JPH0215843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば多数の小物物品をケースを介
して格納し、そして必要に応じて該当するケース
を移載機と対向する位置に移動させるところの、
複数種の小物物品を保管する場合などに採用され
る回転棚設備に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、此の種のものとしては、例えば特開昭48
年47073号公報に見られるように、上下一対のレ
ール溝にベアリングを介して案内されるリンクプ
レートを上下複数段配設し、これらリンクプレー
トを各段毎に正逆駆動可能とし、さらに各リンク
プレートの前面側に複数のストツカー棚を設けて
ストツカー装置を構成すると共に、外側適所に取
り出し装置を配設した構成が提供されている。こ
の従来例において、リンクプレートを駆動して目
的とするストツカー棚（物品）を取り出し装置に
対向させたとき、慣性移動、製作精度、組立て精
度、リンクプレートの伸びなどによつて停止位置
が不揃いとなり、取り出し装置による取り出し作
業を円滑かつ正確に行なえない。特にストツカー
棚側の重量が大であつたり、或いは全体が大型で
あつたときには慣性移動による停止不揃いは激し
いものとなる。

考案の目的 本考案の目的とするところは、停止直後に停止
位置を修正し得る回転棚設備を提供する点にあ
る。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案における回転
棚設備は、上下一対の環状レールと、これら環状
レールに案内されて環状経路を移動自在な複数の
荷格納体と、前記環状経路に沿つて移動自在に配
設され且つ前記荷格納体を連結した駆動体とによ
り回転棚を構成し、この回転棚の外側適所に移載
機を配設し、この移載機の近くで環状経路の内側
に、前記駆動体に作用して荷格納体の移動方向に
おける位置決めを行なう位置決め装置を設けてい
る。

かかる構成によると、駆動体を停止させて目的
とする荷格納体を移載機に対向させた後に、位置
決め装置を作動して駆動体に作用させることによ
つて、当該荷格納体の移動方向における位置修正
と位置決めとを行なえる。

実施例と作用 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図〜第３図において、１は回転棚で、枠組
状の本体２と、この本体２側に支持案内されて環
状経路３を移動自在な複数の荷格納体４などから
構成される。本体２は、多数の支持枠５と、これ
ら支持枠５間に亘つて配設した上下の環状レール
と、前記荷格納体４を移動させる駆動装置などか
ら構成される。前記支持枠５は、左右一対の支柱
６と、これら支柱６の下端間に取付けた下部枠７
と、支柱６の上端間に取付けた上部枠８と、支柱
６の中間に取付けた１個の中間部枠９と、前記下
部枠７に取付けた複数の着地具（柱脚やアンカな
どからなる）１０とから構成され、適当間隔置き
に多数並設される。前記上部枠８の下面間ならび
に中間部枠９の下面間には、チヤンネル状の溝状
レール（上部用環状レールの一例）１１がその開
放部を下向きとして環状に配設され、また中間部
枠９の上面間ならびに下部枠７の上面間には、ロ
ツド状やパイプ状などの条状レール（下部用環状
レールの一例）１２が支持部材１３を介して環状
に配設されている。したがつて支持枠５を適当間
隔置きに多数並設し、そして支持枠５間に両レー
ル１１，１２を配設（固定）することにより枠組
状で剛体化される。その際に支持枠５の使用本数
と両レール１１，１２の継ぎ足し本数を増減させ
ることにより、全体の大きさ（規模）が注文に応
じて決定される。両端の支持枠５と近接する内側
の支持枠５とはハウスブレス１４により補強連結
され、またテール部の外側を囲むガード１５がハ
ウスブレス１６を介して両端の支持枠５に連結さ
れている。

第４図、第５図に示すように前記荷格納体４は
前面開放の箱枠状で、その内部に受け片１７を設
けて、多数のケース（バケツト）１８を格納し支
持し得るように構成してある。なおケース１８の
格納数は任意に決定されるものであり、またケー
ス１８を使用しないで荷を直接に格納し得る構成
でもよい。前記荷格納体４の後面側下部には、前
記条状レール１２に支持案内されて転動自在な車
輪１９が複数個取付けられ、また荷格納体４の後
面側上部には、前記溝状レール１１に嵌合するガ
イドローラ２０が縦軸２１を介して複数個取付け
てある。さらに荷格納体４の上部と下部とには前
面側に向く検出プレート２２が取付けてあり、そ
して最後部における上部と下部とには、ボルトや
ナツトからなる駆動体取付け具２３が設けてあ
る。

両テール部には夫々輪体が配設され、これら輪
体間に掛張されるチエン（駆動体）２４が前記取
付け具２３を介して荷格納体４に連結される。す
なわちテークアツプ機構を有さない側のテール部
においては、第６図、第７図に示すように、支持
枠５側と一体のベースフレーム２５に上下一対の
軸受２６を取付け、これら軸受２６間で回転自在
に支持される縦方向の駆動軸２７に上下一対の駆
動輪体２８を取付けている。そしてベースフレー
ム２５上に設けたパルスエンコーダ付きのギヤー
ドモートル２９と前記駆動軸２７とを無端伝動装
置３０を介して連動連結している。第８図、第９
図に示すように、テークアツプ機構３１を有する
側のテール部においては、支持枠５側と一体のベ
ースフレーム３２の上面に摺動体３３を載置し、
そしてベースフレーム３２と摺動体３３との間に
ボルト・ナツトなどからなる摺動操作具３４を設
けると共に、摺動体３３の上面に下部軸受３５Ａ
を取付けている。またベースフレーム３２の下面
に配設される角フランジ形ユニツトからなる上部
軸受３５Ｂは、ベースフレーム３２との間に設け
た摺動操作具３６によつて摺動自在となる。両軸
受３５Ａ，３５Ｂによつて回転自在に支持される
従動軸３７には上下一対の従動輪体３８が取付け
られる。そして横方向において相対向する駆動輪
体２８と従動輪体３８とに亘つて前記チエン２４
が掛張される。

第１図〜第３図に示すように、環状経路３にお
ける直線部の外側に２台（台数は限定しない）の
移載機３９が配設され、この移載機３９は昇降台
４０に出し入れ機構４１を設けて、２段配列の荷
格納体４に対してケース１８を出し入れ自在とし
ている。そして移載機３９の近くに、荷受台４
２、作業台４３、制御盤４４などを設けている。

第２図に示すように、環状経路３の内側となる
本体２内で且つ移載機３９の近くにおいて、前記
チエン２４に作用して荷格納体４の移動方向にお
ける位置決めを行なう位置決め装置４５を設けて
いる。この位置決め装置４５は第１０図、第１１
図に示すように、支持枠５側に一体のベース４６
と、このベース４６に取付けた移動方向に一対の
ブラケツト４７と、これらブラケツト４７に夫々
縦ピン４８を介して揺動自在に取付けたリンクプ
レート４９と、これらリンクプレート４９の中間
から連設したクランプ片５０と、前記ベース４６
に取付けたブラケツト５１と両リンクプレート４
９の遊端との間に配設したシリンダ装置５２と、
シリンダ操作用の電磁弁５３とからなり、両シリ
ンダ装置５２の作動によつてクランプ片５０が、
下位に配設したチエン２４の移動経路に対して揺
動しながら出退するように構成してある。その際
に両クランプ片５０は互いに接近する方向に揺動
することにより突入し、そして１ピツチを形成す
る両ローラ５４に夫々外側から接当すべく構成し
てある。

次に上記実施例の作用を説明する。回転棚１に
おいては、ギヤードモートル２９の正逆回転力が
無端伝動装置３０を介して駆動軸２７に伝わり、
駆動輪体２８を介してチエン２４を正逆移動させ
る。これにより、チエン２４と一体の荷格納体４
が両レール１１，１２に支持案内されて正逆移動
し、以つて目的とする荷格納体４を移載機３９に
対向させて停止させ得る。そして移載機３９によ
つて、荷格納体４と荷受台４２との間でケース１
８の受け渡しが行なわれる。なお荷格納体４の移
動は両段において各別に行なわれる。

目的とする荷格納体４を移載機３９に対向させ
て停止させたとき、その停止位置は必ずしも一定
でなく、ずれていたときには移載機３９による移
載が円滑にかつ正確に行なえない。これに対して
は、停止させた直後に位置決め装置４５を作動さ
せる。すなわち第１０図仮想線で示す退入位置に
ある両クランプ片５０を、両シリンダ装置５２の
伸展動によつて実線で示すようにチエン２４内に
突入揺動させ、一枚のリンクの両端に位置する両
ローラ５４に両クランプ片５０を外側から接当さ
せて挟持することにより、停止のバラツキの修正
と機械的なロツクとが行なえる。

上記実施例では、支持枠５における中間部枠９
を１つ設けて全体として２段形式を示したが、こ
れは２つ以上設けてさらに多数段としてもよい
し、或いは設けないで１段形式としてもよい。

考案の効果 上記構成の本考案における回転棚設備による
と、駆動体を停止させて目的とする荷格納体を移
載機に対向させた後に、位置決め装置を作動させ
ることによつて、当該荷格納体の移動方向におけ
る位置修正と位置決めとを行なうことができ、こ
れにより停止時に不揃いであつた荷格納体を移載
機に正しく対向させることができて、該移載機に
よる移載作業を常に円滑かつ正確に行なうことが
できる。さらにこのことは、全体の大型化を容易
に可能にでき、また各種精度や伸びなどにそれほ
ど神経を使わなくてもよいことになる。そして位
置決め装置を環状経路の内側に設けることによつ
て、デツドスペースを有効に利用できるととも
に、移載機の周辺を簡素化できる。また位置決め
装置を駆動体に作用させることによつて、その位
置決め時に荷格納体と駆動体との連結部に負荷が
かからず、その好適な連結を長期間に亘つて維持
できるとともに、位置決め装置自体の小型化をは
かることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の正面図、第２図は同平面図、第３図は同側面
図、第４図は荷格納体の側面図、第５図は同正面
図、第６図はテークアツプ機構を有さないテール
部の縦断正面図、第７図は同平面図、第８図はテ
ークアツプ機構を有するテール部の縦断正面図、
第９図は同平面図、第１０図は位置決め装置部の
平面図、第１１図は同側面図である。 １……回転棚、３……環状経路、４……荷格納
体、１１……溝状レール（環状レール）、１２…
…条状レール（環状レール）、１８……ケース
（バケツト）、１９……車輪、２０……ガイドロー
ラ、２４……チエン（駆動体）、３９……移載機、
４０……昇降台、４１……出し入れ機構、４５…
…位置決め装置、４９……リンクプレート、５０
……クランプ片、５２……シリンダ装置、５３…
…電磁弁、５４……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下一対の環状レールと、これら環状レールに
   案内されて環状経路を移動自在な複数の荷格納体
   と、前記環状経路に沿つて移動自在に配設され且
   つ前記荷格納体を連結した駆動体とにより回転棚
   を構成し、この回転棚の外側適所に移載機を配設
   し、この移載機の近くで環状経路の内側に、前記
   駆動体に作用して荷格納体の移動方向における位
   置決めを行なう位置決め装置を設けたことを特徴
   とする回転棚設備。