽装置の変形例
を、図５を用いて説明する。尚、同様の機能を果たすも
のは図１〜図４と同一の符号を付して詳細な説明を省略
する。

【００２１】前述の例では、支持部９を固定筒４の先端
に固定して移動筒５を保持する構成としたが、図５に示
す遮蔽装置では支持部９をカバー１の内壁面に接着等に
より固定されている点で異なる。また、遮光部８はカバ
ー１と固定筒４の先端部との空間に配置されている。さ
らに、図４に示すのと同様に、支持部９の弾性部材９ａ
は遮光効果のある材料とし、無色、或いは移動筒５の表
面塗装とほぼ同色の低摩擦層９ｃを備えている。

【００２２】この構成により支持部９は、カバー１と移
動筒５との隙間から進入する光線の殆どを遮断でき、僅
かに漏光したものも遮光部８によりほぼ完全に遮光でき
る。また、この構成によれば、支持部９（特に低摩擦層
９ｃ）から進入する光線は方向と量が限られるので、遮
光部８の移動筒５の締め付け力（接触圧）を弱くするこ
とができる。加えて、図３，４に示す遮光装置に比べて
移動筒５の支点間隔が長くなるので、移動筒５のガタツ
キや偏心が低減できる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように請求項１に係る本発明によ
れば、枠体と筒体との間に配置される筒体に嵌合する遮
蔽装置の、筒体に接触する部分を透明色、或いは筒体の
外周部表面とほぼ同色に構成したことにより、本来の塵
埃等の遮蔽効果に加え、筒体の表面に塗装された塗料が
含む金属粉等による表面粗さにより遮蔽装置が削られて
筒体表面に付着した場合にも、筒体表面を汚すことが防
止できる。

【００２４】また、請求項２に係る本発明によれば、上
記遮蔽部材の外周部を枠体に固定し、さらに筒体の外周
部に摺動可能に嵌合するとともに少なくともその径方向
に移動可能に設けられた遮光部材を備える構成としたた
め、遮蔽部材により筒体のガタツキや偏心を低減でき、
万一筒体が偏心した場合にも遮光部材と筒体との間に隙
間が生じ難いため、漏光を防ぐことが可能となる。

【００２５】さらに、請求項３に係る本発明によれば、
上記遮蔽部材の筒体に接触しない部分を、遮光性を有す
る部材としたため、塵埃等の遮蔽効果に加えて遮光効果
を持たせることができる。また、請求項４に係る本発明
によれば、上記枠体をカメラボディとし、上記筒体をレ
ンズ鏡筒としたため、レンズ鏡筒の偏心を効果的に抑
え、且つ漏光の可能性の極めて低いカメラを構成するこ
とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態による遮蔽装置を備えたカメラの
断面図

【図２】図１に示すカメラの遮蔽装置を含む主要部分の
構成を示す分解斜視図

【図３】図１に示すカメラの遮蔽装置を拡大して示す図

【図４】カメラの遮蔽装置の変形例を示す図

【図５】カメラの遮蔽装置の変形例を示す図

【符号の説明】

１・・・カバー４・・・固定筒５・・・移動筒８・・・遮光部８ａ・・・弾性部材９・・・支持部９ａ・・・弾性部材９ｃ・・・低摩擦層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】開口部を有する枠体と、前記枠体に対して相対的に移動可能な筒体と、前記枠体の開口部の内周と前記筒体の外周との間に配置
される環状の遮蔽部材とを有する遮蔽装置において、前記環状の遮蔽部材は、その内周が前記筒体の外周部に
摺動可能に嵌合するとともに、前記筒体に接触する部分
を前記筒体の外周部表面とほぼ同色に、または、当該部
分をほぼ透明色で構成したことを特徴とする遮蔽装置。
【請求項２】前記遮蔽部材は、外周部が前記枠体に固
定されており、前記遮蔽装置は、内周部が前記筒体の外周部に摺動可能
に嵌合するとともに、少なくとも径方向に移動可能に設
けられた遮光部材をさらに備えたことを特徴とする請求
項１に記載の遮蔽装置。
【請求項３】前記遮蔽部材は、前記筒体に接触しない
部分を遮光性を有する部材とすることを特徴とする請求
項１または２に記載の遮蔽装置。
【請求項４】前記枠体はカメラボディであり、前記筒
体はレンズ鏡筒であることを特徴とする請求項１〜３に
記載の遮蔽装置。